さて、本日の隠し玉の登場です(笑)!
●ヴァルボリチェッラ・クラッシコ・スーペリオーレ リパッソ 2013年 モンテ・デル・フラ イタリア ヴェネト 赤 750ml 2121円税込み
2013年 モンテ・デル・フラ イタリア ヴェネト 赤 750ml 2121円税込み
「あー❗これ凄く美味しい!高級品だ(笑)。」
「たしかにちょっと変わっている。でも素晴らしい!」
「綺麗!凄く複雑、力もある。でも乱暴
じゃなくてエレガント。」
「うんうん。このしっとり感はイイなぁ(笑)。ブルゴーニュっぽい滑らかさもグーだね(笑)」
「想像してた味と全然違う(笑)。もっとドロドロしてると思ってましたよ(笑)。」
私「はい!この点斬新かと(笑)。」
「ベリーやチェリーの赤い果実味が素晴らしい。」
「店長!ヌラーゲ・クラビリオーニのカンノナウに似てますよ!リキュールっぽさや舌触りは、まさにそっくり(笑)。」
「私はこの深みが好きだな(笑)。リキュールみたいに凝縮した感じはグレートだね(笑)。」
皆さん破顔の味わいです(笑)。
やったぁ!
「リパッソって初めて飲んだんですが、作り物っぽくないですよね。」
家内「このリパッソはかなり出来が良いかと。乱暴なものが多いんですよね。」
「木樽熟成が上手ですよね。なんたるか解ってるよね。ワイン自体がしっかりしている証拠かな(笑)。」
「マスキュウさんは変なワインを見つけるの得意だよね(笑)。リパッソと言うとアマローネの搾りカスを入れたチープなイメージがあったけど、これは違うね(笑)。高級品の味(笑)。」
家内「これは、先月の試飲会で取り上げたバルドリーノと同じ生産者フラのワインです。新たにヴァルボリチェッラの生産を始めたようです。」
私「アマローネ→リパッソ→ヴァルポリチェッラの生産ヒエラルキーを効率的かつ個性的に作る意図を感じます(笑)。ですからアマローネも割りとお安い(笑)。」
「そうだよね。アマローネって何万円もするし、しかも10年は待たなくては飲めない悩ましいワインだよね(笑)。」
「イタリアだとアマローネのカスを食材として売ってますよ。冷凍にして売られてますが、とても高価。ソーセージに入れると旨みが増します。裏技ですけどね(笑)。」
私「知りませんでした!さすがプロ。」
今年のマスキユー試飲会、トリは意表をついてヴィンサントです(笑)。
○『カステッロ・ディ・ブローリオ』ヴィンサント・デル・キャンティ・クラッシコ 2006年 バローネ・リカーゾリ イタリア トスカーナ 極甘口 白 500ml 4906円税込み
私「このワインは強烈ですからお手元のワインを飲み干してからお試しください。後戻り出来ませんから(笑)。」
「これって香りが物凄い!でもワインなの香りというより、ブランデーやウイスキーみたいだ!」
「スッゴい力(笑)。圧倒的。」
私「開けたては果実味が香りにのってきませんが、時間が経ってくるとどんどん香りが出てきます(笑)。」
「香りの分量が物凄い!リキュールみたい。」
家内「ちなみにアルコール分は17%あります。リキュール並です(笑)。」
「白ワインだけどサンジョヴェーゼが入っているんだ?」
私「はい。でもまだサンジョヴェーゼらしい香りは出てませんね。2006年ヴィンテージですが、ようやく飲み頃に入りかかったところかな?」
家内「貴腐ワインと比べると複雑さに欠けますが、非常に直接的で明るさがあります。」
「これってデザートとして飲むしかないかな?」
「いやいや、フォアグラに蜂蜜かけたら最高!」
私「それ鉄板(笑)!」
「今、生のフォアグラが輸入禁止になってるから、缶詰めのフォアグラになっちゃうかな(笑)?」
家内「あと鉄板はゴルゴンゾーラ。ロックフォールではありません(笑)。」
これより番外編です(笑)。
ヴィンサントを飲んで後戻り出来なくなった舌に美味しく感じるのがこれ!
