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Written on 2019 01 21

桝久 試飲会のラインナップ決まりました! 201901

Jan 21, 2019 by weblogland |
今月1月25・26日のマスキュー試飲会のラインナップ決まりました!
どのワインが皆様の心に届くか(笑)?

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〇オリヴェート クラッシコ 『トッリチェラ』 2016年 ビジ イタリア ウンブリア 白D.O.C. 750ml 1574円税込み

マスキューの大定番のウンブリアの白、ビジ社のオリヴェート・クラッシコ。
スタンダードのセッコは前から扱っておりましたが、これはビジ社創設100周年を記念して造られたキュヴェです。今回初登場(笑)。

ビジは社は1880年創業の老舗でこの地を代表する造り手のひとつ。コストパフォーマンスの高さに定評があり、国内外で愛されています。オリヴェート・クラッシコってあまり良い印象がありませんが
(ごめんなさい。)、これは別(笑)。
近年は、イタリアで最大級の規模を誇るワイン・コングロマリット グルッポ・イタリアーノ・ヴィーニの傘下に入っていますが、これが逆に良かったようです(笑)。グループの技術力・資金力を得て、
更なる大成功。もちろん品質の高さあってこそ(笑)。

これはスタンダードのものと比べると味わいは別物(笑)。セパージュはプロカニコ40%、ヴェルデッロ20%、グレケット20%等となっており、スタンダードのものと比率が微妙に違います。セレクションがより厳しいようですね。
あと、大きく違うのは味わい(笑)。白、黄、赤などの果物が複雑に入り交じり壮観。しっかり酸があり薄さを感じません。しかも、麝香のような官能的な香木のニュアンスもあり深みを感じる出来栄え。構成の複雑さ、全体の折り合いの良さ、生命力はスタンダード品より1枚上。
う~ん。
丸っきり木樽のタンニンは感じませんが、一部木樽によって熟成したものがアッサンブラージュされてるかも?
まあ、それにしても見事な出来栄え。デイリーな価格のものとしては他の追随を許さないレベルですね(笑)。
コスト・パフォーマンスに優れたビジらしさ全開のキュヴェです!

●サンジョヴェーゼ  デル  ウンブリア 2017年 ビジ イタリア ウンブリア 赤 I.G.T.750ml 1388円税込み

マスキューの大定番のウンブリアの白、オリヴェート・クラッシコの生産者ビジ社が造るサンジョべーゼ100%の赤。
木樽は使わない真っ向勝負の赤ワイン(笑)。飲むと確かにサンジョべーゼ(笑)。
トスカーナのサンジョべーゼと比べるとよりファットで筋肉質。口当たりは柔らかく、広がり膨らみもふわっとしてます
が、サンジョべーゼ特有の酸っぱさも隠れるようにあります。コンポートのような凝縮感があり、健全で完熟した葡萄のみで造った感、撰果の良さが想像出来ます。

ビジは社は1880年創業の老舗でこの地を代表する造り手のひとつ。コストパフォーマンスの高さに定評があり、国内外で愛されています。オリヴェート・クラッシコやエスト・エスト・エスト等の白ワインの生産者として有名ですが、実は赤も美味しい(笑)。著名な赤の原産地で無いことが災いしてるようです。今後の赤ワインの成長、伸長が期待出来る生産者として脚光を浴びるはず。手っ取り早く高いワインを造るのが良いのでしょうが
(笑)、簡単に走らないところがビジらしい堅実さ。信頼出来るところでもありますね。

●ヴァイン・イン・フレーム ピノ・ノワール 2016年 ヴィル・ブドゥレアスカ ルーマニア デアル・マレD.O.G. 赤 750ml  1388円税込み

私達おじさんはルーマニアというと女子体操の妖精コマネチくらいしか思いつかない(失礼!)。あとドラキュラかな(笑)。
そんな訳でまずラベルの解説。ワイナリー名は『ヴィル・ブドゥレアスカ』。2000年代前半に設立。275ヘクタールの畑を有します。旧ソ連のコルホーズの流れかな(笑)?
『ヴァイン・イン・フレーム』はブランド名。EUから1,200万ユーロの融資を受け近代化、プロデューサーにイギリス人技術者を招き世界市場に打って出ます。
デアル・マレは原産地指定地区。場所はルーマニアの中央部に逆くの字に横たわるカルバチア山脈の南裾のムンテニア地方の古くからの銘醸地デアル・マレ原産地指定地区。畑はすべて南向き。緯度は45度とボルドーやブルゴーニュと同じ。夏場の雨量は少なく、土壌も肥沃な黒土も含む恵まれた地。もともとのヨーロッパ系葡萄の故郷ですから環境に文句無し(笑)。

