前月   April 2024   翌月
Mo.Tu.We.Th.Fr.Sa.Su.
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     

Menu:

More info:

リンク:

ワインの桝久商店
関内のバー[タウザー]
横浜のバー時代屋
FULホスティング サービス
ホームページ制作

:
:


 ←ここをクリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。
 ご協力お願いします。
人気ブログランキングへ

試飲会の番外編 201510

Nov 05, 2015 by weblogland |
試飲会の番外編です(笑)。
昨日11月3日、アマデューのジゴンダスシャトー・ダイディーのマディランを飲みました。土曜日の試飲会の残りが、ちびっとありましたので(笑)。
拔詮してから丸3日。しかもワインはボトルの底に1㎝ほど。これを飲めばほんとの力量が解ろうと言うもの(笑)。
先ずはアマデュー。
飲んでびっくり!
家内「相変わらす圧倒的(笑)。壮麗だなぁ。あと詰まっている物の総量が見えるね(笑)。」
私「タンニン、酸、共に物凄いね。まだまだ先があるね。ミクロ・オキシダシオンしてないみたいだね。熟成のピークはまだ先なんだろうな。」
家内「飲みやすく出来てるけど、まるっきり今風な訳じゃないんだ!」
私「この点ファレスコに近いかな。」
家内「最後の一滴までグレート(笑)。傑出している。」
私「濃さだけを訴求したインチキなワインじゃないね(笑)。あの手のワインって飲み続けると最後は濃いんだか何だか解らなくなるんだよね(笑)。」
家内「そうそう。果実味も有るんだか無いんだか解らなくなる(笑)。」

そしてシャトー・ダイディー
私「これだって飲みやすく仕上げてあるんだけど、タンニンの堅牢さが違う(笑)。熟成能力は大したモンだね(笑)。」
家内「タナ種らしさをしっかり感じるよね(笑)。」
私「その点媚びてなくて秀逸だな(笑)。飲みやすさとタナ種らしさが両立している。」
家内「飲みやすいだけのタナって最低(笑)。」
私「あっ!言っちゃった。ブログでパクってイイかな?」

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

桝久 試飲会リポート 後編 201510

Nov 03, 2015 by weblogland |
さて次は斬新な南仏ラングドックの赤ワイン!
造り手はお馴染みのコンダミン・ベルトランです!


●ラ・ヴューロイヤル2013年 シャトー・コンダミン・ベルトラン フランス ラングドックA.O.P. 赤 750ml 2314円税込み
「スッゴく柔らかで、アロマチック。大きいし、素直に旨い。」
「飲みやすい!」
「綺麗。ガロフォリのノヴェッロに共通した何かを感じる。」
私「雑味がありませんよね。ガロフォリ同様果汁を無理にプレスした印象がありません。あと果実味のディテイルが明瞭ですね。赤さがあり、チェリーやベリーのニュアンスが綺麗です。」
家内「とてもラングドックのワインとは思えませんよね(笑)。暖かさは感じますけど、ブラインド・テイスティングしたら外しました(笑)。」
「このワイン セパージュはグルナッシュですよね?」
私「じつはシラーがメインです。私も間違えました(笑)。いかにもグルナッシュらしいし、シラー独特のスパイシーさがありません。ラングドックらしくないですよね(笑)。」
「そーなんですか。こりゃわからん(笑)。」
私「このワイン、醸し期間が15日と少し長くこの間毎日3時間人間が足踏みして葡萄を潰しています。ただそれがワインにどのような影響を与えているかは、私には解りません(笑)。」
家内「発酵温度が15℃とかなり低いことは影響しているようですが。」
「タンニンの抽出には固執してないですよね?ありがちなドロドロ感がない(笑)。」
「このワインは熟成はステンレス・タンクですか?」
私「フレンチ・バリックの新樽を使っているとのこと。開けたてだと全然わからないですよね(笑)。」
「へぇー。わからないですね(笑)。そうするとワイン自体は強いんですね。」
私「強さはありますね。新樽使わなくてもよさそうなくらいですよね(笑)。」
「強さはあるけど、タニックじゃないよね。」
私「おっしゃる通りです。ベルトランは基本的にはタンニンの抽出に腐心するスタイルですから、よけい謎です(笑)。ただ、一昔前にバリックを回転させながら発酵したり、斬新なチャレンジをする生産者ですから何か意図がありそうです。」
「このワイン、コスト・パフォーマンス高いですよね(笑)。」
私「これもベルトランらしい良心的な価格です。ジェネリック・キュヴェのモンテガード同様ですね。」
「モンテガード随分飲んだなぁ(笑)。あれも旨味があるし、共通してると言えばしてるかな?」
私「色々疑問はあるのですが、単に作柄の性かも知れません(笑)。いずれにせよ好奇心掻き立てられます。かなりワインは良く、コストパフォーマンスも高い点が更に好奇心を刺激します(笑)。妄想してしまいそうです?」

そして王道を行く手強いマディランの登場です!
●シャトー・ダイディ ファミーユ・ラプラス 2010年 フランスシュ・ド・ウエスト南西地方 赤 マディランA.O.P. 750ml 2870円税込み
「おー、2010年ですか。グラスにつくグラが凄いですね(笑)。色も濃い。」
家内「ちなみにアルコール分は14.5%です。マディランも夏場暑かったようです。」
「全体の大きさがデカイ(笑)。タンニンもデカイけど締まってるよね。」
私「産地の冷涼さも感じますよね。」
「マスキユーさん、それ何となく解った(笑)!柔らかくて優しくないってことですか?うーん。シビアと言うべきかな?」
私「おっしゃる通りです。これでも早く飲めるように造られてますが、手強い(笑)。」
「ボルドーワインに似ていますが、セパージュは何ですか?」
家内(待ってましたとばかり)「タナ種100%です!私が何故タナを愛するかと言うと(俄然力が入る)、タナは単一でボルドーのような複雑さを成しうるからです!」
私「クラシックな造りだと20年はかかりますが(笑)。このワインはこれでも今風。ようやく飲み頃に入ったところかな?」
「マスキユーさん!最近ブリュモンからダイディに乗り換えたんですか(笑)?」
私「なんと鋭い?ブリュモン高級過ぎるようになりましたし、あと飲みやすすぎる(笑)。物足りなく感じるようになったんですよね。ブリュモンが悪いのではなく我々の舌の性です(危ない危ない)。」
「ダイディは飲み手を選ぶワインですな(笑)。
ボルドースタイルですけど、こんなスパルタンなボルドーって最近見ませんよね(笑)。」
「どんな料理に合わせるのか?高級なレストランの料理に合わせるしかなさそう(笑)。家庭料理じゃ無理かな?」
「少なくとも肉!今流行りの塊肉!(笑)」
「どの部位がイイかな?」
私「それってまさにマディラン辺りの人々の発想ですよ(笑)。センス良いスタイルですね!」
家内「徹底的に煮詰めたカスレなんか食べながら飲んでみたいですね。カスレの豆と肉に良く合うはずです。食べたくなった(笑)。」

本日のトリは圧倒的なジゴンダスです(笑)!
●ジゴンダス“グラン・ロマーヌ”キュヴェ・プレスティージュ 2011年 ドメーヌ・ピエール・アマデユー
フランス ローヌ 赤 ジゴンダスA.C. 750ml 4257円税込み
「おー!香りからして違う(笑)。香りに重さ質感がある。」
「隙間がないよね(笑)。」
「飲むとまた凄い(笑)!凝縮感が凄いね。」
「舌の上にコンモリとタンニンが鎮座しておりまする~。」
私「壮麗と言うヤツです(笑)。」
「マスキユーさん!凄いワインだと思いますが、凄く飲みやすい(笑)。何故?」
「高いワインって飲みやすかったりするんだよね。」
「マスキユーさんがブログで、悔しいくらい飲みやすいと言ってた訳が解りましたよ(笑)。」
私「ちなみにアルコール分は15%もあります。」
「えー!そんなにあるんですか?アルコールっぽくないですよ?」
家内「このワインはこれで折り合いがついているってことかな。」
「グルナッシュのニュアンスがハッキリ出ている。チェリー、ベリー、プラム
ジャムっぽさもあるかな。」
私「さすが!おっしゃる通りです。畑の標高が高いので酸がよくのっていますから、明瞭さがあります。あと標高の高さ故収穫を遅く出来ますからジャムっぽさもあります。」
「力が強いけど、力づくじゃないのがイイ(笑)。バランスが良いよね(笑)。」
「これだかアルコール分が高いと、アルコリックになったり、酸が足りなくてスカスカになったりしがちだけど。すばらしい出来映えだよね。」
「余韻だって只者じゃない(笑)。いつまでも続く。」
家内「アマデューは畑が130ヘクタールとジゴンダスの10%ほども所有してます。」
「えー!そんなに大きいんですか?」
私「所有している畑は標高の高い山の上なので、それに特化しています。この辺が秘訣かと。ドメーヌの規模の割りにキュヴェ数が少ない点頷けます。」
家内「初代のピエール・アマデューの先見の明かな(笑)。ジゴンダスがA.O.C.に昇格した立役者と言われています。ジゴンダスがブルゴーニュの混ぜ物として使われることが許せなかったんでしょうね。」
「えっ!そんなことあったんですか?」
家内「70年代まで普通にやってたようです。それもグラン・クリュに混ぜたようです。」
「酷いことするんだな(笑)」
私「ジゴンダスのポテンシャルの高さをプロは知っていたと言うべきかな(笑)」


どうもありがとうございました!
桝久商店 岡本利秋・昭子

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

桝久 試飲会リポート 前編201511

Nov 02, 2015 by weblogland |
昨日一昨日とご来店ありがとうございました。今月は一時に集中せず、割りとゆったり(笑)、あおられずにすみました(笑)。全部で7本ですから、グラス洗いが間に合わなくなるかと恐れてましたが無事終了しました(笑)。ありがとうございました!

「マスキユーさん、今回はほとんど赤ばっかりですね。待ってましたね(笑)。」
私「おっしゃる通り。解りました(笑)?この季節になるのを虎視眈々と待っておりました(笑)」
のっけから私の意図はバレバレでのスタートです(笑)!

まずはロゼのランブルスコです。
◎クエルチオーリ・レッジアーノ ランブルスコ ロザート ドルチェ メディチ・エルメテ イタリア エミリア・ロマーニャ ランブルスコD.O.C. 微発泡 ロゼ 甘口 750ml 1165円税込み
「あー、これですね。名前の難しいヤツ(笑)。」
私「まだ上手く言えません(笑)。」
「色も綺麗だし、瓶もカッコイイ(笑)。」
「味も見た目通り(笑)。でも、思ったより甘くないよね。」
「薔薇とかチェリー、苺のニュアンスがフレッシュでイイねえ(笑)。軽やかさもイイ。」
「女子会必須アイテムだな(笑)。ワインデビューする方には良いね。絶対にワインを好きになる(笑)。」
「甘さもベタベタじゃないから、食事に合わせられますよね?」
私「残糖分が1リットル中50gほどありますが、リンゴ酸がしっかり入ってるので甘さが目立ちません。ガスが入っていることと強く冷していることも甘さを押さえています。」
「なるほど、供出の際のテクニックですね(笑)。」
「マスキユーさん、これってアルコール分は何%ですか?アルコール入っていないみたいよね。危険(笑)。」
私「8%です。」
「最近流行りの高アルコール チューハイ並みなんだ。」
「あれはアルコールっぽさ満点だよね。いかにもアルコール飲んでる感じ(笑)、でもこのワインは同じ位のアルコール分だけど全然アルコールっぽさが無い。」
私「そーなんです(笑)。このワインの良さかと。」
「フルーツやデザートあとクリーム系には幅広く合いそうですが、食事だと何に合わせますか?」
私「甘辛ダレには上手くいくような気がします。例えば焼き肉のタレ。すりおろしたリンゴやハチミツを隠し味に使えば完璧に合うはず。」
家内「料理にリンゴ酸を加えるのがポイントかな。豚の角煮にリンゴを一緒に煮ると凄く合いますよ(笑)。」
「リンゴ酸はりんごから(笑)。」
私「レモンでも良し!」
「普段食べる煮物なんか割りと砂糖も使いますから甘口ワインでも遭わないはずがない。」
「フランス料理のセオリーに合わせる必要は無いですよね(笑)。『料理に砂糖使わないからワインもドライでないといけない』ってやつね(笑)。」
「日本酒だって甘いんだから、特段無理な話じゃないですよね。」
私「さすが慧眼!」
「ランブルスコって甘いイメージが強かっんだけど、これは甘さ加減が許せるかな(笑)。赤のランブルスコみたいに生ハムにも合いそうだしね(笑)。」
「屋外で楽しむのもお洒落かな(笑)。」
「T.P.O.の幅も広いよね(笑)。これもワインの楽しみ(笑)。」
私「そうそう。飲むだけが楽しみの全てじゃありませんよね(笑)。どんなシュチュエーションで誰と飲むかは大事だし、楽しみになりますよね。」

マスキユーのお客様の味覚の幅広さには感謝感謝でした。楽しむことを熟知されています。甘口の食中酒の提案に鋭く反応していただきました!

さて次は本日の穴(笑)。
●フィンカ・エンゲラ キュヴェ・タカ 2012年 ボデガス・エンゲラ スペイン 赤 ヴァレンシアD.O. 750ml 1000円税込み スクリュー・キャップ
「あれ?このワイン割りと安いですよね(笑)?」
「そんなにゴージャスじゃないけど、美味しいよ(笑)。」
「スッゴく飲みやすいよね。セパージュは何ですか?」
家内「モナストレル100%です。バレンシアの地場品種です。クラシックな造りのモナストレルですと飲み頃になるまで20年くらいかかります。」
「えー!そんなにかかるんですか?」
私「あまり香りは立ちませんが、柔らかでたっぷりした舌触りは美味しいですよ。シンプルに美味しいスタイルです。これもシンプルな点は受け継いでいますが、技術のイノヴェーションの賜物ですね(笑)。」
「でも、あまりいじった感じはしないですよね?余韻や広がりも綺麗だし。」
私「さすが!元々農薬を加えないでも栽培出来る気候を上手く利用しています。暑いし風も強いので、草は生えにくいし虫も風に飛ばされる(笑)。」
「木樽のニュアンスが心地良いよね。チョコレートっぽくてしかも過剰じゃないよね。」
家内「これもミソです(笑)。新樽で3ヶ月だけ熟成させてます。なかなかの業師です(笑)。」
私「新樽を使うと単純にワイン1本あたり200~300円ほどコストがかかります。」
「このくらいの価格のワインですとオーク・チップでごまかすけど(笑)、違うんですね(笑)。」
私「実際に売価以上のランクのワインです。ただあまり高級過ぎて売れませんでした。そんなこんなでお付き合いの長いインポーターさんのご厚意で安く販売する運びとなりました。」
家内「ラベルに書いてあるキュヴェ・タカは、インポーターさんの社長高橋さんのタカです。」
「ほう~。じゃあ高橋さんに感謝しなきゃ(笑)。高橋さんありがとうございます(笑)。」

そして本日解禁のイタリアの新酒 ノヴェッロです。昨年の2014年とご一緒に比べていただきます!
●ティニ・マルケ IGT 2015年 ガロフォリ
販売価格(税込): 1,980 円
イタリア マルケ ノヴェッロ 航空便 赤 750ml
私「まずその前に変更のお詫びとお知らせです。本日の順番ですが、当初ノヴェッロは2番目でしたが、急遽フィンカ・エンゲラの後にしました。理由は飲んでいただけると…。」
「あー、どっちも旨い(笑)。よくにてるけど違う(笑)。確かに同じ人が造ったワインだね(笑)。」
「うーん。2015年の方が甘くてフレッシュかな?でも、2014年の方がこなれて飲みやすいかな(笑)。」
「一年たってもこんなに美味しいんだ!?2014年ありますか?」
私「残念ながら2014年はお勉強用しかありません(笑)。スミマセン。」
「どちらも雑味が無くて旨味タップリ(笑)。マルセル・ラピエールのボジョレーに似ていますよね。品種はガメイ種ですか?」
家内「このノヴェッロはモンテプルチアーノ種100%です。」
「キャンディーみたいだしボジョレーヌーヴォーって言われてもわからない(笑)。」
「そうそう!しかも高級なボジョレーヌーヴォー(笑)。」
私「M.C.(マセラシオン・カルボニック)をかけると共通な味わいになるようです。ただしこのワインは開けてから3日ほどするとモンテプルチアーノ種由来のラズベリーの香りに変わってきます(笑)。まだ3日経ってませんか(笑)。」
家内「あとこのノヴェッロはマルセル・ラピエール同様に果汁をプレスした感じが無いですよね。雑味がありません。」
「マスキユーさん、2014年と2015年はどう違うのですか?」
私「2014年はアルコール分が11%、2015年はアルコール分は12.5%です。」
「2014年は糖分の上がらない作柄ということですか?」
私「おっしゃる通りです。2014年は当初たくわんのような香りが強く、癖がありました。今飲むとほとんど感じません。恐らく発酵臭由来の癖だと思います。」
「そうそう。あの匂いはびっくりしましたね(笑)。でも今飲むとわからないですね。」
私「2014年はアルコール分を上げるために収穫を遅らせたので瓶詰めまでの期間が短かくなりワインに発酵臭が残ったのだと思います。2015年はそうしたストレスがなくイレギュラーの無い作柄だと思います。」
「これだけ旨いとフィンカ・エンゲラの後にしないとフィンカ・エンゲラが可哀想だね(笑)。」
私「(苦笑い)」

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

エスピエのジゴンダス2012年

Oct 19, 2015 by weblogland |
前日エスピエジゴンダス2012年を飲みました。
旨いですね。
全房発酵をしてるのに飲みやすいふしぎ(笑)。もちろん桁外れの広がり、深み、余韻。圧倒的でした。ほとんどプレスしていないから雑味がないんでしょうね。この上のキュヴェ『ブラッシュ』になると更に透明感が増しながら、全体の大きさもアップするんですよね。普通ワインは濃くなるとタンニンが増し、飲みにくくなる傾向があります。でも、クラシックな造りでも、より早く飲めるようにイノヴェーションしてますね。ただし、コストの増す歩留まりの悪いやり方ですから、皆はしないでしょうね(笑)。
安いには安いなりの価値はありますし、高いには高いなりの理由がなくてはいけません。飲んでそれが解ることがマスキユーの目標です。単に飲んだくれている訳ではありません(笑)。もちろん嫌いじゃ出来ませんから、これはやはり天職かな(笑)。
ティスティングしながら言葉を失うほど美味しいワインに当たると我を忘れます。求道者なら己の未熟を嘆き『我まだ木鶏たらず。』なんて嘆くのかもしれませんが(笑)、私は「何故美味しいのか?」などと考えない幸せに浸ります(笑)。
やはり未熟者(笑)。

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

桝久 試飲会リポート 後半

Sep 28, 2015 by weblogland |
「マスキユーさん。SO 2 って有害なんですか?ほとんどの食品に入っていますよね?」
私「ほとんどの食品に入っています。輸入食品には表示義務があります。ワインはSO 2 の総量が400ml /1 L以下でないと日本には輸出出来ません。ヨーロッパではSO 2 でも遊離型に神経をとがらせますが、結合型は問題にしない傾向があります。日本の貿易障壁と問題になっているようです。ただし、近年WHO は結合型でも腸から吸収されるSO 2 の有害性を指摘しており、規制のレギュレーションが変わるかも知れません。」
「SO 2 は結合型と遊離型の2種類あるんですか?」
私「はい。結合型は添加したSO 2 が他の分子と結合して安定した状態で、遊離型はまだ結合していない状態です。」
家内「硫黄臭く感じるのが遊離型です。刺激臭ですね。結合型は妙にアマ苦く喉の奥を刺激します。」
「そうそう。正確に表情されてないから我々解らないんですよね。多いと二日酔いしたり翌日アルコールがのこったりしますよね(笑)。」
「マスキユーさんはどうやって見破るのですか?」
私「初めの頃は翌日二日酔いするかしないかでした(笑)。今ではテクニカル・シートで確認しますが、基本はティスティングでだいたい解ります。たまに外しますが(笑)。」
「へぇー、ティスティングで解るんですか?」
家内「意識して飲むと自然に出来るようになりますよ(笑)。多いと不味いですから(笑)。」
「マスキユーさん、日本酒や国産ワインにもSO 2 は入っているんですか?ラベルには書いてないですよね?」
私「入っています。ただ表示義務が無いだけです。でも最近の良識ある日本のワイン生産者には表示する方もおられます。」

●モングラーナ 2010年 クエルチャベッラ イタリア トスカーナ 赤 マレンマI.G.T. 750ml 2777円 税込み
「これですね。黙っていても売れるから試飲会には出ないワインって(笑)。」
私「(笑)、まずは飲んでミソ(笑)。」
「なるほど旨いや(笑)。」
「品があるね(笑)。あと複雑だね。」
「重くないけど、緻密で綺麗。セパージュは何ですか?」
家内「サンジョヴェーゼがメインでカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロが加わります。サンジョヴェーゼの果実味がよく出ています。」
私「チェリーぽいですよね。オレンジのニュアンスもあります。ちょっとモレッリーノ・スカンサーノに似てるかな?」
家内「クエルチャベッラはもともとキャンティーで名を成した生産者です。歴史は古くなく70年代からのニュー・フェイスです。今ではスターですが(笑)。クエルチャベッラはキャンティーだと熟成にバリックを使いますが、このモングラーナはコンクリート・タンクがメインで、バリックはほんの少し 香りつけ程度です。」
私「かなり柔軟にワインを造りますよね。」
「いわゆるスーパー・タスカンとは違うんですか?」
家内「スーパー・タスカンだとボルドー品種がメインになります。あとバリックの新樽で熟成させますから、かなりヘビーでくどい(笑)。」
「マスキユーさんの嫌いなタイプだな(大爆笑)。」
私「読まれてますね(笑)。」
私「まあ、樽香と果実味のバランスが良ければ良いのです。」
「ところでこのワインのラベル面白いですよね(笑)。ひまわりだな。」
「ガガ様はみたいだ(笑)。アバンギャルドですね(笑)。」
「ありがちな紋章なんかつけないのがイイ(笑)。」
「私このワイン 後味というか余韻が素晴らしく綺麗だと思うんですよね。ひたすらエレガント。ラベル・デザインの印象とは違うんですよね(笑)。」
「とても伸びやかで自由な感じがして良いですね。」
今回このクエルチャベッラのモングラーナとガロフォリのピアンガルダをセットで購入されたお客様が多かったです。やはり共通する良さがあったようです。