ジュ・ド・レザン2015年
いかがですか?
「おっいしぃ~!」
「覚醒するね(笑)。アルコールは?」
私「ジュースなのでアルコール分はありません。」
「微発泡してるから多少入っているんじゃないの?」
私「この微発泡は後から炭酸ガスを入れたものです。炭酸ガスを加えることでSO2を入れなくてすみます。」
「まるっきり葡萄の香りですな。ワインと変わらない味わい。ワインと言われたらワインと思うね(笑)。」
「ワインと区別が出来ない(笑)。」
家内「それってきっと本来的な感覚だと思います。」
「店長!紅茶の香りって熟成から出るって言われますけど、違う場合もあるんね。毎年これ飲むと思いますよ(笑)。」
「今年のはワインっぽさをより感じますよね。」
家内「去年の方がジュースっぽかったですね。今年の方が酸は強いですね。」
私「おそらく去年より今年の方が糖度は高いはずなのですが、甘く感じません。酸が甘さをマスキングしています。」
「ワインと同じだ(笑)。」
「毎年違うんですね。」
私「はい!これが楽しみです(笑)。ワインの作柄も想像つきます(笑)。」
さてさて最後のおまけの番外編はドンナルーチェ2014年です。
えーと。抜栓したのが11月6日。先月の試飲会で皆さんを驚かせた残り物です(笑)。
「えー、先月の試飲会の残りなんかまだ飲めるんですか?」
私「正確に言うと抜栓は試飲会の前ですから1ヶ月半くらい前です(笑)。もうほとんど残ってないのでちょびっとだけです(笑)。」
「あっ!まだ飲めるどころか美味しい!」
「ワインの液体は細くなった感じだけど、香りは逆に純化されてる。こんな馬鹿な?」
「全体が丸い。美味しい。香水みたい。しかも酸化したニュアンスが全然ない!」
「この期に及んでまだ飲めること自体が不思議なのに、香りがこんなにあるなんて。絶句しますね。」
「こんなワインあるんですね?」
私「あるようです。私も良く解りません(笑)。規格外であるのは確か(笑)。」
「なんでこんなに生命力があるんだろう?酒精強化ワインでもないのに(笑)。」
私「ドンナルーチェは残糖分もないドライな白ワインです。」
我々を含め飲んだ方を絶句させてくれたドンナルーチェ。ワインには人智を越えたようなことがまだあることを教えてくれました。まだまだ精進が足りませんね(笑)。それと同時に『何故だろう?』の好奇心が掻き立てられました。
こうじゃなきゃ面白くない(笑)!
本年最後の試飲会いかがでしたか?
ありがとうございました!
桝久商店 岡本利秋・昭子
Written on 2015 12 25
マスキユー 試飲会リポート 後半+番外編 201512
Dec 25, 2015 by weblogland |ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。
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桝久 試飲会リポート 前半 201512
Dec 25, 2015 by weblogland |昨日、一昨日とご来店ありがとうございました!
