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Written on 2013 09

桝久 試飲会リポート

Sep 29, 2013 by weblogland |
昨日はお忙しい中、ご来店ありがとうございました(笑)。

まずはウェルカムを兼ねて泡です!
〇プロ・セッコ エキストラ・ドライ サンテロ イタリア 発泡性 白 プロ・セッコD.O.C.750ml 1440円税込み
「飲みやすいですな。でもちゃんとプロ・セッコの香りがするね(笑)。」
「マスキューさん。このプロ・セッコ『お一人様一杯』の札かかってますが、数がないんですか?」
私「お恥ずかしいのですが、急に人気が出たらしく追加発注したら既に完売していました。すみません。」
「プロ・セッコって癖があるけど、このワインは癖に感じないよね。日本人好みになるのかな?」
「独特の植物っぽさがあるよね。でも品が良いね。」
「伸びやかさがプロ・セッコらしいよね。」
「飲みやすくて危険だな(笑)。下手すると30分かからないで飲んじゃいそう(笑)。」
「サンテロってオレンジのラベルがありましたよね。あれもひたすら飲みやすい(笑)。」
「ずいぶんあのオレンジのスプマンテ飲んだなぁ(笑)。」
「あのオレンジとこの水色は明らかに違うよね(笑)。」
私「このプロ・セッコ、フリウリからタンクでピエモンテに持ってきて瓶詰するんですが、法律は原則禁止。でも法律以前からこの方法でサンテロはやっており、しかもプロ・セッコを有名にしたのもサンテロなので特例扱いだそうです。」
「なるほどね。誰も文句言えない訳だ(大爆笑)。」
「マスキューさん。サンテロってそんなに大きな会社なら、このプロ・セッコは日本仕様なんですかね?」
私「あー!有り得るかも知れませんね。調べてみます。」
家内「この繊細で飲みやすいスタイルのプロ・セッコって、ありそうでない(笑)。」
「うーん。良い意味でも悪い意味でも完璧なんですよね。」
深いご指摘ありがとうございました!

さて次は春の試飲会でマスキューデビューしたシャトー・ル・ペイラ。夏場を越して変身です(笑)。
●シャトー・ル・ペラ 2009年 カスティヨン コート・ド・ボルドーA.C.フランス ボルドー 赤 750ml 1200円 税込み
「これって春飲んだ時、ローヌのワインみたいだったワインですよね?」
私「はい(笑)。夏場を越して良くなったかと…。」
「確かにボルドーの味(笑)!」
「このワイン、カベルネ・ソーヴィニヨン入っていますよね?とてもしっかりしてますね。」
私「実はメルロが85%、カベルネ・フランが15%です。春に飲んだ時はふくよかさが印象的で、いかにもローヌっぽかった(笑)。」
「でもこれ、立体的で構造に鉄筋が入ってる(笑)。カベルネ・ソーヴィニヨンっぽい硬さがあるよね。なんでかな?」
私「ありがとうございました。夏場を越して、タンニンが立体的になりました。折り重なり壮麗とは言えませんが(笑)。その系譜に繋がるかと。」
「広がりもありますよね。」
家内「農薬の使用量が少ないようです。」
私「2009年の作柄は良いみたいですね。」
「そうそう。特に右岸はかなり良さそうですね。」
「ボルドーでもコストパフォーマンスの良いワインがまだあるんですね(笑)。」
「マスキューさん。これって熟成するってことなのですか?」
私「この変化はワインの質が時間の経過と共に向上している状態です。熟成は劣化の蓄積と見る専門家がいますが、この場合は良い方向に作用してますよね。」
「じゃあ、時間が経ても良くならないワインもあるってことですか?」
私「鋭い(笑)!沢山あります(笑)。」
話しが危なくなってきました(笑)。

