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Written on 2013 05

先日物凄いワインを飲みました。

May 29, 2013 by weblogland |
イタリア ウンブリアのファレスコが造るマルシリアーノ2000年です。あのロバート・パーカーの豪華本『世界の極上ワイン』にうやうやしく載っているセレブな生産者のワインです。一連のボルゲリの成功者達⇔ミッシェル・ローラン⇔ロバート・パーカーの黄金のトライアングルの括りの一つですが(笑)。
実は私も家内もファレスコのファンなのです。ワインのスタイルは今風なのですが、最もクラシックな今風ワインとして大好きなのです(笑)。ファレスコのスタンダード・キュヴェ『ヴィティアーノ』を飲んでから大ファンとなりました。なんと言ってもしっかりしています。
その後人気が出て価格が高くなり、またインポーターさんが代わった関係で我々は入手困難となり扱わなくなりました。
そんな折、見つけました!
たまたま、あるインポーターさんがインデントの形でスポット販売していました。
もちろん迷わず速攻発注です(笑)。

味わいは言うまでもなく、物凄い。特に赤い果実味が明瞭で複雑、カベルネ・フランの果実味が素晴らしい。しかも深い深い。2000年とは思えぬ力。それでいてバランスが良い。
うーん。
家内と語るに「計り知れないよね。まだまだ隠れた物が膨大にあるよね。」
その後一週間ほど経過観察しましたが、変わらず(笑)。
「良くはなっているけど、なんでこんなに生命力があるのかな?」
「特別力が表にはっきり解る形で飛び出ている訳じゃないんだけどなぁ?」
「今風だと変化がもっと早いんだけどね?」

その後忘れたままカウンターの上(笑)、抜栓から25日は経っています。恐る恐る飲んでみると…
「ひぇー!旨い?!」
「まだ、しっかり生きてる!果実味が渦巻いてる!」
これほどの生命力は経験したことがありません!
資金力のある方『サッシカイア』でお試しを(笑)!

今年一番の衝撃でした。

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フィアーノ・ディ・アヴェッリーノであるお客様に聞かれました。

May 27, 2013 by weblogland |
一昨日の試飲会のおさらいです(笑)。

一昨日の試飲会いかがでしたか?
試飲会リポートに書ききれなかったことが幾つかありました。
マストロベラルディーノのフィアーノ・ディ・アヴェッリーノであるお客様に聞かれました。
お客様「今回のフィアーノ・ディ・アヴェッリーノの2002年と2011年はビックリしました。2011年のフレッシュな酸は2002年になると無くなったような気もしますが、どうなんでしょう?」
私「たしかに、フレッシュやレモンやライムのニュアンスは2002年になるとあまり目立ちません。この点無くなっています(笑)。同じように若いリースリングも同様な変化を遂げますが、酸の量が少ない場合熟成のスピードが速かったり上手く熟成しなかったりします。」
お客様「上手く熟成しないとは?」
私「モーゼル辺りの上等なリースリングは熟成すると果実味が非常に明瞭で複雑になります。基本的にはグレープフルーツの香りが支配的になりますが、絢爛豪華な味わいになります。ただ酸がないと単にオイリーで石油臭いだけのワインになります。従って寿命も短くなります。」
お客様「そうするとあの酸っぱいリンゴ酸はワインの寿命に関連するということですね。」
私「それだけではありませんが、おそらくそうかと。」
お客様「では、ワインが熟成するとリンゴ酸が無くなって行く過程なのですか?」
私「熟成の果ては死になります。リンゴ酸が無くなると言うより、その総量が寿命を左右している。変化の果てと考えた方が良いかと。」

説明しながら汗かいちゃいました(笑)。下手な説明でお許しくださいませ。

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昨日は大勢のご来店ありがとうございました。

May 26, 2013 by weblogland |
ご来店が分散し、流れも良く助かりました。ただ、最後までワインが残らず、飲み損ねたお客様大変失礼いたしました。お詫び申し上げます。

