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Written on 2015 03

桝久 試飲会リポート 201503

Mar 30, 2015 by weblogland |
昨日、一昨日とマスキュー店内試飲会にお越しいただきありがとうございました!
とくに土曜日の夕方にご来店が集中し、行き届かず申し訳ございませんでした。

まず、春を告げるような白ワインからです。
◯ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ 2013年 パーラ イタリア 白 サルデーニャ島 D.O.C.750ml 1759円税込
「ラベルも綺麗だけど、色も綺麗ですね(笑)。『私は良いワインです。』って言っているみたいですね(笑)。味わいもラベルみたいなフローラル(笑)。」
「マスキューさん、このワイン前から売ってますよね。紫色の花柄のラベルのワインもありましたよね?」
家内「はい。『ヌラグス』です。あれもサルデーニャ島のワインです。」
「このラベル特徴的ですよね。漫画のコラムで取り上げられてましたよ(笑)。見つけて、さすがマスキューって思いましたよ(笑)。」
私「ありがとうございます(笑)。パーラの白は良いですよね(笑)。特にこのヴェルメンティーノは随一かと。イタリア本島のヴェルメンティーノは今一つなんですよね。」
家内「このワインが一番ヴェルメンティーノとして好ましいと思います。」
「このワイン 膨らみもあるし華やかだし とても美味しいですが、何℃くらいで出すのが良いですか?もっと冷やしても良いのですか?」
私「今大体13℃くらいだと思います。他のワインより少し温度は下げて出しています。もっと冷やしすと膨らみより広がりのベクトルが増します。」
「冷してからゆっくり温度が上がるのを楽しむ。好みの温度帯を探すのも一興かな(笑)。」
私「レベルの高い飲み方ですね(笑)。」
「このワインはもともと粘りがありますよね?温度高くても低くても、この粘りが鍵かな?」
私「鋭い!ですからオリーブ・オイルやシェーブルチーズとは相性抜群です。」
「シェーブルって山羊のチーズですよね。サルデーニャ島には山羊がいるんですか?」
私「はい。人口より多いはず(笑)。」
家内「島は急峻で平野が少ないので崖を苦にしない山羊が放牧されています。」
「牛は崖を歩けないからだ(笑)。」
家内「あとこのワイン、塩辛さもありますから、魚介類とは相性良いですよ(笑)。また植物っぽさも強いですから、野菜をマリネにしたり、オリーブ・オイル・ベースのドレッシングなんか鉄板です(笑)。」
私「個人的には名物のカラスミのパスタがベストかと(笑)。」
「店長カラスミ好きだからなぁ(大爆笑)。」
私「手の内 読まれてますね(笑)。」