●『カンノナウ』 2011年 ヌラーゲ・クラビオーニ イタリア赤 イタリア サルデーニャ島 カンノナウ・ディ・サルデーニャD.O.C. 赤 750ml 2746円 税込
「マスキユーさん。このワイン 前に試飲会で出しましたよね?」
私「はい。たしか去年の試飲会で2010年を出しました。飲み頃になった2011年も良いかと(笑)。あと訳は飲んでから答えがございます(笑)。」
「あっ!これ旨い。同じイタリア・ワインとは思えない(笑)。」
「色は薄いけど、すっごくしっかりしてる。薄旨いけど強い。」
私「ブルゴーニュのピノ・ノワール的ですよね(笑)。醸しの期間が短いのと、プレス果汁を使わないでフリーラン・ジュースだけで造るクラシックなブルゴーニュ的造り方をしています。」
「うーん。たしかにブルゴーニュっぽい(笑)。でもセパージュは?ピノじゃないですよね?」
家内「カンノナウ ローヌのグルナッシュのことです。でもサルデーニャの人々はカンノナウを譲りません(笑)。こっちが本家だと(笑)。」
「たしかにグルナッシュでもピノ・ノワールみたいな味わいのワインはありますよね。マスキユーさんの試飲会で以前出てましたよね。」
私「はい。このワインは除梗しており、早く飲めるように造っています。」
「今日飲んだスタイルと比べると異質だよね。でも、造り方で出来上がるワインも違うってことなんですね。」
「でも、このワイン ヨード 海藻みたいなニュアンスがあるよね。塩からさも。」
家内「ミネラルっぽさ感じますよね。」
私「畑は海沿い 鎌倉の由比ヶ浜でワインを栽培してるような感じですよ(笑)。」
「だから潮の香りがするのかな(笑)?」
「不思議ですよね(笑)。」
「このワインはリキュールのような香りが強くしますよね。飲んだ味わいとグラスで嗅ぐ香りが一致します。でも、今日の試飲会では他のワインは香りがあまり立ちませんよね。何故ですか?」
私「待ってましたこの質問(笑)。今日の4番目まではいわゆる地中海系 ポンティカ系と言います。もともと暑い原産地のような植生なので、香りがあまり立ちません。口中での味わいが鼻腔に抜ける時に香りを強く感じます。フランスやドイツのようにもともとワインがなかった産地の葡萄 品種改良を重ねて造られた品種とは違ったスタイルです。」

さて、本日のトリは白。種も仕掛けもあります(笑)。
〇アンソニカ・ビアンコ 2013年 カタルド・カラブレッタ イタリア カラブリアI. G. T. 赤 750ml 2180円 税込み

「おー!これはパワフル(笑)。旨みの爆弾だね(笑)。」
「酸の量が圧倒的。でもアルコイックじゃない。アルコール分は?」
私「13%です。無理していませんね。」
「でも香りは凄く複雑。白い柑橘類やマンゴーなんかのトロビカルなニュアンスも感じる。ワン・パターンじゃないですね(笑)。」
「甘さも強く感じますが、残糖はあるんですか?」
家内「フリーラン・ジュースだけで発酵してから、シュール・リーで半年寝かしますから、甘味・厚み・旨みが増します。このため甘く感じます。」
「5番目のカンノナウ同様フリーラン・ジュースだけなんですね。これが今回の試飲会の仕掛けですね(笑)。」
私「ご明察でございます(笑)。」
「プレス果汁を使わないと使うとではこんなに違うんですよね。目から鱗(笑)。」
「ほんと。厚み、旨みが段違いだよね。」
「アンソニカってあまり聞きませんが、どんな品種?まあ、こんなPCなんでしょうけど(笑)。」
家内「シチリアで有名なインツォリオの別名です。こんなにアロマチックだと解らないですよね(笑)。」
私「まあマロラクティック発酵はしないようです。温度管理はしっかりしています。一昔前では考えられない白ワインです。」
「マスキユーさん、このワインはどのくらい持ちますか?」
私「厳しい質問です(笑)。2013年ヴィンテージで完全に出来上がっていますから、今飲むべきワインです。5年、10年寝かせるワインではないと思います。ただ他のヴィンテージは飲んでないので断定は出来ませんが…。」
「マスキユーさん。フリーランだけが理由でこんなに美味しくなるんですか?」
私「いえいえ、基本は低収量です。1本の葡萄樹からどれだけのジュースを得るか、たくさん採ろうとすれば薄くなり、少なくすれば濃くなります。ただしコストに跳ね返ります。」
私「5番と6番は1本の葡萄樹からワイン1本前後しか採ってないと思います。」
「そうするとアンソニカ・ビアンコはめちゃくちゃ安くありませんか(笑)?」
私「実は特別条件がつきましたので、今回ご紹介することにしました(笑)。通常ですと3000円越えますから、ケチなマスキユーでは売れない(笑)。」
アンソニカ・ビアンコ 土曜日の夕方前に完売してしまいました。本日のトップセラーとなりました。週明けの火曜日に再入荷しますので、しばしお待ちを!
家内「アンソニカ・ビアンコを飲んだ後に1番目のトスカーナ・ロッソを飲んでみてください。」
「おっ!ちゃんとしてる!普通に美味しい。」
「安い赤だけど負けていないよ!」
私「これが本日の仕掛けです(笑)。ありがとうございました。(笑)」

お忙しい中、ご来店ありがとうございました。

桝久商店 岡本利秋・昭子

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

桝久、試飲会リポート 前半

Sep 28, 2015 by weblogland |
昨日、一昨日とお忙しい中ご来店ありがとうございました!
今回一番乗りは筋金入りのワイン・エキスパートのKさん。
Kさん「金曜日の5時だとまだ皆さん仕事かな?」
私「はい。だいたい6時過ぎ頃からかけつかて下さいます。」
Kさん「では、口開けですね(笑)、抜栓直後に飲むことは一番上の美味しい所ですから、良さがよく解るんですよね(笑)」

土曜日の一番乗りはワイン・ラヴァのAさん。
私「あれ、今日はやけに早いでね(笑)。」
Aさん「実は、午後出勤なので、早めに寄らしてもらいました(笑)。内緒でよ(笑)」

私「なるほど!その手がありましたか?ありがたいことです。これブログネタにしても良いですか?もちろん匿名にします(笑)。」
Aさん「はい(笑)。」
皆さんそれぞれのワイン・ライフがあります。

さて今回のテーマはイタリア・ワイン。
まずは972円の登場です(笑)。
●トスーナ・ロッソ 2014 年 アジェンダ・アグリコーラ サン・ルチアーノ イタリア 赤 トスカーナI.G.T. 750ml 972円税込
「マスキユーさん、安いワイン見つけましたね(笑)。この牛ですね。」
家内「短角牛ですから、食用でね(笑)。」

私「Tボーン・ステーキ!」
「安くて美味しいワインってなかなかないんだよね。」
「あっ、でもこれ美味しい(笑)。」
「フレッシュ!飲みやすいし、コクもある。」
「甘さもある(笑)。ちゃんと酸ものってる。」
家内「時間が経つと甘さが増します。」
「イタリア行った時の味!田舎のビストロで、一番売れてるワインを頼んだ時に出てきたワインみたいだ(笑)。日本だと経験出来ないんだよね。何でかな?」
私「もともと輸出向けではないようです。安い輸出向けワインは大手の酒商が効率的にワインを造りますから、コスト重視のワインになりがちです。こんなスタイルのワインが日本で飲めるようになるのは、驚きです。」
「セパージュはサンジョヴェーゼですか?100%かな?」
私「私も最初サンジョヴェーゼ100%だと思いましたが、サンジョヴェーゼは60%、あとモンテプルチアーノとチリエジョーロです。サンジョヴェーゼらしさが良く出ているしブレンドした違和感がないんですよね。」
家内「チェリーやオレンジっぼさがありますよね。」
「広がりがあるよね。洗練されてる訳じゃないけど、雑じゃないんだよね。媚びた所がない。いいね(笑)。」
私「多分SO2もかなり少ないはずです。」
「安心できる味だよね。」
「これって木樽使ってますよね?」
私「テクニカル・シートではステンレス・タンクのみです。でもちょっと木樽のニュアンスが無くはないですよね。ひょっとしてアッサンブラージュの際に木樽熟成したキュヴェをちょっとだけ混ぜているかもしれません。一応インポーターさんにしつこく聞いています(笑)。ワイナリーの返事待ちです。」
家内「モンテプルチアーノのタンニンは若いとざらつくことがあるので、それかも知れませんね。」
コスト・パフォーマンスの高さに大好評なのは想定内でした(笑)。ホームランかな(笑)?

●ラーマ・ディ・ピエトラ ネーロ・ディ・トロイア 2014年 カンティーナ・デオメーデ イタリア 赤 プーリア ネロ・ディ・トロイアI.G.P. 750ml 1296 円 税込み
「これってマスキユーさん定番のトロイアとは違うんですか?たしかディオメーデですよね?」
家内「同じですが、トロイアの方がワンランク上のキュヴェで、これは早飲み用のスタンダード・キュヴェです。」
私「品種も同じですから、紛らわしい(笑)。」
「杏子の香りがハッキリしてますな。」
「南イタリアにしてはフルーティーですよね。真っ黒くなってないですね(笑)。」
「チョコレートっぽさは南イタリアなんだけどね。」
「マスキユーさん、これは木樽熟成してるんですか?」
私「木樽は使っていません。タンニンが粉っぽいのは、若さ故かと。」
「私この粉っぽさ好きだな(笑)。」
「南イタリアにしては、酸っぱいくらい酸がありますよね?」
家内「ヴォルビなんか合いますよね(笑)。美味しいだろうなぁ(笑)。」
私「スタイルなのか?作柄なのか?即答は出来ませんが、このワインはアルコール分が12.5%しかありません。南イタリアのプーリアにしては異例の低さです。去年のノベッロの時に感じた印象がそのまま出たかも知れません。」
「それって作柄不良?」
私「夏場が暑く乾燥しなかったようです。最初に飲んだトスカーナ・ロッソの方は13%ありますから、トスカーナの方が良かったかも知れませんね。これも去年のノベッロ同様です。」
「2014年て難しいヴィンテージなんですね。」
「作柄が悪くてアルコール分が上がらなかったのかもしれませんが、ワインとしてちゃんとしてますよね。ありがちな暴力的な在り方じゃないし(笑)、マスキユーさんがよく言う、折り合いは
ついてますよね。」
「一番アルコール分を感じないアルコール度数は13.5%なんて言うけれど、それって前提ありきですよね。酸や濃度によって決まるし、日本人からすらと12%くらいで収まっているのが心地好いですよね(笑)。」
私「ワインとその作柄によってベストなアルコール度数 折り合いは違ってくるはずです。ワインの前提がカリフォルニアなら13.5%で理論化は出来ますが、それを他のワインに当てはめるのは大間違いです。」

●ビアンカルダ 2011年 ガロフォリ イタリア 赤 マルケ ロッソ・コーネロ D O.C. 750ml  1697 円 税込み
「神ガロフォリですね(笑)。」
「マスキユーさん!味わいが特別新奇な訳じゃないんですよね(笑)。基本クラシックですよね?」
私「はい。おっしゃる通りです(笑)。ブラインドで飲んでもマルケのワインだと解るスタイルなのですが、このクラスでこれほど完成度の高いワインは無いはず。近いと言えばファレスコかな(笑)?」
「旨み、広がりが素晴らしい!深みもあるし、あと余韻が長くて綺麗です
ね(笑)。」
「スッゴクしっかりしてるけど、重ったるく感じない。」
「樽を使った感じも無い?」
家内「古い大樽を使ってますが、樽香をつけるために使っている訳じゃないですね。ワインが調和するために木樽を使っています。」
「マスキユーさん、このワインすべてが良く出来てますが、2011年は良い作柄なんですか?」
私「はい。糖度は高く上がりアルコール分は14%あります。でも、アルコイックになっていません。無理に遅摘みしたりしていませんから、折り合いがとても良くバランスがとれています。ガロフォリのノベッロ2013年はアルコールが11.5%でしたが、素晴らしい出来映え。2014年は苦しかったようですが、。」
家内「2011年は今飲み頃に入ったところですね(笑)。時間が経つとどんどん良くなります。マルケのモンテプルチアーノは基本暗さ黒さがありますが、プラムやラズベリーのニュアンスがだんだん出てきます。」
「なるほどね。たしかマスキユーさん定番のチウ・チウも似てますよね(笑)。」
「小豆や黒豆っぽさが共通してるよね。ガロフォリの方はそれに赤い果実のニュアンスが加わるのかな。」
「このワインの広がりの良さ、クリアさは何に由来するのですか?もちろわ造りが良いのでしょうが(笑)。」
私「SO2が少なく感じたのでインポーターさんに問い合わせたところ、テクニカル・シートには書いていない(笑)。そこで通関の検査資料を調べると、析出不能レベルでした(笑)。1リットル中14ml 以下は析出出来ないようです。」
「それ以下ということなんだ。」
家内「おそらく、瓶詰め時に少しだけ入れる程度だと思います。」
私「それ以外の工程でSO2は使っていませんね。ましてや木樽を使いますから管理能力は素晴らしいです。」
「木樽の殺菌のためにSO2を使うんですね。」
私「ご明察です(笑)。木材の木孔部分に雑菌は繁殖しやすいようです。あと、醸造時に不健全な葡萄果が入ることもリスクとなります。」
「いわゆるビオ・ワインなんですね。」
私「ビオを謳いながらたくさんSO 2 を使う生産者が実は多い(笑)。インチキの方が多いです(笑)。」
家内「ガロフォリはビオを謳ってません(笑)。矜持があります。」
「美味しさには訳があるんですね(笑)。」

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

試飲会番外編 201508

Sep 01, 2015 by weblogland |
今回のマスキュー試飲会でトップセラーとなったのが◯レゼルヴ 2013年 ドメーヌ・デュ・タリケ フランス ガスコーニュ 白 コート・ド・ガスコーニュI.G.P. 750ml 2005円税込み です!


タリケはもともとアルマニャック・ブランデーの生産者。冷涼な彼の地では糖度が上がらずまともなワインが出来にくい。そのため蒸留酒ブランデー生産に行きます。有名なコニャックも然り。
今でこそ技術も進み、温暖化の影響もあり、白ワインのスペシャリスト タリケ として名を馳せていますが、環境は過酷なので赤は造っていないようです。
実はサンプルでいただいたタリケのアルマニャックが少しだけありました。試飲会当日の混雑時には出せませんでしたが、ちょっと空いた時にちょびっとだけ舐めていただきました。皆様全員といかなくてご免なさい。

「すーばらしいな(笑)。」「コニャックとは違うよね。あれほど葡萄葡萄してない。」
「かといってアルマニャックらしくもない(笑)。ゴツゴツしてない。」
「香りが明瞭 かなりフローラル あと植物っぽさもあるよね。うっとりするね(笑)。」
「甘過ぎず品がある。バランスがとても良いなぁ。モルト・ウイスキーみたい。それも品のある上物(笑)。」
私「このワインがそのままブランデーになる訳ではありませんが、ワインで使った樽をブランデーの熟成に使っていることは間違いないですよね。品の良い極上のアリエ産の樽のニュアンスが共通しています。スモーキーさや過度の甘さがなく、複雑味と透明感があります。変にトロピカルじゃないところが気に入ってます(笑)。」
「これブラインドでやったら当たらないだろうなぁ(笑)。」
私「難易度高いですよね(笑)。」
「マスキューさん、これも売りなよ(笑)。でも高いかな(笑)?」
私「1万円は越えちゃうんですよね。」
「2万3万しなきゃイイんじゃない(笑)?」
私「家内と相談します(笑)。

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

桝久試飲会レポート後半2015/08

Aug 31, 2015 by weblogland |
さて、後半戦の赤3本です。

まずはちょっと毛色の違うローヌです。
ヴァン・ド・ペイ・ド・ヴォークリューズ ルージュ 2012年 ドメーヌ・ド・ラ・モナディエール 南フランス ローヌ 赤 750ml 1819円税込み
私「このワイン シャトー・ヌフ・ド・パフとジゴンダスの間にあるヴァケラスのワインです。ただし畑が一部アペラシオンの外れに在るためV.D.P.となります。」
「軽くて飲みやすい!?」
「へぇー、いわゆるローヌっぽくないよね(笑)。スッゴくエレガント(笑)。でもなんで?」
私「おそらくプレス果汁を使わないためかと。インポーターさんに聴いてみますね(笑)。」
「なんでプレス果汁を使わないとこうなるんですか?」
私「余分に皮のタンニンを抽出しないからです。あと、醸しも低温で短いとおもいます。」
家内「ローヌでは長いところでは1ヶ月くらい醸す蔵がかなりあります。」
「なるほど、1ヶ月も醸したら全て溶けてドロドロになっちゃうんですね(笑)。」
私「あと、SO2も瓶詰め時に2mgほどしか入れていません。砕身の管理をしています。」
「へぇー、SO2って少ない方が良いとは思いますが、普通どれくらい入れるんですか?」
私「国際標準だと瓶詰め時に1リットル中に30mg 30ppmくらいが達成されています。テイスティングした際に添加量が50mgくらいだと違和感ないですね。」
家内「SO2は少ない方が良いのですが、全く入れないとかなり危険です。30mgくらい瓶詰め時に入れてくれた方が安心して扱えます。正直な話(笑)。」
「SO2の量が多いとどうなりますか?」
私「硫黄臭くなります。温泉地のあの臭いです(笑)。あと結合するとアマ苦く感じ喉を刺激します。ちょっとオェっとなります(笑)。」
家内「あとワインに広がりや余韻が狭まるかな。」
「なるほど!そう聞くとこのワインの味わいがよく理解できますよ(笑)。ところでこのワイン、軽いけれど強いですよね?」
私「そーなんです(笑)。酸がしっかりしています。昨日抜栓して今日飲むとより良くなっています。」
「ゴージャスじゃないけれど美しいよね(笑)。」
「地味に美味しい(笑)。」「でも、ローヌにありがちな真っ黒じゃない(笑)。赤い果実のニュアンスがあるよね。」
「エレガント!キメ細か。」
「うんうん。アメリカ人には解らない味(笑)。日本人向きで良いですね(笑)。」
私「さすがソムリエ!このワインの本質を見抜きますね(笑)。」
「アメリカ人向きのキャッチーで単純で甘さと力だけのワインじゃないよね(笑)。」
家内「和食の煮物なんか合わせ易いかな。出汁にも相性が良いはず。」
私「いわゆるローヌだと焼き鳥のタレなんて言うしかないんですが(笑)、これは和食に合わせ易いかと(笑)。」


さてさて、次はボルドーの赤。順番からするとヴァケラスの前にしたかったのですが、かなり強さがあるのでトリの前の登場です(笑)。
シャトー・クロノー 2013年フランス 赤 ボルドー・スペリュールA.C.750ml 1740円税込み
私「このワイン 実は4月の試飲会に出しました(笑)。その時はポテンシャルの高さは好評でしたが、あまり売れませんでした(大爆笑)。悔しくて(笑)、毎月飲みながら家内と『何時旨くなるかな?』と定点観測してました(笑)。」
家内「この夏を越えて よーやく 良くなってきました(笑)。」
「たしかに!タンニンがこなれて質感が増しましたね(笑)。」
私「でしょ(笑)!」
「これってメルロですよね。スッゴくしっかりしてる。」
「タンニンだけとったらグラン・ヴァン並みだよね(笑)。ランクが違う。」
私「ありがとうございます。そう言っていただいて涙出そうです(笑)。」
「ボルドー・スペリュールだとツルンとしたワインばっかりだけど、このワインはちょっと違うよね?」
家内「産地が北のベルジュラックに近いのが原因だと思います。あの墨汁のようなベルジュラックに似ています(笑)。」
私「家内はベルジュラックの墨汁っぽさが好きなんですよ(笑)。」
「ベルジュラックのワインって硬質で飲み頃になるまで時間がかかるんだよね(笑)。それで理解出来ました(笑)。」
私「これでも早飲みに造られてますが、それでもスローですよね(笑)。冬になる頃にはもっと良くなるはずです。」
「更にどうなるんですか?」
家内「甘さと柔らかさが増すはずです。味噌ダレの鍋が私を待ってます(笑)。」


