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今月12月22日(土曜日)のマスキュー店内試飲会のラインナップ決まりました!
早いもので今年最期の試飲会となりました。
まずトップ・バッターは毎年恒例の葡萄ジュースです。
〇ジュ・ド・レザン2012年 ポール・ジロー フランス コニャック地方 葡萄ジュース 微発泡 白 750ml 1350円税込み
実はまだ届いていません(笑)。一応試飲会の前日には届く予定です。
今年はどんな味わいでしょうか?
私の予想では昨年ほど甘くないような気がしますが…。飲んでご判断していただきます。
そして、イタリアのプロセッコ種で造ったスプマンテです。
〇『ソヴラーノ』グレーラ スプマンテ エキストラ・ドライN.V. モンテラアーナ社 イタリア ヴェネト V.S.Q.T.A.発泡性 白 750ml 1380円 税込み
イタリアのワイン法はEU法に合わせるために、とってもややこしくなりました(笑)。
まずこのV.S.Q.T.A.。ヴィーノ・スプマンテ・ディ・クワリタ・デル・ティーポ・アロマティコの略。今やスプマンテだけで5つのカテゴリーが…。解りやすく言うとヴェネト州でプロセッコの原料グレーラ種を使って造られたヴァン・ムスーと考えると解りやすい(笑)。前みたいに簡単にプロセッコと呼べなくなったようです。
味わいはプロセッコらしい白い花の香りが詰まってます。かと言って押し付けがましくないのがグッド。泡立ちはとても綺麗。シャンパン方式で造った訳ではありませんが、柔らかでキメ細か。技術の進歩を感じます。
残糖分は17.5g/Lとやや多めですが、しっかり入ったガス(4.7気圧)と酸によってべたつかず目立ちません。
うーん。
日本人好みの甘さ加減です!
そして今年心に残った泡(笑)。
〇エキストラ・ブリュット ボデガ・デル・フィン・デル・ムンド アルゼンチン パタゴニア 発泡性 白 750ml 1470円税込み
セパージュはピノ・ノアール85%、シャルドネ15%。とても淡いオレンジがかったピンクの色は、白というよりはロゼに近い。ピノ・ノアールのアロマが感じられる由縁。赤いベリーやラズベリーの香、柑橘類の香味、ナッツ、焦げたパイ皮などのニュアンスは十分。幅広い果実味は秀逸。造り手の明確な意図を感じます。また、それを実現する技術力は脱帽ものです。
長い瓶内熟成により美しいキメ細かな泡(はっきりしませんが24ヶ月ほど瓶内熟成しているようです。)、たっぷりとした果実のボリューム感は優しさがあります。
うーん。もう少しガスがあれば言うことなし(笑)。
コストを抑えるためキャッブシールがついていませんが(笑)シャンパンメーカーは恐れるべきワイン。
そして後半戦の怒涛の赤ワインです。
まずは怒涛のエレガンスから(笑)。
●カステロ・ジョコンド 2003年 フレスコバルディ イタリア トスカーナ 赤 ブルネッロ・ディ・モンタルチーノD.O.C.G.750ml 4980円税込み
このカステル・ジョコンドは1989年にフレスコバルディが購入したシャトーです。登場、みんながバローロやバルバレスコに食指を伸ばすなか、フレスコバルディの姿勢には好感を持ちました。
ただ、フレスコバルディの扱いはメルシャンさんから今やエノテカさんとなり、マスキューの手の届かないところにあります(残念)。
こんな折、見つけました(笑)。
まだ、赤ちゃんの面影しか知らない甥っ子と20年ぶりに再会したかのようです(笑)。
飲みながらその血統の良さに満足しました。
そして、ボルドー怒涛の良心?
●プピーユ 2007年 フランス ボルドー コート・ド・カスティヨン 赤 750ml 3690円税込み
あまり作柄のよろしくなかった2007年でこの凝縮感。セレクションに多大な労力を費やした労作。
最後が今年一番の怒涛のワイン。数があまりに少なく、試飲会に出せない状態なのですが、出しちゃいます(笑)。飲んでビックリして頂いてこそのワインなのです。
●シャトー・ファゲェロールキュヴェ・セレクション『アントナン』 2010年750ml 3980円税込み
肝心の味わいはまさにトップランナー。驚くべき力と豊かさ、信じられないレベルのタンニンとグリセリンの分量。まだまだ途方もない未来が予感されますが(20年くらいは大丈夫でしょう。)、ブラック・チェリーや赤や黒のベリー系の香りがチョコレートや香木などの香りと相まって、口の中はオーロラ状態(笑)。壮麗なるシャトーヌフなのです。とても、グルナッシュ100%とは思えません。超低収量の上、除梗と徹底的なセレクションにより、バランスが良く曇りや暗さが気にならないエレガンスがあります。
テクニカル・シートでは醗酵は1/3がオーク樽2/3がステンレス・タンクとあります。開放式でポンピング・オーバーしながら20~30度Cと低めの温度で約4週間醗酵するようです。その後熟成は600リットルのオーク樽で9ヶ月。あまり無理な抽出や樽香に頼った造りではありませんね。この辺に飲みやすいエレガントさが由来しているようです。今風と言えます。
あと蛇足ながら、テクニカル・シートではアルコール分13.5%となってますが、ラベルには16%と明記されてます(笑)。アルコール醗酵の理論値の限界まで糖度が上がっていたはず。やはり温暖化の影響でしょうか?昔でしたらA.O.C.を名乗れないはず?法律も運用が緩くなったんですかね?でも、こんなモンスターワインが造られるとは想像しなかったに違いありませんね(笑)。
こんなワインに出会えるとは!
シャトーヌフ万歳!
蛇足ですが、ジャンシス・ロビンソンは20点満点中18.5。保守的なイギリスの評論家にしては高い評価です。おそらくグルナッシュ100%であることを割り引いてですから、そこら辺をあまり気にしないアメリカ人の某評論家だったら93~5点は付けそうですね(笑)。でも価格の兼ね合いがありますから、それは無いかな?
いつも通り14時から20時30分までやっておりますので、お暇をみてご来店くださいませ。
ただし、ワインによって2本空けられないものがありますので、無くなった節はご容赦ください。
それでは皆様のご来店お待ちしております。
桝久商店 岡本利秋・昭子