さて次はモンテプルチアーノ種を使って造られたロゼと赤。造り手も同じコッレ・フリージオです。
◯チェラスオーロ・ダブルッツォ 2013年 コッレフリージオ ロゼ イタリア アプルッツオ州 チェラスオーロ・ダブルッツォD.O.C.750ml 1481円税込
●モンテプルチアーノ・ダブルッツォ 2012年 コッレフリージオ 赤 イタリア アプルッツオ州 モンテプルチアーノ・ダブルッツォD.O.C.750ml 1481円税込
「マスキューさん!このロゼは花見用(笑)!」
「色も薄いピンク色 桜色(笑)。花見のためのワインだね(笑)。」
「ロゼって甘いだけじゃないんですね。ベリーかな?果物の感じが赤ワインっぽい(笑)。だけど渋味がないから飲みやすい。何も食べなくてもいける(笑)。」
「ちょっと塩辛いハムなんかつまみ食いしながら飲むとイイね(笑)。グビグヒ行けるな(笑)。」
「マスキューさん、このロゼ甘さもありますが、この甘さは糖分ですか?」
私「この口の中に膨らむような甘さはグリセリンです。アルコール醗酵の過程で出来ます。揮発性でもありますから、ベリーの香りと溶け合って、飲み込んだ後の長い余韻に通じます。」
「たしかに余韻が長くて心地良い(笑)。美しいね(笑)。」
「ロゼと赤を比べると不思議な気分です。同じ品種なんだろうけど別物(笑)。」
「用途の違いなんだろうけど、コンセプトの違いがここまで味の違いになっているのは面白いですよね。」
家内「この手のドライでフルーティーなロゼは地中海沿いのリゾート地ではビール替わりに飲まれているようです(笑)。」
「うーん。ビール替わりに昼間から飲んでみたいけど、酔いそうだな(笑)。」
「夜のディナー前に酔いつぶれるかも(大爆笑)。」
「モンテプルチアーノ種って高貴な品種じゃないけれど、ロゼだとかなりピュアで品が良いですね。可愛さがあるよね(笑)。」
「たしかマスキューさんの定番のチウ・チウもモンテプルチアーノ種を使ってますよね。でもチウ・チウのモンテプルチアーノ種とモンテプルチアーノ・ダブルッツオのモンテプルチアーノ種って違いますよね?」
私「何と鋭い!モンテプルチアーノ・ダブルッツオらしいアロマチックなスタイルがコッレ・フリージオのワインで、深みのあるモンテプルチアーノ種のスタイルがチウ・チウです。じつは、産地の違いが明瞭に感じるようなチョイスをしました。」
「なるほど!チウ・チウの『ゴティコ』を飲めば良く解るんだな(笑)。『バッカス』よりモンテプルチアーノ種ね比率が高いよね(笑)。」
「モンテプルチアーノ種好きの私にはたまらんね(笑)。」
「同じモンテプルチアーノ種でもそんなに違うんですか?」
家内「日本に大量に輸入されていますが、いわゆるモンテプルチアーノ・ダブルッツオは軽い早飲みのワインがほとんどです。このコッレ・フリージオのワインもフレッシュ&フルーティーなスタイルですが、標高の高い産地なのでかなりしっかりした方です。酸があります。」
私「モンテプルチアーノ種は濃く造ると果実味が黒くなる傾向があるようです。一部の最先端の生産者は赤いベリー系の香りがしっかりしながらも飲み応えのあるヘビーなワインを造ろうとしているようです。例えばガロフォリかな。」
「マスキューさん 最近試飲会で辛口のロゼを良く出しますが、ロゼって味わいのパターンがありますよね?」
私「さすが!お見通しですね(笑)。大まかにはストロベリー系とアセロラ系に別れそうですね。」
「モンテプルチアーノ種の赤ってラズベリーの香りがするから、ストロベリー系な訳ですね(笑)。」
「チウ・チウはカシスやマスキューさん曰く黒豆の香りですけど、ロゼを造ったらストロベリー系になるんですかね?」
私「高度な質問ですね(笑)。恐らくそうなるかと。あったら飲んでみたいですね(笑)。」

やはり親しみのあるモンテプルチアーノ種。興味は尽きませんでした(笑)。

さて、後半戦のポルトガルです。
●『アトランティコ』2012年 赤 ポルトガル アレンテジャーノ 750ml 972円税込
「おっ!『アトランティコ』ですね。随分沢山このワイン飲んだなぁ(笑)。重宝してます(笑)。」
「このワインを友達に飲ませて『高いワインだな。』って随分騙したな(笑)。」
私「お世話になっております(笑)。今ではマスキュー不動の定番です(笑)。」
家内「でも、モンテプルチアーノ・ダブルッツオと比べると明らかに酸がない。」
「たしかに酸は無い(笑)。でも滑らかさとコクで美味しく飲めちゃいますよね(笑)。」
「樽のニュアンスもあるから旨く感じるんだよね。」
「モンテプルチアーノ・ダブルッツオみたいにはっきりしていないけど、果実味はちゃんと感じるよね。」
私「飲みやすい今風ではありますが、実に上手に出来ています。」
「そうそう。今風も悪くないよね(笑)。なんたって1000円しないんだからね!」
「飲みやすくてイイ!」