ワインもギリギリ。まんべんなくお買い上げくださったので、かろうじてセーフかな(笑)。もちろん追加発注していますからリピート可でございます。
○ヴェルデーカ 2014年 カンティーネ・メンヒル イタリア プーリア 白I. G.P. 750ml 1944円税込み
「マスキユーさん、また変なワイン見つけてきましたね(笑)。」
「ヴェルデーガなんて聞いたことないですよ(笑)。」
私「私も初めて飲みました(笑)。」
家内「すぐに全開の解りやすいワインじゃないんですよ(笑)」
「マスキュウさん。開けたてはなんと言うことはありませんなぁ。」
「プーリアの白ワインって、もっと甘くてパーンとした感じですよね(笑)?たまには飲みたい時があるけど飽きる(笑)。」
「夏場限定(笑)。でもこれは全然違う。プーリアらしくない(笑)。」
私「そーなんです(笑)。なん百本もでる試飲会だと絶対に通り過ぎます(笑)。有償サンプルで取り寄せたのでじっくり飲みましたから良さが解りました(笑)。」
家内「ワインの温度を上げて時間が経ってくると隠れた味わいが出てきます(笑)。」
私「ちょっと乱暴ですが、抜栓前にストーブで温度を上げてありますから柔らかさの中に何かがあるのが解るかと。」
「ふっくらしてますよね。柔らかさでクリーン。なんだろうこの香り?」
「柑橘類、酸っぱくない果物?」
「桃?」
「そうそう桃!旨みをとても感じますよね(笑)。」
「品が良いですね(笑)。魚介類に合うね、きっと。」
私「どんどん旨みと桃のような果実味が増しますよ(笑)。」
「しっとりとしていて良いですね。日本人向きかな(笑)?」
私「ありがとうございます!実は私このワインこそ、昆布と鰹節のだし汁に合わせるのがベストかと(笑)。思っております(笑)。味噌ではなく、だし汁の鍋に合わせたく存じます(笑)。」
家内「鶏肉使った鍋に合わせたいな(笑)。」
「植物っぽさもあるから野菜にも合いますね(笑)!」
「具は上等な魚介類ですな(笑)。伊勢海老なんか良さそう。」
私「い、い、伊勢海老ですか?旨くて失神するかも(大爆笑)。」
「伊勢海老は無理でも蟹鍋に合わせたいな(笑)。」
「それいただきます(笑)!」
「マスキユーさん。このワインって酸があるけれど、隠れていると言うことですよね。最初の印象だと酸がない(笑)。マロラクティック発酵はしているのですか?」
私「実は私も最初はマロラクティック発酵しているかと思ったのですが、後から酸をしっかり感じるので疑問でした。インポーターさんに確認したところマロラクティック発酵はしてないようでした。」
家内「しっかり温度管理してコントロールするようです。一昔前のプーリアでは考えられない白ワインです。」
「ところでラベル・デザインカッコいいですよね。縦じまのキャップ・シールは帽子みたいで、細長いラベルはネクタイ(笑)。粋だよね(笑)。」
「いかにもラテンの伊達男(笑)。」
家内「インポーターさんの親会社はイタリアから生地を輸入してるようですよ(笑)。」
私「キャップ・シールはアルマーニかなんかのスーツの生地にありそう(笑)。」
●レアル・コンバニーア・デ・ヴィノス テンプラニーリョ 2009年 ベンディミア・セレクショナダ スペイン 赤 V.D.T.カスティーリャ 750ml 1130円税込み
「店長!熟成したテンプラリーニョはイイ!大好物(笑)!」
「フル・ボデイーのがっつりしたワインじゃないけど、程よくしっかりしててイイなぁ(笑)。すごく良く出来てるよね。」
「スペインの熟成したワインって樽香が強くって嫌味になったりするんだけど、それがない。」
「そうそう、あれがない(笑)。新樽っぽさがないのがイイね(笑)。」
「ホッと安心出来ますな(笑)。」
私「ありがとうございます‼マスキユーの
定番レアル・コンパニーア・デ・ヴィノスの赤の熟成版です(笑)。」
「マスキユーさん!でも値段は50円しか違わないじゃありませんか?」
「ヨーロッパもゼロ金利だからかな(笑)?」
家内「良心的ですよね(笑)。ワイナリー自体は大きいのですが、そんなにマネー・ライクじゃないですよね(笑)。」
「うんうん。確かに!コスト・パフォーマンス高いよね(笑)。」
私「こういうワインを飲んじゃうとオールド・ワールドの凄さを感じます。」
「安いワインをいかに効率的に造ることに長けているニュー・ワールドとは意識が違うんだろうな。」
私「ニュー・ワールドの方が人件費は安いでしょうけれど、もともとワインが生えない所で造っていますから無理はあります。」
「それってどういうことですか?」
私「たとえば春と秋が無かったり、水が無かったり。膨大な資金で灌漑したりします。」
「そもそもオールド・ワールドはワイン生産に向いているもんな。規模や栽培法でイノヴェーション出来れば、ニュー・ワールドを凌ぐのは当たり前か?」
私「仰る通りかと。」
「店長!日本でもようやく原産地を守るG.I.ができますよね。ちょっと弛いですが(笑)。」
私「弛いですよね(笑)。自浄作用が働くことを祈ります。」
「結局、お上頼りじゃダメなんだよね。」
「良い国産ワインもちらほら出来てるみたいだし良い流れになればイイんだけどね(笑)。」
皆さんとても関心と意識が高いのです。マスキユーの誇りです!置いていかれないようにしなくては(笑)!