さて、トリは大物(笑)。
ル・キャバレ・デゾワゾー2014年 ラ・プチ・コマンドリ フランス コルビエールA.C. 赤 750ml 3054円税込み
「うわっ!これすごい!今まで飲んだのとはレベルが違う(笑)。」
「うっまい!」
「全てがスゴいよね。」
「口の中がエライことになってる(笑)。大きさも凄いし、余韻が長い長い(笑)。いつまで経っても味が消えない。リキュールを飲んだ後みたい。」
「全房醗酵してプレスせずにフリーラン・ジュースだけで造っています。とてもプリミィティブな造りです。」
「4番目のヴァケラスがフリーランで造っているから綺麗で雑味がないのがこのワインと共通しているのは解りますが、大きさがこっちは桁外れにでかい(笑)。なんでですか?」
「収穫量がこのコルビエールは極端に低いからだと思います。おそらく1本の葡萄樹からハーフボトル1本分くらいしかとってないはず。あと、房ごと醗酵させるクラシックな全房醗酵により酸が多量に引き出されます。このためワインが立体的になります。口中でそそり立ちます(笑)。いわゆる壮麗さとなります。」
「マスキューさん!教本だと赤ワインは葡萄の房から粒を外して醗酵させるのがセオリーと書いてますが?」
私「間違いです(笑)。確かに除梗して醸造するスタイルが席巻していますが、基本的に赤ワインは全房醗酵させてフリーランだけで造るのが本来形です。」
「白ワインで全房醗酵させるスタイルもあると聞きましたが。それは?」
私「初耳です(笑)。葡萄果の酸不足を補うのかも(笑)。飲んでないのでなんとも…。」
「マスキューさん。梗って葡萄果に繋がる木質の小枝みたいなものですよね?あれって枝だからタンニンやエグ味に繋がるのでは?」
私「確かにプレスすると過剰なタンニンやエグ味の原因になります。実際に囓るとリンゴの味がします。リンゴ酸を多く含むようです。」
「コルビエールのワインだとマスキューさんはオプティマも扱ってますよね(笑)。あれってこのワインとは対極ですよね(笑)?」
私「おっしゃる通り!オプティマは今風のトップランナーでございます(笑)。」
「ワインって産地じゃなくて造り方や造り手に依存するんですね。」
「このワインって、この変な(笑)オジサン味のワインなんだな(大爆笑)。」
家内「あと、このワインアルコール分は12%と低いのですが、折り合いが素晴らしい。ラングドックらしからないワインになっています。もちろん作柄が困難であったことも含めてですが。」
私「葡萄樹の仕立てが低いですから、その分養分は葡萄果に集まります。ただ作業効率は悪いし(腰が痛くなる。)、葡萄房が蒸れないように常に下草を抜かなくてはなりません。ハードワークですから、彼の手におえる4ヘクタールの畑が限界だと思います。質を重視した生産者に違いありません。」
「変わり者じゃなきゃ出来ないんだろうなぁ(笑)。きっと凄い人なんでしょうね。」

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

桝久 試飲会 リポート 前半

Aug 31, 2015 by weblogland |
昨日一昨日とマスキュー試飲会にお越しくださりありがとうございました。
ようやく涼しくなり今回は混雑を予想しましたが、出足はいまいち(笑)。嫌な予感が…。
夕方ご来店が集中してしまいました。ワインが無くなるは、バタバタ。
行き届かず申し訳ございませんでした。


まずは、私の敬愛する『神』ガロフォリのスタンダードの白
◯マクリーナ 2013年 ガロフォリ イタリア マルケ 白 ヴェルディッキオ・デ・カステル・ディ・イエージD.O.C. 750ml 1465円税込み
「マスキューさん。ガロフォリって毎年ノヴェッロで扱ってますよね。白ワインも造ってたんですね?」
私「はい。ガロフォリはもともと白のイエージで有名です。このD.O.C.をD.O.C.G.にまで引き上げた功労者です(笑)。」
家内「イエージの白は暖かい海岸部のワインなので酸がなく緩いイメージがありますが…。」
「おっ!これたっぷりしててイイね(笑)。非常に飲みやすい(笑)。」
「ぱーん!としたインパクトがあるよね。飲むと思わずニンマリ(笑)。」
「うーん。ヴェルデッキオよりヴェルメンティーノの方が塩辛くて海っぽいかな。ヴェルメンティーノの方が派手でよりアロマティックでより豊満(笑)かな。」
「私、昔よくイエージ飲みましたよ(笑)。お洒落な瓶だったな。ガロフォリみたいに飲みごたえはなくて軽かったなぁ。」
私「オールド・ファンには イエージ イメージ 悪い(大爆笑)。」
「マスキューさん。ガロフォリのワイン 私はとても緻密に感じますが それでも酸がないのですか?」
私「酸とアルコール分エキス分のバランスはとても良いと思います。酸が少なくとも在り方があると理解していただければ良いかと。後の白2本と比べるとよく解るはずです(笑)。」
「このワイン香りが凄く複雑ですよね。色々なフルーツの香りがする。」
「ありがちなレモンやグレープフルーツだけじゃない。」
私「マンゴーやパイナップルのトロピカルなニュアンスがあります。白系から黄色系までの果実味が特徴的です。ヴェルデッキオらしい味わいです。」
家内「あと後味のアーモンドっぽさ ピリッとしたスパイシーさもらしくて良いですよね(笑)。」
「マスキューさん、もっと早くこのワイン紹介してくれればよかったのに(笑)。真夏に飲みたかった!」
「ところで食べ物は何が良いかな?」
「魚介類+オリーブオイル+トマトソースは鉄板だよね(笑)。」
家内「生しらずに生姜を刻んだのを載せて醤油をかけてレモンを搾ってかけたら完璧!」
私「生しらずってオイリーだし、生姜のピリッと感もワインと合いそうだよね(笑)。」
家内「このワインは醤油には合うはず(笑)。」
私「醤油とレモン汁のハーフ・ハーフは鉄板だよ。」

次のワインは強く冷して飲んでいただきました(笑)。
◯アルザス リースリング2014年 ポール・ジャングランジェ フランス アルザス 白 750ml 2093円税込み
「さっわやかぁー!」
「これは冷えてなきゃダメ(笑)。飲むと活力が湧くなぁ。」
「マスキューさん。このワイン 昔から売ってました?」
私「はい。このヴィンテージからラベル・デザインが変わりました。アルザスにしては甘さがなくかなりドライに仕上がっています。酸がしっかりしてるので揺るがない良さがあるかと。」
「前のラベルの方がアルザスらしいかな(笑)。」
「アルザスのワインって少し甘いですよね。これは甘さを感じないですね。」
私「通常1リットルに9グラムくらいは糖分を残しますが、このワインは5グラム以下かと。酸があるので糖分が少なくてもバランスが取れています。」
「それって品質に由来することなんですか?」
私「はい。基本的に酸は収穫量の多寡に比例します。」
「それにしても広がりが素晴らしい。マスキューさん。このワインはまだまだもつのですか?」
私「リースリングらしいライム、レモン、グレープフルーツの香りがすべて出ていますから、今が飲み頃かと。今飲むべきワインに仕上がっています。まだオイリーな感じはしていませんが、この状態がベストかと。」
「アルザスのワインにしては安いですよね(笑)?ちょっと良いとすぐ4~5000円しちゃうもんね。」
私「まあ、ゴージャスなワインではありませんが、実直な良いワインかと。50%にフードルを使っているのがクラシックで良いかと(笑)。」
また、お客様の中に実際アルザスに行かれた方も4~5人はおられました。中には10月にワイン・ツアー行く予定の方も。もはやアルザスって日本人にとってはスペシャルであっても遠からぬ地。我々もお客様に教えていただくことが沢山あります。ラッキーです(笑)。


さて、次は白ワイン造りの名人タリケのワイン。偉大なイヴ・グサッサの後を引き継いだ息子のワインは如何に?
◯レゼルヴ 2013年 ドメーヌ・デュ・タリケ フランス ガスコーニュ 白 コート・ド・ガスコーニュI.G.P. 750ml 2005円税込み
「おー!旨い!ゴージャスなワインですねぇ(笑)。」
「樽香もするけれど全く邪魔じゃない。」
家内「溶け込みが良いですよね(笑)。何タルかわかっている(笑)。」
「まず綺麗で甘いクリームの香りがしますが…。これは樽由来ですか?」
私「はい。」
「スッゴくピュアなクリームみたい。意地悪な印象がないんですよね。」
私「樽醗酵 樽熟成しています。ただし、期間は半年ほどと短いのがミソです。あと樽材はアリエ産の極上品を使ってますね。多分。」
「このワイン 凄く柔らかく感じますが、酸がとても強いですよね。酸の強さが樽香に負けていないということですか?」
私「さすが!上級者!ありがとうございます。おっしゃる通りでございます。」
家内「でもアルコール分は12%と高くありません。」
「えっ!13~4%くらいあるかと思った(笑)。アルコール分が高ければ良い訳じゃないんですね?」
私「ガスコーニュはもともと寒くまともなワインを造るのが難しい土地柄です。タリケも赤は造っていません。」
「何故 赤ワインを造らないのですか?」
「黒葡萄のタンニンがのるには寒冷過ぎるからです。白も収穫のリスク回避に様々な品種を植えているようです。」
「何故ですか?」
私「収穫期をずらして冷害による全滅を避けるためです。」
「時間が経つと後味に植物 ハーブなんかのニュアンスがある!」
「あっ!ピクルス!(大爆笑)」
「複雑だなぁ~。広がりも素晴らしいし、余韻が長くて綺麗。ウットリするよね。」
家内「タリケはどんなに作柄が悪くても補糖や補酸しません。ものすごい尽力です。」
「パパを越えたな(笑)。」
私「ありがとうございます。タリケを一番沢山飲んでいただいているTさんに言っていただけると心強いです(笑)。」

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

試飲会の反省会です(笑)。

Jul 29, 2015 by weblogland |
私「今回まさか『アパッシメント』が一番売れるとは予想外だったよね(笑)」
家内「うん。あれには驚かされたね(笑)。ケース買いのお客様もいたけど、何だかんだ皆さん1本は買われたからね。」



私「このクソ暑い時に『アパッシメント』出すのは、ちょっとためらったけど、正解だったよね(笑)。」
家内「単純にワインのコスト・パフォーマンスの高さや新奇さはすばぬけているから、それを正当に評価して下さったんだよね。」
私「中には『この暑い時にアパッシメントとは何事か!』なんて怒る方がいるかもと、内心ヒヤヒヤだったよ(笑)。」
家内「マスキューのお客様はレベルが高いよね(笑)。質を見極める力がある。」
私「Kさんなんか『カクテルみたいに飲んだら美味しい』なんて提案してくれたよ。なかなか思いつかないよね(笑)。今度タウザーで試してみよう(笑)。」

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

桝久 試飲会リポート 201507

Jul 27, 2015 by weblogland |
昨日、一昨日とっても暑~い中、お越しくださりありがとうございました!

まずはウェルカムのカバ
◯ヴィーニャ・アデイラ カバ ブリュット・ナトゥーレ ロペス・モレナス スペイン 発泡性 白 カバ 750ml 1203円税込み
「ぷはぁ~。旨いなぁ(笑)。まさにウェルカム(笑)。マスキューさんの言うところの『清涼感の塊』ね(笑)。」
「けっこうガチっとしてるよね。割りとスパルタン(笑)かな」
「レモンやライム、グレープ・フルーツなんかの果実味が自然で、飲むと口の中を広がる広がる(笑)。あと、後口が綺麗。」
「そうそう、後口がべたつかない。カバって割りと後口がべたついたりするけどそれがないよね。」
私「最後に糖分添加しないいわゆるノン・ドセです。」
「へぇー。カバのノン・ドセって難しいんだよね。」
私「そーなんです。カバは暑い産地のワインですから基本的に酸がない。それをドザージュしないと厚みがなくてペラペラになりがちです。かなり薄く感じてしまいます。この点このカバはペラペラ感がなくて良いかと(笑)。」
「それって何故ですか?何故このカバはペラペラに感じないのですか?」
私「マロラクティック醗酵をブロックすることで減酸を止めています。」
家内「あと、産地が割りと標高が高いかもしれません。」
「カバってバロセロナの近くの暑いところで造られますよね?」
家内「バルセロナの西のペネデスが有名ですが、最近はそこ以外の各地にカバD.O.を認めています。ちなみにこのカバはポルトガル国境付近のD.O.ルベラ・デル・グァディアーナの中心部でD.O.カバ認証を取得したものです。いまやカ.バ.は原産地呼称と言うより、作り方の限定呼称になったようです。」
「セパージュの縛りも無くなったんですか?」
家内「このカバはマカベオ90%、パレリャーダ10%。チャレロは使っていません。」
私「マカベオは酸よりも厚みに作用する品種と思ってましたから意表を突かれました(笑)。」
「カバって名乗れれば売りやすいことが産地間の競争にも繋がるから、良いことでもあるよね(笑)。」
「へぇー、需要があって売れてるんだな(笑)。原産地呼称も商売あってだからね(笑)。」
「テレビの料理番組でもカバは良く出てくるもんね(笑)。」
「あっ、それって『チューボーです。』だ(大爆笑)。」


続いてはイタリアの泡
◯プロセッコ 『トレヴィソ』 エキストラ・ドライ レ・コンテッセ イタリア ヴェネト 発泡性 白 750ml 2000円税込み
「あっ、これ良いね(笑)。ちょっと甘いけど旨い。」
「エキストラ・ドライって書いてあるけどな?」
私「残糖分は10グラム以上ありますよね(笑)。」
「特徴的な味。好きだなぁ。」
「プロセッコってこんな味だったっけ(笑)?少し甘くて飲みやすいくらいの印象しかない(笑)。」
私「プロセッコらしい味わいですから、資格試験受験される方は覚えるには最適のワインですよ(笑)。」
「このラムネみたいな味。おじさん好きだなぁ(笑)。」
私「私も大好きです(笑)。」
「マスキューさん!以前売ってたイタリアのヴェネトのピノ・グリもラムネの味わいがしましたよね。このプロセッコと共通してますよね?」
私「さすが!どちらも収穫を早摘みにしています。」
「遅く摘むことは良く聞きますが、早く摘むこともあるんですね?」
私「赤ワインの場合は青臭くなりますが、白ワインの場合は搾汁を優しくすると青臭くならないようです。リンゴ酸由来のライム香もラムネのような感じになります。逆に完熟するとライム香は鋭くなります。」
「へぇー、面白いやり方ですよね。地域性ですか?」
家内「ポルトガルのヴィーニャ・ヴェルデやスペインのチャコリなんかも似た意識があります。」
私「雨が多い産地に共通した行き方みたいです。アルコール分は上がらないけれど葡萄の質と量を確保するには一番効率の良い行き方のようです。」
「じゃあ、日本でも良いかも(笑)!ラムネ味は日本人好みだし(笑)。」
私「はい。あとこのプロセッコはアルコール分が11%です。タンク内二次醗酵前の原料ワインのアルコール度は恐らく9.5%くらいです。プロセッコじゃなくて『ジャパセッコ』が可能かと(笑)。」
「『ラムネっ子』なんてイーかも(笑)。メーカーさん、誰かパクって(笑)。」
「ラムネっぽさに桃みたいな柔らかい香りがして素敵。『ラムネっ子』より『ラムネっ娘』がこの場合正しい(笑)。女子大好き味(笑)。」
私「おじさんも好きです(笑)。」
「マスキューさん、ところでこのプロセッコ 泡がしっかりしてますよね。瓶内二次醗酵したみたい。」
家内「タンクで二次醗酵した後にタンクを移して澱引きします。この際ガスが失われないようにワインを移す空のタンクに炭酸ガスを充填したままワインを移動するそうです。設備にお金をかけていますね。」
私「プロセッコの生産者は中規模から大規模のお金持ちが多いですね。この点このプロセッコの生産者レ・コンテッセは規模は小さい。お金持ちですけど(笑)。プロセッコ用の葡萄も自分の畑で造りますから、目が行き届くと。買い葡萄はしないようです。」
「なるほど、だから特徴的なプロセッコが出来るんだな。」
「日本に入ってくるプロセッコは大量生産品なんだな(笑)。だから甘くて飲みやすいだけの印象しかない(笑)。」
家内「プロセッコは世界的に流行りましたが、本人達は『プロセッコよりスティルワインの方が美味しいよ』みたいな感じなんですよ(笑)。」
「世事を見ながら流されない ラテンの血が流れてるね(笑)。」


さて、泡のトドメ
◯クレマン・ダルザス エキストラ・ブリュット ドメーヌ・アルベールマン フランス アルザス 発泡性 白 750ml 2962円税込み
「アルベールマンってマルセル・ダイスやトリンバックなんかと並び称される自然派のスター生産者ですよね。よく入荷しましたね(笑)。」
私「リースリングやピノ・グリなんかも試飲しましたが、マルセル・ダイスに似た濃いスタイルでした。値段も同じように高いし(笑)。美味しいけどしょっちゅうは飲めない(笑)。そうするとこのクレマンくらいが身の丈に合っているかと(笑)。」
家内「でも、ちょっと難しい(笑)。すぐに香りが出ないんですよね(笑)。」
「キメが細かいなぁ。泡の出方が素晴らしい。液体の中から涌いてくる(笑)。」
「旨味がスゴく品良く感じる。分子が細かいみたいな…。」
「旨味ブラス柑橘類…。」「セパージュは えーと ピノ・グリ リースリング ゲヴュルツトラミネールは入ってないかな…。」
「白ワインの品種のニュアンスが強いよね。」
私「はい。これブラインドやっても当たらないですよね。」
家内「ピノ・ブラン66%、ピノ・ノワール28%、ピノ・グリ 6% とピノ尽くし(笑)。」
「ピノ・ノワールが入っているとは!絶句するな(笑)。」
「重くならないんだな?」
「マスキューさんがブログで書いてあるような複雑さを感じないんですが(笑)…。」
私「グラスに注いだばかりですと、レモンやライムの柑橘類のニュアンスが支配的ですが、時間が経つとメロンや香草、黄色い果実やトロピカルフルーツのニュアンスが加わります。ただし派手な出方ではなくバランスが良く品があります。」
家内「翌日飲むとかなりハッキリしますが、翌日泡を飲むのはどうかと…(笑)。」
私「この辺が解りにくいところでして(笑)…。」
家内「何年間更に寝かしてから飲むべきワインかも知れませんね。」
金曜日の残りのクレマンを土曜日の最後に飲むと在るべき姿になっておりました。解りにくくてスミマセンでした!ちなみに泡もまだまだしっかり涌いていました。ごめんなさい!


さてさて、泡の次はマスキュー定番のハンガリーの白
◯トカイ フルミント ドライ 白 2014年 シャトー・デレスラ ハンガリー D.H.C.トカイ スクリュー・キャップ 750ml 1296円税込み
「おっ、これは随分飲んだなぁ(笑)。コスト・パフォーマンスの高いんだよね(笑)。」
家内「ヴィンテージが2013から2014に変わりました。2014は大きさが増しましたよ(笑)。」
「おー、突き抜ける突き抜ける(笑)。でもふっくら感もあるから飲みやすい。」
「スゴくフレッシュ!マスカットっぽさ ハチミツみたいな甘さもあるよ(笑)。」
「伸びやかだし、飲み込んだ後の余韻が長くて綺麗。安いんだけどなぁ(笑)。」
「泡の後に飲んでも全然負けない(笑)。勝ってるかも(笑)。」
「普通は泡の前に持ってくるところだけど、泡の後に並んでたから、私は飲む前からマスキューさんの意図は解ってたよ(笑)。」
私「やっぱり(笑)。」
「イタリアやフランスのワインとは全くちがうよね。どちらかと言えばドイツの方が近いニュアンスがあるよね。」
家内「オリーブ・オイルやバターではなく、塩や穀物オイルに合うスタイルかと。」
私「味噌にも合いますよ(笑)。」
家内「唐辛子味噌に豚肉と白菜を入れた鍋に合わすのが我が家の冬場の定番です。ワインの温度は常温。夏場は冷やしてベーコンを焼いただけでもグッド(笑)。」
「レモン醤油だったら何でもいけるね(笑)。」
「レモン醤油って、どう造りますか?」
私「レモンと醤油 ハーフ・ハーフです(笑)。」
「真央ちゃんだね(大爆笑)。」
「温度が変わるとワインの表情がこんなにも変わるんですね(笑)。それを上手く利用しなきゃね(笑)。」
私「上級者です!」


さて、次もヴィンテージ変わりの定番の赤。
●エルミータ・デ・サン・ロレンソ グラン・レゼルバ アルティーガ・フステル 2005年 スベイン 赤 セントロ マンチュエラD.O.750ml 1296円税込み
「マスキューさん!これも随分沢山飲みましたよ(笑)。」
「美味しいな(笑)。たしかに2004年とは違うね。…あの枯れたニュアンスはない。2005年の方が力がある。まだ延び代があるかな(笑)。」
「2005年はすっごくエレガント 美しいよね(笑)。」「綺麗の一語(笑)。」
「金糸の網はリオハワインでしたっけ(笑)?」
家内「リオハのすぐ近くのカンポ・デ・ボルハというD.O.です。テンプラリーニョにカベルネソーヴィニヨンを混ぜています。」
「グラン・レゼルバらしく整っているよね。カベルネが入っているとは解らなかったけど(笑)。」
家内「瓶熟成はしない今風の熟成スタイルのワインですが、リリースまで10年かけています。」
私「瓶熟成しない分逆に品質は安定してます。ミィディアムなワインだとこのスタイルの熟成法の方が良いのかも知れませんね。」
「トカイ・フルミントと言いエルミータと言い、ヴィンテージの違いってあるんですね。毎年違うんですね。」
私「今回は良い方に違いましたので、試飲会に出しました(笑)。悪く違う時には試飲会に出す勇気がありません(ホント)。」
家内「悪く変わった時は二人でこっそり試飲会です(笑)。」


さて、トリはちょっと暑苦しい赤(笑)。ミスマッチかな(笑)?
●『アパッシメント』2013年 カーサ・ヴィニロニア イタリア プーリア 赤 I.G.P. 750ml 1527円税込み
「おー、これこれ、『アパッシメント』。マスキューさん変なワイン見つけて来ましたね(笑)。一体どうやって見つけるんですか(笑)?」
私「試飲あるのみ(笑)!あとインポーターさんも我々の嗜好を知っていますから、こっそり耳打ちしてくれます(笑)。」
「これ、旨いな。イーですよ。」
「陰干ししたワインって巨大化するけど、決して飲みやすい訳でもないし、一杯飲むとお腹一杯になっちゃう(笑)。でもこれはちょっと違う。程好い(笑)。」
「マスキューさん定番のスポンサも似た造りだけど、このワインとはまた違いますよね。」
私「2週間ほど陰干しするスタイルなのでアマローネほどの極端さはありませんね。」
「飲むといかにも南イタリアン(笑)。南のモンテプルチアーノっぽいかな?」
私「モリーゼのモンテプルチアーノにも似てますよね(笑)。」
「プリミィティーボっぽさもありにはあるけど、ちょっと違うかな?」
私「ブラインドで飲んだ時はネグロ・アマーロ100%と思いました(笑)。」
家内「実際はメルロ60%、プリミィティーボ30%、ネグロ・アマーロ10%です。」
私「お恥ずかしい(笑)。しっとりしていて凸凹がないので単一品種かと思いました。」
家内「単一でないとすると混醸?謎が多い味わいです。」
「クリームのような香が強いのですが、樽香ですよね?トロイアに似てるかな?」
私「樽は使っているはずですが、割りと嫌みに感じない不思議さがあるんですよね(笑)。樽の使い方も上手いと思います。」
家内「あと、割に酸がありしっかりしています。寒暖差がある内陸部かも?」
私「好奇心をくすぐられるワインです(笑)。」


ちなみに本日のトップ・セラーは なっ なんと 『アパッシメント』でした。暑い中暑苦しいワインが一番売れる不思議(笑)。それはマスキューのお客様のワインに対する愛情と好奇心が暑さを凌いだ結果でございます。
ありがとうございました!

