さて、最後は白の大物2本です。両方ともにアズマコーポレーションさんのワインですから、榎本さんの力が入る入る(笑)。
◯パンノンハルミ オラズリースリング 2013年 パンノンハルミ・アバーチャーギ・ビンツェーセト ハンガリー 白 ノーザン・トランスダニュービア地方 パンノンハルマ地区 750ml 1886円税別
榎本さん「1996年に世界遺産になりましたパンノンハルマ修道院で造られる白ワインです。」
「へぇー、世界遺産の修道院ですか!」
榎本さん「996年に設立されていますから、ちょうど1000年後に世界遺産となりました。それまでは共産主義政権でしたから、荒廃し葡萄畑も壊滅状態でした。このワインも樹齢はまだ数年なんです。ミサやお土産用として造られています。」
「キリスト教はワインとは切り離せられないからね。」
私「修道院は祈りと生産の場。とくにヴェネディクト派ですからね。」
「そう言えばリキュールのヴェネディクティン・ドムもそうでしたっけ?」
「あと修道院ビールなんかもありましたよね(笑)。」
さてさてお味の方は?
「うわっ!凄い力!広がりが素晴らしい!あと透明感と言えば良いのか?クリア!」
「ミネラルたっぷり(笑)。」
「これって品種は何ですか?リースリングじゃないし??」
「ピノ・グリージョ?」
私「シャスラっぽいかな?」
榎本さん「オラズリースリング、別名イタリアン・リースリングと呼ばれているようです。クロアチアではヴェルシュ・リースリングと呼ばれています。」
私「ヴェネトあたりのヴェルシュ・リースリングってもっと緩くて(笑)、グレープフルーツの香りが強いんだよね。」
家内「前に試飲会でやったクロアチアのヴェルシュ・リースリングとは若干違うよね。ただ旨味があるところが共通してます。このワイン温度が上がると厚みがスゴく出てきますよ(笑)。」
「リンゴやレモンの香りが強いからうんと冷やした方が良いような気もしますが…。」
私「はい。はじめ私もそう思ったのですが、実は温度が高い方が旨いんですよね。」
「なるほど、この点ドイツワインとは決定的に違うんだな。それにしても、異次元のワイン(笑)。」
私「いわゆるヨーロッパ系の葡萄のような明瞭な香りはないのですが、とてもプリミィティブな良い香りとでも言いましょうか…。」
「これほど自然なワインは飲んだことがありません!じつに良い!」
「マスキューさん、このワインは何に合わせますか?」
家内「オリーブ油や牛肉の脂じゃないことはたしかかな(笑)。植物性や豚肉の脂を連想しますよね。あと、サラダ油、胡麻油、なんかかな。それと塩。」
私「中華料理なんかいけるかな。」
「食べるものを連想・想像させるワインって良いですよね(笑)。ありきたりの甘くて強いワインばかりだと、うんざりする(笑)。」
「そうそう。牛肉とイタリアンだけ食べてる訳じゃないぞ!って(笑)。」
「マスキューさんは最近東欧に凝ってますが、良い路線ですよ(笑)。世界観が変わりました(笑)。」
家内・私「ありがとうございます。我々も別世界を見つけたような気がしています。ギリシャ、ローマ人が広げたワインとは、また別の潮流があったかのような感じなんですよ(笑)。」
そして本流?のフランスワインです(笑)。
◯カンシー 2012年 ヴィエイユ・ヴィーニュ ドメーヌ・トロテロー フランス ロワール 白 750ml 2843円税別
「これはまさに本家本元の味わい(笑)。高級レストラン御用達の味わい(笑)。」
「高級割烹でも良く出されるようなワイン。『当店の白ワインはこれだけです。』みたいな(笑)。文句言わさないぞって(笑)。」
「バター、舌平目のムニエル、フォアグラ 高級品の方程式にこのワインは繋がるよね(笑)。」
私「いわゆるグレート・ワインですね。」
榎本さん「そうなんです。価格を考えるとお買い得感抜群です(笑)。」
家内「サンセールもこのレベルだと5000円以上しますよね。」
私「飲んでみるとサンセールの上物としか言えない味です。」
「このカンシーに勝るサンセールの生産者って数えるほどしかないよね。」
榎本さん「古い葡萄樹から選んで造っていますから、良い作柄の年だけのワインです。毎年は出来ないんです(申し訳なさそうに)。」
「何故良い年しかこのワインは出来ないんですか?」
榎本さん「作柄が悪いと収穫出来る葡萄が少なすぎてロットが組めないんです。」
私「古い葡萄樹はたたでさえ葡萄の成る量が少ないのです。それ故長寿なんですが。」
「葡萄樹って何年くらい生きるのですか?」
私「24房葡萄房を成らすと20年くらいで、あとは収穫量は減るので畝ごとに改植するのが一般的です。トロテローの場合は昔ながらの11房しか残さない仕立てなので、その分葡萄樹は長命になります。」
「ちょっとしか成らさないと樹齢は延びるんですね!」
私「はい。でも効率的ではありません(笑)。」
「伏木なんてあるの初めて知りましたよ(笑)。」
家内「昔は一般的だったみたいですよ。畑の中が足の踏み場もないほどの密植になったみたいです。今は原理主義的ビオデナミストにはこの方法でやってる人がいるようです。」
「ところで後味に苦味を感じますが…。」
私「はい。実は、昨日より強く感じます。甘苦い。昨日は遅摘み由来のアーモンドのような苦みかと思ったのですが…。」
榎本さん「実は貴腐がほんのわずか着いているようなんです。」
私「ソーヴィニヨン・ブランに貴腐は着くんですか?」
榎本さん「ほんの少しらしいのですが、着くようです。」
私「でも、たしかに独特の甘苦さは貴腐なんだよなぁ?グラスが空に近くなるとそれっぽさが増します。」
「ところでマスキューさん。今日の最後の2本飲み比べて思ったのですが、造っている人の思想が違うくらいの違いがありますよね。」
「パンノンハルマは料理に寄り添いますが、カンシーは独自にやっていける(笑)。」
「パンノンハルマみたいなワインは経験にないから初めは戸惑いましたが、別世界と認識できました。ありがとうございました(笑)。」
「ヨーロッパは地続きですが、西と東でこんなにも違うとは…。かつての共産主義と資本主義以上に味わいの感性が違うんですね(笑)。」
家内・私「東欧は、今マスキューのトレンドなのです(笑)。」
お忙しい中、ありがとうございました。
アズマコーポレーションの榎本さん、ありがとうございました。
桝久商店 岡本利秋・昭子
Written on 2014 06
桝久 試飲会リポート2 2014june
Jun 30, 2014 by weblogland |ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。
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桝久 試飲会 リポート その1
Jun 30, 2014 by weblogland |昨日、一昨日とご来店ありがとうございました。
今回、土曜日の午後にはインポーターのアズマトレーディングの『エースえのやん』こと榎本さんが手伝いに来てくださいました(笑)。榎本さんの愛社精神とワイン・ラヴァーぶりに助けられました。
榎本さん、ありがとうございました!
