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Written on 2011 06 27

試飲会レポート

Jun 27, 2011 by toshiaki |
昨日は暑い中ご来店いただきありがとうございました。
今回急遽、ウェルカムを兼ねてモスカートのフリザンテをだしたのは正解だったようです。
「プハー、旨い!」
よく冷やしてますから、汗が引っ込むはず(笑)。
「普段は甘いワインは飲みませんが、こうした時はイイですよね(笑)。もう一杯いただけますか(笑)?これ食べ物に合わせるとしたら何が良いでしょう?」
私曰く「レトルトのカレー『リーの5倍』なんか食べながら飲むと旨いですよ(笑)。しかもエアコンの効かない場所で汗かきながらですと、旨さ倍増(笑)。下世話ですいません(笑)。」
「このフリザンテ、割とガス圧が高いですよね。普通もうちょっと低いですよね?」
私「そうなんです。このくらいの方が日本人の口に合うかと。あとこのくらいガスがあった方が甘く感じません。喉越しの清涼感も増します。」
「そーですよね。あのベタッと甘いマスカットの味わいだと飽きますもんね(笑)。」
ワインはTPOに応じて飲むべきことを教えてくれました(笑)。

さて、次はルーセット・ド・サヴォア『アルテス』です。
「マスキューさん。これでサヴォアシリーズ完成ですね(笑)。」
私曰く「先月このワインは間に合わなくて。これでジャケール、シャスラにルーセット揃い踏みです(笑)。ちなみにヴァン・ド・サヴォア『アビーム』の生産者プィリップ・ラヴィエールが造ったものです。」
「切れるねぇ(笑)。でもそれだけじゃないな。ちょっとハーブっぽさが…。」
家内曰く「植物っぽさ。オイルっぽい粘性があるんですよね。」
「そうそう!かなり上等で独特のワインだね。」
私曰く「やはりサヴォアの辛口白ワインではルーセットが一番に評価されるのも分かりますね。完成されてますよね。」
「複雑な酸っぱさ(笑)。」
「このワイン食べ物に合わせるとしたら、やはりハードタイプのチーズですかね?」
私曰く「それは鉄板ですよね(笑)。あと今、思いついたのですが、トムヤンクンです。あのレモングラスの香りと合いそうだと思いませんか?」
「あーイイね!あの出汁っぽい味わいにはこのくらい酸があった方が合うね!」
「ラベルに書いある『アルテス』ってどんな意味なんですか?」
家内曰く「どうやら地元のローカルな品種の呼び方みたいです。アペラシオンでは『ルーセット』なんですが(笑)。なんでも十字軍がギリシャから持ち帰ったことに由来するらしいですよ。」
「ほうー。アルテス→アリストテレス(爆笑)。」

さて『アルテス』の対抗が『サリーナ』です。
「またへんなところのワイン見つけて来ましたね(笑)。シチリア島の近くでしたっけ?」
私曰く「島民が2400人くらいの小さな島です。海岸線は切り立ってますから、畑は割と標高が高い斜面です。作業効率は悪そうです(笑)。」
「おっ。緻密!しっかりしてるね。」
「マルヴァジアってこんな味だっけ?もっとチャラくなかった?」
私曰く「そーなんです。不思議ですよね。サルデニア島のヴェルメンティーノに似てますよね。食べ合わせもやはり『カラスミのパスタ』ですかね(笑)。」
「マスキューさんカラスミ好きだからなぁ(大爆笑)。」
「グレープフルーツが丸ごと凝縮して入った感じ。しかもミネラルがタップリあるから、揺るぎませんね。オリーヴオイルには合うでしょうね。あとトマトにも合うはず(笑)。」
私曰く「さすが、プロ。」
「前に飲んだ『アルテス』は魚の香草焼きなんかが良く、この『サリーナ』は魚をオリーヴオイルで焼いたら良さそうですね。」
じつは後で気づいたのですが、『アルテス』と『サリーナ』を両方お買い上げ下さった方が多く、実売本数が同数でした。よってこの勝負引き分け(笑)!

