3月28日(17時~20時30分)、29日(11時~20時30分)のマスキュー試飲会のラインナップ決まりました。
今回のテーマは中欧です。今ヨーロッパと言うとフランス、ドイツ、イギリスが中心ですが、かつてはオーストリアやハンガリーが中心でした。今のワインのモデルとなるプリミティブで洗練されたワインの生産地なのです。近年のEUの拡大によりこれらの産地のワインが復活しています。質実で生活に寄り添うようなワインが市場に出てきました。マスキューがこれを見逃す訳には参りません(笑)。
でも、今は春(笑)。まずはクレマン・ド・ブルゴーニュのロゼでウェルカムです!
◯クレマン・ド・ブルゴーニュ N.V. ガロデ・フレール・エ・フィス フランス ブルゴーニュ 発泡性 ロゼ 750ml 2700円税込
ブルゴーニュのドメーヌ・ポール・ガロデ親子が新たに起こしたネゴシアン・ブランドでこのクレマンはリリースされています。
味わいはフリーラン・ジュースで造ったようなふっくら感。感じるより残糖分は少ないかも。マロラクティックしていても酸はしっかりしています。チェリーやストロベリーの香りは強くはありませんが、それでも内側から出てくる様はピノ・ノアールですね(笑)。厚みがありグッドな出来映え。
瓶内熟成は15~18ヶ月していますから、ナッツィーな重さもあり、幅広い使い方ができます。
ロゼ・シャンパンは好きだけどちょっと高いと悩んだ時、迷わずコレをお勧めします(笑)。
これからメイン・テーマです。
◯トカイ フルミント ドライ 白 2012年 シャトー・デレスラ ハンガリー D.H.C.トカイ スクリュー・キャップ 750ml 1305円税込
ハンガリートカイの中心部トカイ・ヘジアリャで造られる辛口の白ワイン。造り手は15世紀初頭まで記録に遡れるシャトー・デレスラ。もっとも2005年にシャンパーニュのドラン家(ハイパー・エドシックで有名)による資本投資により復活しました。ハンガリーが共産圏からEUに国家の舵を変えたためです。
このワインはフルミント85%、シャルガ・ムシュコタイ15%。低温で管理できるステンレス・タンクで醸造・熟成されます。マロラクティック醗酵はしていないようですね。
もともと大陸性の冷涼な土地柄、切れのあるシャープなワインだと想像していましたが、こんなに切れがあるとは(笑)。切れと言うより強さ 強靭さなのです。しかもバランスが良い。
柑橘系の香りが勢い良く放出され、しかも的が定まっている(笑)。フルミントの辛口は初めて飲みましたが、永遠の命をもつエッセンシアを支える品種であることを実感しました。
◯グラシェヴィーナ セレクテッド 2012年 イロチュキ・ポドゥルミ 白 クロアチア ポドゥナウリェ生産地域 イロク地区 上級ワイン スクリュー・キャップ 750ml 1610円税込
中央ヨーロッパ クロアチアのワインです。
生産するのはイロチュキ・ポドゥルミ。創業は1450年、ブルゴーニュやボルドーよりはるか前の1700年代から元詰めをしていたと言います。かつてのヨーロッパワイン生産の先端地だったのですね。
このワインはグラシェヴィーナ種100%。グラシェヴィーナ種はD.N.A.鑑定によるとヴェルシュ・リースリング種の原種とのこと。古いワイン生産の歴史を感じます。
でも、味わいは斬新で素晴らしい(笑)。ヴェルシュ・リースリングにありがちな緩さがない(笑)。酸とミネラル感があり、非常にタイト。とても旨味があり広がりが秀逸なのです。抜粋栓後次第に粘性が増しオーストリアの上等なグリューナー・フェルトリーナーのような舌触り。
ここで1本イタリア サルデーニャの白が入ります。中欧のワインとの差がはっきり。
◯ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ 2012年 パーラ イタリア 白 サルデーニャ島 D.O.C.750ml 1710円 税込