次は波乱のドメーヌ。
●『クロー・ド・ネル』アンジュ・ルージュ カベルネ・フラン 2010年クロー・ド・ネル フランス ロワール アンジュA.C. 750ml 2190円税込み
「相変わらずラベルかっこいいな(笑)。2003年3本飲んだっけ(笑)。どれどれ…、あっ!2010年は2003年とは別物!」
「同じ生産者のワインとは思えない。」
私「そーなんですよ。優良なシノンやブルグイユみたいなんです。」
「店長!私、マスキューさんで散々カベルネ・フラン飲んだから試験のティスティングでは、一発でフラン解りましたよ(笑)。この2010年は典型的でとても良いですよ!」
私「ありがとうございます(笑)。家内共々フラン好きなものでして…。」
「2010年は先々2003年みたいになるんですか?」
家内「2003年は、反則と言って良いほどの凝縮したワインです。2010年は規格内の造りですから、熟成しても2003年のようにはならないはず。もっとも2003年は10年経ってもあまり変わらなかったし(笑)、まだまだ伸び代があるはず。」
私「2005年は醗酵槽で微生物が発生したらしくワインがダメになり、2006年は雨によるベト病が発生して収穫の全てをダメにしたようです。原理主義的なビオディナミの生産者として注目されていましたが、やり過ぎはあまりにリスクが高かったようです。二年連続で収穫がゼロですから破綻してしまいます。」
「あー、そうなんですか。気の毒ですね。それでルフレーブの経営になったんですね。ワインづくりも安全運転になった訳だ。岡本さん、実は私2003年1本取ってあります。」
私「それはそれは!先見の明がありましたね(笑)。飲んだらどんな味になっていたか、教えてくださいね(笑)。」
「ワイン造りって大変なんですね。」
私「この2010年がルフレーブによる再出発ヴィンテージになります。樽熟成期間も1年と短くなってますね。」
家内「2003年は3年熟成。ロワールでは異例なワインでした。」
「冷静に考えると、今の有名ドメーヌの造るカベルネ・フランは3000円くらいはしますから、この2010年はコストパフォーマンス良いですよね。」
マスキューのワイン・ラヴァーはクロード・ネルを見守ります!

今度は南フランスの果実爆弾の登場です。これも2009年とは違った味わいです。
●『ドモワゼル・クレア』 2010年 カバルデスA.C. ドメーヌ・カザバン 南フランス ミディ 赤 750ml 2100円税込み
「うわっ!まろやか!旨いなぁ。」
「ホント(笑)。2009年って凄く強い印象ありましたよね。2010年も凝縮感はとてもありますが、融合している感じかな。」
「シラーとメルロで出来ているのが信じられない(笑)。」
「それだけでも不思議ですよね。」
「2009年のペパーミントのニュアンスはシラーの特徴なんですか?」
家内「スパイシーさはシラーの特徴ですが、暑い年に過熟するとシラーに限らず表れ易い特徴かと。」
私「南フランスの2009年では割と良くみかけられました。2010年の方が完熟のタイミングにずれが無かったように思います。」
「たしかにこのワインは濃いけれどジャムっぽさがない。ディテイルに無理がない。」
私「流石!あと2010年は複雑で変な香りもします(笑)。いわゆるビオ臭です。時間が経つと消えて行きますが。」
「この漢方薬みたいな感じかな?」
私「はい。ちょっとシナチクっぽい(笑)。甘い泥みたいな(笑)。」
家内「この点、好みの別れるところですね。」
「リキュールのチェリー・ヒーリングに似ていませんか?」
私「似てますね(笑)。きっとチェリー・ヒーリングの方が似せたんですよ(笑)。(良くお気づきで!鋭い感性です。勉強してますね。)」

さて、いよいよ佳境。あっと驚くサルデニア島のワイン登場!
●『カンノナウ』 2011年 ヌラーゲ・クラビオーニ イタリア サルデーニャ島 カンノナウ・ディ・サルデーニャD.O.C. 赤 750ml 2680円税込み
「あっ!色薄いですね。ロゼみたい(笑)。」
「ブルゴーニュのピノ・ノワールみたい!エレガント!」
「チェリーですよね。たしかにピノ・ノワールぽい。でもオリジナリティあるよね。」
「経験したことないなぁ。田舎臭いところはイタリアっぽいけど(笑)、高貴な味わい。」
「そうそう。田舎の貴族や王様が飲んでいそう(笑)。こりゃ旨い!」
「色は薄いけど、物凄く強靭。酸の量が凄いね(笑)。でも酸が上手にコントロールされてるよね。最近マスキューさんが探してる薄旨いワインですかな(笑)?」
私「私、結構このワインにやられてます(笑)。このマラスキーノチェリーの味わいは、比べるものがないかと。」
家内「前に扱ったパーラのカンノナウとは全く別物です。あのワインは理解の範疇でしたが、これは想像を越えてます(笑)。」
「カンノナウ→ガルナッチャ→グルナッシュでしたっけ?でもこのワインはあくまでカンノナウとしか言いようがないよね。それでも、きっとサルデニア島では特異なカンノナウなんだろうね?」
私「暑く寒暖差のない砂地でこんなに香り高いワインが出来ることはセオリーにはありません。面食らいました。」