さてこれより赤ワインです。まずはシチリア島の『ピニャ・ネロ』です。
私曰く「この赤ワイン、マルサラの生産者『ペリグリーノ社』が造っています。マスキューの定番として長年使ってますが、ビックリするほど良くなりました(笑)。」
「おっ。美味しいじゃありませんか!香りの広がりが素晴らしい!」
私曰く「そーなんです。香りの出方がピノ・ノアール的なんです。あと香りの抜けと広がりがすごく良いのです。ちょっと冷やすとベストです。」
「うーん。確かにシチリア的じゃないよね。重くないもんね。でも薄くはない。アルコール分も高くない。12.5%くらいですか?」
私曰く「えーと。ラベルに書いてない(馬鹿な!)。(しばし探すとバックラベルに日本語で12.5%と小さく書いてありました。)さすが!正解です!」
「あまりアルコール分が高ければ良い訳ではないんですね。(一同実感。)」
「ところでなんで良くなったんですか?」
「インポーターさんに聞いたところ畑での栽培と醸造が良くなったらしいです。いままで出来た葡萄を片っ端から醸造していたのが、畑の性格によってロットを分けてつくるようになったようです(笑)。ですからこのワイン標高の高い冷涼な高地で育った葡萄で造った感があります。あと輸送に気を使っているようです。トラックでナボリに運ばずにシチリアから直接船に載せているようです。時間の短縮より安全性をとったようです。」
「990円かぁ。イイねぇ(笑)。」
本日のトップセラーとなりました(笑)。

さてお次は本物のピノ・ノアール、ジェラール・セガンの『キュヴェ・ジェラール』です。これもマスキューの定番として長く扱っているワインです。
「旨いね。やっぱりピノ・ノアールはイイ!」
「美しいよね。これ1本で満足するか『ピニャ・ネロ』2本買うか?迷うところですね(笑)。」
「ところでこのピノ・ノアールかなり美味しいですよね?」
私曰く「じつは中身はジュヴレイ・シャンベルダンの村名ワインです。タンニンが男性的でらしさがあります。通常2500円くらいで販売してますがラッキーがあり今回に限りこのお値段で…。」
「今回だけですか(笑)?しょうがないから買います(笑)。」
お許しを!

さて本日のメインイベント、ヘビー級の超新星の登場です。ローヌ・ウィラージュの雄、ロッシュ‐オードランの『レ・カイユ2009年』です。
「えっ!甘いけど凄い!何なんですかコレ(笑)?」
私曰く「樹齢100年のグルナッシュで造ったオードラン渾身のワインです。一樽のみ出来たようです。すべてが巨大で途方にくれます(笑)。私も今まで経験したことのないワインです。」
「うーん。ポートみたい(笑)。」
私曰く「ラベル表記ではアルコール分が15%をちょっと越えていますからヴァン・ド・ターブルとなってますが、実際は17%くらいあるようです。しかも、それでも残糖分がしっかりありますから、もともとの収穫時の葡萄糖度は300を越すのでは…」
「さっき飲んだワインは12.5%でドライに仕上がってましたよね?」
私曰く「そーなんです。アルコール添加したポートなどのレベルに自然の糖分だけで到達しているのです。私もこんなワインは初体験です。」
「液体の粘りが凄い。グラスに残る滴の跡が無くならない(笑)!」
「不思議なのは2009年なのに飲みやすい。シャトー・ヌフ・デュ・パフやエルミタージュなんかだったら口に入れるのも辛いはずなのに?」
家内曰く「タンニンのクリアさがオードランの特徴なんです。だから若くとも飲めちゃうんです。栽培、撰果に真骨頂があります。」
「感じる味わいの後ろに百太郎がいそう(笑)。」
「理解を越えてますな。でも私には甘すぎるかな。」
「どんな料理に合わせます?」
私曰く「考えつくのはフォアグラくらいですか?あとチョコレート。葉巻を吸いながらでも行けそうですね。」
「このワイン将来どうなるんですか?」
私曰く「分かりません。10年後に飲んでも変わらないかも?抜栓してから6時間経ちますが、全然変わりません(笑)。威容を湛えたままです。20年くらい経てば手の内をあかせてくれるかも知れませんが、その頃私は死んでるかも(笑)。」
戸惑いと驚嘆のワインでした。

皆様どうもありがとうございました。

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