チェラスオーロ・ダブルッツォ 2011年 コッレフリージオ イタリア アプルッツオ州 チェラスオーロ・ダブルッツォD.O.C.750ml 1350円 税込み
私「モンテプルチアーノ・ダブルッツォのロゼです。赤ワインを途中でロゼにした造りです。割りに赤ワインに近いスタイルです。」
「甘くないんですね。でも辛口なんですよね?」
「昔良く飲んだ甘いロゼとは大違い(笑)。向こうの人はこんなロゼ飲みながら食事するんですな。」
「それってロゼ・ダンジュですよね(笑)。あれが普通のロゼだと思ってた(笑)。」
「ロゼだけど、香りはモンテプルチアーノ・ダブルッツォですよね(笑)。」
私「はい。チェリーやフランボアーズのらしい香りがします。」
「このロゼ結構頑強ですよね?」
私「明日飲むと液体の滑らかさが増します(笑)。かなりしっかりしています。」
「私はバキュヴァンで飲みかけは保存しますが、どうですか?」
私「このワインはバキュヴァンの必要はないかと。確かにバキュヴァンは効果があるとは思いますが、瓶内の気圧が下がるとワインの香りを引き出してしまいます。香りを失うことになります。」
「でも、持ちは良くなるんでしょ?」
私「確かに。我々は変化を追う習性がありますから、バキュ・ヴァンは使いません(笑)。使うと香りの変化を追えなくなっちゃいます。」
「なるほどね。」
「でも、このワインだったら悪くなる前に飲み切っちゃいますね(笑)。」
「どんな料理に合いますか?」
家内「後味にスパイシーさがありますから、エスニックな料理には最適ですよね。」
私「唐辛子を使う四川料理も良いかと。」
家内「臭いシェーブルチーズなんか合いそう。」
「ジンギスカンはどうですか?」
家内「それ良いですね。タレに工夫が必要かも?タレの醤油にこのワインをちょっと入れたり。レモンを足したり。」
私「スペアリブにたっぷり黒胡椒を振り掛けて食べ合わせてみたいですね。」
しっかりとした味わいと飲み易さは皆さんのインスピレーションを刺激できたようです(笑)。


さて、いきなりトップギアに入ります(笑)。
フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ 2011年 マストロベラルディーノ イタリア カンパーニャ 白 フィアーノディアヴェッリーノD.O.C.G.750ml 2070円税込み
フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ2002年 マストロベラルディーノ イタリア カンパーニャ 白 フィアーノ・ディ・アヴェッリーノD.O.C. 750ml 2610円税込み
「このワイン、同じ人が同じように造った同一品種です。簡単に言うと2011年のワインが熟成すると2002年のようになるかと?お試しくださいませ。」
「2011年凄い香り!ちょっとゲヴァルツトラミネールに似てませんか?」
「そうそう。ライチみたいな。」
私「2011年は薔薇とかライチのニュアンスは目立ちますよね。でも、他にレモンやライムの爽やかなシトラス系の香りや、白や黄色の柑橘系の果肉の味わいやトロピカルな味わいもあります。」
「パイナップル(笑)!あと梨もある。」
「これってフルーツのコンポートみたい。このまま飲むのも良いけど、デザートに合わせ易いね(笑)。」
「幅広く料理に合わせられそう。この点『ドンナルーチェ』に似てるかも?」
「ハニーな感じもありますね。」
私「後味にナッツの香りもあります。」
「あー、この感じ!ちょっと塩がかかったナッツですね(笑)。」
「すんごく沢山の香りが詰まってるんですね。これって本当に単一品種なんですか?」
私「醗酵や熟成に木樽は使ってませんから、フィアーノのアロマだけです。これだけ華やかなのに作り物っぽくない(笑)。近年の技術の進歩の恩恵ですね」
「めちゃくちゃアロマティックですね。イタリアって思わぬ葡萄があるんですね。ところでフィアーノってあまり聞きませんが?」
私「D.O.C.G.に昇格したのが2003年ですから、2002年はまだD.O.C.表示です。」
「2002年と2011年が同じとは思えません?」
私「予備知識無しでは結びつきませんよね(笑)。2002年になると、香りの重心が黄色い完熟したフルーツに移ってます。その分香りの重心が下がったような感じがします。あと熟成によって液体の粘性がましています。」
「色も2002年の方がかなり濃いし、トロッとしてる。」
「2011年にあった酸っぱいニュアンスが2002年は無くなってますよね?」
私「そーなんです。2011年に酸っぱく感じだリンゴ酸は2002年になると目立ちません。リンゴ酸が無くなったり減ったりしたというより、角が取れたり他のものと重合したと考えるのが合理的かと。」
「2002年の方は貴腐ワインっぽくありませんか?」
私「さすが良くお気づきで!後味のハニーさに苦みがちょっとあります。貴腐ワインに良くある特徴です。でも、これは2011年のハニーさとナッツィーさが結びついた結果かと。」
「フィアーノって凄い品種なんですね。なんで今まで有名に成らなかったんですか?」
家内「絶滅した品種だからです。古代遺跡ボンベイの再生計画に平行して、当時の文献にあったフィアーノ種のワインをマストロベラルディーノが復活させました。」
「あっ、それテレビで見た!番組では畑の遺跡に古代と同じ葡萄を植えて造ってましたね。」
家内「それ、マストロベラルディーノです(笑)。」
家内「古代ギリシャ・ローマでは、フィアーノで造った甘口ワインを料理の調味料にしたり、水割りで薄くして飲みながら長々とシンポジウム(議論)をしたそうですよ(笑)。」
私「カンパーニャのワイン生産を長い低迷から脱出させた救世主としてマストロベラルディーノは評価されてます。ヒーローなのです(笑)。」