●アリアニコ・デル・ヴルトゥレ 2013年カンティーナ・ディオメーデ イタリア バジリカータ 赤 D.O.C. 750ml 1388円税込み
「僕アリアニコ好きなんですよ(笑)。」
「アリアニコっていうとタウラジが有名ですよね?たしかカンパーニャかな。バジリカータでもあるんですね?」
家内「はい。バジリカータでも内陸の標高の高い所で造られます。美味しいアリアニコを造るには寒暖差が必要なようです。」
「う~ん。これってアリアニコだけど、今までに飲んだアリアニコとは違うかな?酸があってフレッシュ。」
「私はアリアニコ知らないけど(笑)、これ美味しいですよ(笑)。」
「コストパフォーマンスは高いし、美味しい!でもアリアニコらしくない(笑)。アリアニコってもっと重さで勝負するみたいなところがあると思うんだけど…。」
私「このアリアニコは早飲みのスタイルです。クラシックなアリアニコだと5年、10年熟成しないとダメです。ただ、早飲みのアリアニコな中では一番成功していると思います。薄くて軽いアリアニコを使って早飲みに仕上げたものはダメみたいです(笑)。」
家内「アリアニコ自体はごまかしの効かない気難しい品種だと思います。」
「マスキユーさん!前にディオメーデのアリアニコ売ってましよね。たしか古いヴィンテージでしたよね。美味しくて、あれでアリアニコなはまったんですが(笑)。あの時の味わいとこれは違いますよね?」
私「はい!仰る通り!でも原料葡萄の品質は変わらないと思います。」
「じゃあ何故ですか?」
私「鋭いですね(笑)。さすが!熟成をステンレスタンクと木樽に別けています。たぶんステンレスタンクの方はマロラクティックコントロールしていると思います。ワインの味わいにリンゴ酸を感じます。もちろんミクロ・オキシダシオンもしているはず。ただし、ワインに作為を感じないところが斬新かと。この点ニュー・ワールドとは違います。技術を錬金術的な使い方にしていません。」
「マスキユーさんがよく言うトップランナーですね(笑)。」
私「また、読まれちゃいました(笑)。」
家内「このワインはアリアニコのニュアンスがしっかりあるのが良いところだと思います。粉っぽさ、チョコレート、煙草、薔薇、チェリーなどアリアニコのニュアンス。でも、こんなに早く飲めるアリアニコは初めてです(笑)。フレッシュなアリアニコって不思議な存在かも(笑)。」
●プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア 『ファロ』 2013年 サン・マルツァーノ イタリア プーリア 赤 D.O.P. 750ml 1852円税込み
「これ美味しい!スケール大きい(笑)。すごく飲みやすいし(笑)。」
「旨いね(笑)。濃さもあるけど苦にならない(笑)。」
私「ちなみに前のアリアニコと同じ2013年ヴィンテージです。アルコール分はアリアニコより1%高い14%です。」
「へぇー。そんなに高く感じませんね?」
「マスキユーさん!定番のポッジョ・レ・ヴォルビのプリミティーボとの違いは何ですか?値段は違いますが(笑)。」
「またまた答難い質問です(笑)。ポッジョ・レ・ヴォルビの方がより都会的かな(笑)。ファロの方が土着的といえるかも。土の香りがしますよね。両者共に早飲みではありますが。」
家内「プリミティーボもクラシックなスタイルだと10年くらい経って美味しくなります。熟しきった柿みたいですよ(笑)。」
私「このワイン、プリミティーボとして初めて最高評価のトレ・ヴィッキオレを獲得しました。洗練されてますよね。力づくじゃない(笑)。」