驚きはまだまだ続きます。続いて白。
〇『カニマリ』 ヴェルメンティーノ ディ サルデーニャ2010年 ヌラーゲ クラビオーニ イタリア ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャD.O.C.白 750ml 2670円税込み「おー!言葉が出ない(笑)。物凄い密度。」
「グリーンのノートが強い。圧倒的だね。」
「液体の中にあるミネラルの量が凄いですね。つけ入る隙がない(笑)。カンノナウと同じ人が造ったとは思えませんね。」
家内「カンノナウもこの白ワインも密度感が凄いのですが、無理した感じがないんですよね。わざわざ収穫を遅らせたような…。」
私「それなりにちゃんと収まっているんですよね。」
「白ワインにこんなに強いワインがあるんですね。途方にくれちゃいます(笑)。フレッシュでフルーティーなのが白だと思ってました。」
「なるほど、試飲会の最後に出てきた訳だな(笑)。」
私「いきなりこの白を飲んだら、ショック症状を起こすかも(笑)。サルデニア島最良のヴェルメンティーノの部類です。」
「このワイン何に合わせたら良いんですか?思い浮かばない(笑)。」
家内「魚介類やペコリーノみたいな強いチーズには最適です。魚介類と言っても濃厚なアメリカンソースなんかを使った料理でしょうね。」
「甲殻類ですね(笑)。」


以上、お疲れ様でした!

桝久商店 岡本利秋・昭子

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『ドモワゼル・クレア』って奥さんの名前をつけたワインですよね

Sep 26, 2013 by weblogland |
ドモワゼル・クレア』 2010年良いですね(笑)。
ドメーヌ・カザバンが造る南フランス カバルデスA.C.の赤ワインです。2009年も扱いましたが、この度2010年で再登場。
以前のマスキュー試飲会では圧倒的な凝縮感で、皆さんを驚かせましたね。もちろん私もビックリ(笑)。
あと、ペパーミントの香りが2009年は顕著な印象でした。過熟したシラーに見られる特徴ですが、2009年は特別強かったでした。口の中が痛くなるほど(笑)。
「『ドモワゼル・クレア』って奥さんの名前をつけたワインですよね。味わいから察するに厳しい奥さんかも(笑)?」なんておっしゃていたお客様も(笑)。
でも、2010年はスタイルが変わりました。『優しい慈愛に溢れた奥さん』です(笑)。
マリア様とは言いませんが(笑)、素晴らしいお母さんっぷりです。
うーん。
こんなにも変わるとは!
セパージュはシラー60%、メルロ40%と変わりませんが、アルコール分が13.5%と2009年より1%下がってます。2010年は、収穫と果実の完熟のタイミングが完璧だったようですね。葡萄果が完熟した時に一気に収穫したような感じです。有りがちな過熟したワインではありません。
天の恵みか?ドメーヌ・カザバンのイノヴェーションか?解りませんが、進化しているのは確か。
同じ生産者のワインを毎年追いかけるのは楽しみです。ダメな物は追いかけませんから、今度の試飲会楽しみにしてくださいね(笑)。

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ドメーヌ・コアペは懐が深いです

Sep 04, 2013 by weblogland |
またまた試飲会のおさらいです(笑)。

それにしても不思議でした。
ドメーヌ・コアペの『ジェゼー』です。
シャン・デ・ヴィーニュ』と比べて何故あんなにも違うのか?造りは基本的に同じですからセパージュの違いなのですが…。やはりプティ・マンサンが入ると入らないのでは大違いのようですよね。密度感が全然違います。あと『ジェゼー』には信じられない複雑さがあります。果実味が白から黄色そしてなんと赤まで感じます。特に赤いベリーやプラムのニュアンスにはびっくりしました。香りと言うより酸として感じたのが特徴的でした。
実はこの赤いニュアンスがプティ・マンサン由来かどうか判断がつきませんでした。プティ・マンサン100%の『ラ・カノペ』からは感じられなかったからです。『ラ・カノペ』のひたすら純化された深い香りは「超高級マンゴー」(笑)。時間が経つと「高級モンブラン」(笑)の香りも感じられましたが、赤いベリー系のニュアンスには辿り着けませんでした。
試飲会当日の疑問となりました。
でも抜栓後丸二日すると『ラ・カノペ』に赤い果実のニュアンスが出てきました!
香りというより酸からくる味わいですね。
うーん。
『ジェゼー』と『ラ・カノペ』に使われているプティ・マンサンの濃度の差のようです。『ジェゼー』は早くから解りやすく飲めるように設計されていた訳でした。『ラ・カノペ』では完全に隠れてましたね(笑)。