さて、続いてマスキューの隠れ定番(笑)。ジンブロです!
●ジンブロ 2008年 キンタ・ド・ジンブロ ポルトガル ドゥロD.O.C. 赤 750ml 1712円税込
家内「このワインはいわゆるポート・ワインの単一畑で造られたドライ・スタイルのワインです。」
「へぇー、ポートって甘いデザート・ワインですよね?」
私「はい。糖分が残った半醗酵状態にアルコール添加して造るいわゆる酒精強化ワインです。非常に長命で、保存性に優れています。」
「戦国時代に信長が飲んだワインですね(笑)。」
「普通の辛口赤ワインも出来るんだ?」
「辛口でも香りはポートみたいに甘くて重い(笑)。みっちりしてる。」
「タンニンの量が凄い。でも渋すぎない。この落ち着きは熟成したからですか?」
私「はい。ようやく本来楽しめる姿になったかと。今風ではありますが、飲み頃になるまで7年は要するワインでした。ジンブロはずっと扱ってきましたが、ようやく解りました(笑)。」
家内「高密度のタンニンが整った姿になった今がピークのようです(笑)。」
「今風と言っても時間のスパンは長いのですね(笑)。スゴく質感がありますよね。」
私「じつは、この後に入荷するジンブロは2011年なので、2008年があるうちに皆さんに味わっていただきたく、今回試飲会に出しました(笑)。いかがでしょう?」
「マスキューさん、それって2011年はスタイルが変わると言うことですか?」
私「これまた鋭い(笑)!でも、飲んでみないと解りませんが、可能性は高いかも(笑)。」
「アトランティコとジンブロを実際比べると価格の差を感じるよね(笑)。」
「でも、どちらもコスト・パフォーマンスの高さは驚きだし、目を開かせるワインだよね(笑)。」
「明らかにポルトガルの個性を感じる。ユニークだよね。シンプルだし、好きだな(笑)。」
「瓶に澱がベットリついてますね(笑)。でも、これが普通なんでしょうね(笑)。今時こんなに澱があるワインは珍しい(笑)。」
私「今風と言ってもプリミィティブなんですよね(笑)。」
「マスキューさん、ジンブロは全房醗酵してるのですか?」
私「除梗してるかと。全房醗酵していたら後10年以上経たないと飲みやすくならないかも?」
家内「それにしてもタンニンの量は凄い(笑)。個性なんでしょうね(笑)。」

さらにタンニン量はエスカレートします(笑)。
●モンテフィーノ・レゼルヴァ 2005年 モンテ・ダ・ペーニャ ポルトガル 赤 ヴィーニョ・レジョナル・アレンテジャーノ 750ml 2098円税込
「これは完全にバッチリ熟成してるね(笑)。ブルネロっぽいかな?」
「説得力あるね(笑)。」
「マスキューさん、このワインはあとどのくらい持ちますか?」
私「今がピークであるのは間違いないですね。ジンブロより熟成は進んでいます。このあとは古酒になっていくかと。」
「深みがあるよね。あと広がりかな。大きさがある。」
「こうなるのに10年かかることは、長いのか短いのか(笑)?」
私「少なくとも、いわゆる今風の飲みやすく造られたワインはこうはなりません。」
「クラシックな今風(笑)。でも、クラシックだよね(笑)。」
「ジンブロと比べるとさらに価格差を感じる(笑)。ある意味真っ当かな(笑)。」
私「ポルトガルのワインは基本的にアロマチックではありませんが、質感があって納得のいけるワインかと。」
「みんなこんな感じですか?」
私「いえいえ。先日ポルトガル大使館主催の試飲会に行った印象では、もっと今風で(笑)、これも今風のスペイン・ワインに近いものばかりでした。マスキュー試飲会の方がクラシックかな(笑)。」
「あと、品種の特性があまり感じられませんが…?」
私「それが特性かも…。どれも複数品種のセパージュですが、あくまで作柄のリスク回避と混醸による深みのためであり、香りの複雑化ではないような気がします。少なくとも、何を何パーセント何を何パーセントにする、ような設計図がないようなワイン造りだと思います。」
家内「このモンテフィーノはアレンテジャーノの奥地 スペイン国境付近。酷暑と乾燥の苛酷な環境のようです。草も生えないようなところのようです(笑)。フィロキセラも侵入しなかったし、葡萄樹も根付かせることが困難なほどのようです。」
唯一試飲会のお客様でポルトガルに行かれたプロの旅行者Tご夫妻「アレンテジャーノは内陸に行けば行くほど何もない(笑)。あるのはコルク樫とオリーブの樹とワインくらいかな。スペインに近づくにつれさらに何もなく、荒野(笑)。」
家内「ポルトガルはコルク栓の世界シェアが60%でした!」
Tご夫妻「コルクの服も売ってましたよ(笑)。」
私「可愛そうなコルク樫は10年に一度皮を剥がれるんですよ(笑)。」