「酸もしっかりあるしバランスも良いしパワーもある。もちろんプリミティーボらしい。欠点無いのかな(笑)?」
「アリアニコも、プリミティーボも冷涼さがあるよね。昔の南イタリアとはちょっと違うかな?」
私「さすが!ベテラン!見逃しませんね(笑)。このプリミティーボもアリアニコ同様にマロラクティック・コントロールしてるようですね。木樽とステンレスタンクを併用してますし。」
「このプリミティーボもマロラクティック発酵を一部止めているのですか?」
私「おそらく。でも不自然さを感じません。この点凄いかと。」
「上等なプリミティーボには違いないよね。」
「今風だとしても歓迎できるね(笑)。隠しようのない良さがあるもんね(笑)。好きだな(笑)。」
「マスキユーさん。マロラクティック発酵をしないとどうなるんですか?」
私「赤ワインは基本的にマロラクティック発酵をします。ただコントロールするとリンゴ酸が残りますからリンゴっぽい酸っぱさを感じます。」
「基本的にはマロラクティック発酵はするものなんですか?」
私「気温が20度になると自然に起こります。例えばボルドーワインを熟成している樽が赤くなっていますが、あれは春になって気温が上がりマロラクティック発酵が起こり樽の中味のワインが噴いたためです。」
「マロラクティック発酵により、リンゴ酸が乳酸と炭酸ガスに置換されるんですよね。」
私「はい。ですから酸がのりにくい温暖な産地のワインをマロラクティック発酵をストップさせることで酸を残す技法です。オーストラリア発祥の技術です。ただしワインが平板になることが多いようです。この点今日のアリアニコとプリミティーボはイノヴェーションしています。」
ワインもギリギリ。まんべんなくお買い上げくださったので、かろうじてセーフかな(笑)。もちろん追加発注していますからリピート可でございます。
○ヴェルデーカ 2014年 カンティーネ・メンヒル イタリア プーリア 白I. G.P. 750ml 1944円税込み
「マスキユーさん、また変なワイン見つけてきましたね(笑)。」
「ヴェルデーガなんて聞いたことないですよ(笑)。」
私「私も初めて飲みました(笑)。」
家内「すぐに全開の解りやすいワインじゃないんですよ(笑)」
「マスキュウさん。開けたてはなんと言うことはありませんなぁ。」
「プーリアの白ワインって、もっと甘くてパーンとした感じですよね(笑)?たまには飲みたい時があるけど飽きる(笑)。」
「夏場限定(笑)。でもこれは全然違う。プーリアらしくない(笑)。」
私「そーなんです(笑)。なん百本もでる試飲会だと絶対に通り過ぎます(笑)。有償サンプルで取り寄せたのでじっくり飲みましたから良さが解りました(笑)。」
家内「ワインの温度を上げて時間が経ってくると隠れた味わいが出てきます(笑)。」
私「ちょっと乱暴ですが、抜栓前にストーブで温度を上げてありますから柔らかさの中に何かがあるのが解るかと。」
「ふっくらしてますよね。柔らかさでクリーン。なんだろうこの香り?」
「柑橘類、酸っぱくない果物?」
「桃?」
「そうそう桃!旨みをとても感じますよね(笑)。」
「品が良いですね(笑)。魚介類に合うね、きっと。」
私「どんどん旨みと桃のような果実味が増しますよ(笑)。」
「しっとりとしていて良いですね。日本人向きかな(笑)?」
私「ありがとうございます!実は私このワインこそ、昆布と鰹節のだし汁に合わせるのがベストかと(笑)。思っております(笑)。味噌ではなく、だし汁の鍋に合わせたく存じます(笑)。」