桝久商店 岡本利秋・昭子

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

ドイツワインのサンプル

Jul 14, 2015 by weblogland |
ふふふ(笑)。

ドイツワインのサンプルを久~し振りに取り寄せました(笑)。

もちろん白ですが完全な辛口。しかも葡萄品種はシュペートブルグンダー ピノ・ノワールです。
先日のモトックスさんの試飲会で発見!
マスキュー担当のSさんのお勧めワインブースで見つけました(笑)。
私「あれ、Sさん!自分のブースがあるなんてスゴいじゃん(笑)!島流し(笑)?」
Sさん「私が愛するワインコーナーです(笑)。」
私「売れなかったら左遷(笑)?」
などと痛ぶってから試飲です(笑)。
私「このドイツの白 旨いね(笑)。酸のバランス 旨味の厚み・広がり ともに素晴らしい!」
Sさん「しかも、ピノ・ノワールなんですよ!」
私「アロマチックじゃないけど、実に旨いね(笑)。東欧の辛口ワインにスタイルが似てるかな?」
Sさん「ビオですから自然な味わいです!」

確かに旨い。
補糖はしてないな。
収量は低いな。
マロラクティック・コントロールはしてるかも?
シュール・リーもしてるかな?
SO2も瓶詰時に30mmgくらいの添加かな?
木樽は使ってないな。

こんな訳で早速サンプルを取り寄せました(笑)。じっくり飲むと更に解ることがあるはず

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

ハンガリーのトカイ フルミント2014年

Jul 11, 2015 by weblogland |
昨日はハンガリーのトカイ フルミント2014年を飲みました。ヴィンテージが2013年から2014年に変わったので確認です(笑)。
旨いですね。厚みと広がりが素晴らしい。酸のあるシャルドネやシェナン・ブランっぽいかな(笑)。シャンパーニュのハイパー・エドシックが買ってテコ入れしたシャトー・デレスラですが、ポテンシャルは高いですね。それを見抜いた、ハイパー・エドシックの眼力は流石ですね(笑)。
ところで、あれだけタイトで厚みのある白ワインが出来るのですから、泡も造っているはず!シャンパーニュに比肩するような泡が出来る予感がしますねぇ(笑)。
時間はかなりかかるとは思いますが、きっと造るはず。基本的に冷涼な彼の地、驚くほど美味しくて安い泡が出来るはず!
私の妄想は止まりません(笑)。
造っているかどうか聞いてみよう(笑)!

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

試飲会のおさらいです(笑)。201506

Jun 30, 2015 by weblogland |
昨日の晩は試飲会の残りのピノ・ノワール『レ・ゼキサゴナル』2012年 ドメーヌ・ジャン・フランソワ・メリオーとコルビエール 2011年『オプティマ』シャトー・ラ・バスティード を飲みました。
どちらもしっかりしてましたね(笑)。
『レ・ゼキサゴナル』は酸のあるスタイルですから基本的に生命力はあります。驚いたのは『オプティマ』。通例酸のないワインはすぐにバランスを崩しますが、崩れない(笑)。あまり余計な手を加えないところが良いのでしょうね。濃縮果汁器や液体調整するとあざとくなったり、平板になったり過剰になったりしますが、『オプティマ』にはそれがない。真面目にワインを造っている証拠ですね(笑)。
そうそう、試飲会であるお客様から聞かれたのですが。
「マスキューさん!『レ・ゼキサゴナル』はクラシックで『オプティマ』はモダンスタイルなんですね?」
その場では「はい。」と変事をしましたが、どちらもモダンスタイルと考えた方が正しいのでは?
酸のあるスタイルと酸の少ないスタイルと分けるのが正しいかも。少なくとも両者に価値の差はないと判断するべきかと。
原理主義者の私(笑)ではありますが、酸が無くて多量のタンニンとグリセリンで飲ませるスタイルでも、そこに欺くような意図が無ければ良いのです。ワインは商品作物ですから経済的効率は必須なのですが、「一発騙して当ててやろう!」的ワインを選別するのがマスキューの仕事かも(笑)。

片寄らずどちらも売れた事で気がつきました

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

桝久 試飲会リポート 後編 201506

Jun 30, 2015 by weblogland |
さて、後半の赤2本は先月に引き続きフランス ロワールのピノ・ノワールです。

●ピノ・ノワール『レ・ゼキサゴナル』2012年 ドメーヌ・ジャン・フランソワ・メリオー フランス ロワール V.D.F.赤 750ml 1666円税込み
「あっ、これキレイ!スッゴくピノ・ノワールらしい(笑)。」
「濁りがないよね。でもブルゴーニュとはちょっと違うニュアンスもある。ロワール味(笑)?何でかな?土壌や造りが違うからですか?」
私「解りません(笑)。」
「ちょっと植物みたいな感じもありますよね。」
家内「はい。草っぽさや青さがあります。ただ昔のロワール・ワインに顕著に現れたらピーマン臭ほどではありません。あの当時の収穫のタイミングが早かったことが由来の香りではありません。」
「収穫のタイミングが早いと青臭くなるんですか?」
私「葡萄果が完熟した後2~3日してから種のタンニンが完熟します。ロワールでは以前はタンニンが完熟する前の葡萄果の完熟時に収穫日を設定していました。冷涼なロワールではリスクを避けるためなるべく収穫を早くしたいという生産者のマインドが影響したようです。ちょっと昔のワイン本ではピーマン臭さがロワールの特徴と書いていました。」
「このワインのラベルデザインを見て気が付いたのですが(笑)。支配的な赤とピンクの線に混じり青、緑、黄緑、黄色の線が引かれてますよね。これってこのワインの味わいを色で表しているんですね(笑)。」
私「おー!さすが!良くお気づきで!今気が付きました(笑)。」
「ピノらしいベリー系の香りの中に隠し味的に様々な植物のニュアンスがあるんですね。置く深いですね。」
「このワイン凄くフルーティーなんですが、しっかりもしてますよね。昨日あけたワインと今あけたばかりのワインを比べると、昨日あけたワインの方が香りが多くて飲みやすい(笑)。」
「そうそう。昨日あけた方が断然美味しい(笑)。」
私「ありがとうございます。このワイン、実はとてもしっかりしています。」
「ブルゴーニュのピノ・ノワールでこれくらいしっかりしたピノ・ノワールだと3000円以上出さないとないよね(笑)。」
家内「マスキュー扱いのピノ・ノワールの中でもベスト・コスト・パフォーマンスです(笑)。」
「マスキューさん!ロワールのこのワインとコルビエールの『オプティマ』との対比は面白いですね(笑)。」
私「読まれましたね(笑)。『オプティマ』が今風の圧倒的なボディーで楽しむスタイル。『レ・ゼキサゴナル』は酸で飲ませるスタイルです。」

そしてトリは取りつくしまもないほどのクラシック・ワインの登場です(笑)。
●メヌトゥー・サロン 2011年 ドメーヌ・フィリップ・ジベール フランス ロワール 赤 メヌトゥー・サロンA.C. 750ml 3055円税込み
「ロワールでもピノ・ノワールは沢山造られているんですね。」
家内「最近増える傾向です。温暖化も影響しているかもしれません。」
「そうだよね。だってこのメヌトゥー・サロンってサンセールの隣だもんね。白しか造ってないかと思ってましたよ(笑)。」
「ところでこのワイン 物凄いのですが…、上手く表現できない(笑)。」
「これも昨日抜栓したのですか?昨日と比べてどうなのですか?」
私「抜栓は昨日です。昨日と比べてもあまり変わりありません(笑)。」
「凄く強くて深い。香りはあまりしませんけど…、ピノ・ノワールなんですか(笑)?」
私「強いですけれどアルコール分は12.5%です。前の『レ・ゼキサゴナル』が13%です。」
「えっ!12.5%しかないのですか?アルコール分は強さに比例しないのですか?」
私「メヌトゥー・サロンの場合は12.5%くらいの糖度で完熟するのがベスト。酸との折り合いが一番良いかと。ロワール河中流に産地がある『レ・ゼキサゴナル』は上流より少し暖かいので13%くらいの糖度で完熟収穫するのがベストのようです。」
「マスキューさん!このメヌトゥー・サロンは先月の試飲会の最後に出たムーラン・ブランのピノ・ノワールに似てますよね。やはり同じようにビオですか?」
家内「はい。その範疇ですね。ただビオといっても生産者によりかなりアプローチの違いがあり、一括りにできません。」
私「ムーラン・ブランとメヌトゥー・サロンは全房醗酵と栽培時の低農薬は共通しますが、それ以外のテクニカルなビオ的アプローチは違うと思います。あと1本の葡萄樹から得られるジュースはフルボトル1本以下なのは共通してるかな(笑)。」
家内「両者とも抜栓してから10日ほどして飲んでも美味しいのも共通かな(笑)。」
「どっちもモンスターですな(笑)。」
私「品質の高さは確かです。ただし、すぐ飲めて凄く美味しいかといえばそうではないのも事実です。難解でもあります。」
「うーん。私はアルコール分が高いほど糖度の高い良いワインだと思っていましたが、そうではないんですね(笑)。」
私「ただワインのスタイルによりますよね。暑い産地では必然的に糖度は上がります。そしてより濃い果汁を得るためにより糖度を高くする方向に行きます。」
家内「それが酸のあるスタイルと酸のないボディーで飲むスタイルとなります。ただし酸のないスタイルは味わいが似てしまう傾向があります。ローカル色がなくなる傾向となります。」
「でも、『オプティマ』があの値段なら誰も文句は言わないですよね(笑)。」
私「でも『オプティマ』が5000円以上で売られていたら頭にくる(笑)。現実はとても多いですよ(笑)。」

今回の試飲会は『オプティマ』と『『レ・ゼキサゴナル』の対比がメイン・テーマでした。どちらを皆さんが好むか勉強させていただきました。結果、好みは別れますが、売れた本数は同じくらいでした。
ただ、なかには両方購入された強者ワイン・ラヴァーもチラホラ(笑)。皆様のレベルの高さを知りました。

ありがとうございました。

桝久商店 岡本利秋・昭子

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

桝久 試飲会リポート 前編 201506

Jun 29, 2015 by weblogland |
昨日、一昨日とマスキュー試飲会にお越しくださりありがとうございました。

まずはウェルカムの泡からです!
◯トゥレーヌ ブラン・ドゥ・ブラン メソッド・トラディショナル N.V. ソシエテ・ロジェ・フェリシアン・ブルー フランス ロワール 発泡性 白 750ml 2145円税込み
「あー!旨い。汗が引っ込むね(笑)。」
「甘く感じないし、爽快だね(笑)。」
私「酸があり良く冷やしていますから、甘さはあまり感じません。もちろんそれを狙って供出温度は低くしました(笑)。」
「シェナン・ブランってもともと突き抜けるような広がりがあるから爽快感につながりますよね(笑)。」
私「そのへんの塩梅が絶妙かと。T.P.O.に合っているかと(笑)。」
「そーだよね。いきなりシャンパンっていうのも変だしね。まずぐびぐび飲めるのか良い(笑)。」
「このワイン 泡が割りと強いですよね?」
私「実は5時間前に抜栓しています。かなり泡はしっかりしてます。」
「えー!上物ですねぇ(笑)。」
「これってシャンパンとはどう違うんですか?」
家内「まず産地が違います。あと使っている葡萄品種がシェナン・ブランです。この点が大きな違いですね。」
私「瓶内熟成の期間もシャンパンより少し短いですね。」
「なるほど!シャンパンほどのナッツィーさがないのは熟成期間が短いからなんだな。」
私「ご名答でございます(笑)。」
家内「このワイン、シェナンの広がりの良さとフルーティーさが身上ですね。」
「マスキューさん!これってクレマン・ド・ロワールではないのですか?」
私「良くお気づきで!A.O.C.はトゥーレーヌ・ブラン・ドゥ・ブランとなっています。この辺りがこだわりかと(笑)。」
「クレマンよりガス圧が高いような感じだな。」
「シャンパンより気軽に飲めそう(笑)。デイリーに使える。合わせる食べ物も高級じゃなくても良さそうだし(笑)。」
「値段はシャンパンの半分だしね(笑)。」
家内「マスキューでは定番だったラングロワ・シャトーのクレマンが異常に高価になり扱いを止めました。ようやくその代わりが見つかりました(笑)。」
私「あー、良かった!なのです(笑)。」
「これってカルボナーラ食べながら飲んだら合いそうですよね(笑)。真っ昼間に外のテラスでやってみたいな(笑)!」
家内「クリーム系とは鉄板ですよ(笑)。」
私「今月の私の大発見はこのワインと仙台銘菓『萩の月』とのマリアージュでございます(笑)。」
「なるほど!カスタードクリームが鍵ですね(笑)。」

さてさて、次は進化するロゼ・ワイン。
●『ゼゼン』ロサート 2014年 ボデガス・ゼゼン スペイン ナバラD.O. ロゼ 750ml 1425円税込み
「おっ、この色はピジョン・ブラッドかな(笑)?」
「赤ワインに近い?ロゼにしては濃くて深い。あとのピノ・ノワールとあんまり変わらない(笑)。」
私「セニエで造っていますから、色も味わいも濃いですよね。」
「セニエって何ですか?」
私「簡単に言うと赤ワインを造る工程で果汁に色が付いたら果汁だけを抜き取る方法です。『瀉血法』なんて邦訳されます。」
「へぇー、そうやってロゼは造られるのですか?」
私「セニエで造るロゼは割りと高級なロゼです。歩留まりが悪いですから(笑)。」
家内「あとジュースにストレスを与えない分厚みがあり、クリアになります。」
私「このロゼは何年か前から扱っていますが、2014年は果実味自体が今まで以上に明瞭でイノヴェーションしています。」
「ベリーの香り!クランベリーの香りがハッキリ(笑)。」
「そうそう。あとレッドベリー、アセロラっぽい。グレープフルーツやレモンも。」
私「白から赤い果実まで非常に幅広く表出しています。しかもそれらが非常に明瞭。この点トップランナーと言って良いかと。」
「セニエで造ったロゼはどちらかと言うと厚みに重きを置く高級品。これほどフルーティーなスタイルは初めてだね(笑)。」
「マスキューさん!これって甘いですよね?」
私「甘く感じますが、残糖分ではありません。グリセリンの甘さかと。ちなみにこのワイン アルコール分は14%あります。」
「そんなに高いんだ!低アルコールの有りがちなワインじゃないんだ(笑)。」
「しっかりしていながら、果実味が明瞭で複雑。しかもアルコイックじゃない。うーん。確かにブレーク・スルーしてますな(笑)。」
「これって、品種はテンプラリーニョですか?」
家内「じつはガルナッチャ グルナッシュです。」
「ガルナッチャってこんなにフルーティーでアロマチックなんだ?驚きだな(笑)。」
「マスキューさん、このワイン 温度が上がるとしっかり感が増しますよね?」
私「さすが!良くお気づきで!」
家内「ロースト・ビーフやスモーク・サーモンにクリームチーズを塗ってサンドイッチにして合わせたら最高!」
「あー、それ美味しそう(笑)!」
私「低い温度ならタルトなんかは鉄板(笑)。」
「デザートまで合わせられるんだ!?」
「なんでこんなワイン造ったのかなぁ?」
私「スペインやイタリアではフルーティーなロゼをカクテル感覚で飲むのが流行っているようです。特に女性がターゲット。ケーキを食べながらワインをのんだり。そんな事情が影響してるかも知れません。」
なんと 本日のトップ・セラーとなりました。
大日本ロゼ・ワイン普及協会は溜飲を下げたのであります(笑)。

さて、これも沢山のご支持いただきました(笑)。
●モラゴン 2013年 ボデガス・カスターニョ スペイン イエクラD.O.赤 750ml 925円税込み
「このワイン重宝なんだよね。随分沢山飲んだなぁ(笑)。」
「値段が魅力だよね(笑)。」
「特別何がどうって訳じゃないけれど(笑)、ついつい買っちゃうんだ(笑)。デイリーのチャンピオンかな(笑)。」
家内「ソース焼そば、焼鳥や焼き肉のタレに良く合います。味噌や豆板醤もオーケーかな。」
「そうそう、我が家の食卓にピッタリ(笑)。B級万歳!」
「焼き肉バーベキューのためのワイン(笑)!」
「スーパーで売っている安い中国産の鰻の蒲焼きにピッタリ(ごめんない。)(笑)。」
「マスキューさん、なんでカベルネ・ソーヴィニヨンの味がしないんでしょうか?よーく飲むと青臭さが少しあり、敢えて言うとそれがカベルネっぽさかな?」
私「解りません(笑)。ただ産地としてはミス・マッチなのはたしか。ブラインド・テイスティングしたら私は『カルムネール』と答えるはず(笑)。」
「チリのワインですね。」
私「デラウエアっぽさがあり、アントゥル・ドゥ・メールのメルロみたいでもあります。」
「やっぱりカベルネと言うより、メルロ系ですよね。」
「値段も値段だから品種なんて何でも良いみたいなところありますね(大爆笑)。」
家内「生産者カスターニョ・モラゴンの畑の標高が高いので、比較的ワインに酸があります。大規模な畑を持ちますから様々なブランドのワインを造っていますが、この『モラゴン』が一番日本人向きでしかもコスト・パフォーマンスが高いかと。」
私「柔らかいタンニンがミソのようですね(笑)。最新のテクニックは使っているはずですが、ワインがあざとくないんです。それなりに上手く飲めるところがグッドかと。新しい技術と効率化が良い方向で作用しているかと。」
「葡萄自体が薄い訳じゃないもんね(笑)。水っぽくないよね。この値段とは思えない。」
「駄目な葡萄から良いワインは出来ない!(笑)。」

次は引き続き今風のトップランナーです(笑)。
●コルビエール 2011年『オプティマ』シャトー・ラ・バスティード 南フランス コルビエールA.C. 750ml 1885円税込み
「うわっ!これ凄い!圧倒的!」
私「お腹にズドンときます(笑)。」
「でも、暴力的じゃない(笑)。凄く飲みやすい。」
「これだけの濃さがあってこの価格は安い(笑)。とても高いワインみたい(笑)。」
「これがマスキューさんがよく言う今風なんですか?」
私「はい。酸が低くタンニンが豊富でしかもそのタンニンがこなれている。フランスではミッシェル・ローラン味と言われています。」
「でも、果実味が真っ黒じゃないですよ(笑)。赤い果実も感じますよ。最先端なんだな(笑)。」
私「さすが!お気づきで!」
「新樽のニュアンスがあるけど上手く溶け込んでるから嫌みじゃないですよね。」
私「ありがとうございます。カリフォルニアというよりオーストラリアのペンフォールズなんかに近いスタイルかと。」
家内「地元のコルビエールではアメリカ市場の成功により『ロック・スター』と評されているそうです。」
「フランス人らしい意地悪な誉め言葉かな(笑)?」
私「保守的ではないのは確かかな(笑)。」
「コルビエールらしくはないかな(笑)。」
「でも、値段が良心的だよね。ぼったくれる味わいだよ(笑)。」
「浸れる充実感がある。」
家内「ワイン自体もしっかりしていますから、簡単には崩れない堅牢さ もともとの良さもあります。」
私「アルコール分も14%と高いのですが、多量のタンニンの壮麗さに伴ってバランスをしっかり保っています。」
「飽きるまで飲み続けてみるかな(笑)。」


  -後半に続く-

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

ジェレミ・ムーラはプロ関係者の評価が高い

Jun 17, 2015 by weblogland |
やはりジェレミ・ムーラはプロ関係者の評価が高いですね。
「マスキューさん!ジェレミ・ムーラ良いですね。抜栓してからの持ちが良いので助かります。グラス・ワインとして使えますよ(笑)。コレクションの赤ですら4日くらい経って調子が良くなるほど。」
私「開けてすぐにも飲めるんですけどね(笑)。テクノロジーの進化と、もともとの良さを感じますよね。」
「味わいはまさにロワール(笑)。でもカベルネ・フランとピノ・ノワールのアッサンブラージュとは解らないですよ(笑)。まあ、繋ぎにネグレットが入ってますが、カベルネ・フランの純粋形(笑)。お店ではたしかに今風の酸が低くて濃いワインが売りやすいのですが、こうしたクラシックなスタイルのワインがあるとバリエーションがついて商売の幅が広がります(笑)。」
私「食べ物に合わせることを考えると、酸のあるワインが有利なんですよね(笑)。プロの腕の見せ処(笑)!」

ブロはワインを加工出来るのです(笑)。

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

マスキュー試飲会レポート 201505

May 25, 2015 by weblogland |
昨日、一昨日とマスキュー試飲会に足をお運びいただきありがとうございました。今月は日程がイレギュラーにもかかわらずわざわざのご来店重ねて御礼申し上げます。

今回はロワール下流域づくし(笑)。
まずはこれからの季節にピッタリの爽やかな白二連発!