まずは、暑い中わざわざ足を運んでいただいた方にウェルカム・ドリンクがわりです。
◯サンソ・ヴェルデホ・フリザンテ 2012年 ヴァル・サンソ スペイン 白 微発泡 カステーリャ・イ・レオン スクリューキャップ V.D.T.750ml 1190円税別
「おー!こりゃ良い(笑)。汗が引っ込むね(笑)。」
「ちょっと甘いけど、ちょうどイイね。」
「女子会に必須アイテムだね(笑)。」
「マスキューさん!これ去年の夏の試飲会で飲んだ(笑)。この時期の必殺技ですね(笑)。」
「これってどうやって造ってるんですか?」
榎本さん「いわゆるタンク内一次醗酵です。」
私「タンクの中で、甘さ加減とガスの塩梅が良いところを見計らって醗酵を止めて造ります(笑)。」
「それってどうやって止めるんですか?」
私「鋭い質問です(笑)。普通はSO2を入れて止める場合が多いのですが、ハビエルさんは恐らく温度を下げることで止めているようです。」
「なんで解るんですか?」
私「はい。このワイン香りの広がりが素晴らしいからです。あと余韻も長く綺麗だからです。」
「甘さもベタつかないのも、後から加えていないからですね?」
家内「この手のワインは量産されるパターンが多いので、量産品とこのワインを飲み比べると一目瞭然ですよ(笑)。」
「ヴェルデホらしいグレープフルーツのアロマがしっかりしているのはそのためですね。」
「でも、これ危険だなぁ(笑)。いくらでも飲めちゃうよ(笑)。」
私「グラスに氷を入れてジンを入れ、それにこのフリザンテを注ぐと抜群に旨いですよ(笑)。ジンとの相性がスゴく良いです。あと流行りのジャンクな飲み方なんですが、氷を入れてじゃぼじゃぼこのワインを入れてグビグビ飲むパターンもあります(笑)。」
「そんな亊出来ません(笑)!もったいない(笑)。」
「それは許せん(笑)!」
「でも、ジンとは相性良さそうですね(笑)。」
「欲を言えばガスがもっと強ければイイんだけど…。」
私「たしかにそうなんですが。後からガスを吹き込んでいないから、諦めてください(笑)。でも、何日か経っても美味しく飲めますから、この点は利点かと。」
さて、次はマスキューでは珍しいオーストラリアの赤です(笑)。
●ファンド・ストーン カベルネ・ソーヴィニヨン 2013年 バートン・ヴィンヤーズ オーストラリア 赤 サウス・イースタン・オーストラリアG.I.750ml 900円税別 スクリュー・キャップ
「マスキューさん、オーストラリアとは珍しいですね(笑)。」
私「はい(笑)。でも扱ってない訳じゃないんですよ(笑)。」
「どれどれ(笑)。あれっ?あんまりオーストラリアっぽくないな(笑)。」
「ほんとだ、ベリーの香り?あと甘くない(笑)。」
「よくスーパーなんかで売っているオーストラリアワインとは違うな(笑)。」
「植物の香りがしませんか?」
私「一説にはユーカリの香りとか…。」
家内「私もユーカリの香り知らないんですよ(笑)。」
「ユーカリってコアラの餌ですよね。するとコアラの香り(大爆笑)。」
「このワイン、スゴく良くできていますが、熟成するんですか?」
家内「熟成はしないと思いますが、昨日開けたワインがこの状態で飲めますから、造り自体は良いと思います。」
「あっ!これ『生姜』の香りじゃありませんか?!」
私「鋭いですね。言われて気がつきました(笑)。たしかに『生姜』っぽさありますね(笑)。」
「オーストラリアのワインってこんなにニュアンスに富んでいるんだ!」
私「ありがとうございます。この価格帯のワインだと濃いには濃いけれど果実味に欠けたり、明瞭さがなくて真っ黒になりがちです。とくにカベルネ・ソーヴィニヨンがその傾向が強いです。この点、このワインは斬新かと。」
「なるほどね。カベルネ・ソーヴィニヨンとは言い難いけれど(笑)、進化してますよね(笑)。」
「こうしてワインね世界もイノヴェーションするんですね。結局は個性しかないんですね。」
「あと、消費者は飽きる(笑)。そんな中で生き残るのが、本物なのかな?」
「世界市場を目指すのか、おらが村のワインとして生き残るのか?難しい選択なんだな。」
「でも、オーストラリアは大規模農業だから、世界市場を目指すんでしょうね。」
私「ワンパターンと言われがちなオーストラリアワインでも明日を目指した競争は激しいです。今、技術の進化は凄いですから、思わぬ産地でビックリするようなワインが何時現れても不思議じゃないように思います。ですから、目を離せません(笑)。」
家内「決めてかかると視野を狭くしちゃいます(笑)。」
さて、お次は大日本ロゼ・ワイン普及協会大推薦のロゼ・ワインです(笑)。
◯アマルテア・ロサード 2012年 ロシャレル スペイン ロゼ ペネデス D.O. 750ml 1604円税別
「あーっ!これ、すごー!」
「赤いベリーの香りが渦巻いてる(笑)。フレッシュだけど、とても複雑ですよね。」
「酸がスゴくしっかりしてる。フルーティだけど堅牢さがある。」
家内「一歩間違うとおもちゃっぽくなりますが(笑)、上手く折り合いがついています。」
「変に残糖分を残さないからイイんだろうな。」
私「メルロ60%、ピノ・ノワール40%と本来あり得ない組み合わせなんですが(笑)…。斬新の一言なんですよね(笑)。」
「ちゃんとしたワインになっているところが凄い。厚みがあるしね。」
私「昔、日本のワインで『リースリング・シャルドネ』なんていうまがい物がありましたが、これは本物(笑)。」
家内「メルロとピノ・ノワールの畑は標高が違うようです。ピノ・ノワールの方が標高が高いようです。この違いしか説明できません(笑)。」
「スペイン人は独創的ですね(笑)。ロゼワインって言うとワインの中心じゃないイメージがあったけど(笑)。これは完成度が高くてバカにできない(笑)。『さっ、さっ、上座へどうぞ!』みたいな感じ(笑)。」
「そうそう、大きさ スケール感があるんだよね。去年ラベルが間に合わなくて赤ワインのラベル貼ってきたけど(笑)。」
私「覚えていらっしゃいましたか(笑)?マジックで修正してたんですよね(笑)。」
「きっと、自信をつけて本気になったんだ(笑)。これは売れるって(笑)。」
家内「ラベルの猫ちゃんは『ルナ』って名前だし、絶対に本気ですね(笑)。」
私「去年より厚みが出ているようですから、ガチですね(笑)。」
「ところで、このロゼはセニエで造っているんですか?色も濃いし。」
私「私も最初はセニエだと思ったんですが、実は直接圧搾法です。でも収穫して24時間は低温で保存してから圧搾するそうです。ここに工夫があります。」
「このフルーティーさは果皮由来ですよね?」