どうもありがとうございました。
桝久商店 岡本利秋・昭子

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桝久 試飲会リポート 201502

Mar 02, 2015 by weblogland |
昨日、一昨日とご来店ありがとうございました!

今回は6本すべて南フランスのワインでした。

まずは白の新旧対決(笑)。ラファージュさんとコンダミン・ベルトランの白ワインを比べていただきます!
◯ノヴェラム シャルドネ 2013年 ドメーヌ・ラファージュ販売価格(税込): 1,527 円
◯バロン・デュ・モンテガード 白 2013年 シャトー・コンダミン・ベルトラン フランス I.G.P.ドック 750ml 販売価格1018円税込み

「マスキューさん!愛するラファージュのワインですね(笑)。」
「コンダミン・ベルトランも昔扱ってましたよね?」
私「前は『タンデム』ラベルでした。よく覚えてられますね(笑)。さすが!」
「うーん。ノヴェラム旨いですね。」
「たしかに、欠点ありませんよね。飲み易す過ぎて危険だなぁ(笑)。」
家内「前のノヴェラムはもう少し樽のニュアンスが強くてシャルドネらしい出来でした。今回はシャルドネらしさより、ひたすらバランスの良さが目立ちます(笑)。」
私「香りを嗅ぐとシャルドネらしくないのですが(笑)、味わうとシャルドネ(笑)。スタイルが変化してます。バランスが凄く良いですよね。」
「グレープフルーツの香りが強いですよね。ピールっぽさも後味に出てきてる」
「パーカー・ポイント92点は伊達じゃない(笑)。綺麗だよね。」
「余韻も綺麗だよね(笑)。」
私「アメリカ人の好むスタイルなんですが、樽に頼らないのがなかなか宜しいかと。」
さて、コンダミン・ベルトランの白は?
「これ、旨い!トロミがある!しかも安いですよね。」
「あんまりはっきりした香りじゃないけれど、香りが重い(笑)?」
「柑橘類のニュアンスはあるんだけどはっきり解らない。でもミッチリしてる(笑)。」
私「密度感ありますよね(笑)。」
「ノヴェラムと比べるとスタイルはまるっきり違いますよね?」
「ノヴェラムは都会的でモンテガードは田舎的(笑)?」
「モンテガードの田舎臭さは好きだな(笑)。」
「私は都会派だからノヴェラムかな(笑)。」
「同じ南フランスでもこんなに味わいのスタイルが違うんですね?」
私「モンテガードはソーヴィニヨン・ブランとルーサンヌを混醸しています。」
「別けて造らないんだ!」
「へぇー、だから飲んだときセパージュが解らないんだ(笑)!あと深みがありますよね?」
私「さすが!そのとうりです!」
「マスキューさん!ソーヴィニヨンブランとルーサンヌって収穫期が同じなんですか?」
私「基本的には違います。ただコンダミン・ベルトランの畑ではそれぞれの植わっている環境(恐らく標高)が違うために収穫期が重なるようです。ですからコンダミン・ベルトラン独特の特徴かと。長い歴史と経験の積み重ねを感じます。」
家内「それと比べるとラファージュさんはシステマティックにワインを造ります。葡萄園は120ヘクタールありますから、幾つかの区画のシャルドネを上手くブレンドすることによって解決します。あとヴィオニエの澱を入れたりして独自のスタイルを造ります。」
私「ラファージュさんのワインはちゃんと設計図があり、意図を上手く実現化していますね(笑)。コンダミン・ベルトランの方は『家ではこんなワインが出来る』みたいな(笑)、プリミィティブですね。」