◯グロ・プラン・デュ・ペイ・ナント シュール・リー 2013年 ドメーヌ・B&D・マルタン
販売価格(税込): 1,434 円
◯ミュスカデ・セヴル・エ・メーヌ・シェル・リー VV 2013B&D マルタン
販売価格(税込): 1,542 円
「マスキューさん このラベル随分飲みましたよ(笑)」
家内「マスキュー定番として長く扱ってます(笑)。」
「私は初めて(笑)。グロ・プランとミュスカデ 品種ですか?」
私「左様で。造り手は同じマルタン、ヴィンテージも同じ2013年。造り方も同じシュール・リーです。まずは比べてくださいませ(笑)。」
「おー、酸っぱい(笑)。でも水っぽくない(笑)。塩辛いかな?似ているけど違う。」
「ライムやレモンの酸がいかにも夏向きだね。マスキューさんこの時期よく試飲会でこの手のワイン使いますよね(笑)?」
私「ゲ!お見通しで(笑)。」
「グロ・プランはワイルドな感じかな。ミュスカデの方が厚みがあるかな。」
「グロ・プランは個性的だよね。香りの差はあるんだろうけどはっきり解らないなぁ(笑)。」
私「どちらもフローラルで複雑なタイプではありませんが、比べると違いははっきりありますよね。」
「シュール・リーって何ですか?」
家内「醗酵終了後に澱と一緒に熟成することです。そうすることによりワインに厚みが出ます。」
「なるほどね。だから薄くは感じないのかな?」
「うんうん。グビグヒ飲めるけれど、満足感はあるんだよね(笑)。」
私「個人的に申し上げますが(笑)、夏の暑い日に小海老のフリッターに塩とレモン汁を振りかけてグロ・プランを飲むことが至福の一時。あと真夏に無性に鯵の刺身を食べたい衝動に駆られるた時にこのミュスカデを飲むことにしております。その衝動に一番適したワインだと。ですからマスキューの定番になっております(笑)。」
家内「どちらのワインも真夏に暑さでフラフラになった体に、発汗により失われたミネラルやビタミンCを補給してくれますよね(笑)。」
「クエン酸補給ですね(笑)!」
「マスキューさん!このワインはよく冷えていますが、何度Cくらいで飲むのが良いのですか?」
私「本来は8~10℃くらいが良いとは思いますが、汗でベタベタの体を癒す時にはビールくらいに冷やしちゃいます(笑)。まずは喉越しの清涼感が必要(笑)。その後は体が弛緩するのに伴い、徐々にワインの温度上昇に身を任せる。 なんちゃって(笑)。」

さて、これよりマスキュー試飲会初登場のジェレミ・ムーラの赤・白4本です。一つの生産者を一辺に4本登場させるのはマスキュー初!

◯『コレクション・ブラン』2012年 ジェレミ・ムーラ フランス 白 南ロワール ヴァル・ド・ロワール 販売価格(税込): 1,928 円

「あー!これすごい!すんごい力。でも、飲みやすい?」
「シェナンブランらしいよね。広がりが突き抜ける(笑)。」
「みっちりしてる(笑)。でもキメ細かいかな(笑)。」
「白い柑橘類・レモン・ライムの香りが強いけれど、滑らかさもしっかりあるよね。」
「前の2本ともある意味共通してますよね。だからロワールかな?」
「マスキューさん、シェナンとシャルドネをアッサンブラージュすることはあまりないですよね?普通ミスマッチ?」
私「実はシェナンの香りとシャルドネの香りは同じような要素です。ただその要素のベクトルが違うだけかと。時間が経つとバターやアプリコットの香りも出てきます。」
「そういえばバターの香りがする!これって樽香じゃないんですか?」
私「はい。シェナンとシャルドネ共通の香りのエレメントかと。」
「アプリコットっぽさもあるなぁ。」
「この強さはシェナン所以なんですか?」
私「はい。ただこの『コレクション』は葡萄樹1本からフル・ボトル1本分しかワインを造っていません。」
「普通は1本の葡萄樹から何本くらいですか?この価格帯の標準はフル・ボトル4~5本くらいです。」
「それじゃかなりコスト・パフォーマンスが高いんだ!」
「1本の葡萄樹から少ししか収穫しないとワインの味わいや品質は高いということなんですか?」
家内「基本的にはそうです。
私「ただしカリフォルニアなどのニューワールドでは、ほとんどのワイナリーは一番収穫効率の高い4~5本位で収穫します。更に濃い果汁が欲しい場合は濃縮果汁器を使います(笑)。何万円で売られているワインもそうです。」
「ホントに?」
私「もともと雨の降らない場所ですから葡萄の収穫量が少ないため、果汁濃度と量のバランス効率が一番良い4~5本の収量となります。それを何万円で売ることは犯罪ではなくアメリカンドリームのようです(笑)。」
「この価格のワインがそれ以上の品質であることが何故解るんですか?」
私「(待ってましたとばかりに)実は10日前に開けたワインがあります。飲んで比べてミソ(笑)。」
「えー!」
「同じワインですか?!」「まろやか!旨い!」
私「開けたては白い柑橘類のニュアンスが支配的ですが、抜栓後10日経つとアプリコットなどの黄色い果実のニュアンスがしっかり感じられます。」
「あと、トロミがあってふっくらしていて同じワインとは思えない。香りだってしっかり立ち上る。」
「空けてすぐだと明瞭ではないけど、10日経つと果実のニュアンスがはっきり解る。」
私「ありがとうございます。この『コレクション』はドメーヌのミドル・レンジなのですが、驚くほどポテンシャルが高いかと。」
家内「ロワールのワインって日本ではあまり売れません(笑)。ワイン単体で飲むには力強すぎるからのようです。ファットな今風のスタイルに慣れた方には刺激が強すぎるかも?食べ物に合わせる前提なら大丈夫なんですけどね…。」
私「実は金曜日の試飲会が終わってからお腹が空いたのでシュークリームを食べました。試しにこの白ワインを飲むと、抜群に旨い(笑)。一気に香りの幅が広まり言葉を失いました(笑)。黄色い果実のニュアンスが一気に加わり口の中で爆発します(笑)。」
「シュークリーム以外に何に合いますか?」
私「クリーム系は、鉄板なはず。」
家内「カルボナーラやグラタン クリーム系のソースとの相性は間違いないです。あとハーブのニュアンスがワインにありますから、ローズマリーやディルなどの香草が合うはず。」
「チーズなんかどうですか?」
家内「シェーブル しかもフレッシュなタイプは合いそうですよね。最初のグロ・プランやミュスカデもシュール・リーしていますから乳酸のニュアンスが強いですので、フレッシュなシェーブルにも合うかな(笑)。」


●『コレクション・ルージュ』2012年 ジェレミ・ムーラ フランス 赤 南ロワール フィエフ・ヴァンデアン・マルイユA.C. 販売価格(税込): 1,928円
「うわっ!フランボアーズ爆弾(笑)!」
「これはロワールらしい。カベルネ・フランらしい!鮮烈だよね(笑)。」
「香りを嗅ぐとピンとこないけど、飲むと香りが爆発する(笑)。」
「官能的だね。エロチック(笑)。」
私「脂紛の香りがする(笑)。」
家内「あんたは谷崎潤一郎か(笑)?!」
「脂紛って何ですか?」
私「古い言い方で失礼しました(笑)。白粉(おしろい)。」
「???」
私「お化粧。」
「あー、ファンデーションですね(大爆笑)。」
「店長!このワインはピノ・ノワールが入っているのに、何でこんなにカベルネ・フランらしいのですか?」
私「おっしゃる通り。カベルネ・フランの特徴であるフランボアーズの香りが明瞭ですよね。しかも、これほどフランボアーズの香りが明瞭なカベルネ・フランが見当たらないほど。フランボアーズの香りがデフォルメされていますよね。」
「セパージュはピノ・ノワール40%、カベルネ・フラン40%、ネグレット20%ですよね。理解出来ないです。」
私「このあとに出るピノ・ノワールを飲むと解りますが、ロワールに置いてはカベルネ・フランとピノ・ノワールには親近性があり。そして、その親近性を具現化したのがこのワインかと。」
「ピノ・ノワールとカベルネ・フランではミスマッチじゃないんですね?」
私「最初はミスマッチだと思ってましたが、飲んでみるとベストマッチ(笑)。」
家内「ブルゴーニュだとピノ・ノワールとガメイに親近性がありますが、熟成のスピードが違いますからベストマッチとは言い難い。ですからアッサンブラージュしても所詮ブルゴーニュA.C.の格下です。」
私「あと、『コレクション』の白同様の良さがあります。10日前に抜栓したワインがありますから、比べてミソ(笑)。」
「あんまり変わらない(笑)。香りは10日前抜栓のほうが立つ。」
「10日経った方がまろやかかな(笑)。」
「これって信じがたいレベルの高さなんですね…。」
「並のグラン・ヴァンやグラン・クリュだってこんな生命力はないよね。この上のランクのムーラン・ブランはどうなの(笑)?」


◯『ムーラン・ブラン』ブラン・ド・ブラン 2013年 フランス ヴァル・ド・ロワール 白 販売価格(税込): 2,777 円
「なんか凄みがある。普通じゃない(笑)。巨大。」
「たしかに(笑)。『コレクション』の比じゃない(笑)。でも良く解らない(笑)。」
私「造りの規格は1本の葡萄樹からハーフ・ボトル1本ほどしかワインを造っていません。古典的なブルゴーニュのグラン・クリュの規格です(笑)。」
家内「閉じてますよね(笑)。このワインはコンクリート製の玉子型のタンクでシュール・リーしています。自然に対流が起こるので効率が良い(笑)。ワインに厚みを、これでもかと加えています(笑)。」
「マスキューさん、これもシェナン100%じゃないんですよね?」
私「はい。シェナン70%、シャルドネ30%です。でもこうなって来るとどうでもイイ(笑)。」
家内「では10日前に抜栓したワインと比べましょうか(笑)!」
「あー!ホントに同じワインなんですか(笑)?言葉にならない深さ…。」
「このワインは一体どれほど長い生命力があるんですか?」
私「20年以上は持つのかな?正確には解りません(笑)。」
「香りも10日前に抜栓した『コレクション』に似ていますよね。白い柑橘類と黄色い果実。」
私「あと、シュール・リー由来の赤い果実のニュアンスが加わっています。」
家内「グリーンのノートもしっかり感じますね。白・黄色・赤・緑。信号機より複雑で明瞭かな(笑)。」
「色の3原色を越えてる(笑)。」
私「シェナン100%でドライ・スタイルだとこれほど将来性を感じるワインは経験したことがありません。甘い貴腐だとあるんですか…。この意味でも新境地かと。」


●『ムーラン・ブラン』ピノ・ノワール 2013年 フランス ヴァル・ド・ロワール 赤 販売価格(税込): 2,777 円
「ブルゴーニュのピノ・ノワールとは明らかに違う(笑)。」
「フランボアーズ!」
「果実味は『コレクション』の赤に近い?」
「口に含むと味はフランボアーズ フランボアーズしてるけど、香りはしない(笑)?閉じてるんだな。」
「ピノ・ノワールなんだろうけどカベルネ・フランっぽい(笑)。研ぎ澄ましたカベルネ・フラン(笑)。」
「さっきマスキューさんが言っていたカベルネ・フランとピノ・ノワールの近親性が解った(笑)。」
私「ありがとうございます。不思議ですよね。ブルゴーニュだとピノ・ノワールはストロベリーやチェリーが味わいの芯になります。敢えて言えばこのフランボアーズのニュアンスはブルゴーニュの中ではモンテリに似てるかな?」
家内「ブルゴーニュ的ではないにせよ、ロワール的ピノ・ノワールとして認定します(笑)!」
私「これも10日前に抜栓したものが少しだけ残ってますから舐めてミソ(笑)。」
「少しだけでもはっきり主張してますな(笑)。抜栓して10日経ったブルゴーニュのピノ・ノワールはこんなに持たない(笑)。」
「香りの立ち方はマーベラス(笑)!」
「凄いですね。別に樽なんか使わないでも勝負してるのも立派(笑)。自信があるんですね。」
私「斬新な今風なんでしょうけど、樽や手先のテクニックで乗り越えていません。酸と果実味で正々堂々と乗り越えています。」
家内「全房醗酵、しかもフリーラン・ジュースのみで造っている点はクラシックの何者でもないのですが、この価格で実現しているのが画期的です(笑)。
私「ジェレミ・ムーラは120ヘクタールの大きな葡萄園です。それでいてこの高品質を実現しているのは凄い。だってチリやオーストラリアなどの大農園でこんな高品質のワインは造れません。大農園だと大量生産には適しますが、高品質は無理。でもジェレミ・ムーラは乗り越えたようです。イノヴェーションしてますね(笑)。


ありがとうございました。
桝久商店 岡本利秋・昭子

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

昨日届いたサンプルの試飲

May 14, 2015 by weblogland |
今日は昨日届いたサンプルの試飲です(笑)。

全体的に良かった!
ホッとしました(笑)。

最後に倉庫の中に10年以上放置されていたトゥーレーヌのヴァン・ムスーを怖いもの見たさに開けました(笑)。

昔、業務用に使っていたロジェ・フェリシアン・ブルーのヴァン・ムスーです。シェナン・ブラン100%で、しかもシャンパン方式で造られた優良なワインです。シェナンらしい力強さと抜けの良さ。瓶内熟成由来のナッツィーな味わいは、並のクレマン以上。今時の安いシャンパンも越える味わい。

でも、10年以上経ってますからねぇ(笑)?

抜栓する時、コルクはまだ効いてます。開けるとガスも出ます。注ぐと泡はやや弱い(笑)。フリザンテくらいかな?

色は深い黄金色(笑)。大丈夫かしらん?

味わいは完全に酸化熟成の世界(笑)。


シェリー?古いシードル?絶対に好みは別れるはずの味わい(笑)。
でも、旨く感じちゃいました(笑)。経験したことのない深み。バランスが成り立っていることの不思議。泡としては売り物にはならないとは思いますが、シェーブルやコンテなどに合わせて浸りたい味わい。シェナンのポテンシャルの高さを実感しました。

新世界を発見しましたか(笑)?

長くワインを売ってるとこんな邂逅があるのですね。経験値上がったかな(笑)

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

ピノ・ノワールのサンプルなど

May 13, 2015 by weblogland |
ふふふ(笑)。

サンプルが届きました。



今月5月22・23日のマスキュー試飲会用です。もちろん試飲会で使うか使わないか、飲んでから決めますが(笑)。

今並べたのは今月の試飲会のテーマ ロワールのサンプルワインです。

クラシックなカベルネ・フランは良いのですがワンパターンかな(笑)?そこでムヌトゥー・サロンのピノ・ノワールやトゥーレーヌのピノ・ノワールなんか取り寄せてみました。あとナントの内陸部で2011年にA.O.C.昇格したフィエフ・ヴァンデアンA.C.のワイン。映像向かって右側の2本。瓶形がお洒落でしょう(笑)。明日早速飲んでみますね。
楽しみだなぁ(笑)。

でも、全滅の恐れもありますから(笑)、ぬか喜びに浸れません(笑)。その場合、皆さんには報告いたしませんから、マスキューの胸中をお察しください。

ドキドキしちゃいます(笑)

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

試飲会のおさらいです(笑)。201540

Apr 28, 2015 by weblogland |
それにしても、ヴェルディッキオ・ディ・マテリカ 『セレッツィオーネ』2013年 ガリアルディ はぶっちぎりでした(笑)。
私「ガリアルディの白、追加が届いたよ。早速発送しないとね。」
家内「試飲会の数が足りなくなりそうだったからと、待ってくださったAさんだよね(笑)。」
私「Aさんジェントルマンだよね(笑)。お待たせして申し訳なかったけど、追加が届いてホッとした(笑)。輸入元で完売してたらと思うとゾッとしたよね(笑)。」
家内「私の言うことを聞いて、もう少し余分にとっておけば良かったでしょ(笑)。」
私「へいへい。おっしゃる通りでございました。お許しくださいませ お代官様(平身低頭)。」
家内「少しは解ったかのう(時代劇に入っています。)」
私「ところでお代官様、クロズリーの『レ・プルース』2005年が足りなくなりそうですが、いかがいたしましょうか?お代官様のダイレクトメールのお陰でございます(持ち上げる私)。」
家内「そちもようやく解ってきたのう。善きに計らえ。」

などと遊んでおります(笑)。

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

マスキュー試飲会レポート 201504

Apr 27, 2015 by weblogland |
昨日、一昨日とマスキュー試飲会にご来店いただきありがとうございました。夕方、過度に集中することなく無事終わることができました。ご協力ありがとうございました!
のっけからスミマセンが5月の試飲会は22・23日となります。いつもより一週早まりますのでご注意くださいませ。


◯イェマヌエヴァ アイレイン 2013年 ボデガス・ラ・テルシア スペイン 白 750ml 1471円税込み

「梨 洋梨かな。桃っぽさもあるね(笑)。スペインの白ってこんなにフルーティーで飲みやすかったんだ?」
「これからもっと暑くなってきたら、ガンガンに冷やしてグビグビ行きたいね(笑)。」
私「昔のスペインでは考えられないフレッシュ&フルーティーです(笑)。技術の進歩 温度管理が完璧だからこそ。」
「マスキューさん、ラベルに書いてある『アイレイン』って品種ですか?初めて飲みますが、地場品種ですか?」
家内「ラ・マンチャではよく造られてます。ただスペインでもっとも栽培されている品種でもあります。」
私「この『アイレイン』がよく知られていない原因は、主にブレンド用の安価な葡萄だからです(笑)。スペインでは一番沢山造られているんですが(笑)。」
家内「ですから、ラベルにわざわざ『アイレイン』を大きく記載したりしません。」
「だからアイレインは無名なんだ(笑)!でも、このワインは大きく記載してますよね?なんで?」
「はっはっ~。そこがミソかな(笑)?」
私「ご推察の通り(笑)!このワインの生産者の意図でございます(笑)。アイレインに対する思い入れを感じます。」
家内「フィロキセラの被害にあっていない自根の葡萄樹が残っているとか 100年の樹齢を越すとか。」
私「樹というよい瘤(笑)。」
「そんなに葡萄樹って持つものなのですか?」
私「手入れをよくして、葡萄果を沢山成らさなければ持つようです。地面に水分が少ないですから、基本的に出来る葡萄も小さく少ないことも作用しているようです。日本だと10年程度が寿命のようです。」
「あー、あの辺りって草木も生えない砂漠に近い(笑)。なーんにも無い(笑)。フィロキセラだって生きていけない(笑)。」
「日本の畑みたいに石を取り除いて肥料をやって土をフカフカにしてなんてじゃなく、荒涼とした大地に生える感じ(笑)。」
私「逆に環境が厳しい分、化学肥料に頼らなくとも栽培が可能でもあります。乾燥してますからカビも発生しませんし、病害虫は風に吹き飛ばされる(笑)。」
家内「ただし単位面積あたりの収穫量は少ないので、マンパワーが必要です。効率は良くありません。」
私「あと、暑い産地のワインですから決定的に酸が少ないです。本日二番目、三番目の白ワインと比べると物足りなく感じます(笑)。比べないよう(笑)。」
「ホントだ(大爆笑)。」
「比べちゃいけない。可哀想だ!」
「用途も違いますしね。」
愛情・好奇心豊かなワイン・ラヴァーは懐が深い!