家内「そうです。普通はセニエ法を取るのがセオリーですが、そうじゃない。ピノ・ノワールに自信があるような気がします。」
「ここの家のピノ・ノワールを飲んでみたくなりますね(笑)。」
ピノ・ノワールではありませんが、ロシャレルの赤へと続きます。
●アマルテア・ティント2012年 ロシャレル スペイン ペネデスD.O. 赤 750ml 1604円税別
「自然な柔らかな味わいですね。ペネデスっぽい樽のニュアンスも少ない(笑)。」
「セバージュはなんですか?」
私「えーと。カベルネ・ソーヴィニヨン、テンプラリーニョ、メルロですか。あんまり何が入っているか解らない味わいですよね。ひたすら優しい。」
家内「でも、ロゼみたいなインパクトがない(笑)。逆にそれが良い(笑)。」
「ロゼと赤は繋がらないですよね(笑)。あんなにアロマチックなロゼと赤は別物ですよね。」
「同じ生産者が造ったとは思えないですよ(笑)。」
家内「スタイルは違いますよね。ただ、酸の有り様は共通してると思うんですよね。」
私「赤は基本的には樽香に頼らない果実味に腰を据えた味わいを模索したスタイルだと思うんです。ただし、フローラルなワインが出来る産地でない(笑)。ですから、翌日飲むと質の高さが伝わるかと。飲みやすいけれども良さがすぐに伝わらないのがもどかしいんですよね。」
「なるほど、ロゼが突出して目立ちますよね(笑)。」
家内「大日本ロゼ・ワイン普及協会会長として、ロシャレルのロゼを皆さんが認めて下さるのは冥利に尽きますが、赤が埋没するのは本意じゃないんですよね(笑)。」
私「会長の御意のまま(笑)!」
「山羊を畑に入れて余分な葉っぱを食べさせているのは伊達じゃない(笑)。」
「私が子供の頃、家に山羊がいましたが、奴等は手強い(笑)。隙を見せて後ろにいると、いきなり蹴ってくる(笑)。簡単に飼い慣らせない。そんな山羊を使うとは!ロシャレルさんは凄いですよ!」
うーん。
実体験に反論できません(笑)。
今回、土曜日の午後にはインポーターのアズマトレーディングの『エースえのやん』こと榎本さんが手伝いに来てくださいました(笑)。榎本さんの愛社精神とワイン・ラヴァーぶりに助けられました。
榎本さん、ありがとうございました!
まずは、暑い中わざわざ足を運んでいただいた方にウェルカム・ドリンクがわりです。
◯サンソ・ヴェルデホ・フリザンテ 2012年 ヴァル・サンソ スペイン 白 微発泡 カステーリャ・イ・レオン スクリューキャップ V.D.T.750ml 1190円税別
「おー!こりゃ良い(笑)。汗が引っ込むね(笑)。」
「ちょっと甘いけど、ちょうどイイね。」
「女子会に必須アイテムだね(笑)。」
「マスキューさん!これ去年の夏の試飲会で飲んだ(笑)。この時期の必殺技ですね(笑)。」
「これってどうやって造ってるんですか?」
榎本さん「いわゆるタンク内一次醗酵です。」
私「タンクの中で、甘さ加減とガスの塩梅が良いところを見計らって醗酵を止めて造ります(笑)。」
「それってどうやって止めるんですか?」
私「鋭い質問です(笑)。普通はSO2を入れて止める場合が多いのですが、ハビエルさんは恐らく温度を下げることで止めているようです。」
「なんで解るんですか?」
私「はい。このワイン香りの広がりが素晴らしいからです。あと余韻も長く綺麗だからです。」
「甘さもベタつかないのも、後から加えていないからですね?」
家内「この手のワインは量産されるパターンが多いので、量産品とこのワインを飲み比べると一目瞭然ですよ(笑)。」
「ヴェルデホらしいグレープフルーツのアロマがしっかりしているのはそのためですね。」
「でも、これ危険だなぁ(笑)。いくらでも飲めちゃうよ(笑)。」
私「グラスに氷を入れてジンを入れ、それにこのフリザンテを注ぐと抜群に旨いですよ(笑)。ジンとの相性がスゴく良いです。あと流行りのジャンクな飲み方なんですが、氷を入れてじゃぼじゃぼこのワインを入れてグビグビ飲むパターンもあります(笑)。」
「そんな亊出来ません(笑)!もったいない(笑)。」
「それは許せん(笑)!」
「でも、ジンとは相性良さそうですね(笑)。」
「欲を言えばガスがもっと強ければイイんだけど…。」
私「たしかにそうなんですが。後からガスを吹き込んでいないから、諦めてください(笑)。でも、何日か経っても美味しく飲めますから、この点は利点かと。」
さて、次はマスキューでは珍しいオーストラリアの赤です(笑)。
●ファンド・ストーン カベルネ・ソーヴィニヨン 2013年 バートン・ヴィンヤーズ オーストラリア 赤 サウス・イースタン・オーストラリアG.I.750ml 900円税別 スクリュー・キャップ
「マスキューさん、オーストラリアとは珍しいですね(笑)。」
私「はい(笑)。でも扱ってない訳じゃないんですよ(笑)。」
「どれどれ(笑)。あれっ?あんまりオーストラリアっぽくないな(笑)。」
「ほんとだ、ベリーの香り?あと甘くない(笑)。」
「よくスーパーなんかで売っているオーストラリアワインとは違うな(笑)。」
「植物の香りがしませんか?」
私「一説にはユーカリの香りとか…。」
家内「私もユーカリの香り知らないんですよ(笑)。」
「ユーカリってコアラの餌ですよね。するとコアラの香り(大爆笑)。」
「このワイン、スゴく良くできていますが、熟成するんですか?」
家内「熟成はしないと思いますが、昨日開けたワインがこの状態で飲めますから、造り自体は良いと思います。」
「あっ!これ『生姜』の香りじゃありませんか?!」
私「鋭いですね。言われて気がつきました(笑)。たしかに『生姜』っぽさありますね(笑)。」
「オーストラリアのワインってこんなにニュアンスに富んでいるんだ!」
私「ありがとうございます。この価格帯のワインだと濃いには濃いけれど果実味に欠けたり、明瞭さがなくて真っ黒になりがちです。とくにカベルネ・ソーヴィニヨンがその傾向が強いです。この点、このワインは斬新かと。」
「なるほどね。カベルネ・ソーヴィニヨンとは言い難いけれど(笑)、進化してますよね(笑)。」
「こうしてワインね世界もイノヴェーションするんですね。結局は個性しかないんですね。」
「あと、消費者は飽きる(笑)。そんな中で生き残るのが、本物なのかな?」
「世界市場を目指すのか、おらが村のワインとして生き残るのか?難しい選択なんだな。」
「でも、オーストラリアは大規模農業だから、世界市場を目指すんでしょうね。」
私「ワンパターンと言われがちなオーストラリアワインでも明日を目指した競争は激しいです。今、技術の進化は凄いですから、思わぬ産地でビックリするようなワインが何時現れても不思議じゃないように思います。ですから、目を離せません(笑)。」