「コンダミン・ベルトランは歴史あるんですね。」
家内「200年以上続く地元の名家のようです。ラファージュさんもたしか5代目ですから古いには古い。」
私「ラファージュさんは葡萄栽培農家から世界に羽ばたいています。アルゼンチンでもワイン造りに携わっています。自分のドメーヌの収穫期にはアルゼンチンから収穫人を連れてくるようです(笑)。」
「えっ!南半球だからかぁ。季節は逆だからですね(笑)。」
「グローバルなんですね。」
私「マスキューにも来てくださいました(笑)。」
「日本の農家じゃ考えられない!マーケティングやセールスまでやるんだ。凄いね。」
「マスキューさん!ラファージュってニコラス・ケイジに似てますよね(笑)。」
「あと、歳の割りに老けている(大爆笑)。」
「マスキューさん!ところでワインの値段はどうやって決まるんですか?物凄く高いワインはプレミアムがつくからある意味解るんですが。」
私「鋭い質問ですね(笑)。基本的にはその村のワインの相場に沿うものです。あと、例えば家族何人を養うために総額幾ら必要かによって、生産本数が逆算されます。食べていくために最低ワインで幾ら稼げるかが重要なポイントになります。」
「なるほどね。そうするとある程度の生産量は必要ですね。日本みたいに狭い畑でワインを造るのは不利な訳だね。」
私「1000本しか出来ないけれども、1本1万円で売れれば成り立つとは思いますが…。」
「畑は急に広げられないからそれを目指すしかないんだね。もちろん品質ありきだろうけれど、それだけじゃない部分があるんですね。」
私「こんな事を言うのも何ですが、逆にビックビジネスになる可能性もあります。」

続いてコンダミン・ベルトランの赤。予想を越えるトップ・セラーとなりました!
●バロン・デュ・モンテガード 赤 2013年 シャトー・コンダミン・ベルトラン フランス I.G.P.ドック 750ml 販売価格(税込)1018円
「これ、旨い!」
「スッゴく飲みやすい!」「旨味が優しくて良いね。」
私「アルコール分は12.5%と南フランスにしては低めですが、ワインを調整していません。ですから無理がなく飲みやすいかと。」
「香りはメルロみたいですが、味はメルロっぽくない(笑)。」
家内「シラーとメルロが半々です。もう少し寝かせるともっと溶け込みは良くなるはずです。」
「なるほど味わいはシラー(笑)。」
「シラーとメルロなんてミス・マッチなんだけど…。このワインは塩梅がイイ(笑)。実に自然。」
私「あまり特徴的なワインじゃないんですが、飲み出すといつの間にか1本飲んでしまう良さがあります。味わいやワインのディテイルを語ることに意味がないようなワインなんです(笑)。」
「コスト・パフォーマンスの高さは驚きだよね。ケースで買っても良いですか?」
私「今日はご勘弁を!月曜日にはインポーターさんに追加発注いたしますので…。多分インポーターさんもまだ在庫はあるかと。」
こんなまとめ買いを希望される方が数名。もちろん試飲会のトップ・セラーとなり、途中で完売いたしました。こんな訳で2月の試飲会セットも販売中止となりました。
私、内心モンテガードは赤より白が売れると思っておりました。ですから試飲会中は赤を持ち上げませんでした(笑)。皆さんのワイン選びの確かさを侮っておりました。
お許しください。
休み明けには再販売に漕ぎ着けたい!