家内「鶏肉使った鍋に合わせたいな(笑)。」
「植物っぽさもあるから野菜にも合いますね(笑)!」
「具は上等な魚介類ですな(笑)。伊勢海老なんか良さそう。」
私「い、い、伊勢海老ですか?旨くて失神するかも(大爆笑)。」
「伊勢海老は無理でも蟹鍋に合わせたいな(笑)。」
「それいただきます(笑)!」
「マスキユーさん。このワインって酸があるけれど、隠れていると言うことですよね。最初の印象だと酸がない(笑)。マロラクティック発酵はしているのですか?」
私「実は私も最初はマロラクティック発酵しているかと思ったのですが、後から酸をしっかり感じるので疑問でした。インポーターさんに確認したところマロラクティック発酵はしてないようでした。」
家内「しっかり温度管理してコントロールするようです。一昔前のプーリアでは考えられない白ワインです。」
「ところでラベル・デザインカッコいいですよね。縦じまのキャップ・シールは帽子みたいで、細長いラベルはネクタイ(笑)。粋だよね(笑)。」
「いかにもラテンの伊達男(笑)。」
家内「インポーターさんの親会社はイタリアから生地を輸入してるようですよ(笑)。」
私「キャップ・シールはアルマーニかなんかのスーツの生地にありそう(笑)。」
●レアル・コンバニーア・デ・ヴィノス テンプラニーリョ 2009年 ベンディミア・セレクショナダ スペイン 赤 V.D.T.カスティーリャ 750ml 1130円税込み
「店長!熟成したテンプラリーニョはイイ!大好物(笑)!」
「フル・ボデイーのがっつりしたワインじゃないけど、程よくしっかりしててイイなぁ(笑)。すごく良く出来てるよね。」
「スペインの熟成したワインって樽香が強くって嫌味になったりするんだけど、それがない。」
「そうそう、あれがない(笑)。新樽っぽさがないのがイイね(笑)。」
「ホッと安心出来ますな(笑)。」
私「ありがとうございます‼マスキユーの
定番レアル・コンパニーア・デ・ヴィノスの赤の熟成版です(笑)。」
「マスキユーさん!でも値段は50円しか違わないじゃありませんか?」
「ヨーロッパもゼロ金利だからかな(笑)?」
家内「良心的ですよね(笑)。ワイナリー自体は大きいのですが、そんなにマネー・ライクじゃないですよね(笑)。」
「うんうん。確かに!コスト・パフォーマンス高いよね(笑)。」
私「こういうワインを飲んじゃうとオールド・ワールドの凄さを感じます。」
「安いワインをいかに効率的に造ることに長けているニュー・ワールドとは意識が違うんだろうな。」
私「ニュー・ワールドの方が人件費は安いでしょうけれど、もともとワインが生えない所で造っていますから無理はあります。」
「それってどういうことですか?」
私「たとえば春と秋が無かったり、水が無かったり。膨大な資金で灌漑したりします。」
「そもそもオールド・ワールドはワイン生産に向いているもんな。規模や栽培法でイノヴェーション出来れば、ニュー・ワールドを凌ぐのは当たり前か?」
私「仰る通りかと。」
「店長!日本でもようやく原産地を守るG.I.ができますよね。ちょっと弛いですが(笑)。」
私「弛いですよね(笑)。自浄作用が働くことを祈ります。」
「結局、お上頼りじゃダメなんだよね。」
「良い国産ワインもちらほら出来てるみたいだし良い流れになればイイんだけどね(笑)。」
皆さんとても関心と意識が高いのです。マスキユーの誇りです!置いていかれないようにしなくては(笑)!