家内「決めてかかると視野を狭くしちゃいます(笑)。」
さて、お次は大日本ロゼ・ワイン普及協会大推薦のロゼ・ワインです(笑)。
◯アマルテア・ロサード 2012年 ロシャレル スペイン ロゼ ペネデス D.O. 750ml 1604円税別
「あーっ!これ、すごー!」
「赤いベリーの香りが渦巻いてる(笑)。フレッシュだけど、とても複雑ですよね。」
「酸がスゴくしっかりしてる。フルーティだけど堅牢さがある。」
家内「一歩間違うとおもちゃっぽくなりますが(笑)、上手く折り合いがついています。」
「変に残糖分を残さないからイイんだろうな。」
私「メルロ60%、ピノ・ノワール40%と本来あり得ない組み合わせなんですが(笑)…。斬新の一言なんですよね(笑)。」
「ちゃんとしたワインになっているところが凄い。厚みがあるしね。」
私「昔、日本のワインで『リースリング・シャルドネ』なんていうまがい物がありましたが、これは本物(笑)。」
家内「メルロとピノ・ノワールの畑は標高が違うようです。ピノ・ノワールの方が標高が高いようです。この違いしか説明できません(笑)。」
「スペイン人は独創的ですね(笑)。ロゼワインって言うとワインの中心じゃないイメージがあったけど(笑)。これは完成度が高くてバカにできない(笑)。『さっ、さっ、上座へどうぞ!』みたいな感じ(笑)。」
「そうそう、大きさ スケール感があるんだよね。去年ラベルが間に合わなくて赤ワインのラベル貼ってきたけど(笑)。」
私「覚えていらっしゃいましたか(笑)?マジックで修正してたんですよね(笑)。」
「きっと、自信をつけて本気になったんだ(笑)。これは売れるって(笑)。」
家内「ラベルの猫ちゃんは『ルナ』って名前だし、絶対に本気ですね(笑)。」
私「去年より厚みが出ているようですから、ガチですね(笑)。」
「ところで、このロゼはセニエで造っているんですか?色も濃いし。」
私「私も最初はセニエだと思ったんですが、実は直接圧搾法です。でも収穫して24時間は低温で保存してから圧搾するそうです。ここに工夫があります。」
「このフルーティーさは果皮由来ですよね?」
家内「そうです。普通はセニエ法を取るのがセオリーですが、そうじゃない。ピノ・ノワールに自信があるような気がします。」
「ここの家のピノ・ノワールを飲んでみたくなりますね(笑)。」
ピノ・ノワールではありませんが、ロシャレルの赤へと続きます。
●アマルテア・ティント2012年 ロシャレル スペイン ペネデスD.O. 赤 750ml 1604円税別
「自然な柔らかな味わいですね。ペネデスっぽい樽のニュアンスも少ない(笑)。」
「セバージュはなんですか?」
私「えーと。カベルネ・ソーヴィニヨン、テンプラリーニョ、メルロですか。あんまり何が入っているか解らない味わいですよね。ひたすら優しい。」
家内「でも、ロゼみたいなインパクトがない(笑)。逆にそれが良い(笑)。」
「ロゼと赤は繋がらないですよね(笑)。あんなにアロマチックなロゼと赤は別物ですよね。」
「同じ生産者が造ったとは思えないですよ(笑)。」
家内「スタイルは違いますよね。ただ、酸の有り様は共通してると思うんですよね。」
私「赤は基本的には樽香に頼らない果実味に腰を据えた味わいを模索したスタイルだと思うんです。ただし、フローラルなワインが出来る産地でない(笑)。ですから、翌日飲むと質の高さが伝わるかと。飲みやすいけれども良さがすぐに伝わらないのがもどかしいんですよね。」
「なるほど、ロゼが突出して目立ちますよね(笑)。」
家内「大日本ロゼ・ワイン普及協会会長として、ロシャレルのロゼを皆さんが認めて下さるのは冥利に尽きますが、赤が埋没するのは本意じゃないんですよね(笑)。」
私「会長の御意のまま(笑)!」
「山羊を畑に入れて余分な葉っぱを食べさせているのは伊達じゃない(笑)。」
「私が子供の頃、家に山羊がいましたが、奴等は手強い(笑)。隙を見せて後ろにいると、いきなり蹴ってくる(笑)。簡単に飼い慣らせない。そんな山羊を使うとは!ロシャレルさんは凄いですよ!」
うーん。
実体験に反論できません(笑)。
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試飲会リポート2
Jun 02, 2014 by weblogland |昨日の続きです。
問題のロゼ・ワインからです(笑)。
◯プチ・メスクラン・ロゼ ドメーヌ・クロ・デ・ムール 2012年 フランス ローヌ V.D.F.750ml 1750円税別
「厚みがあるなぁ。すごくしっかりしてる。」
「これっていわゆるロゼじゃないですよね(笑)。」
「うんうん。ロゼっていうとジュースっぽい(笑)。これはジュースじゃないでしょう(笑)。」
「しっかりした『ジュテーム』の後に、ロゼが何故出るのか解りましたよ(笑)。普通ロゼは赤の前ですもんね(笑)。このロゼは普通じゃないんですな(笑)。」
私「こんなに堅牢なロゼを飲むのは初めてです(笑)。色々な生産者がいますよね(笑)。」
家内「このロゼはローヌのケランヌ村の畑と村から少し離れた畑の葡萄から造られています。普通ローヌとかローヌ・ヴィラージュでリリースするのですが、ヴァン・ド・フランスとなっています。」
「えっ!だってヴァン・ド・フランスはフランス国内産だったらどんな遠い産地のワインをブレンドしても良い規格ですよね?」
私「はい。ヴァン・ド・フランスはニューワールドの安いワインに対抗するための規格です。言わば禁じ手(笑)を解禁したようなものです。」
「なんで、こんなに凄いロゼをそんなどうでも良い規格名でリリースするんですか?」
家内「そこが謎で我々日本人には理解できません(笑)。インポーターさん曰く とにかく真面目な生産者 と言うことです。」
私「生真面目過ぎるんですかね?もっともこのロゼなんか確かに生真面目(笑)。生真面目過ぎて飲み手に配慮がない(笑)。こんなロゼを造る人いないですよ(笑)。」
家内「このワイン、家で飲んだ時、丸4日しても正体を現しませんでした。飲み干して空き瓶のラベルを剥がそうとした折りキャップを開けたら、中からスモモの天使が降臨しました(笑)。アラジンの魔法のランプみたいでしたよ(笑)。」
私「手強いなんてもんじゃありません(笑)。ましてやロゼですから…。」
「たしかに!グラスを飲み干してしばらくすると、凄い量の香りがする!こりゃ、凄い!」
「グラスをスワリングしたくらいじゃ香りは立たない(笑)。液体がほとんど無くなってから香りが立つなんて…。こんなことあるんだ(絶句)。」
この驚異の生命力に感動した方々は全員お買い上げくださいました。もともと数少ないため、金曜日中の完売となりました。お許しを!