『ジェゼー』→『セーヴ・ド・トンヌ』→『ラ・カノペ』の繋がりは当日確認できましたが、ディテイルまでは簡単に解りませんでしたね(笑)。

さすが、ドメーヌ・コアペは懐が深いです。

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土曜日の試飲会のおさらいです。

Sep 03, 2013 by weblogland |
8月31日の試飲会の後、9月1日、2日とドメーヌ・コアペのワインの飲み残しをしつこく飲んでます(笑)。
まず『シャン・デ・ヴィーニュ』は、りんご酸がしっかりしてますね。硬質な突き抜ける力は落ちません。時間が経つと「りんごりんご」してきますが(笑)、崩れる気配がない(笑)。
ドメーヌ・コアペのジェランソン・セックの中で一番生産量が多く、価格も安いワインですが、手を抜いたところがない(笑)。この価格帯でこれほどしっかりしたワインはレアですね。
このキュヴェが売れるとドメーヌの経営安定化が計れます。手間隙かかるプティ・マンサンだけではドメーヌを拡大出来ないのが本音でしょうね。
一般にドメーヌはトップ・キュヴェの栄光を利用して、それ以外のキュヴェで儲ける仕組みのところが多いのですが(笑)。それをすると凋落に繋がる場合が多々。煽るワイン商と飛びつく消費者の相乗効果で一時は大ブレークしますが、最終的には飽きられてしまいます。(例えばモン・〇ラ)
この点、ドメーヌ・コアペは調子に乗りません(笑)。足元をしっかり固めてます。
ブランド戦略とは思いますが、実に実直なのです。
一発狙いじゃありません(笑)。でも『カンテサンス』で一回当たってるか(笑)?そうすると『カンテサンス』以降の試行錯誤の結果が現在になるのかな?

いずれにせよ、進化するドメーヌであることは確か。これから先どう変化するのか見届けたいドメーヌです。
将来ネゴスに進出するのか?質を落とさずドメーヌとしての規模をどこまで拡大するのか?はたまた、違う新たな方向を捜すか?

楽しみなのです(笑)。

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桝久 試飲会リポート

Sep 01, 2013 by weblogland |
昨日は大変暑い中、ご来店いただきありがとうございました。
ワイン・ラヴァーの皆さんの熱意を感じました。
ありがとうございました。

「あれ?今日の試飲会は赤ワインから始まるんですか?」
私「はい。実は今日の白ワインはかなり強いものでして…。この順番の方が良いかと。」
●『ルーガベル』2011年 ドメーヌ・パン・デ・マルグリット フランス ラングドック 赤 サン・シニアン ヴァン・ド・フランス 750ml 1290円税込み
「これホントにラングドックなんですか?エレガントですよね?とにかくタンニンが滑らか!」
「どれどれ、マスキューさんの言う『血の香り』って?」
「あー、たしかに塩辛い(笑)。そして土臭い(笑)。でも凄くフルーティなんですね。」
「ハーブ?草の香りするよね。」
家内「サン・シニアンのベルルー村で造られたワインなんですが、2011年からサン・シニアン グラン・クリュを名乗ることが出来る優良な村のようです。」
「でも、このワインはヴァン・ド・フランスなんですよね?何故ですか?」
私「若い葡萄樹で造っているので、生産者自身の基準に合わないからのようです。」
「へぇー、真面目な方なんですね(笑)。」
家内「造り手にプライドがありますよね。」
「ラングドックの進化は凄いですよね。ちょっと前はラングドックのワインって『ラングドックのワイン』一くくりでしたもんね(笑)。」
「ところでマスキューさん、このワインは何℃ですか?」
私「セラーの温度14~15℃です。いかがですか?」
「ベストです(笑)。」
私「しかも今日は暑いので、ワインの試飲する前に冷たい水を飲んでいただいています。より飲みやすく感じ易くなっていただいているかと。」
「なるほど!水よりワインの方が温度は高いですもんね!マスキューさん芸が細かい(笑)。」
私「戦略です(笑)。」

