さて、最後は白の大物2本です。両方ともにアズマコーポレーションさんのワインですから、榎本さんの力が入る入る(笑)。
◯パンノンハルミ オラズリースリング 2013年 パンノンハルミ・アバーチャーギ・ビンツェーセト ハンガリー 白 ノーザン・トランスダニュービア地方 パンノンハルマ地区 750ml 1886円税別
榎本さん「1996年に世界遺産になりましたパンノンハルマ修道院で造られる白ワインです。」
「へぇー、世界遺産の修道院ですか!」
榎本さん「996年に設立されていますから、ちょうど1000年後に世界遺産となりました。それまでは共産主義政権でしたから、荒廃し葡萄畑も壊滅状態でした。このワインも樹齢はまだ数年なんです。ミサやお土産用として造られています。」
「キリスト教はワインとは切り離せられないからね。」
私「修道院は祈りと生産の場。とくにヴェネディクト派ですからね。」
「そう言えばリキュールのヴェネディクティン・ドムもそうでしたっけ?」
「あと修道院ビールなんかもありましたよね(笑)。」
さてさてお味の方は?
「うわっ!凄い力!広がりが素晴らしい!あと透明感と言えば良いのか?クリア!」
「ミネラルたっぷり(笑)。」
「これって品種は何ですか?リースリングじゃないし??」
「ピノ・グリージョ?」
私「シャスラっぽいかな?」
榎本さん「オラズリースリング、別名イタリアン・リースリングと呼ばれているようです。クロアチアではヴェルシュ・リースリングと呼ばれています。」
私「ヴェネトあたりのヴェルシュ・リースリングってもっと緩くて(笑)、グレープフルーツの香りが強いんだよね。」
家内「前に試飲会でやったクロアチアのヴェルシュ・リースリングとは若干違うよね。ただ旨味があるところが共通してます。このワイン温度が上がると厚みがスゴく出てきますよ(笑)。」
「リンゴやレモンの香りが強いからうんと冷やした方が良いような気もしますが…。」
私「はい。はじめ私もそう思ったのですが、実は温度が高い方が旨いんですよね。」
「なるほど、この点ドイツワインとは決定的に違うんだな。それにしても、異次元のワイン(笑)。」
私「いわゆるヨーロッパ系の葡萄のような明瞭な香りはないのですが、とてもプリミィティブな良い香りとでも言いましょうか…。」
「これほど自然なワインは飲んだことがありません!じつに良い!」
「マスキューさん、このワインは何に合わせますか?」
家内「オリーブ油や牛肉の脂じゃないことはたしかかな(笑)。植物性や豚肉の脂を連想しますよね。あと、サラダ油、胡麻油、なんかかな。それと塩。」
私「中華料理なんかいけるかな。」
「食べるものを連想・想像させるワインって良いですよね(笑)。ありきたりの甘くて強いワインばかりだと、うんざりする(笑)。」
「そうそう。牛肉とイタリアンだけ食べてる訳じゃないぞ!って(笑)。」
「マスキューさんは最近東欧に凝ってますが、良い路線ですよ(笑)。世界観が変わりました(笑)。」
家内・私「ありがとうございます。我々も別世界を見つけたような気がしています。ギリシャ、ローマ人が広げたワインとは、また別の潮流があったかのような感じなんですよ(笑)。」
そして本流?のフランスワインです(笑)。
◯カンシー 2012年 ヴィエイユ・ヴィーニュ ドメーヌ・トロテロー フランス ロワール 白 750ml 2843円税別
「これはまさに本家本元の味わい(笑)。高級レストラン御用達の味わい(笑)。」
「高級割烹でも良く出されるようなワイン。『当店の白ワインはこれだけです。』みたいな(笑)。文句言わさないぞって(笑)。」
「バター、舌平目のムニエル、フォアグラ 高級品の方程式にこのワインは繋がるよね(笑)。」
私「いわゆるグレート・ワインですね。」
榎本さん「そうなんです。価格を考えるとお買い得感抜群です(笑)。」
家内「サンセールもこのレベルだと5000円以上しますよね。」
私「飲んでみるとサンセールの上物としか言えない味です。」