さてこれより後半戦、南イタリアプーリアのスタイルの違う二種類です。
ブリンディジ・リゼルヴァ 2008年 ボッター・カルロ イタリア プーリア ブリンディジD.O.C.赤 750ml 1125円税込み
トロイア 2007年 I.G.T.プーリア ディオメーデ
イタリア 赤 750ml1710円税込み
家内「ブリンディジは世界遺産になったアルベロテッロの近くです。あの石造りの尖んがり屋根の可愛いお家のあるところです。(お土産でいただいたミニチュアのアルベロテッロの家が役に立ちました。)」
私「『ブリンディジ』は割とフルーティーでプーリアっぽくありません(笑)。」
「飲み易いし、重さが気にならない。」
「次の『トロイア』と比べると違うよね。」
家内「『ブリンディジ』の方は涼しげなんですよね(笑)。」
私「『ブリンディジ』にアッサンブラージュされているサンジョヴェーゼ由来の香りだと思いますが、オレンジのような爽快なニュアンスがあります。」
「なるほど!たしかにオレンジだ。」
プーリアの事情通のKさん「私がプーリアで飲んだスタイルは『トロイア』です。『ブリンディジ』のようなスタイルはありませんでしたよ(笑)。」
私「やっぱりそうですよね。Kさんの意見を聞きたかったんです(笑)。」
私「『ブリンディジ』って、カップレーゼや冷製の料理を意識しているような気がします。『トロイア』は、やはり煮込んだ肉(笑)。」
「あー。冷製のトマトを使った料理には良さそう(笑)。」
「マスキューさん、『トロイア』昔から扱ってますよね?」
私「はい。おっしゃる通り。マスキューの定番です。この2007年よりラベルデザインは変わりましたが。」
「こんなに美味しかったでしたっけ(笑)?」
家内「そうですよね(笑)。良くなるのに6年はかかるようですから、こうなる前に飲んじゃってました(笑)。」
「とても、上等なカカオととても濃密なクリームの香りが渦巻いてますよね。安物のクリームチョコレートじゃない。」
「あの、懐かしい安い板チョコじゃないよね(大爆笑)。」
「南イタリアの人達の時間のスパンが長いのが伝わる味わいだよね。」
私「『トロイア』は基本的には早飲みのワインだと思いますが、我々の早飲みの感覚とは違うようですね(笑)。」
「スローの中の早い方だな(大爆笑)。」
「ところでマスキューさん、『トロイア』のカカオやクリームの味わいは木樽由来ではないんですか?」
私「木樽にもかなり由来しますが、『トロイア』の場合は葡萄自体由来の方が強いかと。木樽からだけ引っ張ったカカオやクリームの香りは、収斂性があったり溶け込みが悪かったりします。これほど上品かつ明瞭な形にはなりません。」
「プーリアらしい熟したプラムや杏のような果実味とカカオやクリームの香りのバランスは素晴らしい。ソースにこのワイン入れて煮詰めて、焼いた肉にかける。そして、このワインを飲む!単純だけど一番旨いでしょうな(笑)。」
「シンプル・イズ・ベストなワインですね(笑)。」