味わいはしっかりピノ・ノワール(笑)。はっきりとした旨味があり、丁寧にフリーラン・ジュースを使った感。ちょっと果実味にニュー・ワールドっぽい黒さを感じますが、赤さもじっくり飲むと感じられます。しっかり酸を感じられバランスの良さが特徴的。古い樽を使った木樽熟成の塩梅も良く、過剰になっていない点ニュー・ワールドとは違いますね(笑)。
マスキューの定番のルーマニア、ムンテニアのドメニイレ・サハテニのピノ・ノワールと比べると、こっちの方が濃くブルゴーニュに近い印象。好みの別れるところでもありますが、ルーマニアのピノ・ノワールの優位性は共通。きっと近い将来ブルゴーニュの伝説を打ち破るであろうポテンシャルの高さ、コスト・パフォーマンスの高さは楽しみでございます(笑)。

●エルミータ・デ・サン・ロレンソ グラン・レゼルバ アルティーガ・フステル 1999年 スペイン 赤 カンポ・デ・ボルハD.O. 750ml  2407円税込み

ニューヨークの高級レストラン「オレオール」でチーフ・ソムリエを努めたスペイン人、マルティー・ケール氏が、「飲む人のニーズに合ったリーズナブルで高品質なワイン造り」を目指して2002年に設立したワイナリー。マスキューの定番のエルミータ・デ・サン・ロレンツォとティエラ・セレナの供給元と言えばご安心かと(笑)。


このワイン スペイン アラゴンのカンポ・デ・ボルハD.O.のワイン。地図で見るとナバラのすぐ南端にありますが、ナバラとは違う生産地域です。

セパージュはガルナッチャ60%、カベルネ・ソーヴィニヨン40%。ステンレス・タンクでマロラクティック醗酵まで完了した後、オーク樽熟成36カ月(225L、フレンチオーク50%、アメリカンオーク50%、新樽比率50%)、その後16000Lの樽で熟成13年、そして2年以上の瓶熟成をしてリリース。しかも出荷前にリコルクする念の入れよう!(大樽熟成の期間が長いためにボトルに澱はありません。)

いわゆるグラン・レゼルバの規定熟成期間60ヶ月をはるかに越えてます。充分な熟成期間を経てリリースされていますね(笑)。セパージュや造りはは通例のグラン・レゼルバと同じですが、より良い作柄の特別なグラン・レゼルバなのです。


味わいはクラシック!枯れて余分な物がそげ落ちながら、明瞭なプラム・ベリー様の果実味が溶け込んでいます。しかも纏まった酸が舌の上を転がる。いわゆる古酒に入った段階。高貴なまでの強さがありながら、それが枯れて行く様は美しいの一語。ただしティスティングしてもセパージュは何だか解らない(笑)。

わざわざリコルクしてることからも、今後10年は更なる熟成を遂げるはず。その様を定点観測する楽しみは垂涎もの(笑)。

古酒の何たるかが解る貴重なものなのです(笑)。

まあ、古酒嫌いの方にはお勧めいたしません(笑)。

●『ネイール』2007年 ロ・ゼルボーネ イタリア ピエモンテ 赤 ドルチェット・ディ・オヴァダ・スペリオーレD.O.C.
 750ml 2314円税込み

ロ・ゼルボーネは2003年にファビオ・ソマッツィさんが設立しました。リグーリアとピエモンテの州境にあるロッカ・グルマルダ村。バローロのあるアルバの東と言えば分かりやすいかな(笑)。D.O.C. ドルチェット・ディ・オヴァーダの中心地にある3ヘクタールのワイナリーを取得しました。年間生産量は20,000本ほど。1ヘクタールあたり5000本前後植樹しているようですから、1本の葡萄樹から出来上がるワインは1本強。それでこの濃密な味わい(笑)。イタリアの産地としての優位性を感じますね(笑)。
 
