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Written on 2013 09 01

桝久 試飲会リポート

Sep 01, 2013 by weblogland |
昨日は大変暑い中、ご来店いただきありがとうございました。
ワイン・ラヴァーの皆さんの熱意を感じました。
ありがとうございました。

「あれ?今日の試飲会は赤ワインから始まるんですか?」
私「はい。実は今日の白ワインはかなり強いものでして…。この順番の方が良いかと。」
●『ルーガベル』2011年 ドメーヌ・パン・デ・マルグリット フランス ラングドック 赤 サン・シニアン ヴァン・ド・フランス 750ml 1290円税込み
「これホントにラングドックなんですか?エレガントですよね?とにかくタンニンが滑らか!」
「どれどれ、マスキューさんの言う『血の香り』って?」
「あー、たしかに塩辛い(笑)。そして土臭い(笑)。でも凄くフルーティなんですね。」
「ハーブ?草の香りするよね。」
家内「サン・シニアンのベルルー村で造られたワインなんですが、2011年からサン・シニアン グラン・クリュを名乗ることが出来る優良な村のようです。」
「でも、このワインはヴァン・ド・フランスなんですよね?何故ですか?」
私「若い葡萄樹で造っているので、生産者自身の基準に合わないからのようです。」
「へぇー、真面目な方なんですね(笑)。」
家内「造り手にプライドがありますよね。」
「ラングドックの進化は凄いですよね。ちょっと前はラングドックのワインって『ラングドックのワイン』一くくりでしたもんね(笑)。」
「ところでマスキューさん、このワインは何℃ですか?」
私「セラーの温度14~15℃です。いかがですか?」
「ベストです(笑)。」
私「しかも今日は暑いので、ワインの試飲する前に冷たい水を飲んでいただいています。より飲みやすく感じ易くなっていただいているかと。」
「なるほど!水よりワインの方が温度は高いですもんね!マスキューさん芸が細かい(笑)。」
私「戦略です(笑)。」

さて続いてもラングドックの赤
●シャトー・フォンドゥース『キュヴェ・ジュリエット』2002年
●シャトー・フォンドゥース『キュヴェ・ジュリエット』2007年 赤 ドメーヌ・ド・フォンドゥース 南フランス V.P.D.オック 750ml 1650円税込み
ですが、順番を変えて2007年、2002年の順番となりました。
「このワイン、マスキューさん長く扱ってますよね。随分飲んでる(笑)。」
私「ありがとうございます。2000年、2002年、2007年と扱っています。いつも変わらず良いワインです(笑)。」
「比べると確かに違う!2002年が際だって旨い!」「2007年がダメな訳じゃないけど、2002年は完璧?」
「上手く言えないけど、『真円』?」
「ゴージャスじゃないけど、実に旨い。私2002年かなりの本数飲んでますが、こんなに美味しく感じるとは(笑)!」
「マスキューさん2002年はまだあるんですか?」
私「残念ながら最後の1本です。この日のためにとって置きました(笑)。」
「2002年から2007年に飛んでますが、何故?」
私「良い作柄の年しか造らないようです。」
「平気で10年持つラングドックなんて、今までの経験では考えられないよね。せいぜい2~3年だよね。」
「そうそう。凄く濃いのに寿命が短い(笑)。」
家内「熟成方法にも技があります。」
私「醸造したワインを古い大きな樽で一年ちょっと熟成してから、ステンレスタンクに移して更にゆっくり熟成させます。そして頃合いを見計らって瓶詰め出荷させます。瓶熟成の期間が短いので、品質にばらつきがありません。」
「それって、ローヌのドメーヌ・マズールのレ・プラドと同じですよね。」
私「そーなんです。似た味わいしますよね(笑)。」
「あの甘い土臭さは共通しますよね。」
私「アーティチョークみたいなニュアンスですよね。熟成香としか言いようがありませんね。」
「じゃあ、2002と2007に共通のコーヒーやカカオの香りも熟成香ですか?」
私「樽由来の熟成香です。ただし、最初に飲んだ『ルー・ガベル』のコーヒーやチョコレートっぽいほのかな香りは葡萄果由来です。木樽は一切使っていませんから。ソムリエ協会のテキストとは違いますね(笑)。」
「2007年はこのまま後5年経つと2002年のようになりますか?」
私「『はい』と言いたいところですが、断言できません(笑)。瓶熟成とステンレスタンク熟成では速度が違います。もちろん環境が違うと言うことです。」
家内「でも造り、セパージュは同じですから、2002年と2007年のワインとしての差は熟成だけと考えて良いかもしれませんね。」

さてこれから後半戦のドメーヌ・コアペのジェランソン・セックです。
〇ジェランソン・セック 『シャン・デ・ヴィーニュ』 2012年 ドメーヌ・コアペ フランス 白 南西地域 ジェランソン・セックA.C.750ml 1550円税込み
〇ジェランソン・セック『ジェゼー』2011年 ドメーヌ・コアペ フランス 白 南西地域 ジェランソン・セックA.C.750ml 750ml 2175円税込み
〇『セーヴ・ドトンヌ』2010年 ドメーヌ・コアペ フランス 白 南西地域 ジェランソン・セックA.C.750ml 2970円税込み