「このカンシーに勝るサンセールの生産者って数えるほどしかないよね。」
榎本さん「古い葡萄樹から選んで造っていますから、良い作柄の年だけのワインです。毎年は出来ないんです(申し訳なさそうに)。」
「何故良い年しかこのワインは出来ないんですか?」
榎本さん「作柄が悪いと収穫出来る葡萄が少なすぎてロットが組めないんです。」
私「古い葡萄樹はたたでさえ葡萄の成る量が少ないのです。それ故長寿なんですが。」
「葡萄樹って何年くらい生きるのですか?」
私「24房葡萄房を成らすと20年くらいで、あとは収穫量は減るので畝ごとに改植するのが一般的です。トロテローの場合は昔ながらの11房しか残さない仕立てなので、その分葡萄樹は長命になります。」
「ちょっとしか成らさないと樹齢は延びるんですね!」
私「はい。でも効率的ではありません(笑)。」
「伏木なんてあるの初めて知りましたよ(笑)。」
家内「昔は一般的だったみたいですよ。畑の中が足の踏み場もないほどの密植になったみたいです。今は原理主義的ビオデナミストにはこの方法でやってる人がいるようです。」
「ところで後味に苦味を感じますが…。」
私「はい。実は、昨日より強く感じます。甘苦い。昨日は遅摘み由来のアーモンドのような苦みかと思ったのですが…。」
榎本さん「実は貴腐がほんのわずか着いているようなんです。」
私「ソーヴィニヨン・ブランに貴腐は着くんですか?」
榎本さん「ほんの少しらしいのですが、着くようです。」
私「でも、たしかに独特の甘苦さは貴腐なんだよなぁ?グラスが空に近くなるとそれっぽさが増します。」
「ところでマスキューさん。今日の最後の2本飲み比べて思ったのですが、造っている人の思想が違うくらいの違いがありますよね。」
「パンノンハルマは料理に寄り添いますが、カンシーは独自にやっていける(笑)。」
「パンノンハルマみたいなワインは経験にないから初めは戸惑いましたが、別世界と認識できました。ありがとうございました(笑)。」
「ヨーロッパは地続きですが、西と東でこんなにも違うとは…。かつての共産主義と資本主義以上に味わいの感性が違うんですね(笑)。」
家内・私「東欧は、今マスキューのトレンドなのです(笑)。」
お忙しい中、ありがとうございました。
アズマコーポレーションの榎本さん、ありがとうございました。
桝久商店 岡本利秋・昭子
Written on 2014 06 30
桝久 試飲会リポート2 2014june
Jun 30, 2014 by weblogland |ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。
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桝久 試飲会 リポート その1
Jun 30, 2014 by weblogland |昨日、一昨日とご来店ありがとうございました。
今回、土曜日の午後にはインポーターのアズマトレーディングの『エースえのやん』こと榎本さんが手伝いに来てくださいました(笑)。榎本さんの愛社精神とワイン・ラヴァーぶりに助けられました。
榎本さん、ありがとうございました!
まずは、暑い中わざわざ足を運んでいただいた方にウェルカム・ドリンクがわりです。
◯サンソ・ヴェルデホ・フリザンテ 2012年 ヴァル・サンソ スペイン 白 微発泡 カステーリャ・イ・レオン スクリューキャップ V.D.T.750ml 1190円税別
「おー!こりゃ良い(笑)。汗が引っ込むね(笑)。」
「ちょっと甘いけど、ちょうどイイね。」
「女子会に必須アイテムだね(笑)。」
「マスキューさん!これ去年の夏の試飲会で飲んだ(笑)。この時期の必殺技ですね(笑)。」
「これってどうやって造ってるんですか?」
榎本さん「いわゆるタンク内一次醗酵です。」
私「タンクの中で、甘さ加減とガスの塩梅が良いところを見計らって醗酵を止めて造ります(笑)。」
「それってどうやって止めるんですか?」