●アリアニコ・デル・ヴルトゥレ 2013年カンティーナ・ディオメーデ イタリア バジリカータ 赤 D.O.C. 750ml 1388円税込み
「僕アリアニコ好きなんですよ(笑)。」
「アリアニコっていうとタウラジが有名ですよね?たしかカンパーニャかな。バジリカータでもあるんですね?」
家内「はい。バジリカータでも内陸の標高の高い所で造られます。美味しいアリアニコを造るには寒暖差が必要なようです。」
「う~ん。これってアリアニコだけど、今までに飲んだアリアニコとは違うかな?酸があってフレッシュ。」
「私はアリアニコ知らないけど(笑)、これ美味しいですよ(笑)。」
「コストパフォーマンスは高いし、美味しい!でもアリアニコらしくない(笑)。アリアニコってもっと重さで勝負するみたいなところがあると思うんだけど…。」
私「このアリアニコは早飲みのスタイルです。クラシックなアリアニコだと5年、10年熟成しないとダメです。ただ、早飲みのアリアニコな中では一番成功していると思います。薄くて軽いアリアニコを使って早飲みに仕上げたものはダメみたいです(笑)。」
家内「アリアニコ自体はごまかしの効かない気難しい品種だと思います。」
「マスキユーさん!前にディオメーデのアリアニコ売ってましよね。たしか古いヴィンテージでしたよね。美味しくて、あれでアリアニコなはまったんですが(笑)。あの時の味わいとこれは違いますよね?」
私「はい!仰る通り!でも原料葡萄の品質は変わらないと思います。」
「じゃあ何故ですか?」
私「鋭いですね(笑)。さすが!熟成をステンレスタンクと木樽に別けています。たぶんステンレスタンクの方はマロラクティックコントロールしていると思います。ワインの味わいにリンゴ酸を感じます。もちろんミクロ・オキシダシオンもしているはず。ただし、ワインに作為を感じないところが斬新かと。この点ニュー・ワールドとは違います。技術を錬金術的な使い方にしていません。」
「マスキユーさんがよく言うトップランナーですね(笑)。」
私「また、読まれちゃいました(笑)。」
家内「このワインはアリアニコのニュアンスがしっかりあるのが良いところだと思います。粉っぽさ、チョコレート、煙草、薔薇、チェリーなどアリアニコのニュアンス。でも、こんなに早く飲めるアリアニコは初めてです(笑)。フレッシュなアリアニコって不思議な存在かも(笑)。」
●プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア 『ファロ』 2013年 サン・マルツァーノ イタリア プーリア 赤 D.O.P. 750ml 1852円税込み
「これ美味しい!スケール大きい(笑)。すごく飲みやすいし(笑)。」
「旨いね(笑)。濃さもあるけど苦にならない(笑)。」
私「ちなみに前のアリアニコと同じ2013年ヴィンテージです。アルコール分はアリアニコより1%高い14%です。」
「へぇー。そんなに高く感じませんね?」
「マスキユーさん!定番のポッジョ・レ・ヴォルビのプリミティーボとの違いは何ですか?値段は違いますが(笑)。」
「またまた答難い質問です(笑)。ポッジョ・レ・ヴォルビの方がより都会的かな(笑)。ファロの方が土着的といえるかも。土の香りがしますよね。両者共に早飲みではありますが。」
家内「プリミティーボもクラシックなスタイルだと10年くらい経って美味しくなります。熟しきった柿みたいですよ(笑)。」
私「このワイン、プリミティーボとして初めて最高評価のトレ・ヴィッキオレを獲得しました。洗練されてますよね。力づくじゃない(笑)。」
「酸もしっかりあるしバランスも良いしパワーもある。もちろんプリミティーボらしい。欠点無いのかな(笑)?」
「アリアニコも、プリミティーボも冷涼さがあるよね。昔の南イタリアとはちょっと違うかな?」
私「さすが!ベテラン!見逃しませんね(笑)。このプリミティーボもアリアニコ同様にマロラクティック・コントロールしてるようですね。木樽とステンレスタンクを併用してますし。」
「このプリミティーボもマロラクティック発酵を一部止めているのですか?」
私「おそらく。でも不自然さを感じません。この点凄いかと。」
「上等なプリミティーボには違いないよね。」
「今風だとしても歓迎できるね(笑)。隠しようのない良さがあるもんね(笑)。好きだな(笑)。」
「マスキユーさん。マロラクティック発酵をしないとどうなるんですか?」
私「赤ワインは基本的にマロラクティック発酵をします。ただコントロールするとリンゴ酸が残りますからリンゴっぽい酸っぱさを感じます。」
「基本的にはマロラクティック発酵はするものなんですか?」
私「気温が20度になると自然に起こります。例えばボルドーワインを熟成している樽が赤くなっていますが、あれは春になって気温が上がりマロラクティック発酵が起こり樽の中味のワインが噴いたためです。」
「マロラクティック発酵により、リンゴ酸が乳酸と炭酸ガスに置換されるんですよね。」
私「はい。ですから酸がのりにくい温暖な産地のワインをマロラクティック発酵をストップさせることで酸を残す技法です。オーストラリア発祥の技術です。ただしワインが平板になることが多いようです。この点今日のアリアニコとプリミティーボはイノヴェーションしています。」
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