さて続いてもラングドックの赤
●シャトー・フォンドゥース『キュヴェ・ジュリエット』2002年
●シャトー・フォンドゥース『キュヴェ・ジュリエット』2007年 赤 ドメーヌ・ド・フォンドゥース 南フランス V.P.D.オック 750ml 1650円税込み
ですが、順番を変えて2007年、2002年の順番となりました。
「このワイン、マスキューさん長く扱ってますよね。随分飲んでる(笑)。」
私「ありがとうございます。2000年、2002年、2007年と扱っています。いつも変わらず良いワインです(笑)。」
「比べると確かに違う!2002年が際だって旨い!」「2007年がダメな訳じゃないけど、2002年は完璧?」
「上手く言えないけど、『真円』?」
「ゴージャスじゃないけど、実に旨い。私2002年かなりの本数飲んでますが、こんなに美味しく感じるとは(笑)!」
「マスキューさん2002年はまだあるんですか?」
私「残念ながら最後の1本です。この日のためにとって置きました(笑)。」
「2002年から2007年に飛んでますが、何故?」
私「良い作柄の年しか造らないようです。」
「平気で10年持つラングドックなんて、今までの経験では考えられないよね。せいぜい2~3年だよね。」
「そうそう。凄く濃いのに寿命が短い(笑)。」
家内「熟成方法にも技があります。」
私「醸造したワインを古い大きな樽で一年ちょっと熟成してから、ステンレスタンクに移して更にゆっくり熟成させます。そして頃合いを見計らって瓶詰め出荷させます。瓶熟成の期間が短いので、品質にばらつきがありません。」
「それって、ローヌのドメーヌ・マズールのレ・プラドと同じですよね。」
私「そーなんです。似た味わいしますよね(笑)。」
「あの甘い土臭さは共通しますよね。」
私「アーティチョークみたいなニュアンスですよね。熟成香としか言いようがありませんね。」
「じゃあ、2002と2007に共通のコーヒーやカカオの香りも熟成香ですか?」
私「樽由来の熟成香です。ただし、最初に飲んだ『ルー・ガベル』のコーヒーやチョコレートっぽいほのかな香りは葡萄果由来です。木樽は一切使っていませんから。ソムリエ協会のテキストとは違いますね(笑)。」
「2007年はこのまま後5年経つと2002年のようになりますか?」
私「『はい』と言いたいところですが、断言できません(笑)。瓶熟成とステンレスタンク熟成では速度が違います。もちろん環境が違うと言うことです。」
家内「でも造り、セパージュは同じですから、2002年と2007年のワインとしての差は熟成だけと考えて良いかもしれませんね。」

さてこれから後半戦のドメーヌ・コアペのジェランソン・セックです。
〇ジェランソン・セック 『シャン・デ・ヴィーニュ』 2012年 ドメーヌ・コアペ フランス 白 南西地域 ジェランソン・セックA.C.750ml 1550円税込み
〇ジェランソン・セック『ジェゼー』2011年 ドメーヌ・コアペ フランス 白 南西地域 ジェランソン・セックA.C.750ml 750ml 2175円税込み
〇『セーヴ・ドトンヌ』2010年 ドメーヌ・コアペ フランス 白 南西地域 ジェランソン・セックA.C.750ml 2970円税込み