「おー!爽やか!こりゃ夏向きですなぁ(笑)。」
「マスキューさん!ギンギンに冷えていてグッドですね(笑)。」
私「ビールほど冷やしていませんが(笑)。りんご酸が多いワインですので、冷やすと映えますね。」
「このワインは北イタリア辺りのワインに似ていませんか?」
私「はい。ピノ・グリージョに似てますよね(笑)。前の試飲会で出したケットマイアーのピノ・グリージョみたいですよね(笑)。」
「抜けが良く、広がりが素晴らしい。でもジェランソン・セックっぽくない(笑)。」
私「そーなんです。ジェランソン・セックらしくありません。新しいスタイルです。」
「レモンやライム、グレープフルーツなんかの柑橘系の香りは爽快。でも、芯の強さ感じますね。実はかなりしっかりしている。」
次の『ジェゼー』は基本的に造りは同じですが、セパージュが違います。
「旨い!でも『シャン・デ・ヴィーニュ』とは全然違う。別物ですよ。」
「スタイルの違う別の生産者がつくったみたい。」
「香りが違うよね。『ジェゼー』はかなり複雑。いろんな香りがしますよね。あと、パワーも基本的に違うような気がしますよね。」
家内「『ジェゼー』のセパージュはプティ・マンサン30%、グロ・マンサン30%、カマラレ30%、ルビュ5%、ローゼ5%とかなり複雑です。『シャン・デ・ヴィーニュ』はグロ・マンサンとカマラレだけです。」
私「特にブティ・マンサンが加わるとパワーアップしますね(笑)。」
『ジェゼー』はトロピカルフルーツの香りがしますよね。パイナップルやマンゴーかな。赤い果実のニュアンスもある。驚くほど幅広い。」

さらに『セーヴ・ドトンヌ』を飲むと理解が進みます。

「こりゃ深い!複雑なトロピカルフルーツやナッツの香りの元がプティ・マンサンなんですね!」
「『ジェゼー』→『セーヴ・ドトンヌ』はプティ・マンサンの質・糖度の差なんですね。」
私「『シャン・デ・ヴィーニュ』と『ジェゼー』はステンレス・タンクで醗酵熟成していてマロラクティックはしていません。『セーヴ・ドトンヌ』は樽熟成してますからマロラクティック醗酵をしています。」
「マロラクティック醗酵すると酸が減りますが、『セーヴ・ドトンヌ』ほど濃ければマロラクティック醗酵した方がバランス・深みが出ると言うことなんですね?」
私「左様かと(笑)。プティ・マンサンの力です。」
「マスキューさん。ドメーヌ・コアペのジェランソン・セックは前から扱ってましたよね。ラベルデザインが変わったんですか?」
私「さすが、良くご存知で!昔は『シャン・デ・ヴィーニュ』と『ラ・カノペ』だけでした。新しく『ジェゼー』と『セーヴ・ドトンヌ』というブランドを増やした訳です。ただ今の『セーヴ・ドトンヌ』が昔の『シャン・デ・ヴィーニュ』に該当します。」
ここで悪魔の囁きが!
「マスキューさん!プティ・マンサン100%の『ラ・カノペ』飲んでみたくなりませんか?」
私「うーん(絶句)。」
「有料にしても良いのでは?」
ソムリエとワイン・エキスパートに迫られ、決意しました!
私「じゃあ、この際ですから、ちょっと飲んでみましょうか(とほほ)。」
「あー!これは凄い!」
「言葉を失いますね!」
私「思わずゴックン飲んでしまいました(笑)!」
家内「ひょえ~!あまりに美味しくて手が『ジャミラ』状態です~。(映像でお見せ出来ないのが残念!)。」
「めちゃくちゃ深い。芯になってるのがマンゴー。」
私「しかもそのマンゴーの味、極上の石垣島マンゴーとそっくり。雑味がなくひたすらクリーミー。一個の値段がこのワインより高い奴(笑)。」
家内「ジェランソン・セックはよくアプリコットに例えられますが、コアペはアプリコットを飛び越えてマンゴーにたどり着く(笑)。」
「『ジェゼー』→『セーヴ・ドトンヌ』→『ラ・カノペ』の違いと繋がりが解りました(笑)。セックとして『ラ・カノペ』は究極ですね。」
「ソーテルヌの辛口ワインなんかも似たスタイルだと思いますが、あれが出来損ないに思えますね(笑)。」
「『ラ・カノペ』は、物凄い凝縮感・複雑さがありますが、サラっとしてエレガントなんですね。自然と喉を通ってしまう(笑)。」
私「貴腐ってギュッと固めるイメージですが、ジェランソンのパスリヤージュは固めて解き放つようなイメージがありますよね。ヴーヴレーに似てるのかな?」
「でも頑強さもありますよね。凄く沢山の物が後ろに隠れてる(笑)。」
「グラスが空になっても香りが出てくる(笑)!信じられない。」

グレートなプティ・マンサンとドメーヌ・コアペのことがちょっと解ったような気がしませんか?

暑い中、ありがとうございました。


桝久商店 岡本利秋・昭子

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