◯『レ・アビーム』2013年フィリップ・ラヴィエール フランス ヴァン・ド・サヴォア 白 A.O.C.750ml 1647円税込み
「おっ!このワイン広がりがスゴい!鮮烈だなぁ。」
「余韻が長くて強い!立派(笑)。」
私「スパーンと直接的に突き抜けますよね(笑)。」
「最初に飲んだスペインのワインみたいなフルーティーさとは全く違う。冷涼な感じがあるよね。」
家内「最初のスペインの白はアルコール分は12.5%でこのワインは11.5%です。」
「へぇー、アルコール分は低くても密度感はこっちの方がある。これが酸の多寡なんだな。」
「圧倒的だよね。」
「『レ・アビーム』ってドイツワインに近いスタイルかな?」
「サヴォアのワインって初めて飲みました。あまり見かけませんよね?」
私「はい。内陸部なので海外に輸出するには陸送費がかさみます。そのため地元とスイスで消費されます。」
「あっ、そうか!レ・マン湖がすぐ近いよね(笑)。」
「スイスは物価が高いからフランスに買い出しに行くみたいだしね(笑)。」
「このワインは食べ物は何に合わせますか?」
私「定番だとチーズ・フォンデューですね。チーズ単体だとコンテかな。」
家内「思いきって癖のある川魚!きっと鮎なんか合いますよ(笑)!塩焼きにレモンを搾ったら完璧なはず。」
私「アワビの肝なんか試してみたいですね(笑)。」
「かにミソもいけるかな(笑)?」
私「割りと濃厚なものに合いそうですよね。」


さて、白ワインのトリ。本日白のトップ・セラーとなりました。
◯ヴェルディッキオ・ディ・マテリカ 『セレッツィオーネ』2013年 ガリアルディ イタリア マルケ D.O.C.白 750ml 1980円税込み
「あっ、濃厚!すんごいや(笑)。」
「前の二本とはレベルが違いますね(笑)。かなり複雑だし。」
家内「時間が経つと様々なニュアンスが出てきます。」
「柑橘類の塊っぽいけど(笑)、ナッツィーなアタックが心地好いね。オレンジっぽさもあるかな?」
私「たしかに!アーモンドっぽさがありますよね。あと塩辛い(笑)。」
「そうそう、塩辛い。塩辛いついでに海草っぽい。」
私「ヨードっぽいですよね。」
「ディテイルが複雑ですし、全体の大きさが立派ですよね(笑)。暑い産地なのですか?」
家内「イタリア中部ですから暖かいには暖かいのですが、標高の高い山間に畑はありますから寒暖差が大きいですね。海岸部で有名なイエージと比べるとこのマテリカの方が締まりがあります。」
私「ちなみにアルコール分は13.5%。今日の白ワインの中では一番高いです。このくらいまで糖度が上がって収穫するのがベストなのです。やはり暖かな産地です。ただし暖かな産地にありがちな凸凹がワインに無い点が秀逸かと(笑)。」
「このワインは凄く甘く感じますが、これは糖分なのですか?」
私「未醗酵の残糖分ではありません。アルコール醗酵の際に出来るグリセリンかと。」
「糖分とグリセリンの違いは?」
私「鋭い質問です(笑)。糖分の場合舌の先の方で感じますが、グリセリンの甘さは口の中を膨らませるような甘さです。あと、糖分の甘さのようにベタつきません。」
「マスキューさん!このワインは『ドンナルーチェ』に共通すると思いませんか?」
私「おー!さすが良くお気づきで!たしかに。このワインも技術革新の賜物ですよね(笑)。」
「食べ物は何に合わせますか?」
家内「(待ってましたかと言わんばかりに)あさり!魚介類とは相性良いですよ(笑)。パエリアなんかも良し(笑)!」
「ケーキなんかのデザートにも合いそう(笑)。」
家内「アーモンドをクラッシュしてまぶしたケーキなんか良いですよね(笑)。」
私「クリーム系はOKですね(笑)。」
「ますますドンナルーチェと共通しますな(笑)。」


さて、続いてはクラシックなボルドーです。
●シャトー・クロノー 2013年 フランス 赤 ボルドー・スペリュールA.C.750ml 1740円 税込み
「おー、タンニンが凄い。でも意地悪じゃないね。」
「昔、良く飲んだ渋い味わい(笑)。でも割りと綺麗だよね(笑)。」
「こんなに特徴的なボルドーA.C.ワインは初めてです。これはボルドー・スペリュールA.C.ですか。このクラスの括りでも個性があるんですね。」
私「細かな産地の特徴が出ているのが好ましいかと。ただし地図で探すに老眼が邪魔して大変でした(笑)。場所はボルドー最北東、ベルジュラックに近いところです。」
「うーん。このタンニンの下に旨味が隠されてるな(笑)。」
私「タンニンに質感があります。今風のひたすら飲みやすくしたタンニンとはちょっと違うと。」
「質感たっぷりだけど硬質じゃないよね。」
家内「昨日抜栓しましたが、丸一日経って良くなってきました。」
「しかも、ボルドーでビオって珍しいですよね?」
「ワインの味わいはビオビオしてない(笑)。あの独特な臭さはないですよね。」
私「もともとのワイン造りの発想がビオを目指していた訳ではないような気がします。良いワインを造る過程でビオの認証を取れるレベルの低農薬・低SO2添加を可能にしたような…。何よりも作為的でないのが喜ばしい(笑)。」
家内「このシャトー自体15世紀までさかのぼる歴史がありますが、1990年代に取得した現オーナーによる投資の成果のようです。」
私「『どうだ、俺のタンニンを見てくれ!』ってワインが言っているような気がするんですよ(笑)。」
家内「解りやすくないですが(笑)。」


さて、本日の大本命の登場です(笑)!
●『カルト・マロン』 ヴィエイユ・ヴィーニュ 2000年 ドメーヌ・マズール フランス 赤 コート・デュ・ローヌ 750ml 1850円税込み

「旨いなぁー!じんわり甘くて優しい。なにより美しいなぁ。」
「癒されますなぁ。欠点がない(笑)。」
私「抜栓後丸一日経った今が完璧ですね(笑)。コート・デュ・ローヌのあるべきすべてが感じられます。」
家内「腐葉土、ベーコン、熟したプラムやブラック・チェリー、柿、アーティチォーク、チョコレート、煙草、ヨードやミネラルが案配良く調和してます。」
「マスキューさん。この下のキュヴェ『レ・プラド』が好きで散々飲みましたが、『カルト・マロン』の方が上ですね(笑)。ところでマズールは何故こんなにも古いワインを持っているのですか?」
私「もともとローヌのワインは熟成に時間がかかるため、大樽で長期保存熟成させる習慣があったようです。また、そうすることでワインに付加価値が付きますし、不作で収穫の総てを失っても売るワインがありますからリスク回避にもなります。」
「最近ボルドーワインでも似たようなリリースがされますが、これも同じですか?」
私「比較的安価なボルドー・オールド・ヴィンテージが市場で良く見かけられます。味わいとしてはたしかに落ち着いてはいますが、熟成はしていません。熟成したというより熟成を止めて保存させたワインです。飲んでみると違和感を感じます。インチキ臭いですね(笑)。」
「でもマズールの方は熟成感があり、ボルドーの件のワインは熟成感がないのは何故ですか?」
「鋭い質問です(笑)。ボルドー品種は熟成のスパンが短く早い。バリックのような小樽熟成が向いています。逆にローヌのワインは大きな樽でゆっくり熟成させるのが向いているからです。」
「でも、グルナッシュなんかは熟成が早く熟成に向いていない品種ではないのですか?」
私「でも、ちゃんと造ったグルナッシュは長期に持ちます。それでも、コート・デュ・ローヌのグルナッシュでマズールのように長熟するグルナッシュは、あまりないのはたしかかな(笑)。」

良心的な価格で熟成した本物を飲ませてくれるマズールに拍手!


さて、本日のトリは将来のビッグ・ネーム
●ベラ・ヨシュカ ブラウフレンキッシュ アイゼンベルグ2012年ヴァイングート・ヴァハター・ヴィースラ オーストリア ブルゲンラント アイゼンベルグD.A.C.赤 750mlスクリュー・キャップ 750ml 2453円税込み
「うわっ!滑らか!オーストリアのワインって面白い(笑)。独特。でも癖じゃないんだよね きっと。」
「旨味やら何やら沢山有りそうだな(笑)。」
家内「このワインも抜栓してから翌日になってから本領を発揮します。抜栓直後は果物の香りがすぐに出ませんね。」
私「最初はフラットな感じがしてやや物足りなく感じるかもしれませんが、時間が経つと果実味が溢れてきます。ブラムやスモモなどディテイルのはっきりした味わいは素晴らしい。」
「比べると凄さが分かりました(笑)。余韻の長さも素晴らしい。以外な出方ですよね(笑)。」
「品が良いよね(笑)。実直な感じは好きだな(笑)。」
「でしゃばるところが無い。日本人向きかな(笑)。香りプンプンでマッチョなワインより好きだな(笑)。まあ、好みだけど(笑)。」
家内「オーストリアの赤はいくつもティスティングしましたが、これが一番バランスが良かったんです(笑)。」
「オーストリアって白ワインばかりだと思ってましたよ(笑)。」
私「割りとバランスがとれていない赤ワインが多い(笑)。ですからこれは近い将来のスターになるはずだと(笑)、期待しております(笑)。」
「でも、スターになったら手が出なくなる(笑)。」
「ところでこの赤ワインの品種は何ですか、地場品種ですよね?」
家内「ブラウフレンキッシュと言います。ちょっとガメイに似てますか?」
私「本日の私の目標は『ブラウフレンキッシュ』を噛まずに言えること。でも駄目でした(笑)。くやしー!」

お忙しい中、足を運んでくださりありがとうございました。


桝久商店 岡本利秋・昭子

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

インポーターさんの試飲会に行ってきました

Apr 21, 2015 by weblogland |
今日はあるインポーターさんの試飲会に行ってきました。狭いオフィスで、20本ほど新着ワインを試飲してきました。なかなか面白かったでした。
今週末がマスキューの試飲会ですが、そこで出すワインを探しに行った訳ではありません(笑)。念のため。
さすがにこの期に及んでジタバタはしません(笑)。でも、5月の試飲会に出せそうなワイン見つけちゃいました。

ところで、今日お客様から、
お客様「マスキューさん、連休中毎日ピクニック三昧の予定なのですが(笑)、外で楽しめるワインありますか?」
私「良いですね(笑)。」
「友達の別荘に呼ばれて行くんですが、ワインくらいはこちらで持っていかないとね(笑)。」
私「では外飲み用と夜じっくり飲む用が必要ですね(笑)。」
「なるほど!」
私「昼間外でゴージャスなワインを飲んでもしょうがないし、夜じっくり飲むにはそれなりに重厚なワインが必要かと。」
「それでは昼間用は質より量で、夜用は少数精鋭でいきましょう!」

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

桝久 試飲会リポート 201503

Mar 30, 2015 by weblogland |
昨日、一昨日とマスキュー店内試飲会にお越しいただきありがとうございました!
とくに土曜日の夕方にご来店が集中し、行き届かず申し訳ございませんでした。

まず、春を告げるような白ワインからです。
◯ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ 2013年 パーラ イタリア 白 サルデーニャ島 D.O.C.750ml 1759円税込
「ラベルも綺麗だけど、色も綺麗ですね(笑)。『私は良いワインです。』って言っているみたいですね(笑)。味わいもラベルみたいなフローラル(笑)。」
「マスキューさん、このワイン前から売ってますよね。紫色の花柄のラベルのワインもありましたよね?」
家内「はい。『ヌラグス』です。あれもサルデーニャ島のワインです。」
「このラベル特徴的ですよね。漫画のコラムで取り上げられてましたよ(笑)。見つけて、さすがマスキューって思いましたよ(笑)。」
私「ありがとうございます(笑)。パーラの白は良いですよね(笑)。特にこのヴェルメンティーノは随一かと。イタリア本島のヴェルメンティーノは今一つなんですよね。」
家内「このワインが一番ヴェルメンティーノとして好ましいと思います。」
「このワイン 膨らみもあるし華やかだし とても美味しいですが、何℃くらいで出すのが良いですか?もっと冷やしても良いのですか?」
私「今大体13℃くらいだと思います。他のワインより少し温度は下げて出しています。もっと冷やしすと膨らみより広がりのベクトルが増します。」
「冷してからゆっくり温度が上がるのを楽しむ。好みの温度帯を探すのも一興かな(笑)。」
私「レベルの高い飲み方ですね(笑)。」
「このワインはもともと粘りがありますよね?温度高くても低くても、この粘りが鍵かな?」
私「鋭い!ですからオリーブ・オイルやシェーブルチーズとは相性抜群です。」
「シェーブルって山羊のチーズですよね。サルデーニャ島には山羊がいるんですか?」
私「はい。人口より多いはず(笑)。」
家内「島は急峻で平野が少ないので崖を苦にしない山羊が放牧されています。」
「牛は崖を歩けないからだ(笑)。」
家内「あとこのワイン、塩辛さもありますから、魚介類とは相性良いですよ(笑)。また植物っぽさも強いですから、野菜をマリネにしたり、オリーブ・オイル・ベースのドレッシングなんか鉄板です(笑)。」
私「個人的には名物のカラスミのパスタがベストかと(笑)。」
「店長カラスミ好きだからなぁ(大爆笑)。」
私「手の内 読まれてますね(笑)。」

さて次はモンテプルチアーノ種を使って造られたロゼと赤。造り手も同じコッレ・フリージオです。
◯チェラスオーロ・ダブルッツォ 2013年 コッレフリージオ ロゼ イタリア アプルッツオ州 チェラスオーロ・ダブルッツォD.O.C.750ml 1481円税込
●モンテプルチアーノ・ダブルッツォ 2012年 コッレフリージオ 赤 イタリア アプルッツオ州 モンテプルチアーノ・ダブルッツォD.O.C.750ml 1481円税込
「マスキューさん!このロゼは花見用(笑)!」
「色も薄いピンク色 桜色(笑)。花見のためのワインだね(笑)。」
「ロゼって甘いだけじゃないんですね。ベリーかな?果物の感じが赤ワインっぽい(笑)。だけど渋味がないから飲みやすい。何も食べなくてもいける(笑)。」
「ちょっと塩辛いハムなんかつまみ食いしながら飲むとイイね(笑)。グビグヒ行けるな(笑)。」
「マスキューさん、このロゼ甘さもありますが、この甘さは糖分ですか?」
私「この口の中に膨らむような甘さはグリセリンです。アルコール醗酵の過程で出来ます。揮発性でもありますから、ベリーの香りと溶け合って、飲み込んだ後の長い余韻に通じます。」
「たしかに余韻が長くて心地良い(笑)。美しいね(笑)。」
「ロゼと赤を比べると不思議な気分です。同じ品種なんだろうけど別物(笑)。」
「用途の違いなんだろうけど、コンセプトの違いがここまで味の違いになっているのは面白いですよね。」
家内「この手のドライでフルーティーなロゼは地中海沿いのリゾート地ではビール替わりに飲まれているようです(笑)。」
「うーん。ビール替わりに昼間から飲んでみたいけど、酔いそうだな(笑)。」
「夜のディナー前に酔いつぶれるかも(大爆笑)。」
「モンテプルチアーノ種って高貴な品種じゃないけれど、ロゼだとかなりピュアで品が良いですね。可愛さがあるよね(笑)。」
「たしかマスキューさんの定番のチウ・チウもモンテプルチアーノ種を使ってますよね。でもチウ・チウのモンテプルチアーノ種とモンテプルチアーノ・ダブルッツオのモンテプルチアーノ種って違いますよね?」
私「何と鋭い!モンテプルチアーノ・ダブルッツオらしいアロマチックなスタイルがコッレ・フリージオのワインで、深みのあるモンテプルチアーノ種のスタイルがチウ・チウです。じつは、産地の違いが明瞭に感じるようなチョイスをしました。」
「なるほど!チウ・チウの『ゴティコ』を飲めば良く解るんだな(笑)。『バッカス』よりモンテプルチアーノ種ね比率が高いよね(笑)。」
「モンテプルチアーノ種好きの私にはたまらんね(笑)。」
「同じモンテプルチアーノ種でもそんなに違うんですか?」
家内「日本に大量に輸入されていますが、いわゆるモンテプルチアーノ・ダブルッツオは軽い早飲みのワインがほとんどです。このコッレ・フリージオのワインもフレッシュ&フルーティーなスタイルですが、標高の高い産地なのでかなりしっかりした方です。酸があります。」
私「モンテプルチアーノ種は濃く造ると果実味が黒くなる傾向があるようです。一部の最先端の生産者は赤いベリー系の香りがしっかりしながらも飲み応えのあるヘビーなワインを造ろうとしているようです。例えばガロフォリかな。」
「マスキューさん 最近試飲会で辛口のロゼを良く出しますが、ロゼって味わいのパターンがありますよね?」
私「さすが!お見通しですね(笑)。大まかにはストロベリー系とアセロラ系に別れそうですね。」
「モンテプルチアーノ種の赤ってラズベリーの香りがするから、ストロベリー系な訳ですね(笑)。」
「チウ・チウはカシスやマスキューさん曰く黒豆の香りですけど、ロゼを造ったらストロベリー系になるんですかね?」
私「高度な質問ですね(笑)。恐らくそうなるかと。あったら飲んでみたいですね(笑)。」

やはり親しみのあるモンテプルチアーノ種。興味は尽きませんでした(笑)。

さて、後半戦のポルトガルです。
●『アトランティコ』2012年 赤 ポルトガル アレンテジャーノ 750ml 972円税込
「おっ!『アトランティコ』ですね。随分沢山このワイン飲んだなぁ(笑)。重宝してます(笑)。」
「このワインを友達に飲ませて『高いワインだな。』って随分騙したな(笑)。」
私「お世話になっております(笑)。今ではマスキュー不動の定番です(笑)。」
家内「でも、モンテプルチアーノ・ダブルッツオと比べると明らかに酸がない。」
「たしかに酸は無い(笑)。でも滑らかさとコクで美味しく飲めちゃいますよね(笑)。」
「樽のニュアンスもあるから旨く感じるんだよね。」
「モンテプルチアーノ・ダブルッツオみたいにはっきりしていないけど、果実味はちゃんと感じるよね。」
私「飲みやすい今風ではありますが、実に上手に出来ています。」
「そうそう。今風も悪くないよね(笑)。なんたって1000円しないんだからね!」
「飲みやすくてイイ!」

さて、続いてマスキューの隠れ定番(笑)。ジンブロです!
●ジンブロ 2008年 キンタ・ド・ジンブロ ポルトガル ドゥロD.O.C. 赤 750ml 1712円税込
家内「このワインはいわゆるポート・ワインの単一畑で造られたドライ・スタイルのワインです。」
「へぇー、ポートって甘いデザート・ワインですよね?」
私「はい。糖分が残った半醗酵状態にアルコール添加して造るいわゆる酒精強化ワインです。非常に長命で、保存性に優れています。」
「戦国時代に信長が飲んだワインですね(笑)。」
「普通の辛口赤ワインも出来るんだ?」
「辛口でも香りはポートみたいに甘くて重い(笑)。みっちりしてる。」
「タンニンの量が凄い。でも渋すぎない。この落ち着きは熟成したからですか?」
私「はい。ようやく本来楽しめる姿になったかと。今風ではありますが、飲み頃になるまで7年は要するワインでした。ジンブロはずっと扱ってきましたが、ようやく解りました(笑)。」
家内「高密度のタンニンが整った姿になった今がピークのようです(笑)。」
「今風と言っても時間のスパンは長いのですね(笑)。スゴく質感がありますよね。」
私「じつは、この後に入荷するジンブロは2011年なので、2008年があるうちに皆さんに味わっていただきたく、今回試飲会に出しました(笑)。いかがでしょう?」
「マスキューさん、それって2011年はスタイルが変わると言うことですか?」
私「これまた鋭い(笑)!でも、飲んでみないと解りませんが、可能性は高いかも(笑)。」
「アトランティコとジンブロを実際比べると価格の差を感じるよね(笑)。」
「でも、どちらもコスト・パフォーマンスの高さは驚きだし、目を開かせるワインだよね(笑)。」
「明らかにポルトガルの個性を感じる。ユニークだよね。シンプルだし、好きだな(笑)。」
「瓶に澱がベットリついてますね(笑)。でも、これが普通なんでしょうね(笑)。今時こんなに澱があるワインは珍しい(笑)。」
私「今風と言ってもプリミィティブなんですよね(笑)。」
「マスキューさん、ジンブロは全房醗酵してるのですか?」
私「除梗してるかと。全房醗酵していたら後10年以上経たないと飲みやすくならないかも?」
家内「それにしてもタンニンの量は凄い(笑)。個性なんでしょうね(笑)。」

さらにタンニン量はエスカレートします(笑)。
●モンテフィーノ・レゼルヴァ 2005年 モンテ・ダ・ペーニャ ポルトガル 赤 ヴィーニョ・レジョナル・アレンテジャーノ 750ml 2098円税込
「これは完全にバッチリ熟成してるね(笑)。ブルネロっぽいかな?」
「説得力あるね(笑)。」
「マスキューさん、このワインはあとどのくらい持ちますか?」
私「今がピークであるのは間違いないですね。ジンブロより熟成は進んでいます。このあとは古酒になっていくかと。」
「深みがあるよね。あと広がりかな。大きさがある。」
「こうなるのに10年かかることは、長いのか短いのか(笑)?」
私「少なくとも、いわゆる今風の飲みやすく造られたワインはこうはなりません。」
「クラシックな今風(笑)。でも、クラシックだよね(笑)。」
「ジンブロと比べるとさらに価格差を感じる(笑)。ある意味真っ当かな(笑)。」
私「ポルトガルのワインは基本的にアロマチックではありませんが、質感があって納得のいけるワインかと。」
「みんなこんな感じですか?」
私「いえいえ。先日ポルトガル大使館主催の試飲会に行った印象では、もっと今風で(笑)、これも今風のスペイン・ワインに近いものばかりでした。マスキュー試飲会の方がクラシックかな(笑)。」
「あと、品種の特性があまり感じられませんが…?」
私「それが特性かも…。どれも複数品種のセパージュですが、あくまで作柄のリスク回避と混醸による深みのためであり、香りの複雑化ではないような気がします。少なくとも、何を何パーセント何を何パーセントにする、ような設計図がないようなワイン造りだと思います。」
家内「このモンテフィーノはアレンテジャーノの奥地 スペイン国境付近。酷暑と乾燥の苛酷な環境のようです。草も生えないようなところのようです(笑)。フィロキセラも侵入しなかったし、葡萄樹も根付かせることが困難なほどのようです。」
唯一試飲会のお客様でポルトガルに行かれたプロの旅行者Tご夫妻「アレンテジャーノは内陸に行けば行くほど何もない(笑)。あるのはコルク樫とオリーブの樹とワインくらいかな。スペインに近づくにつれさらに何もなく、荒野(笑)。」
家内「ポルトガルはコルク栓の世界シェアが60%でした!」
Tご夫妻「コルクの服も売ってましたよ(笑)。」
私「可愛そうなコルク樫は10年に一度皮を剥がれるんですよ(笑)。」

どうもありがとうございました。
桝久商店 岡本利秋・昭子

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

桝久 試飲会リポート 201502

Mar 02, 2015 by weblogland |
昨日、一昨日とご来店ありがとうございました!