さて、メインの前はロゼ
◯シャトー・クープ・ローズ フレミヤン ロゼ 2013年販売価格(税込): 1,782 円
「おっ、懐かしい(笑)。これもマスキューさんの定番でしたよね?」
家内「値段が上がったので扱いを控えていましたが、今回特別にインポーターさんがご配慮してくれました(笑)。」
「おー、アセロラ・ジュース(笑)。でも辛口でしっかりしてる。」
「香りの広がりが素晴らしいよね。別世界にいるような気分になるね(笑)。」
「ロゼって軟弱で甘いイメージがあったけど、これは全く違うよね(笑)。」
「それ、ロゼ・ダンジュだぁ(笑)。飲みやすいけど飽きるんだよねアレ。」
「私、料理の試験でロゼワインの作り方が出て『赤と白を混ぜる』って答えて×貰いました(笑)。このワインはどう造ったんですか?」
私「赤と白を混ぜて造ることはありますから×ではないですよね(笑)。このワインの場合 赤ワインを造る過程で果汁に色が付いたのを見計らって果皮と分離します。プレスせずにロゼ色の果汁のみ抜き取ります。いわゆるセニエ法です。」
「マスキューさん、それって直接圧搾法とは違うんですか?」
家内「はい。直接圧搾法はプレスしますから得られる葡萄果汁の量が多いですが、セニエは自然に抜き取るだけですからいわゆるフリーランのみ。貴重です。」
「一番搾りだけなんですね(笑)。」
「だから雑味がないんだ。」
私「強さはありますが、重くないですよね。」
「シャンパンのロゼが高いのもこの性なんですね。」
私「さすが!よくご存知で!でも、最近はセニエ法でなくてもシャンパンはロゼが造れるように法改正しました。儲けの種を増やしたようです(笑)。」
「このロゼって食べ物に合わしたいですよね。何が良いかな?」
私「赤身の牛肉(笑)!黒胡椒と塩で焼くローストビーフなんか良いですよね。」
家内「一般に魚介類 とくに甲殻類は鉄板ですが、このワインは肉も連想させます。ハム系やチーズもOK。産地のミネルヴァはロック・フォールチーズの原産地でもありますからそれもOK(笑)。」
「お花見行ってサンドイッチ食べながら飲んだら素敵だな(笑)。」
「ハムも生ハムやらパストラミなんか合うでしょうね(笑)。」
家内「このワインは香辛料やハーブのニュアンスがあるからそれを利用すると合わせる料理の幅が広がりますね(笑)。」