さて本日のトリは
●『バッカロッサ』 2010年 ポッジョ・レ・ヴォルピ イタリア赤 ラツィオ I.G.P. 750ml 3420円税込み
今風イタリアンのトップランナーです。
「巨大ですなぁ(笑)。いつまで経っても口の中から香りが消えない(笑)。余韻だけでも分単位(笑)。普通じゃないね(笑)。」
「うん。うん。あと樽香が気にならない。果実味が優先してるよね。」
「セパージュは『ネロ・ボーノ』でしたっけ?飲んだことないですよね(笑)?でもボルドーのワインみたい。」
私「私も『バッカロッサ』で初めて経験しました。」
「でも、ボルドーの何処と聞かれると答に困る(笑)。」
「ボルゲリのワインもそうだけどボルドースタイルのワインって簡単に造れるんだね。」
私「新樽のバリックが貢献するようですね。」
「マスキューさん、『バッカロッサ』って何年くらい持ちます?」
私「正直に申し上げると20年30年のスパンではなく、10年くらいで楽しむワインだと思います。基本的には早飲みです。5年10年経った時に確認したいですね。」
「今風のボルドーだって20年は持たないから、『バッカロッサ』は良心的だよね(笑)。」
「価格は1/10だよね。」「いやいや、それは言い過ぎ。1/5くらいじゃない(笑)?」
皆様のご判断によります(笑)。


昨日はありがとうございました。
桝久 商店 岡本利秋・昭子

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モラゴン 2011年 ボデガス・カスターニョ、丸みが出てきました

May 24, 2013 by weblogland |
昨日は久しぶりに『モラゴン』飲みました。スペインのボデガス・カスターニョが造る赤ワインです。
このワインは今年に入ってから日本に輸入されるようになりました。お客様にも気に入られ、マスキューの定番となりました。

ところで昨日飲んだ印象は、入荷当初よりワインが向上していました。もともとがバランスの良い飲みやすいスタイルですが、全体の優しさが増したような感じです。丸みが出てきています。

やはり入荷当初はまだボトルショックがあったようです。スペインから日本まで、数週間船のエンジンの振動にさらされ続けますから、本来のバランスを崩します。でも、ちゃんと造られたワインは回復します(笑)。(一ヶ月以上はかかりますが。)

ワインって不思議ですよね。

でも、これを見極めるのがマスキューの仕事です。口では上手く説明できませんが、意識した積み重ねあるのみ。数多くの失敗、見逃しの賜物なのです。痛い目に合わないと学習しません(笑)。もう少し精度が上がると良いのですが…。

更なる向上を目指さねば!

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第一印象だけ良いワインではダメです

May 20, 2013 by weblogland |
ここ2、3日凄い勢いでワインを飲んでいます(笑)。
今週の土曜日のマスキュー試飲会のラインナップのためです。最後の最後の詰めです。
簡単に数飲んでも決まりません。
抜栓してから翌日翌々日まで変化を確認しないとダメです。第一印象は大事ですが、第一印象だけ良いワインではダメです(笑)。良いワインは時間の経過とともに飲める範囲で変化します。造りがいい加減だったり、インチキだと時間の経過に反比例してまずくなる一方です。造り手に敬意を払う意味でも、時間をかけてめ見極める必要があります。
また、最近は技術が進化してますから、第一印象の良いワインが増えました。ですから、ゆっくり時間をかけて慎重に見極めなくてはなりません。
価格にこだわらずチョイスするなら簡単ですが、やはりワインは飲まれてなんぼ。手の届く現実的な価格でなければいけません。マスキューではコストパフォーマンスが命です。マスキューの生命線なのです。
お客様から『安いけど美味しい!』と言われなければマスキューの存在価値はありません。

そんな訳で、もうしばらくお待ちくださいね。
頑張ってます(笑)。

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