畑は標高130~170m の南東向き斜面で風通しも良く、土壌は火山と砂質の混成土壌で水捌けも良く、下草が生えにくいことに着眼。有機栽培を始めました。2010年にはイタリアの公的有機認証機関BIOSの認証を取得。その後SO2無添加のワイン生産を目指しています。手法は所謂ビオロジックですから、割りとフレキシブルで現実的(笑)。発酵・熟成にはステンレス・タンクのみ使用。ビオデナミほど原理主義的ではありません(笑)。状況に応じたワイン造りは、すべて葡萄本来の味わいを出すため。場合によっては自然酵母に一部培養酵母を混ぜたり、熟成前後(恐らく)に最小限のSO 2 添加もします。とは言え残留SO 2 が30mg /L以下を達成していますから立派(笑)!多大な尽力を感じる将来性のある生産者なのです。

このワイン、(恐らく特別な区画の)ドルチェット100%で造られています。
インポーターさんの資料によると
『遅摘みぶどうと長期熟成が醸し出す重厚な味わい。 手摘収穫した完熟ぶどうを28~30℃で30日かけてゆっくりと自然発酵。その後一部バリックと大樽、一部ステンレスタンクで3年以上熟成後、濾過をせずに瓶詰め。』
飲んだ印象は、全房発酵させたかのような強さ・大きさ・生命力を感じるもの。
10年を越えてようやく最初の飲み頃に入ってきたところですね(笑)。これってかなり凄いこと。全体のポテンシャルの高さ正銘さは圧巻。リキュールっぽさを身にまとい隙間の無い液体の織り成す複雑で重厚な姿。果実味の芯がプラムだけでなくラズベリー、チェリー、イチジク等の熟したベリー等、それらに紅茶や腐葉土の土臭いニュアンスが相まい、無理の無い折り合いの良さ。いかにもゼルボーネらしい野趣ある味わい。ただしドルチェットの本来のフレンドリーさは愛嬌かな(笑)?高貴じゃないけれど、渾身のワイン。イタリアワインの優位性を実感します。しかもスぺリオーレを名乗るべき最上級品なのでしょうね。
ゼルボーネ自体がキュヴェ名が多くよく解らないところがありますが(笑)、それは途上故かな?
まあ、特別なキュヴェであることは確かてす!

●『ミストラル』 2015年 ドメーヌ・ルージュ・ブルー フランス コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュA.C. 赤 750ml 2730円税込み

フィネスのあるローヌ・ワインの登場!

この生産者ドメーヌ・ルージュ・ブルーはコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュのアペラシオン。オランジェの北東部にあるサント・セシル・レ・ヴィーニュの町の近郊に8.5ヘクタールの畑を所有。9区画の内の5区画がコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュのアペラシオンとなります。ワイナリー自体は400年続く由緒あるもの。現在は栽培担当のトーマさんと醸造担当のキャロラインさんによって運営されています。
土壌はシャトー・ヌフ・デュ・パフのような石ころだらけの土壌(かつての川底)とガリーク(風化した石灰岩)。植樹されているのは恐らく古い葡萄樹。そしてかなりの低収量のはず。
この生産者いわゆるビオ系の生産者ですが、そんなのどうでも良い(笑)。
造りは全房発酵。2日ごとにポンピング・オーバーでエア・レーション。コンクリート・タンクで自然酵母で発酵されるため発酵温度は自然と低くなり、17~21日間醸します。熟成は最初フレンチ・オークに短期間入れた後、コーティングしていないコンクリート・タンクで24ヶ月熟成して瓶詰め。無理に樽香を着けません
から出来上がったワインは無理の無いフィネスのあるもの。温暖な彼の地、いやでもアルコール分は高くなり、パワー全面のスタイルとなります。もちろんこのワインもアルコール分は高いのですが、それを感じさせない涼しげな美しいもの。
う~ん。
嬉しい驚き!
セパージュはグルナッシュ、シラー、ムールヴェドルにルーサンヌと伝統的な組み合わせ。味わいの特筆すべきはバランスの良い質感。突出するものがなく、突出しているのは旨さのみ。全体を下支えする隠れたリンゴ酸は伊予甘(笑)。ブラック・ベリー、ジンジャー、シナモン、甘草、コーヒー、チョコレートに黒胡椒などのスパイス。これらが驚くほどのハーモニーを奏でる様は言葉を失うほど。品の良い折り合いの良さ。溶け込みの良さは、まるでシンフォニーを聞いているかの如し。
心奪われるローヌのワインなのです。

いつも通り、
25日(金)は17~20時30分
26日(土)は11~20時30分
執り行っておりますので、お手隙のお時間にお立ち寄りくださいませ。

桝久商店 岡本利秋・昭子

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