さて、これより本日のメインの赤。南フランスのいわゆるビオ・ワインの登場です!
●『カリス』2012年 ドメーヌ・パディエ 南フランス V.D.フランス 750ml 販売価格(税込):2500円
●『プティ・トーロー』2011年 ドメーヌ・パディエ 南フランス 赤 コート・デュ・ルーションA.C. 750ml 販売価格(税込):3610円
「マスキューさんがビオ扱うの珍しいですよね?」
私「はい(笑)。ビオ・ワインって美味しいものはありますが、欠陥の多いワインも多い(笑)。あと馬鹿に高かったり(笑)。なかなか扱えるワインが少ないのです。」
家内「実際完全なビオ・ワインは存在しませんから、ややこしい(笑)。ビオにこだわった訳でなく美味しくてユニークなワインと言うことでチョイスしました。」
「『カリス』うっまーい!果実味も凄いけど、液体自体が美味しい!」
「軽くて飲みやすいけど、凄く強い。飲み込んだ後の余韻が素晴らしい。」
「マスキューさんが良く言う『明瞭で複雑』なワインですね(笑)。それにしても鮮烈。プラムの香りなんだけど色んなプラムが入っている。梅もかな(笑)。」
私「スモモのニュアンスがアクセントになってますよね。あのカリニャンがこんなにアロマティックになるとは!初めて知りました。」
「前に飲んだビオのカリニャンもこんな感じでしたよ(笑)。」
私「おー、良く飲んでますね(笑)!ルーションのあの界隈はゴ-ビーを軸に、ワイン造りのニューウェイブが起きているみたいですね。」
「『カリス』も『プチ・トーロー』もマスキューさんの暮れの試飲会で飲んだカミュのシャルム・シャンベルタンと共通したところありますよね(笑)。」
私「さすが!どちらもフリーランでワインを造ってます。旨味がありますよね(笑)。」
「さっきの『一番搾り』ですか?」
家内「はい。『カリス』も『プチ・トーロー』も醗酵槽に房のまま投入して自然に醪になったものからプレスせずに液体だけ抜き取ります。そしてほぼそれだけでワインを造ります。」
私「余分な抽出はしませんから、雑味がなくクリーン。旨味だけ抽出したようなものです。」
「コストかかっているんですね。」
家内「私逹が習ったワイン造りの鉄則に『良いワインはフリーランだけで造られる。』を地で行ってます(笑)。」
「だから南フランスっぽくないんですね(笑)。黒くない(笑)。」
家内「『カリス』は抜栓して丸1日経って全開ですが、『プチ・トーロー』はまだ開いてない(笑)。でも渋くて飲めないようなスタイルではありません。基本的にどちらも飲みやすいのです。この辺は今風で良いかと。」
「私もビオ・ワイン好きなのでよく飲みますが、バディエのワインは乳酸の香りがしませんよね?」
私「タンクで熟成中に炭酸ガスを注入して劣化を防ぎますから、瓶詰め後にガス臭さが残ったり泡立ったりすることがビオ・ワインにはよくあります。」
家内「実は、このワインも日本に入荷直後は泡立っていました(笑)。半年ほど倉庫で寝かしてようやく炭酸ガスが抜けてから販売となりました。扱いが難しいワインです。」
私「この手のワインは夏場常温では持ちません。28℃を越えたらまずダメですね。『プチ・トーロー』などはセラーで長く熟成させて行く末を見たいワインです。」
「ところでマスキューさん!フリーラン以外のプレスワインはどうするのですか?」
私「ワインに重さを出すために10~20%くらいフリーランに加えることはありますが、昔はプレスワインの大半をネゴシアンに売却していました。あと自家消費用のフィーヌにしたり。」
「今もそうですか?」
私「D.R.C.なんか変わりませんね(笑)。ただ大半の生産者や特にニューワールドの生産者はフリーランとプレスワインを区別なくワインに利用します。特に若い生産者にプレスとフリーランの区別がない人は増えました(笑)。除梗とミクロ・オキシダシオンの普及によりプレス果実を含めてそこそこのワインが出来るようになったからです。でも、致命的に酸がありませんから良いワインとは言えません。」
「たしかにプレス果実も含めてワインが出来れば効率は良いですよね。歩留まりが良くなる。でも、それって品質の向上に繋がらない?」
私「70年代後半のエミール・ペイノーの活躍は除梗することにより、酸が少なく、甘さがあり、すぐに飲めるワインを造り出しましたが、その裏にはプレス果汁を有効利用する効率の良さがありました。もちろん流行に左右されずにクラシックなスタイルを貫いた生産者もいますが。近年はアンチテーゼとしてビオを唄うスタイルも注目されてます。まあ、品質が良ければどうでも良いのですが(笑)。」


ご来店ありがとうございました。
桝久商店 岡本利秋・昭子

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