私「鋭い質問です(笑)。普通はSO2を入れて止める場合が多いのですが、ハビエルさんは恐らく温度を下げることで止めているようです。」
「なんで解るんですか?」
私「はい。このワイン香りの広がりが素晴らしいからです。あと余韻も長く綺麗だからです。」
「甘さもベタつかないのも、後から加えていないからですね?」
家内「この手のワインは量産されるパターンが多いので、量産品とこのワインを飲み比べると一目瞭然ですよ(笑)。」
「ヴェルデホらしいグレープフルーツのアロマがしっかりしているのはそのためですね。」
「でも、これ危険だなぁ(笑)。いくらでも飲めちゃうよ(笑)。」
私「グラスに氷を入れてジンを入れ、それにこのフリザンテを注ぐと抜群に旨いですよ(笑)。ジンとの相性がスゴく良いです。あと流行りのジャンクな飲み方なんですが、氷を入れてじゃぼじゃぼこのワインを入れてグビグビ飲むパターンもあります(笑)。」
「そんな亊出来ません(笑)!もったいない(笑)。」
「それは許せん(笑)!」
「でも、ジンとは相性良さそうですね(笑)。」
「欲を言えばガスがもっと強ければイイんだけど…。」
私「たしかにそうなんですが。後からガスを吹き込んでいないから、諦めてください(笑)。でも、何日か経っても美味しく飲めますから、この点は利点かと。」
さて、次はマスキューでは珍しいオーストラリアの赤です(笑)。
●ファンド・ストーン カベルネ・ソーヴィニヨン 2013年 バートン・ヴィンヤーズ オーストラリア 赤 サウス・イースタン・オーストラリアG.I.750ml 900円税別 スクリュー・キャップ
「マスキューさん、オーストラリアとは珍しいですね(笑)。」
私「はい(笑)。でも扱ってない訳じゃないんですよ(笑)。」
「どれどれ(笑)。あれっ?あんまりオーストラリアっぽくないな(笑)。」
「ほんとだ、ベリーの香り?あと甘くない(笑)。」
「よくスーパーなんかで売っているオーストラリアワインとは違うな(笑)。」
「植物の香りがしませんか?」
私「一説にはユーカリの香りとか…。」
家内「私もユーカリの香り知らないんですよ(笑)。」
「ユーカリってコアラの餌ですよね。するとコアラの香り(大爆笑)。」
「このワイン、スゴく良くできていますが、熟成するんですか?」
家内「熟成はしないと思いますが、昨日開けたワインがこの状態で飲めますから、造り自体は良いと思います。」
「あっ!これ『生姜』の香りじゃありませんか?!」
私「鋭いですね。言われて気がつきました(笑)。たしかに『生姜』っぽさありますね(笑)。」
「オーストラリアのワインってこんなにニュアンスに富んでいるんだ!」
私「ありがとうございます。この価格帯のワインだと濃いには濃いけれど果実味に欠けたり、明瞭さがなくて真っ黒になりがちです。とくにカベルネ・ソーヴィニヨンがその傾向が強いです。この点、このワインは斬新かと。」
「なるほどね。カベルネ・ソーヴィニヨンとは言い難いけれど(笑)、進化してますよね(笑)。」
「こうしてワインね世界もイノヴェーションするんですね。結局は個性しかないんですね。」
「あと、消費者は飽きる(笑)。そんな中で生き残るのが、本物なのかな?」
「世界市場を目指すのか、おらが村のワインとして生き残るのか?難しい選択なんだな。」
「でも、オーストラリアは大規模農業だから、世界市場を目指すんでしょうね。」
私「ワンパターンと言われがちなオーストラリアワインでも明日を目指した競争は激しいです。今、技術の進化は凄いですから、思わぬ産地でビックリするようなワインが何時現れても不思議じゃないように思います。ですから、目を離せません(笑)。」
家内「決めてかかると視野を狭くしちゃいます(笑)。」
さて、お次は大日本ロゼ・ワイン普及協会大推薦のロゼ・ワインです(笑)。
◯アマルテア・ロサード 2012年 ロシャレル スペイン ロゼ ペネデス D.O. 750ml 1604円税別
「あーっ!これ、すごー!」
「赤いベリーの香りが渦巻いてる(笑)。フレッシュだけど、とても複雑ですよね。」