強いロゼのあとにオフ・ヴィンテージのボルドー白 大丈夫かぁ~?
◯シャトー・ド・シャントグリーヴ 2007年 フランス 白 ボルドー グラーブA.C. 750ml 1371円税別スクリュー・キャップ
「これも、違った意味で凄いね(笑)。旨い!熟成しててイイよね!」
「リンゴの香りは強いけど、色んなフルーツが入ってる(笑)。蜂蜜、パイナップルやグレープフルーツ、桃、あとハーブや…。」
「土のニュアンスもするよね。」
「マスキューさん、これって2007年ですから7年経ってる訳ですよね?まだまだ熟成するんですか?」
私「今がピークですから、この状態で飲むのがベストかと。断定出来ませんが(笑)。」
「セミヨンとソーヴィニヨン・ブランの組合せって良いですね(笑)。」
私「セミヨンは厚み、ソーヴィニヨン・ブランは香り。上手く補いあっていますよね(笑)。」
「この蜂蜜の香りは品種由来なのですか?」
私「収穫が遅くなると、蜂蜜の香りやアーモンドみたいなほろ苦い後味がします。」
「あっ!この苦味ですね(笑)。」
私「2007年の夏はあまり暖かくなかったようです。ワインにリンゴ酸が目立ちます。夏場涼しかったりすると、出来上がったワインにリンゴ酸が多く残ります。」
家内「夏場の涼しさで上がらない糖度を上げるために収穫を遅らせたのが、味わいから想像できます。」
「そんなことが解ると楽しいですよね(笑)。」
私「銘柄当てるより大事です(笑)。」
さて、トリはボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨン。果してトリが勤まるか(失礼!)。
●ル・ルレ・ド・デュフォール・ヴィヴァン 2010年 ボルドー 赤 マルゴーA.C.750ml 3000円税別
「おっ、旨いじゃない(笑)。エレガントですな(笑)。」
「カベルネかぁ。王道かな(笑)?」
「硬さ強さと柔らかさがある?」
家内「このシャトーはカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が80%を越えています。マルゴー村だと一番高いのでは?」
「なるほど。マスキューさんがメルロをもっと増やした方が良いと言うのも解りますね。旨いには旨いんだけど、ひょろっとした印象もある。痩せている訳じゃないんですけどね。」
「ふーん。カベルネソーヴィニヨンの比率が高ければ高いほど良い訳じゃないんですね?」
私「おっしゃる通り。カベルネが多く植えられている左岸でもメルロの方が多いのです。カベルネが合う土壌は限られています。1級シャトーがポイヤックに集中していることが物語っているかと。」
家内「カベルネ・ソーヴィニヨンの突き抜けるように鮮烈なカシスの味わいは、ポイヤックの一部にしかないようです。」
「ではシャトー・マルゴーは?」
私「カベルネ・ソーヴィニヨンを使いながら、秀でてエレガントである有り様に価値があるように思います。その意味からすると他のポイヤックの1級シャトーとはちょっと異質かも知れません。」
「でもシャトー・マルゴーは高いですよね(笑)?」
私「はい(笑)。5万円以上はしますか。」
「ゲッ!ワインの価格じゃないですね(笑)。」
私「はい。このワイン10本分の値段でも買えませんね(笑)。でも私だったら迷わずこっちを選択しますが(笑)。」
「私も見習います(笑)。」「まあ、話しの種に一度くらいは飲んでも良いとは思うけど、価格に見あわないことが解って良いですよ(笑)。」
実際1級シャトーを沢山飲んだ方の意見は説得力があります(笑)。
どうもありがとうございました!
桝久商店 岡本利秋・昭子
問題のロゼ・ワインからです(笑)。
◯プチ・メスクラン・ロゼ ドメーヌ・クロ・デ・ムール 2012年 フランス ローヌ V.D.F.750ml 1750円税別
「厚みがあるなぁ。すごくしっかりしてる。」
「これっていわゆるロゼじゃないですよね(笑)。」
「うんうん。ロゼっていうとジュースっぽい(笑)。これはジュースじゃないでしょう(笑)。」
「しっかりした『ジュテーム』の後に、ロゼが何故出るのか解りましたよ(笑)。普通ロゼは赤の前ですもんね(笑)。このロゼは普通じゃないんですな(笑)。」
私「こんなに堅牢なロゼを飲むのは初めてです(笑)。色々な生産者がいますよね(笑)。」
家内「このロゼはローヌのケランヌ村の畑と村から少し離れた畑の葡萄から造られています。普通ローヌとかローヌ・ヴィラージュでリリースするのですが、ヴァン・ド・フランスとなっています。」
「えっ!だってヴァン・ド・フランスはフランス国内産だったらどんな遠い産地のワインをブレンドしても良い規格ですよね?」
私「はい。ヴァン・ド・フランスはニューワールドの安いワインに対抗するための規格です。言わば禁じ手(笑)を解禁したようなものです。」
「なんで、こんなに凄いロゼをそんなどうでも良い規格名でリリースするんですか?」
家内「そこが謎で我々日本人には理解できません(笑)。インポーターさん曰く とにかく真面目な生産者 と言うことです。」
私「生真面目過ぎるんですかね?もっともこのロゼなんか確かに生真面目(笑)。生真面目過ぎて飲み手に配慮がない(笑)。こんなロゼを造る人いないですよ(笑)。」
家内「このワイン、家で飲んだ時、丸4日しても正体を現しませんでした。飲み干して空き瓶のラベルを剥がそうとした折りキャップを開けたら、中からスモモの天使が降臨しました(笑)。アラジンの魔法のランプみたいでしたよ(笑)。」
私「手強いなんてもんじゃありません(笑)。ましてやロゼですから…。」
「たしかに!グラスを飲み干してしばらくすると、凄い量の香りがする!こりゃ、凄い!」
「グラスをスワリングしたくらいじゃ香りは立たない(笑)。液体がほとんど無くなってから香りが立つなんて…。こんなことあるんだ(絶句)。」
この驚異の生命力に感動した方々は全員お買い上げくださいました。もともと数少ないため、金曜日中の完売となりました。お許しを!