今回は6本すべて南フランスのワインでした。

まずは白の新旧対決(笑)。ラファージュさんとコンダミン・ベルトランの白ワインを比べていただきます!
◯ノヴェラム シャルドネ 2013年 ドメーヌ・ラファージュ販売価格(税込): 1,527 円
◯バロン・デュ・モンテガード 白 2013年 シャトー・コンダミン・ベルトラン フランス I.G.P.ドック 750ml 販売価格1018円税込み

「マスキューさん!愛するラファージュのワインですね(笑)。」
「コンダミン・ベルトランも昔扱ってましたよね?」
私「前は『タンデム』ラベルでした。よく覚えてられますね(笑)。さすが!」
「うーん。ノヴェラム旨いですね。」
「たしかに、欠点ありませんよね。飲み易す過ぎて危険だなぁ(笑)。」
家内「前のノヴェラムはもう少し樽のニュアンスが強くてシャルドネらしい出来でした。今回はシャルドネらしさより、ひたすらバランスの良さが目立ちます(笑)。」
私「香りを嗅ぐとシャルドネらしくないのですが(笑)、味わうとシャルドネ(笑)。スタイルが変化してます。バランスが凄く良いですよね。」
「グレープフルーツの香りが強いですよね。ピールっぽさも後味に出てきてる」
「パーカー・ポイント92点は伊達じゃない(笑)。綺麗だよね。」
「余韻も綺麗だよね(笑)。」
私「アメリカ人の好むスタイルなんですが、樽に頼らないのがなかなか宜しいかと。」
さて、コンダミン・ベルトランの白は?
「これ、旨い!トロミがある!しかも安いですよね。」
「あんまりはっきりした香りじゃないけれど、香りが重い(笑)?」
「柑橘類のニュアンスはあるんだけどはっきり解らない。でもミッチリしてる(笑)。」
私「密度感ありますよね(笑)。」
「ノヴェラムと比べるとスタイルはまるっきり違いますよね?」
「ノヴェラムは都会的でモンテガードは田舎的(笑)?」
「モンテガードの田舎臭さは好きだな(笑)。」
「私は都会派だからノヴェラムかな(笑)。」
「同じ南フランスでもこんなに味わいのスタイルが違うんですね?」
私「モンテガードはソーヴィニヨン・ブランとルーサンヌを混醸しています。」
「別けて造らないんだ!」
「へぇー、だから飲んだときセパージュが解らないんだ(笑)!あと深みがありますよね?」
私「さすが!そのとうりです!」
「マスキューさん!ソーヴィニヨンブランとルーサンヌって収穫期が同じなんですか?」
私「基本的には違います。ただコンダミン・ベルトランの畑ではそれぞれの植わっている環境(恐らく標高)が違うために収穫期が重なるようです。ですからコンダミン・ベルトラン独特の特徴かと。長い歴史と経験の積み重ねを感じます。」
家内「それと比べるとラファージュさんはシステマティックにワインを造ります。葡萄園は120ヘクタールありますから、幾つかの区画のシャルドネを上手くブレンドすることによって解決します。あとヴィオニエの澱を入れたりして独自のスタイルを造ります。」
私「ラファージュさんのワインはちゃんと設計図があり、意図を上手く実現化していますね(笑)。コンダミン・ベルトランの方は『家ではこんなワインが出来る』みたいな(笑)、プリミィティブですね。」
「コンダミン・ベルトランは歴史あるんですね。」
家内「200年以上続く地元の名家のようです。ラファージュさんもたしか5代目ですから古いには古い。」
私「ラファージュさんは葡萄栽培農家から世界に羽ばたいています。アルゼンチンでもワイン造りに携わっています。自分のドメーヌの収穫期にはアルゼンチンから収穫人を連れてくるようです(笑)。」
「えっ!南半球だからかぁ。季節は逆だからですね(笑)。」
「グローバルなんですね。」
私「マスキューにも来てくださいました(笑)。」
「日本の農家じゃ考えられない!マーケティングやセールスまでやるんだ。凄いね。」
「マスキューさん!ラファージュってニコラス・ケイジに似てますよね(笑)。」
「あと、歳の割りに老けている(大爆笑)。」
「マスキューさん!ところでワインの値段はどうやって決まるんですか?物凄く高いワインはプレミアムがつくからある意味解るんですが。」
私「鋭い質問ですね(笑)。基本的にはその村のワインの相場に沿うものです。あと、例えば家族何人を養うために総額幾ら必要かによって、生産本数が逆算されます。食べていくために最低ワインで幾ら稼げるかが重要なポイントになります。」
「なるほどね。そうするとある程度の生産量は必要ですね。日本みたいに狭い畑でワインを造るのは不利な訳だね。」
私「1000本しか出来ないけれども、1本1万円で売れれば成り立つとは思いますが…。」
「畑は急に広げられないからそれを目指すしかないんだね。もちろん品質ありきだろうけれど、それだけじゃない部分があるんですね。」
私「こんな事を言うのも何ですが、逆にビックビジネスになる可能性もあります。」

続いてコンダミン・ベルトランの赤。予想を越えるトップ・セラーとなりました!
●バロン・デュ・モンテガード 赤 2013年 シャトー・コンダミン・ベルトラン フランス I.G.P.ドック 750ml 販売価格(税込)1018円
「これ、旨い!」
「スッゴく飲みやすい!」「旨味が優しくて良いね。」
私「アルコール分は12.5%と南フランスにしては低めですが、ワインを調整していません。ですから無理がなく飲みやすいかと。」
「香りはメルロみたいですが、味はメルロっぽくない(笑)。」
家内「シラーとメルロが半々です。もう少し寝かせるともっと溶け込みは良くなるはずです。」
「なるほど味わいはシラー(笑)。」
「シラーとメルロなんてミス・マッチなんだけど…。このワインは塩梅がイイ(笑)。実に自然。」
私「あまり特徴的なワインじゃないんですが、飲み出すといつの間にか1本飲んでしまう良さがあります。味わいやワインのディテイルを語ることに意味がないようなワインなんです(笑)。」
「コスト・パフォーマンスの高さは驚きだよね。ケースで買っても良いですか?」
私「今日はご勘弁を!月曜日にはインポーターさんに追加発注いたしますので…。多分インポーターさんもまだ在庫はあるかと。」
こんなまとめ買いを希望される方が数名。もちろん試飲会のトップ・セラーとなり、途中で完売いたしました。こんな訳で2月の試飲会セットも販売中止となりました。
私、内心モンテガードは赤より白が売れると思っておりました。ですから試飲会中は赤を持ち上げませんでした(笑)。皆さんのワイン選びの確かさを侮っておりました。
お許しください。
休み明けには再販売に漕ぎ着けたい!

さて、メインの前はロゼ
◯シャトー・クープ・ローズ フレミヤン ロゼ 2013年販売価格(税込): 1,782 円
「おっ、懐かしい(笑)。これもマスキューさんの定番でしたよね?」
家内「値段が上がったので扱いを控えていましたが、今回特別にインポーターさんがご配慮してくれました(笑)。」
「おー、アセロラ・ジュース(笑)。でも辛口でしっかりしてる。」
「香りの広がりが素晴らしいよね。別世界にいるような気分になるね(笑)。」
「ロゼって軟弱で甘いイメージがあったけど、これは全く違うよね(笑)。」
「それ、ロゼ・ダンジュだぁ(笑)。飲みやすいけど飽きるんだよねアレ。」
「私、料理の試験でロゼワインの作り方が出て『赤と白を混ぜる』って答えて×貰いました(笑)。このワインはどう造ったんですか?」
私「赤と白を混ぜて造ることはありますから×ではないですよね(笑)。このワインの場合 赤ワインを造る過程で果汁に色が付いたのを見計らって果皮と分離します。プレスせずにロゼ色の果汁のみ抜き取ります。いわゆるセニエ法です。」
「マスキューさん、それって直接圧搾法とは違うんですか?」
家内「はい。直接圧搾法はプレスしますから得られる葡萄果汁の量が多いですが、セニエは自然に抜き取るだけですからいわゆるフリーランのみ。貴重です。」
「一番搾りだけなんですね(笑)。」
「だから雑味がないんだ。」
私「強さはありますが、重くないですよね。」
「シャンパンのロゼが高いのもこの性なんですね。」
私「さすが!よくご存知で!でも、最近はセニエ法でなくてもシャンパンはロゼが造れるように法改正しました。儲けの種を増やしたようです(笑)。」
「このロゼって食べ物に合わしたいですよね。何が良いかな?」
私「赤身の牛肉(笑)!黒胡椒と塩で焼くローストビーフなんか良いですよね。」
家内「一般に魚介類 とくに甲殻類は鉄板ですが、このワインは肉も連想させます。ハム系やチーズもOK。産地のミネルヴァはロック・フォールチーズの原産地でもありますからそれもOK(笑)。」
「お花見行ってサンドイッチ食べながら飲んだら素敵だな(笑)。」
「ハムも生ハムやらパストラミなんか合うでしょうね(笑)。」
家内「このワインは香辛料やハーブのニュアンスがあるからそれを利用すると合わせる料理の幅が広がりますね(笑)。」


さて、これより本日のメインの赤。南フランスのいわゆるビオ・ワインの登場です!
●『カリス』2012年 ドメーヌ・パディエ 南フランス V.D.フランス 750ml 販売価格(税込):2500円
●『プティ・トーロー』2011年 ドメーヌ・パディエ 南フランス 赤 コート・デュ・ルーションA.C. 750ml 販売価格(税込):3610円
「マスキューさんがビオ扱うの珍しいですよね?」
私「はい(笑)。ビオ・ワインって美味しいものはありますが、欠陥の多いワインも多い(笑)。あと馬鹿に高かったり(笑)。なかなか扱えるワインが少ないのです。」
家内「実際完全なビオ・ワインは存在しませんから、ややこしい(笑)。ビオにこだわった訳でなく美味しくてユニークなワインと言うことでチョイスしました。」
「『カリス』うっまーい!果実味も凄いけど、液体自体が美味しい!」
「軽くて飲みやすいけど、凄く強い。飲み込んだ後の余韻が素晴らしい。」
「マスキューさんが良く言う『明瞭で複雑』なワインですね(笑)。それにしても鮮烈。プラムの香りなんだけど色んなプラムが入っている。梅もかな(笑)。」
私「スモモのニュアンスがアクセントになってますよね。あのカリニャンがこんなにアロマティックになるとは!初めて知りました。」
「前に飲んだビオのカリニャンもこんな感じでしたよ(笑)。」
私「おー、良く飲んでますね(笑)!ルーションのあの界隈はゴ-ビーを軸に、ワイン造りのニューウェイブが起きているみたいですね。」
「『カリス』も『プチ・トーロー』もマスキューさんの暮れの試飲会で飲んだカミュのシャルム・シャンベルタンと共通したところありますよね(笑)。」
私「さすが!どちらもフリーランでワインを造ってます。旨味がありますよね(笑)。」
「さっきの『一番搾り』ですか?」
家内「はい。『カリス』も『プチ・トーロー』も醗酵槽に房のまま投入して自然に醪になったものからプレスせずに液体だけ抜き取ります。そしてほぼそれだけでワインを造ります。」
私「余分な抽出はしませんから、雑味がなくクリーン。旨味だけ抽出したようなものです。」
「コストかかっているんですね。」
家内「私逹が習ったワイン造りの鉄則に『良いワインはフリーランだけで造られる。』を地で行ってます(笑)。」
「だから南フランスっぽくないんですね(笑)。黒くない(笑)。」
家内「『カリス』は抜栓して丸1日経って全開ですが、『プチ・トーロー』はまだ開いてない(笑)。でも渋くて飲めないようなスタイルではありません。基本的にどちらも飲みやすいのです。この辺は今風で良いかと。」
「私もビオ・ワイン好きなのでよく飲みますが、バディエのワインは乳酸の香りがしませんよね?」
私「タンクで熟成中に炭酸ガスを注入して劣化を防ぎますから、瓶詰め後にガス臭さが残ったり泡立ったりすることがビオ・ワインにはよくあります。」
家内「実は、このワインも日本に入荷直後は泡立っていました(笑)。半年ほど倉庫で寝かしてようやく炭酸ガスが抜けてから販売となりました。扱いが難しいワインです。」
私「この手のワインは夏場常温では持ちません。28℃を越えたらまずダメですね。『プチ・トーロー』などはセラーで長く熟成させて行く末を見たいワインです。」
「ところでマスキューさん!フリーラン以外のプレスワインはどうするのですか?」
私「ワインに重さを出すために10~20%くらいフリーランに加えることはありますが、昔はプレスワインの大半をネゴシアンに売却していました。あと自家消費用のフィーヌにしたり。」
「今もそうですか?」
私「D.R.C.なんか変わりませんね(笑)。ただ大半の生産者や特にニューワールドの生産者はフリーランとプレスワインを区別なくワインに利用します。特に若い生産者にプレスとフリーランの区別がない人は増えました(笑)。除梗とミクロ・オキシダシオンの普及によりプレス果実を含めてそこそこのワインが出来るようになったからです。でも、致命的に酸がありませんから良いワインとは言えません。」
「たしかにプレス果実も含めてワインが出来れば効率は良いですよね。歩留まりが良くなる。でも、それって品質の向上に繋がらない?」
私「70年代後半のエミール・ペイノーの活躍は除梗することにより、酸が少なく、甘さがあり、すぐに飲めるワインを造り出しましたが、その裏にはプレス果汁を有効利用する効率の良さがありました。もちろん流行に左右されずにクラシックなスタイルを貫いた生産者もいますが。近年はアンチテーゼとしてビオを唄うスタイルも注目されてます。まあ、品質が良ければどうでも良いのですが(笑)。」


ご来店ありがとうございました。
桝久商店 岡本利秋・昭子

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

一昨日取り寄せたサンプル全滅でした

Feb 13, 2015 by weblogland |
うーん。
一昨日取り寄せたサンプル全滅でした。
残念!
悪いワインは無かったのですが…
私「このイタリア ワイン美味しいよね。しかも美味しいだけでなくユニーク(笑)。」
家内「ポテンシャルも高そうだし、経験したことの無い味でしょ(鼻高々)。」
私「たしかに!でもさ、誰が買うか頭に浮かばないんだよね(笑)。どう思う?」
家内「そこだよね。このワインの問題は(笑)。皆さん面白がるとは思うけど、実際に買うのはKさんくらいしか浮かばないよね(笑)。」
私「そうすると1ダース仕入れて、試飲用で2本使って、売れるのが1本ではマズイ(笑)。」
家内「私が買っても2本にしかならない(笑)。」
私「更に僕が買っても3本かぁ(笑)。」
家内「無理かな?」

私「あのピノ・ノワールどうしようか?とっても普通なんだけど、普通過ぎないかな(笑)?」
家内「今、普通のブルゴーニュのピノ・ノワールがないから、良いかなっておもったんだけど」
私「でもさ、イタリアのイプランディ・ピノ・ノワールと比べたら、競争力ないよね?」
家内「イプランディのピノ・ノワールも、そう言えば普通(笑)。しかもかなり安い。」
私「比べられたら、ブルゴーニュと言えども価値が落ちない?」
家内「マスキューのお客様は、その点見逃さないよね。絶対にそう思うはず。」
私「ブルゴーニュのピノ・ノワールが噛ませ犬になる恐れがあるよね(笑)。」
家内「それは本意じゃないよね。ホントだとしても(笑)。」
私「止めておこうか?」

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

桝久 試飲会リポート 201501

Feb 02, 2015 by weblogland |
昨日、一昨日と寒いなかご来店ありがとうございました。特に一昨日にいらしたお客様、風邪など召さなかったですか?
重ねて御礼申し上げます。
まずは久しぶりのボルドーの赤。飲み比べていただきます(笑)。
●シャトー ラモット・デュブール 2010年 フランス 赤 ボルドーA.C.750ml 1071円税別
●シャトー レ・ペルリーグ2013年 フランス ボルドー 赤 グラーブA.C.750ml 1556円税別

「1番目のワイン、これって普通に美味しい。」
「ゴージャスじゃないけれど、あざとさや邪魔な部分がないよね(笑)。」
「あれ?色が全然ちがいますよね。2番は紫色!」
「そうそう。1番は縁にレンガっぽい色が出てるよね。えーと1番はヴィンテージが2010年だ!」
「1番のワイン飲み頃だよね。普通に美味しい(笑)。」
「セパージュは何ですか?」
私「1番のワインはメルロ55%、カベルネ・ソーヴィニヨン30%、カベルネ・フラン15%。ですね。アントゥル・ドゥ・メールの真ん中で造られています。」
「なるほど、メルロが主体ですな(笑)。でもわりとしっかりしてるよね。」
私「あまり華はないのですが、ちゃんとしているかと(笑)。この点、今風のフレッシュ&フルーティーなアントゥル・ドゥ・メールとはちょっと違うかなと(笑)。」
家内「開けたて、1番のワインを飲んだ時 右岸若しくはブール産ワインと間違いました(笑)。」
「こんなに安いワインでも時間がかかるんですね。それって品質の良し悪しなんですか?」
私「新しいヴィンテージで直ぐに美味しく飲めるワインは抜栓してから味わいが良くならないことが多いですね。」
「何故ですか?」
家内「技術の進歩でもあるんですが、微細な空気をワインに送り込み酸化を早めたりします。」
私「まあ、ドーピングに近いかな(笑)。あまりやり過ぎると不自然にはなります。」
「それでも売れれば良しなのかな(笑)?」
私「決めるのは飲み手です(笑)。マスキューは流されるのみ(笑)。」
「いや違います!マスキューさんは誘導係(笑)!」
私「まずい!読まれてます(笑)。」
「2番目のグラーブの赤は強いですね。でも割りとすっと飲める。ブログで予習した通り(笑)。」
「果実味に赤さがあるし、植物っぽさスパイシーっぽさもある。」
私「カベルネ・ソーヴィニヨンが主体でそれにカベルネ・フランとメルロが加わります。カベルネ系の味わいが綺麗に出ているかと。」
「ガリークなどのニュアンスがありますが、土壌由来の特徴ではないのですか?」
家内「土壌はガリークではないんです。ちょっと涼しげですよね。」
「タンニンなども完熟していますよね。でも難しいヴィンテージの2013年でここまで出来るのは大したもの。アルコール分は12%ですから尽力しています。」
家内「補糖もおそらくしていないと思います。」
「何故補糖していないと解るのですか?」
私「上手く言えませんが(笑)、補糖するとアンバランスな感じが出ます。」
「マスキューさん!これって樽熟成してるとしか思えない!でもしていないんですよね?」
私「はい(笑)。私も間違えました(笑)。絶対に木樽熟成していると思ってました。ですからインポーターさんに執拗に聞きました(笑)。インポーターさんはシャトーまで連絡をとって確認してくださいまして(笑)、やはり木樽熟成はしていないとのことでした。」
「まるっきり教本やワイン本とは違う(笑)?」
私「困りますよね(笑)。翌日になると樽のようなニュアンスは消えていきますから、やはり木樽は使っていないかと。ワイン自体が若い性とタンニンの強さによるようです。またこのワインはグラーブらしい軽やかさがあるので、余計木樽熟成していると判断してしまったと思います。」
「なるほど。あと酸も強いですよね?」
「さすが!良くお気づきで!リンゴ酸が強いですよね。多分除梗しないクラシックな醸造法で造られたのではないかと。マロラクティック醗酵をしていながら多量のリンゴ酸があるのは梗に含まれるリンゴ酸の影響かと。」
「マスキューさん、赤ワインって除梗して粒だけで醸造するのが基本ではないのですか?」
私「おっしゃる通り。教本ではそのように書いてあります。実際今風のワインは100%除梗します。でも、本来は房のまま醗酵します。ただ全房醗酵しますと衛生管理が難しいのと、ワインがすぐ飲んで美味しくなりにくいので、今では除梗するのが主流です。」
「それってマスキューさんが嫌う『つんつるてんなワイン』になると言うことなんですか(笑)?」
私「鋭い(笑)!行き過ぎると似たり寄ったりのワインになりがちです。」
「ある種のグローバリズムの弊害ですな。」
家内「濃くて飲みやすいワインは出来たのですが、どれも似てしまう傾向があります(笑)。」
「品質は良くはなったが、問題点も出てきたんですね。」
私「おっしゃる通り!」
「マスキューさんが言うワインの良し悪しって翌日飲んでも美味しいことですよね?」
私「はい。ダメなワインは抜栓してから味が落ちる一方です。」
「2番目のグラーブはこの先どうなって行くか知りたくなるワインですね。」
「マスキューさん、どうなりますか?」
私「解りません(笑)。だからこそ知りたくなりますよね(笑)。」
「解ったところで何なんだと言えばそれだけのことだけど、それが楽しい(笑)!」
私「奥深い発言(笑)!でも、それだけのことなんですよね(笑)。」
「ちなみに奥さんと店長は1番と2番のどちらが好きですか(笑)?」
私「うーん。厳しい質問ですね(笑)。」
家内「私は1番かな(笑)。」
私「2番目です(笑)。」
「食べ物に合わすとしたら何ですか?」
私「定番ですみませんが、乳臭い子牛かな」
「じゃあ、ラム肉も大丈夫ですね(笑)。」
「ジンギスカン鍋だぁ(笑)。」