「おー!爽やか!こりゃ夏向きですなぁ(笑)。」
「マスキューさん!ギンギンに冷えていてグッドですね(笑)。」
私「ビールほど冷やしていませんが(笑)。りんご酸が多いワインですので、冷やすと映えますね。」
「このワインは北イタリア辺りのワインに似ていませんか?」
私「はい。ピノ・グリージョに似てますよね(笑)。前の試飲会で出したケットマイアーのピノ・グリージョみたいですよね(笑)。」
「抜けが良く、広がりが素晴らしい。でもジェランソン・セックっぽくない(笑)。」
私「そーなんです。ジェランソン・セックらしくありません。新しいスタイルです。」
「レモンやライム、グレープフルーツなんかの柑橘系の香りは爽快。でも、芯の強さ感じますね。実はかなりしっかりしている。」
次の『ジェゼー』は基本的に造りは同じですが、セパージュが違います。
「旨い!でも『シャン・デ・ヴィーニュ』とは全然違う。別物ですよ。」
「スタイルの違う別の生産者がつくったみたい。」
「香りが違うよね。『ジェゼー』はかなり複雑。いろんな香りがしますよね。あと、パワーも基本的に違うような気がしますよね。」
家内「『ジェゼー』のセパージュはプティ・マンサン30%、グロ・マンサン30%、カマラレ30%、ルビュ5%、ローゼ5%とかなり複雑です。『シャン・デ・ヴィーニュ』はグロ・マンサンとカマラレだけです。」
私「特にブティ・マンサンが加わるとパワーアップしますね(笑)。」
『ジェゼー』はトロピカルフルーツの香りがしますよね。パイナップルやマンゴーかな。赤い果実のニュアンスもある。驚くほど幅広い。」

さらに『セーヴ・ドトンヌ』を飲むと理解が進みます。

「こりゃ深い!複雑なトロピカルフルーツやナッツの香りの元がプティ・マンサンなんですね!」
「『ジェゼー』→『セーヴ・ドトンヌ』はプティ・マンサンの質・糖度の差なんですね。」
私「『シャン・デ・ヴィーニュ』と『ジェゼー』はステンレス・タンクで醗酵熟成していてマロラクティックはしていません。『セーヴ・ドトンヌ』は樽熟成してますからマロラクティック醗酵をしています。」
「マロラクティック醗酵すると酸が減りますが、『セーヴ・ドトンヌ』ほど濃ければマロラクティック醗酵した方がバランス・深みが出ると言うことなんですね?」
私「左様かと(笑)。プティ・マンサンの力です。」
「マスキューさん。ドメーヌ・コアペのジェランソン・セックは前から扱ってましたよね。ラベルデザインが変わったんですか?」
私「さすが、良くご存知で!昔は『シャン・デ・ヴィーニュ』と『ラ・カノペ』だけでした。新しく『ジェゼー』と『セーヴ・ドトンヌ』というブランドを増やした訳です。ただ今の『セーヴ・ドトンヌ』が昔の『シャン・デ・ヴィーニュ』に該当します。」
ここで悪魔の囁きが!
「マスキューさん!プティ・マンサン100%の『ラ・カノペ』飲んでみたくなりませんか?」
私「うーん(絶句)。」
「有料にしても良いのでは?」
ソムリエとワイン・エキスパートに迫られ、決意しました!
私「じゃあ、この際ですから、ちょっと飲んでみましょうか(とほほ)。」
「あー!これは凄い!」
「言葉を失いますね!」
私「思わずゴックン飲んでしまいました(笑)!」
家内「ひょえ~!あまりに美味しくて手が『ジャミラ』状態です~。(映像でお見せ出来ないのが残念!)。」
「めちゃくちゃ深い。芯になってるのがマンゴー。」
私「しかもそのマンゴーの味、極上の石垣島マンゴーとそっくり。雑味がなくひたすらクリーミー。一個の値段がこのワインより高い奴(笑)。」
家内「ジェランソン・セックはよくアプリコットに例えられますが、コアペはアプリコットを飛び越えてマンゴーにたどり着く(笑)。」
「『ジェゼー』→『セーヴ・ドトンヌ』→『ラ・カノペ』の違いと繋がりが解りました(笑)。セックとして『ラ・カノペ』は究極ですね。」
「ソーテルヌの辛口ワインなんかも似たスタイルだと思いますが、あれが出来損ないに思えますね(笑)。」
「『ラ・カノペ』は、物凄い凝縮感・複雑さがありますが、サラっとしてエレガントなんですね。自然と喉を通ってしまう(笑)。」
私「貴腐ってギュッと固めるイメージですが、ジェランソンのパスリヤージュは固めて解き放つようなイメージがありますよね。ヴーヴレーに似てるのかな?」
「でも頑強さもありますよね。凄く沢山の物が後ろに隠れてる(笑)。」
「グラスが空になっても香りが出てくる(笑)!信じられない。」

グレートなプティ・マンサンとドメーヌ・コアペのことがちょっと解ったような気がしませんか?

暑い中、ありがとうございました。


桝久商店 岡本利秋・昭子

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