強いロゼのあとにオフ・ヴィンテージのボルドー白 大丈夫かぁ~?
◯シャトー・ド・シャントグリーヴ 2007年 フランス 白 ボルドー グラーブA.C. 750ml 1371円税別スクリュー・キャップ
「これも、違った意味で凄いね(笑)。旨い!熟成しててイイよね!」
「リンゴの香りは強いけど、色んなフルーツが入ってる(笑)。蜂蜜、パイナップルやグレープフルーツ、桃、あとハーブや…。」
「土のニュアンスもするよね。」
「マスキューさん、これって2007年ですから7年経ってる訳ですよね?まだまだ熟成するんですか?」
私「今がピークですから、この状態で飲むのがベストかと。断定出来ませんが(笑)。」
「セミヨンとソーヴィニヨン・ブランの組合せって良いですね(笑)。」
私「セミヨンは厚み、ソーヴィニヨン・ブランは香り。上手く補いあっていますよね(笑)。」
「この蜂蜜の香りは品種由来なのですか?」
私「収穫が遅くなると、蜂蜜の香りやアーモンドみたいなほろ苦い後味がします。」
「あっ!この苦味ですね(笑)。」
私「2007年の夏はあまり暖かくなかったようです。ワインにリンゴ酸が目立ちます。夏場涼しかったりすると、出来上がったワインにリンゴ酸が多く残ります。」
家内「夏場の涼しさで上がらない糖度を上げるために収穫を遅らせたのが、味わいから想像できます。」
「そんなことが解ると楽しいですよね(笑)。」
私「銘柄当てるより大事です(笑)。」
さて、トリはボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨン。果してトリが勤まるか(失礼!)。
●ル・ルレ・ド・デュフォール・ヴィヴァン 2010年 ボルドー 赤 マルゴーA.C.750ml 3000円税別
「おっ、旨いじゃない(笑)。エレガントですな(笑)。」
「カベルネかぁ。王道かな(笑)?」
「硬さ強さと柔らかさがある?」
家内「このシャトーはカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が80%を越えています。マルゴー村だと一番高いのでは?」
「なるほど。マスキューさんがメルロをもっと増やした方が良いと言うのも解りますね。旨いには旨いんだけど、ひょろっとした印象もある。痩せている訳じゃないんですけどね。」
「ふーん。カベルネソーヴィニヨンの比率が高ければ高いほど良い訳じゃないんですね?」
私「おっしゃる通り。カベルネが多く植えられている左岸でもメルロの方が多いのです。カベルネが合う土壌は限られています。1級シャトーがポイヤックに集中していることが物語っているかと。」
家内「カベルネ・ソーヴィニヨンの突き抜けるように鮮烈なカシスの味わいは、ポイヤックの一部にしかないようです。」
「ではシャトー・マルゴーは?」
私「カベルネ・ソーヴィニヨンを使いながら、秀でてエレガントである有り様に価値があるように思います。その意味からすると他のポイヤックの1級シャトーとはちょっと異質かも知れません。」
「でもシャトー・マルゴーは高いですよね(笑)?」
私「はい(笑)。5万円以上はしますか。」
「ゲッ!ワインの価格じゃないですね(笑)。」
私「はい。このワイン10本分の値段でも買えませんね(笑)。でも私だったら迷わずこっちを選択しますが(笑)。」
「私も見習います(笑)。」「まあ、話しの種に一度くらいは飲んでも良いとは思うけど、価格に見あわないことが解って良いですよ(笑)。」
実際1級シャトーを沢山飲んだ方の意見は説得力があります(笑)。
どうもありがとうございました!
桝久商店 岡本利秋・昭子
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桝久 試飲会リポート 2014年5月
Jun 02, 2014 by weblogland |昨日、一昨日とマスキュー店内試飲会にお越しくださいましてありがとうございました。
ワインがなくなったり、夕方一気に集中したり、不手際お許しくださいませ。
まずは南フランスの期待の星 ドメーヌ・バサックルイさんの白ワインからです。
◯ソーヴィニヨン・ブラン 2013年 ドメーヌ・バサック 南フランス コート・ド・トングI.G.P.白 750ml 1371円税抜き
「おっ、これですね(笑)。マスキューさんのブログに載ってたルイさんのワインですね(笑)。」
家内「はい。この写真の人です。」
「えっ!ホントに26歳?老けてる(大爆笑)。」
私「禿げてはいませんが、たしかに老けてますね(笑)。」
「ヨーロッパの人は子供から一気に大人になりますからね。」
「ところで、ワイン、ワイン(笑)。」
「あっ!これ旨い!」
「ソーヴィニヨン・ブラン100%なんですか?」
「私ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン好きで良く飲みますが、全然違う!」
私「桃っぽいんですよね。品も良いし。」
家内「ワイン自体の濃度はメチャクチャ濃い訳じゃないんですが…。なんと言えば…。程好いんですよね。」
「酸はしっかり入ってるから隠れた強さがあるよね。供出温度はもっと低い方が良いかな?」
私「さすが!実はわざと温度を高くしました(笑)。温度が高くてもバランスが良いのです。嫌なところが前に出ません。」
「なるほど!」
家内「抜栓直後はソーヴィニヨン・ブラン特有の青臭さなどがありますが、やがて果実味が勝ってマスキングします。」
「これ、どこのソーヴィニヨン・ブランかって聞かれたら、まず解らないよね。すごくエレガント!」
「南フランスのワインって力づくのところがあるんだけど、それがない。ちなみにアルコール分は何%ですか?