さて、お次は馴染みのない最北のブルゴーニュの赤ワインです(笑)。
●ブルゴーニュ コート・ドーセール 2010年 ドメーヌ グラン・ロシェ フランス ブルゴーニュ 赤 ブルゴーニュ コート・ドーセールA.C.750ml 2213円税別
「たしかにピノ・ノワールの味。ところでコート・ドーセールってどこ(笑)?」
私「シャブリの近くですが、ロワールの方が近いかな(笑)。」
家内「マスキューの定番『サン・ブリ』を造っているドメーヌ・グラン・ロシェの赤ワインです。フィロキセラ以前にはワインの集積地・産地として栄えていたようです。」
「まあ、サンセールやシャンパーニュでも赤のピノ・ノワールは造られてるから、不可能じゃないんでしょうが マスキューさんまた変わったワイン探してきましたね(笑)」
私「最北だけあって作柄の厳しい時は造れないようです。2012年は良かったようです。アルコール分も12.5%まで上がっています。」
「ピノ・ノワールには違いないんだけど、ブルゴーニュのピノ・ノワールとはちょっと違うよね(笑)。プラムっぽいかな。」
家内「ラズベリーやチェリーが支配的ではないですよね。」
私「プルーン?ちょっと黒さが混じるかな。」
「密度感があって良いですね(笑)。質感からすると良いワインだね。」
家内「翌日に飲む方が美味しい。ポテンシャルが高いですね。」
「あー、たしかに昨日開けたワインと今開けたワインは違う!翌日の方がしっとりしていて、果実のニュアンスがはっきりしている(笑)。」


さて、今回唯一のボルドー・ブルゴーニュ以外の赤!
●クローズ・エルミタージュ 『レ・ザマンディエ』2012年 ドメーヌ・デュ・ミュリネ フランス ローヌ 赤 クローズ・エルミタージュA.C. 750ml 2914円税別
「マスキューさんはローヌ好きだなぁ(笑)。」
私「ついつい(笑)。」
「あー、美味しい。でもエマニュエル・ダルノーのクローズ・エルミタージュとはスタイル違いますね!ヴィンテージは同じでもだいぶ違う。」
私「さすが!エマニュエル・ダルノーの方が強い感じですよね。でもアルコール分は同じ13%です。造りの思想が違うように思えますよね(笑)。」
「このワイン、すっごくシラーらしい。肉肉してる(大爆笑)。」
「あと、今までのワインと比べるとグンと甘い。」
「ベリーの香りに、コーヒー・チョコレート・タバコ?ベーコン?」
「昨日開けたワインの方がスパイシー!飲みやすいけど芯がしっかりしてる。」
私「このワインも木樽熟成していません。シラーだけの香りです。」
「えー!教本とは違う!」私「不思議ですよね。でも樽熟成由来のタンニンは感じません。」
「どう言うことなんですか?」
私「木樽由来のタンニンは収斂性がありますが、果実由来のタンニンは重さとして感じます。ワインの中での溶け込みも良いです。」
「教本ではチョコレートやタバコの香りは樽由来と書いてあるけど、違うんだ!」
私「断定は出来ないようですよね。」
「マスキューさん!このシラーは香りが強く立ちませんよね?」
私「良くお気づきで!これが本来形かと。若くて香りぷんぷんのものは木樽の香りです。口の中に入れて香りが解るのが本来かと。じんわり香りが解るようなニュアンスがシラーにはあるかと。」
「シラーって良いですよね。グルナッシュと比べると格が違うよね。でも、エルミタージュやコート・ロティなんか10年以上待たないと飲めないし、高いし(笑)。一筋縄じゃいかないですよね(笑)。」
「悩ましいし、深い。ピノ・ノワール同様に深みにはまると大変(笑)。」
家内「合わせる料理も家庭料理じゃ無理(笑)。」
「そうするとこのワインの価値はこの辺にありかな?」
私「我が意を得たり(笑)!」

さて、後半戦はクラシックな白!まずはボルドーからです(笑)。
◯シャトー リクーニュ ブラン 2010年 フランス 白 ボルドーA.C. 750ml 1572円税別
「マスキューさん!ブログで見ましたよ(笑)。値段間違えたんですか(笑)?」
私「知ってました(笑)?まあ、高く間違えた訳ではないのでお許しを!」
家内「そんな訳なので在庫限りでお許しを!」
「うーん。飲んだ感じでも値段間違えたの解りますね(笑)。」
私「ひょえー、ありがとうございます。」
「セミヨンが入ると良いですね(笑)。たしかに昔、良く飲んだような気がする(笑)。」
家内「ヴィンテージが2010年で、今飲むのがベストですよね。」
「ソーヴィニヨン・ブラン100%とは在り方が違うんですね。とげとげしていない。プラスチックみたいな香りは何ですか?」
私「いわゆるエステル香です。暑い夏を経た作柄のワインに出がちです。2010年の夏は暑かったようです。」
家内「エステル香は出過ぎると良くないんですが、まあ許せる範囲かな。」
私「香りが立つのを助ける程度ならイイかな。あと熟成を経ると目立つ傾向もあります。」
「サンセールなんかは別にしても、ソーヴィニヨンブランって濃く造ると 痛い(笑)。ここのところずっとソーヴィニヨンブラン100%が流行っているから 痛いワインが多いんだよね(笑)。」
私「樟脳嗅いでるようなワインありますよね(笑)。」
「あっ、何処だか解った(笑)!」
「濃さもあるし、塩梅が良いよね(笑)。食事しながら飲みたいよね。」
「バランスが良いから安心して飲める(笑)。」
「こんな白ワイン、毎日飲めたらイイね(笑)。」

クラシック・ファンは健在でした(笑)!


さて、今回試飲会の白眉!
◯ヴィレ・クレッセ『テロワール・ド・クレッセ』2012年 ドメーヌ・デ・ギャンディス フランス ブルゴーニュ 白 750ml 2414円 税別
「マスキューさん!ブログから旨いオーラ出てましたよ(笑)。」
私「分かりました(笑)?まあ、飲んでみてくださいませ(笑)。」
「…旨い…。」
家内・私「ありがとうございます。」
「旨いには理由は要らないって感じ。」
「旨味をすごく感じますよね。旨味は旨さに繋がる(笑)。」
私「昨日はグレープフルーツやレモンのニュアンスが支配的でしたが、今飲むと高級なシャルドネらしいアプリコットやヴィレ・クレッセらしいトロピカルなマンゴーみたいな香りもしてきました。ヴィレ・クレッセとしたら完成形かと。」
「ブルゴーニュの1級品だな。よく見つけましたね!」
「ブルゴーニュのシャルドネってバカ高いけど、こんな掘り出し物あるんですね。」
家内「ただ数があまりないので…。」
私「週明けに追加オーダーするつもりですが、恐らく無くなっているかと。あまりブログで煽らないようにしたつもりでしたが、バレバレでしたか(笑)。」

こうなったらヤケクソです(笑)。
この価格でこんなに美味しいシャルドネはありません!
あー、スッキリした(笑)。

昨日、一昨日とありがとうございました。

桝久商店 岡本利秋・昭子

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

本年一年間ありがとうございました。2014

Dec 25, 2014 by weblogland |
昨日、一昨日と暮れのお忙しい時マスキュー試飲会にご参加くださりありがとうございました!



まずはウェルカムを兼ねた泡からスタートです。
◯クレマン・ダルザス ブリュット カーヴ・ド・オルシュヴィレール クレマン フランス 発泡性 白750ml 1995円税込み
「マスキューさん。香り凄いね(笑)。グラスに注ぐと周りに香りが立ち登る!」
「香水みたい(笑)!」
私「一応、シャンパン同様に瓶内二次醗酵しています。残糖分はやや高めですが、飲んだ塩梅は日本人向きかと。」
「香りの味わいとバランス良いよね。」
「なんでもドライ・ドライが良い訳じゃないんですね。並んでいる売り文句で、ゼロ・ブリュットなんか見るとついつい引き寄せられちゃう(笑)。」
家内「日本人はスパークリングをかなり冷やして飲みますから、残糖分が少ないとワインが細く感じます。」
「熟成香もちゃんとするし、白い花やらフルーツの香りもしっかりあるし、レベル高いね(笑)。桃の香りもする。」
私「翌日も泡はしっかり残りますよ!」
「へぇー、そりゃ凄いね。クレマンって泡持ちが悪いのが普通だもんね(笑)。ところでこの特徴的な香り。セパージュは何ですか?」
私「ピノ・ブラン100%です。通例ピノ・ブランのスティル・ワインはこんなにフローラルでフルーティーではないのですが、これは異例です(笑)。」
家内「アルザスのクレマンでモノ・セパージュで造るのも珍しいんですよ。」
「そうですよね。アルザス・リースリングとかアルザス・ゲヴュルツ~とか(笑)。よく聞きますよね(笑)。」
私「クレマンだとバランスを取るためにブレンドするパターンが多いです。ですから、このクレマンは特殊な成功例です(笑)。」
「かなり複雑だよね。今、妙に安いシャンパン見かけるけど、あれよりはるかにマシだね(笑)。」
「香りしないシャンパンだよね(笑)。」
私「香りの乏しいピノ・ムニエを多量に使った奴ですね。上手くブレンドしてるシャンパンもありますが…。まあ、生産地域を拡げた結果ですね。」
「この間飲んだ安いシャンパン カヴァみたいだった(笑)。」
「シャンパンて名前がつくと高く売れるからですか?」
私「はい。おっしゃる通り。ですから、シャンパーニュでは本来良い葡萄が出来ないところまで、シャンパンの生産地域にしちゃいました。」
「そーなんですか。」
私「選ぶしかありません。」

さて、モルドヴァ・ワインの登場です!
◯アスコニ エスペシャル・シャルドネ 2011年 モルドヴァ コドル地区 白 750ml 1280円税込み スクリュー・キャップ
●シャトー・アスコニ メルロ 2012年 モルドヴァ コドル地区 赤 750ml 1280円税込み
「また、変なワイン探しましたねぇ(笑)。モルドヴァって何処?」
「南洋の島かな(笑)?」
私「ですよね~(笑)。口で言っても伝えることが困難(笑)。と言う訳で地図をご覧ください(笑)。」
「ヨーロッパなんですね(笑)?ソ連邦崩壊で出来た国だな。」
「崩壊して手放したのに、またロシアがぶん盗ろうとしてるウクライナの隣だな(笑)。」
家内「うちの地図古いので最近の国境線の変化に対応していません。地図を作るのに苦労しました(笑)。」
「モルドヴァってワイン作ってたんですね。」
家内「昔はソ連の鉄のカーテン(古い!)で情報が入ってきませんでした。」
私「ゴルバチョフもワイン禁止令を出してワイン産業に打撃を加えたようですね。これはアル中対策ですが(笑)。」
家内「今、子供に『鉄のカーテン』や『ゴルバチョフ』なんて言っても知らないんですよ(大爆笑)。」
私「黒海沿岸はヨーロッパ系葡萄の原産地ですから、モルドヴァのワイン造りは5000年くらい遡るようです。」
「ドイツやフランスは2000年くらいですよね!」
私「ただ政情は不安定でオスマン・トルコには300年支配されていましたから、この間はワイン産業は途絶えたようです。まあ、葡萄の原産地ですから葡萄が無くなった訳ではないとは思いますが。」

「マスキューさん!これってシャルドネですか?特徴的!」 
私「いきなり飲んで解る人はいないのでは(笑)?私も初めてモルドヴァのワインを飲みました(笑)。基本的にはとてもしっかりした酸があります。」
「広がりがある!後口が特徴的?なんだろう?」
私「後口にちょっと甘味がありますよね。東欧共通のスタイルかと。あと植物のニュアンスも強いですよね。今、ミントの香りが目立ちます。」
「ハーブっぽいよね。」
「ミネラルかな?硬質な感じもあるよね。」
「すごくしっかりしてる。桃っぽい。やはりシャルドネ(笑)。」
「赤のメルロは地味だけど、ひょっとしてとても良いワインかな?」
私「最初は黒胡椒みたいなスパイシーさにペパーミントのニュアンスが強くなります。やがてベーコンのようなスモーキーの香りがします。」
「なるほど、このスモーキーなのは樽香ですか?」
私「はい。ただしフレンチ・アメリカン・ハンガリーのオークを使っています。」
「それって一つの樽を幾つかの樽材で作っていると言うことですか?」
私「うーん。正確にはわかりません。調べておきますね。」
「開けたては樽香を感じたけれど、時間が経つと気にならないんだよね。」
「このメルロも独特ですね。ボルドーとは違うんだよね。ブラインド・テイスティングしたら解らないかも?」
「言われてみると、メルロかな?」
家内「アロマがすぐに立ち上りませんよね。」
「出しゃばらない密度感は赤・白、共通かな。酸がしっかり隠れている(笑)。」
「どっちも植物やミネラルを感じる。」
「どちらもコストパフォーマンスは優れてるよね(笑)。」
私「ありがとうございます(笑)。ワイナリーは1994年設立と新しいのですが、ワイン造りの伝統を感じます。ワイナリーは506ヘクタールと大きく、ニュー・ワールドのワイナリーのようにかなり効率的に生産しています。でありながらこの品質(力が入る)!」
「506ヘクタール!えーと1ヘクタールが100m×100mで、それが506個!」
「大きさはニュー・ワールド クラスだよね。このワイナリーの他のワイン飲んでみたいね。聞いたことない葡萄でワイン造ってるんだろうな(笑)。」
「特に上級品を飲んでみたいね。このクラスでこのレベルなんだから凄そう(笑)。」
「マスキューさんが言うように、圧倒的なアドバンテージを感じる。自然に良いワインが出来ちゃうような。ところで気候はどうなんですか?」
家内「緯度はボルドーに近く、実際の気候はブルゴーニュみたいだそうです。降水量は理想的ですね。」
「土壌は?」
家内「ファットな平原(笑)。水捌けの良い沖積土です。他の作物も作れる肥沃な土地です。」
「えー!葡萄以外作れないような土地じゃないんだ!」
「この前の試飲会で出たイプランディのピノ・ノワールだって石灰岩土壌じゃないのに美味しくてすごくピノ・ノワールらしかったですよね。品質決定要因は土壌じゃないんだ!」
「日本でも良いワインが作れる可能性があると言うことでもありますね(笑)。でも、降水量が多すぎるか?」
「あっ!ラベルに『A NEW TASTE FROM THE OLD WORLD』って書いてある!こういうことなんですね(笑)。」
「願わくば、ロシアが余計な亊をしないで政情が安定しますように!」


さて次はお買い得ワイン(笑)!
●『ペタル・プルプル』 2010年 ドメーヌ・パン・デ・マルグリット フランス ルーション サン・シニアンA.C.赤 750ml 1980円税込み
「これって今年の始めの試飲会に出たワインですよね?」
私「はい!『ペタル・プルプル』です(笑)。」
「2010年なのにまだ色が紫色(笑)。力あるけど力づくじゃないんだよね。春より旨くなったかな?」
「たしかに。春先はまだ樽香が強かったような気がしました。でも、今飲むと印象が違う。角が取れた。」
私「出っ込み引っ込みが無くなってますよね(笑)。」
家内「良くなってますよね(笑)。」
「あの辺りのワインって、下品な癖があるけど、このワインは下品じゃない(笑)。深みがあるよね。」
私「サンシニアン グラン・クリュを名乗れるだけあります。実は私は個人的にカリニャンの香りがあまり好きではありませんが、このワインに関しては抵抗ありません(笑)。」
「南フランスらしいグレート・ワインだな(笑)。」
「土地の匂いもするし。」「浸れる味だよね(笑)。」「ロック・フォールでもかじりながらじっくり楽しみたいね(笑)」
私「それ鉄板です!」
「ところでお買い得価格は今回限りなんですか?以前は2600円くらいでしたよね?」
私「はい!在庫限りということでお願いいたします!」


さて、お次は未体験ゾーン(笑)。賛否別れました。
●ロッソ・ディ・ヴァリテリーナ 1999年 パルジェラ イタリア 赤 ロンバルディア ロッソ・ディ・ヴァリテリーナD.O.C.750ml 3240円税込み
「おっ、これ強い!熟成してるし。物凄い。品種は何ですか?」
「言葉を失うね。渦巻いている!」
私「品種はキアヴェンナスカ ネビオーロです。」
「強いんだけど、冷涼な感じ。酸の強さだよね。プラムやベリー…。たしかにネビオーロ。でも、経験したことがないワイン。」
私「生醤油やウスターソースの酸味 バルサミコなんかのニュアンスもありますよね。」
「酸味が甘味とバランスがとれているよね。壮麗。」
家内「アルプスに連なる尾根 標高800メートルの崖に段々畑を作って栽培されてます。」
「なにもそんなところで葡萄造らなくてもイイのに(笑)。冬季オリンピック開催できそうなところだよね(笑)。」
家内「他に栽培できるのが蕎麦くらいかな。日本の長野の山里みたいです(笑)。しかも蕎麦は漢字で『蕎麦』って袋に書いて販売してます(笑)。」
私「このワイン アルコール分は12%。同じネビオーロでも、やはり暖かいバローロ辺りとは在り方が違いますね。」
「いずれにしても、ネビオーロって偉大ですね。熟成能力が素晴らしい!」
私「今風のすぐに飲めるようなバローロだと、このワインほど持ちません。10年持ちません。」
「ところでどんな食べ物に合わせたら良いでしょう?思い浮かばない(笑)。」
「臭くて味の濃厚なジビエなんだろうな。」
私「あの界隈ではカモシカを食べるようですから、きっとカモシカなんでしょうね。」
「ちゃんとしたレストランで楽しみたいワインだよね。」
家内「北海道の蝦夷しかの缶詰め、あの煮汁にバルサミコを煮詰めたのとこのワインを加えて更に煮詰めれば、マリアージュするはず!」
私「経済性も両立しますね(笑)。やる価値ありますね(笑)。我が家向きレシピ!」
特にオールド・ワイン・ファンは絶賛。
でも、ヤング・ワイン・ファンは馴染まない方もおられました。
「これ、強すぎ(笑)。無理!」
「らっきょう?酸味が経験値を越えてます(笑)。」
あと、試飲会中はバシャバシャ グラスに注ぎますから甘味が出ないうちにテイスティングしてしまう亊になったのも原因かも知れません。
高度過ぎたかな(笑)?

さて、今年最後はこれ!
●シャルム・シャンベルタン2005年 カミュ・ペール・エ・フィス フランス ブルゴーニュ 赤 750ml 8951円税込み
薄旨ピノ・ノワールの極致!
旨い以外に語る言葉はありませんでした。


本年一年間ありがとうございました。


桝久商店 岡本利秋・昭

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

試飲会の反省会です(笑)。201411

Dec 04, 2014 by weblogland |
私「今回の中では一番地味だったけと、ロッソ・モリーゼ リゼルヴァ 2009年良かったし面白かったよね。特にモンテプルチアーノ種100%なのがね(笑)。」
家内「そうそう(笑)。丸っきりモンテプルチアーノだって解らない(笑)。」
私「やはり品種特性は気候に大きく左右されるよね。あのワイン、どう飲んだって南イタリアのワインだし(笑)。」
家内「でも、モンテプルチアーノ種を使う必然性があるはずだよね。」
私「それがとっても気になるんだよね。ネグロ・アマーロやネロ・ダーヴォラみたいなニュアンスなんだけど、何処かが違う。」
家内「南イタリアの地場品種によくある癖がないんだよね。」
私「そうそう。上手く言えないけど、この点フラットなのが良いんだよね。南イタリアの地場品種って、味わいは基本的にはフラットなんだけど癖があって凸凹なところがあるよね。」
家内「あのワインを飲むと条件反射でカップレーゼ食べたくなる(笑)。」
私「なるほど、君の場

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ

試飲会の反省会です(笑)。201411

Dec 02, 2014 by weblogland |
私「いやー、今回はまさかコステロのゲヴュルツトラミネールが足りなくなるとは思わなかったよね。焦ったよ(笑)。」
家内「価格からすれば買いやすいけれども、それ以上の勢いがあったよね。」
私「ゲヴュルツトラミネールって言うとアルザスに代表されるように いかに濃くして強い香りを出すか! にかかっている品種だと思い込んでいたのが敗因かな(笑)?」
家内「ゲヴュルツトラミネールをデイリーに飲む発想が受けるとは…(笑)。」
私「レア・チーズ・ケーキに合わせたいなんて発想は素晴らしいよね。生活に根差してるよ(笑)。香りが強くて複雑でも、あの位の軽さが日本人のデイリーユースにも合ってそうだね。」
家内「たしかに濃いワインは美味しいけれど、濃さ一辺倒だと毎日は楽しめないよね。お財布にも負担かかるし(笑)。」
私「あのワインは日本人の嗜好に合うスタイルなんだろうね。最近チウチウの『バッカス』が目立って売れているけれど、あれも日本人の嗜好に合うワインだよね。」
私「そうそう。さっきインポーターさんから電話があって、チリのアナケナの人が来日していて、ウチに寄ってくれるんだって(笑)!」
家内「前回は輸出部長が来てくれたよね。有り難いね(笑)。日時が決まったら告知しなきゃ!」
私「コステロのゲヴュルツトラミネールを飲んでもらって『日本ではこんなの受けてる』って教えてあげようかな(笑)?」
家内「余計なお世話だって言われるかもよ(笑)。」
私「でも、チリっていわゆるオキシデンタルは合わないから、イタリアの品種やオキシデンタルを発想を変えて工夫すれば面白いワインが出来るかも?コステロのゲヴュルツトラミネールなんて正にそうだよね。」
家内「チリって寒暖差の少ない地中海性気候だから、カベルネやメルロを造っても限界があるんだよね。」
私「そこそこは上手く行くんだけどね。」

ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。


人気ブログランキングへ
ページ移動 前へ 1,2, ... ,12,13,14, ... ,22,23 次へ Page 13 of 23