「酸がスゴくしっかりしてる。フルーティだけど堅牢さがある。」
家内「一歩間違うとおもちゃっぽくなりますが(笑)、上手く折り合いがついています。」
「変に残糖分を残さないからイイんだろうな。」
私「メルロ60%、ピノ・ノワール40%と本来あり得ない組み合わせなんですが(笑)…。斬新の一言なんですよね(笑)。」
「ちゃんとしたワインになっているところが凄い。厚みがあるしね。」
私「昔、日本のワインで『リースリング・シャルドネ』なんていうまがい物がありましたが、これは本物(笑)。」
家内「メルロとピノ・ノワールの畑は標高が違うようです。ピノ・ノワールの方が標高が高いようです。この違いしか説明できません(笑)。」
「スペイン人は独創的ですね(笑)。ロゼワインって言うとワインの中心じゃないイメージがあったけど(笑)。これは完成度が高くてバカにできない(笑)。『さっ、さっ、上座へどうぞ!』みたいな感じ(笑)。」
「そうそう、大きさ スケール感があるんだよね。去年ラベルが間に合わなくて赤ワインのラベル貼ってきたけど(笑)。」
私「覚えていらっしゃいましたか(笑)?マジックで修正してたんですよね(笑)。」
「きっと、自信をつけて本気になったんだ(笑)。これは売れるって(笑)。」
家内「ラベルの猫ちゃんは『ルナ』って名前だし、絶対に本気ですね(笑)。」
私「去年より厚みが出ているようですから、ガチですね(笑)。」
「ところで、このロゼはセニエで造っているんですか?色も濃いし。」
私「私も最初はセニエだと思ったんですが、実は直接圧搾法です。でも収穫して24時間は低温で保存してから圧搾するそうです。ここに工夫があります。」
「このフルーティーさは果皮由来ですよね?」
家内「そうです。普通はセニエ法を取るのがセオリーですが、そうじゃない。ピノ・ノワールに自信があるような気がします。」
「ここの家のピノ・ノワールを飲んでみたくなりますね(笑)。」
ピノ・ノワールではありませんが、ロシャレルの赤へと続きます。
●アマルテア・ティント2012年 ロシャレル スペイン ペネデスD.O. 赤 750ml 1604円税別
「自然な柔らかな味わいですね。ペネデスっぽい樽のニュアンスも少ない(笑)。」
「セバージュはなんですか?」
私「えーと。カベルネ・ソーヴィニヨン、テンプラリーニョ、メルロですか。あんまり何が入っているか解らない味わいですよね。ひたすら優しい。」
家内「でも、ロゼみたいなインパクトがない(笑)。逆にそれが良い(笑)。」
「ロゼと赤は繋がらないですよね(笑)。あんなにアロマチックなロゼと赤は別物ですよね。」
「同じ生産者が造ったとは思えないですよ(笑)。」
家内「スタイルは違いますよね。ただ、酸の有り様は共通してると思うんですよね。」
私「赤は基本的には樽香に頼らない果実味に腰を据えた味わいを模索したスタイルだと思うんです。ただし、フローラルなワインが出来る産地でない(笑)。ですから、翌日飲むと質の高さが伝わるかと。飲みやすいけれども良さがすぐに伝わらないのがもどかしいんですよね。」
「なるほど、ロゼが突出して目立ちますよね(笑)。」
家内「大日本ロゼ・ワイン普及協会会長として、ロシャレルのロゼを皆さんが認めて下さるのは冥利に尽きますが、赤が埋没するのは本意じゃないんですよね(笑)。」
私「会長の御意のまま(笑)!」
「山羊を畑に入れて余分な葉っぱを食べさせているのは伊達じゃない(笑)。」
「私が子供の頃、家に山羊がいましたが、奴等は手強い(笑)。隙を見せて後ろにいると、いきなり蹴ってくる(笑)。簡単に飼い慣らせない。そんな山羊を使うとは!ロシャレルさんは凄いですよ!」
うーん。
実体験に反論できません(笑)。
今回、土曜日の午後にはインポーターのアズマトレーディングの『エースえのやん』こと榎本さんが手伝いに来てくださいました(笑)。榎本さんの愛社精神とワイン・ラヴァーぶりに助けられました。
榎本さん、ありがとうございました!