私「えーと。おっ!12.5%です。」
「低いなぁ~!」
私「補糖はしてないですね(笑)。」
「だからこんなに自然な味わいなんだ!」
家内「ルイさんは葡萄果が完熟するまでちゃんと待ち、一気に収穫するようです。あと、無理なプレスをしませんから、ワインがクリアに仕上がるんですね。」
「なるほど。だから雑味がないんだ。」
「草っぽさもちゃんとある。ソーヴィニヨン・ブランらしさもあるよね。あと凄く自然な飲み口だよね。」
私「ありがとうございます。広がり方と飲み込んだ後の余韻がとても美しいんですよね。」
「マスキューさん、ちょっと化学的な香りがするような気がしますが、何故ですか?」
私「良く気がつかれました!それはソーヴィニヨン・ブランの特徴でもあるんですが、樟脳のような香りですよね?」
「樟脳って?」
私「タンスに入れる防虫剤です。もともとは楠から採取されます。」
家内「濃くつくられたカベルネ系のワインにも出る香りでもあるんですよ。」
「ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランは強く出るね(笑)。」
家内「あまり感じないのはロワールのサンセールなんかかな。」
「マスキューさん。この白ワインは酸がありますが、マロラクティック醗酵はやっているのですか?」
私「マニアックな質問ですね(笑)。このワインはしていません。」
「どうやってマロラクティック醗酵を止めるのですか?」
私「ドメーヌ・バサックでは低温管理することで止めるようです。アルコール醗酵後にSO2を入れたり、濾過などの特殊なことをしたりはしません。ですから最後の最後にSO2を若干入れて安定させるようです。」
家内「通例の生産者と比べるとSO2の量が絶対的に少ないです。」
私「基本的に酸を生成し難い暖かい産地ですから、腐心しなくてはエレガントな白ワインは出来ないんでしょうね。今のトレンドになっています。」
さて、続いてはカベルネ・ソーヴィニヨンです。
●カベルネ・ソーヴィニヨン 2012年 ドメーヌ・バサック 南フランス コート・ド・トングI.G.P.赤 750ml 1371円税抜き
「おっ!これも白同様広がりが素晴らしいですな。」
家内「ボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨンとは違いますが(笑)、スパイシーでいかにも南のカベルネっぽい。」
「でも、このカベルネとソーヴィニヨン・ブランを比べると、同じ産地で同じ生産者が造っているとは思えませんね?」
私「そーですよね。カベルネ・ソーヴィニヨンは晩熟性なので収穫も最後になります。アルコール分も高くなり、パワフルな出来上がりとなります。」
家内「アルコール分は14.5%ですね。南フランスらしい(笑)。」
「完熟した時の糖度は品種によって違うんですね。」
「私、この赤はとても芯がしっかりしてるような感じがするんです。野趣とでも言いましょうか?土地にある環境が反映してるような…。」
「ひたすら飲みやすいだけのワインとは違うよね。ハーブなんかの植物の香りがするよね(笑)。」
私「ありがとうございます。皆さんさすがですね(笑)。ドメーヌ・バサックは今流行りのミクロ・オキシダシオンをしないようです。醪に微細な空気を送り込み醗酵を促進したり、タンニンを柔らかくする技術です。」
家内「ゆっくり時間をかけてポンピング・オーバーする昔ながらの方法でやるようです。」
さてさて次はルイさん渾身の赤ワイン。
●『ジュテーム』2012年 ドメーヌ・バサック 南フランス 赤 コート・デ・トングI.G.P. 750ml 1686円税別
「マスキューさん、これ以前の試飲会で出しましたよね。このラベルと味は忘れられない(笑)。」
「マスキューさんの一押しだね(笑)。」
私「お恥ずかしい。読まれてますね(笑)。」
家内「じゅげむ、じゅげむ じゃなくてジュテーム、ジュテームって、親父ギャクを聞かされ困ってます(笑)。」
「ところで前回は2011年で、今回は2012ですね。2011年の方が甘かったかな?」
私「今回2012年はアルコール分が14%ですから、2011年より低いですね。ヴィンテージの影響みたいですね。」
「うーん。旨い。果実の感じが溢れてる。コストパフォーマンスが素晴らしい。しかも複雑。果実を織り込んだよう。」
私「ドメーヌ・バサックのカベルネ・フランは素晴らしいです。赤いベリーのニュアンスが明瞭なんですよね。いままでの南フランスにはないスタイルです。」
「バサックのワインってバランスが良いですよね。マスキューさん曰く、『折り合いが良い』でしたっけ(笑)。」
「ところでマスキューさん。バサックはいわゆるビオ・ディナミの生産者なのですか?」
家内「ビオの認証はとっていますね。ラベルの下の方に小さく載っていますよ(笑)。でも、本人はビオが嫌いみたいです(笑)。」
私「ルイさんはビオではなく『オーガニック』と言っていました。ビオディナミの非理論的な部分が納得できないようです。良いワインを造るための本来的なプロセスが『オーガニック』と言っていました。良いワインを造るための自然なことで、売り言葉にしたくはないようでした。」
「ドメーヌ・バサックのような在り方って良いですよね。小さいけれども、確たるアイデンティティーがあります。こう言っては何ですが、日本の零細な日本酒メーカーは、零細な装置産業ですよね。やはりスタートからして違うから無理ないのかな?」
私「さすが見識が高い!日本酒のつもりでワインを造っても、駄目なんですよね…。唯一無二のワインを造る覚悟が必要なんですよね。この意識の立ち位置こそが、ワイン造りの一番大事なところかと。」
話しは乗ってきましたが、今日の日曜日は出張ワイン会です。急いで出掛けないと間に合いません(3日続きはちょっとつらい(笑))。
そんな訳で試飲会リポート後半は明日アップいたします。
ところで、今日は何話しましょう?
ワインがなくなったり、夕方一気に集中したり、不手際お許しくださいませ。
まずは南フランスの期待の星 ドメーヌ・バサックルイさんの白ワインからです。
◯ソーヴィニヨン・ブラン 2013年 ドメーヌ・バサック 南フランス コート・ド・トングI.G.P.白 750ml 1371円税抜き
「おっ、これですね(笑)。マスキューさんのブログに載ってたルイさんのワインですね(笑)。」
家内「はい。この写真の人です。」
「えっ!ホントに26歳?老けてる(大爆笑)。」
私「禿げてはいませんが、たしかに老けてますね(笑)。」
「ヨーロッパの人は子供から一気に大人になりますからね。」
「ところで、ワイン、ワイン(笑)。」
「あっ!これ旨い!」
「ソーヴィニヨン・ブラン100%なんですか?」
「私ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン好きで良く飲みますが、全然違う!」
私「桃っぽいんですよね。品も良いし。」
家内「ワイン自体の濃度はメチャクチャ濃い訳じゃないんですが…。なんと言えば…。程好いんですよね。」
「酸はしっかり入ってるから隠れた強さがあるよね。供出温度はもっと低い方が良いかな?」
私「さすが!実はわざと温度を高くしました(笑)。温度が高くてもバランスが良いのです。嫌なところが前に出ません。」
「なるほど!」
家内「抜栓直後はソーヴィニヨン・ブラン特有の青臭さなどがありますが、やがて果実味が勝ってマスキングします。」
「これ、どこのソーヴィニヨン・ブランかって聞かれたら、まず解らないよね。すごくエレガント!」
「南フランスのワインって力づくのところがあるんだけど、それがない。ちなみにアルコール分は何%ですか?