ご存知イタリア サルデーニャ島のトップランナー パーラの造るヴェルメンティーノです。
サルデーニャ島のヴェルメンティーノと言うと島の北部で造られるD.O.C.G.ヴェルメンティーノ・ディ・ガルーラが頂点には違いありませんが、ちょっと高くて普段飲みには向いていません(笑)。
かといってイタリア本島の数多あるヴェルメンティーノだと緩い(笑)。
香りの広がりと強さがあり、ミネラル感、植物のニュアンスがあるパーラのヴェルメンティーノはやはりグッド。
魚介類からアスパラ・トマトなどの野菜そしてシェーブルのチーズまで合わせやすいのは福音なのです。
そして、マスキュー初登場クロアチアの赤ワインです。
●カピストゥラニ・ツルニ セレクテッド 2012年 イロチュキ・ポドゥルミ 赤 クロアチア ポドゥナウリェ生産地域 イロク地区 上級ワイン 750ml 1890円税込
このワイン、格付けはいわゆる上級ワイン 「クヴァリテートノ・ヴィノ」(統制保証原産地産上級ワイン)で、バックラベルに書いてある「スーホ」とは辛口の意。「ヴィノゴリエ」は畑名だそうです。最後の「スリム」は地域とか。あとブランド名「カピストゥラニ・ツルニ」はクロアチアの聖人の名前のようです。
セパージュはフランコフカ(ブラウフレンキッシュ)70%、カベルネ・ソーヴィニヨン30%。手摘み収穫後約26℃の低温で12日の醗酵。そして3000リットルのスラヴォニア・オークの大樽で12ヶ月の熟成。(醗酵も同じ樽でするそうです。)
味わいはビックリするほどのフルーティーさ!
基本的に重いワインではありませんが、密度感が素晴らしい。ベリーやチェリー、すももの溌剌とした味わいはまとまりが良くエレガント。ちょっとポルトゥギーザーとかガメイに似てるかも?いずれにせよ明瞭さと複雑さが両立している点凄い。
●『ベラ・ヨシュカ』ブラウフレンキッシュ アイゼンベルグ 2011年 ヴァイングート・ヴァハター・ヴィースラー オーストリア ブルゲンラント アイゼンベルグD.A.C.赤 750ml 2160円税込 スクリュー・キャップ
オーストリアの赤。桝久ではツヴァイゲルトに次ぐ登場です(笑)。
まずはラベルの説明から、ワイナリーの名前はヴァイングート・ヴァハター・ヴィースラー と言います。現在の若き当主クリストフ・ヴァハターの父フランツと母テレジアの結婚を期に父方と母方の実家のワイナリーを合併して今の形になりました。ワイン名『ベラ・ヨシュカ』はその互いの父(クリストフの祖父) ベラとヨシュカに敬意を払いつけたそうです。ワイナリーのフラッグ・シップ ブラウフレンキッシュ種のキュヴェ名としている訳です。
ワイナリーはオーストリア南部 ズュートブルゲンラント地方のアイゼンベルグ村にあります。ハンガリーとの国境付近です。ハンガリーからの暑いパノニア平原からの気候とオーストリア内陸からの冷涼で湿潤な大陸性気候がぶつかる位置にあります。このため、割りと降水に恵まれています。
畑の土壌は鉄分の多いスレート土壌。溌剌としたミネラル感を生み出すようです。しっとりとしたベリーの果実味に塩辛さや鉄っぽさ、胡椒のような後味があります。
ヘビーではないが非常に緻密な味わいはエレガント。余分にデフォルメしたところがありません(笑)。14ヶ月の熟成に古いオークの大樽を使うことで、余分な樽香をワインに着けずハーモニーを与えます。
質実さがあるのです。
今風のアメリカナイズされた味わいとは一線を画しますね(笑)。私はこのスタイルの方が日本人の嗜好に合うと思うんですが…。
皆さんいかがですか?
Written on 2014 03
3月28日、29日マスキュー試飲会ラインナップ
Mar 22, 2014 by weblogland |ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。
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