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先日ソムリエ志願のF君から質問されました。
F君「マスキューさんはデカンタージュをどう思いますか?」
私「基本的にはしません。」
F君「澱が沢山あるオールド・ヴィンテージなんかデカンタージュした方が良いと思いますが?」
私「たしかにあの微粒な澱はワインの味わいを悪くしますよね。でも、オールド・ヴィンテージのワインをいきなりデカンタージュすることでワインを壊すことの方がリスクが高いと思います。」
F君「壊れちゃいますか?」
私「それより立てて置いて、ゆっくりサーヴィスした方が確実ですよ。」
F君「でも、お店でいきなりオーダーが入ったら、前もって立てて置けないじゃないですよね?」
私「そうですよね。前もって何日か前から出すワインが解っていれば良いのですが、現実にはそんなお客様は少ない(笑)。そんな時はとにかくワインを揺らさないように、澱を極力立てないようにサーヴィスするしかないですよね。」
F君「デカンタージュはお客様の意思にお任せするのがベストという事ですね。」
私「そうです。あくまでお客様次第ですから。」
F君「じゃあ、まだ若いワインを出す場合にはデカンタージュした方が良いのですか?」
私「カラフェですね。これも判断が難しいですね。基本的にはデカンタージュせずにゆっくり召し上がっていただくのがベストかと。大きめなグラスでゆっくり飲めば同じですから。いきなりデカンタージュするとバランスを崩すことがあります。」
F君「そうするとソムリエの仕事が無くなる(笑)。」
私「お客様のデカンタージュの意思があればするべきですし、お店によってはデカンタージュの前にグラスに一杯注いでおき、デカンタージュしたワインとの違いをお客様に楽しんでもらうサーヴィスの仕方をするお店もありますよ(笑)。」
F君「へぇー。それ楽しそうですね(笑)。」
私「間違っても『まだ若すぎるから飲めません!』などと言ってはダメですよ(笑)。」