私「えーと。おっ!12.5%です。」
「低いなぁ~!」
私「補糖はしてないですね(笑)。」
「だからこんなに自然な味わいなんだ!」
家内「ルイさんは葡萄果が完熟するまでちゃんと待ち、一気に収穫するようです。あと、無理なプレスをしませんから、ワインがクリアに仕上がるんですね。」
「なるほど。だから雑味がないんだ。」
「草っぽさもちゃんとある。ソーヴィニヨン・ブランらしさもあるよね。あと凄く自然な飲み口だよね。」
私「ありがとうございます。広がり方と飲み込んだ後の余韻がとても美しいんですよね。」
「マスキューさん、ちょっと化学的な香りがするような気がしますが、何故ですか?」
私「良く気がつかれました!それはソーヴィニヨン・ブランの特徴でもあるんですが、樟脳のような香りですよね?」
「樟脳って?」
私「タンスに入れる防虫剤です。もともとは楠から採取されます。」
家内「濃くつくられたカベルネ系のワインにも出る香りでもあるんですよ。」
「ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランは強く出るね(笑)。」
家内「あまり感じないのはロワールのサンセールなんかかな。」
「マスキューさん。この白ワインは酸がありますが、マロラクティック醗酵はやっているのですか?」
私「マニアックな質問ですね(笑)。このワインはしていません。」
「どうやってマロラクティック醗酵を止めるのですか?」
私「ドメーヌ・バサックでは低温管理することで止めるようです。アルコール醗酵後にSO2を入れたり、濾過などの特殊なことをしたりはしません。ですから最後の最後にSO2を若干入れて安定させるようです。」
家内「通例の生産者と比べるとSO2の量が絶対的に少ないです。」
私「基本的に酸を生成し難い暖かい産地ですから、腐心しなくてはエレガントな白ワインは出来ないんでしょうね。今のトレンドになっています。」
さて、続いてはカベルネ・ソーヴィニヨンです。
●カベルネ・ソーヴィニヨン 2012年 ドメーヌ・バサック 南フランス コート・ド・トングI.G.P.赤 750ml 1371円税抜き
「おっ!これも白同様広がりが素晴らしいですな。」
家内「ボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨンとは違いますが(笑)、スパイシーでいかにも南のカベルネっぽい。」
「でも、このカベルネとソーヴィニヨン・ブランを比べると、同じ産地で同じ生産者が造っているとは思えませんね?」
私「そーですよね。カベルネ・ソーヴィニヨンは晩熟性なので収穫も最後になります。アルコール分も高くなり、パワフルな出来上がりとなります。」
家内「アルコール分は14.5%ですね。南フランスらしい(笑)。」
「完熟した時の糖度は品種によって違うんですね。」
「私、この赤はとても芯がしっかりしてるような感じがするんです。野趣とでも言いましょうか?土地にある環境が反映してるような…。」
「ひたすら飲みやすいだけのワインとは違うよね。ハーブなんかの植物の香りがするよね(笑)。」
私「ありがとうございます。皆さんさすがですね(笑)。ドメーヌ・バサックは今流行りのミクロ・オキシダシオンをしないようです。醪に微細な空気を送り込み醗酵を促進したり、タンニンを柔らかくする技術です。」
家内「ゆっくり時間をかけてポンピング・オーバーする昔ながらの方法でやるようです。」
さてさて次はルイさん渾身の赤ワイン。
●『ジュテーム』2012年 ドメーヌ・バサック 南フランス 赤 コート・デ・トングI.G.P. 750ml 1686円税別
「マスキューさん、これ以前の試飲会で出しましたよね。このラベルと味は忘れられない(笑)。」
「マスキューさんの一押しだね(笑)。」
私「お恥ずかしい。読まれてますね(笑)。」
家内「じゅげむ、じゅげむ じゃなくてジュテーム、ジュテームって、親父ギャクを聞かされ困ってます(笑)。」
「ところで前回は2011年で、今回は2012ですね。2011年の方が甘かったかな?」
私「今回2012年はアルコール分が14%ですから、2011年より低いですね。ヴィンテージの影響みたいですね。」
「うーん。旨い。果実の感じが溢れてる。コストパフォーマンスが素晴らしい。しかも複雑。果実を織り込んだよう。」
私「ドメーヌ・バサックのカベルネ・フランは素晴らしいです。赤いベリーのニュアンスが明瞭なんですよね。いままでの南フランスにはないスタイルです。」
「バサックのワインってバランスが良いですよね。マスキューさん曰く、『折り合いが良い』でしたっけ(笑)。」
「ところでマスキューさん。バサックはいわゆるビオ・ディナミの生産者なのですか?」
家内「ビオの認証はとっていますね。ラベルの下の方に小さく載っていますよ(笑)。でも、本人はビオが嫌いみたいです(笑)。」
私「ルイさんはビオではなく『オーガニック』と言っていました。ビオディナミの非理論的な部分が納得できないようです。良いワインを造るための本来的なプロセスが『オーガニック』と言っていました。良いワインを造るための自然なことで、売り言葉にしたくはないようでした。」
「ドメーヌ・バサックのような在り方って良いですよね。小さいけれども、確たるアイデンティティーがあります。こう言っては何ですが、日本の零細な日本酒メーカーは、零細な装置産業ですよね。やはりスタートからして違うから無理ないのかな?」
私「さすが見識が高い!日本酒のつもりでワインを造っても、駄目なんですよね…。唯一無二のワインを造る覚悟が必要なんですよね。この意識の立ち位置こそが、ワイン造りの一番大事なところかと。」
話しは乗ってきましたが、今日の日曜日は出張ワイン会です。急いで出掛けないと間に合いません(3日続きはちょっとつらい(笑))。
そんな訳で試飲会リポート後半は明日アップいたします。
ところで、今日は何話しましょう?
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