まずは、暑い中わざわざ足を運んでいただいた方にウェルカム・ドリンクがわりです。
◯サンソ・ヴェルデホ・フリザンテ 2012年 ヴァル・サンソ スペイン 白 微発泡 カステーリャ・イ・レオン スクリューキャップ V.D.T.750ml 1190円税別
「おー!こりゃ良い(笑)。汗が引っ込むね(笑)。」
「ちょっと甘いけど、ちょうどイイね。」
「女子会に必須アイテムだね(笑)。」
「マスキューさん!これ去年の夏の試飲会で飲んだ(笑)。この時期の必殺技ですね(笑)。」
「これってどうやって造ってるんですか?」
榎本さん「いわゆるタンク内一次醗酵です。」
私「タンクの中で、甘さ加減とガスの塩梅が良いところを見計らって醗酵を止めて造ります(笑)。」
「それってどうやって止めるんですか?」
私「鋭い質問です(笑)。普通はSO2を入れて止める場合が多いのですが、ハビエルさんは恐らく温度を下げることで止めているようです。」
「なんで解るんですか?」
私「はい。このワイン香りの広がりが素晴らしいからです。あと余韻も長く綺麗だからです。」
「甘さもベタつかないのも、後から加えていないからですね?」
家内「この手のワインは量産されるパターンが多いので、量産品とこのワインを飲み比べると一目瞭然ですよ(笑)。」
「ヴェルデホらしいグレープフルーツのアロマがしっかりしているのはそのためですね。」
「でも、これ危険だなぁ(笑)。いくらでも飲めちゃうよ(笑)。」
私「グラスに氷を入れてジンを入れ、それにこのフリザンテを注ぐと抜群に旨いですよ(笑)。ジンとの相性がスゴく良いです。あと流行りのジャンクな飲み方なんですが、氷を入れてじゃぼじゃぼこのワインを入れてグビグビ飲むパターンもあります(笑)。」
「そんな亊出来ません(笑)!もったいない(笑)。」
「それは許せん(笑)!」
「でも、ジンとは相性良さそうですね(笑)。」
「欲を言えばガスがもっと強ければイイんだけど…。」
私「たしかにそうなんですが。後からガスを吹き込んでいないから、諦めてください(笑)。でも、何日か経っても美味しく飲めますから、この点は利点かと。」
さて、次はマスキューでは珍しいオーストラリアの赤です(笑)。
●ファンド・ストーン カベルネ・ソーヴィニヨン 2013年 バートン・ヴィンヤーズ オーストラリア 赤 サウス・イースタン・オーストラリアG.I.750ml 900円税別 スクリュー・キャップ
「マスキューさん、オーストラリアとは珍しいですね(笑)。」
私「はい(笑)。でも扱ってない訳じゃないんですよ(笑)。」
「どれどれ(笑)。あれっ?あんまりオーストラリアっぽくないな(笑)。」
「ほんとだ、ベリーの香り?あと甘くない(笑)。」
「よくスーパーなんかで売っているオーストラリアワインとは違うな(笑)。」
「植物の香りがしませんか?」
私「一説にはユーカリの香りとか…。」
家内「私もユーカリの香り知らないんですよ(笑)。」
「ユーカリってコアラの餌ですよね。するとコアラの香り(大爆笑)。」
「このワイン、スゴく良くできていますが、熟成するんですか?」
家内「熟成はしないと思いますが、昨日開けたワインがこの状態で飲めますから、造り自体は良いと思います。」
「あっ!これ『生姜』の香りじゃありませんか?!」
私「鋭いですね。言われて気がつきました(笑)。たしかに『生姜』っぽさありますね(笑)。」
「オーストラリアのワインってこんなにニュアンスに富んでいるんだ!」
私「ありがとうございます。この価格帯のワインだと濃いには濃いけれど果実味に欠けたり、明瞭さがなくて真っ黒になりがちです。とくにカベルネ・ソーヴィニヨンがその傾向が強いです。この点、このワインは斬新かと。」
「なるほどね。カベルネ・ソーヴィニヨンとは言い難いけれど(笑)、進化してますよね(笑)。」
「こうしてワインね世界もイノヴェーションするんですね。結局は個性しかないんですね。」
「あと、消費者は飽きる(笑)。そんな中で生き残るのが、本物なのかな?」
「世界市場を目指すのか、おらが村のワインとして生き残るのか?難しい選択なんだな。」
「でも、オーストラリアは大規模農業だから、世界市場を目指すんでしょうね。」
私「ワンパターンと言われがちなオーストラリアワインでも明日を目指した競争は激しいです。今、技術の進化は凄いですから、思わぬ産地でビックリするようなワインが何時現れても不思議じゃないように思います。ですから、目を離せません(笑)。」
家内「決めてかかると視野を狭くしちゃいます(笑)。」
さて、お次は大日本ロゼ・ワイン普及協会大推薦のロゼ・ワインです(笑)。
◯アマルテア・ロサード 2012年 ロシャレル スペイン ロゼ ペネデス D.O. 750ml 1604円税別
「あーっ!これ、すごー!」
「赤いベリーの香りが渦巻いてる(笑)。フレッシュだけど、とても複雑ですよね。」
「酸がスゴくしっかりしてる。フルーティだけど堅牢さがある。」
家内「一歩間違うとおもちゃっぽくなりますが(笑)、上手く折り合いがついています。」
「変に残糖分を残さないからイイんだろうな。」
私「メルロ60%、ピノ・ノワール40%と本来あり得ない組み合わせなんですが(笑)…。斬新の一言なんですよね(笑)。」
「ちゃんとしたワインになっているところが凄い。厚みがあるしね。」
私「昔、日本のワインで『リースリング・シャルドネ』なんていうまがい物がありましたが、これは本物(笑)。」
家内「メルロとピノ・ノワールの畑は標高が違うようです。ピノ・ノワールの方が標高が高いようです。この違いしか説明できません(笑)。」
「スペイン人は独創的ですね(笑)。ロゼワインって言うとワインの中心じゃないイメージがあったけど(笑)。これは完成度が高くてバカにできない(笑)。『さっ、さっ、上座へどうぞ!』みたいな感じ(笑)。」
「そうそう、大きさ スケール感があるんだよね。去年ラベルが間に合わなくて赤ワインのラベル貼ってきたけど(笑)。」
私「覚えていらっしゃいましたか(笑)?マジックで修正してたんですよね(笑)。」
「きっと、自信をつけて本気になったんだ(笑)。これは売れるって(笑)。」
家内「ラベルの猫ちゃんは『ルナ』って名前だし、絶対に本気ですね(笑)。」
私「去年より厚みが出ているようですから、ガチですね(笑)。」
「ところで、このロゼはセニエで造っているんですか?色も濃いし。」
私「私も最初はセニエだと思ったんですが、実は直接圧搾法です。でも収穫して24時間は低温で保存してから圧搾するそうです。ここに工夫があります。」
「このフルーティーさは果皮由来ですよね?」
家内「そうです。普通はセニエ法を取るのがセオリーですが、そうじゃない。ピノ・ノワールに自信があるような気がします。」
「ここの家のピノ・ノワールを飲んでみたくなりますね(笑)。」
ピノ・ノワールではありませんが、ロシャレルの赤へと続きます。
●アマルテア・ティント2012年 ロシャレル スペイン ペネデスD.O. 赤 750ml 1604円税別
「自然な柔らかな味わいですね。ペネデスっぽい樽のニュアンスも少ない(笑)。」
「セバージュはなんですか?」
私「えーと。カベルネ・ソーヴィニヨン、テンプラリーニョ、メルロですか。あんまり何が入っているか解らない味わいですよね。ひたすら優しい。」
家内「でも、ロゼみたいなインパクトがない(笑)。逆にそれが良い(笑)。」
「ロゼと赤は繋がらないですよね(笑)。あんなにアロマチックなロゼと赤は別物ですよね。」
「同じ生産者が造ったとは思えないですよ(笑)。」
家内「スタイルは違いますよね。ただ、酸の有り様は共通してると思うんですよね。」
私「赤は基本的には樽香に頼らない果実味に腰を据えた味わいを模索したスタイルだと思うんです。ただし、フローラルなワインが出来る産地でない(笑)。ですから、翌日飲むと質の高さが伝わるかと。飲みやすいけれども良さがすぐに伝わらないのがもどかしいんですよね。」
「なるほど、ロゼが突出して目立ちますよね(笑)。」
家内「大日本ロゼ・ワイン普及協会会長として、ロシャレルのロゼを皆さんが認めて下さるのは冥利に尽きますが、赤が埋没するのは本意じゃないんですよね(笑)。」
私「会長の御意のまま(笑)!」
「山羊を畑に入れて余分な葉っぱを食べさせているのは伊達じゃない(笑)。」
「私が子供の頃、家に山羊がいましたが、奴等は手強い(笑)。隙を見せて後ろにいると、いきなり蹴ってくる(笑)。簡単に飼い慣らせない。そんな山羊を使うとは!ロシャレルさんは凄いですよ!」
うーん。
実体験に反論できません(笑)。
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