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4月24、25日のマスキュー店内試飲会のラインナップ

Apr 20, 2015 by weblogland
今月4月24、25日のマスキュー店内試飲会のラインナップ決まりました!
今月のテーマは盛春。春らしい白・赤ワインを3ずつの計6本。
新着ワインは3本といつもより少な目ですが、残りの定番3本は実力向上中。この時期飲みにはベスト・チョイス。



まずはスペインの果実爆弾の白。アニスなどの植物っぽさもあり、いかにも盛春(笑)。
イェマヌエヴァ アイレイン 2013年 ボデガス・ラ・テルシア スペイン 白 750ml 1471円税込み

このボデガス・ラ・テルシア1920年に設立された家族経営のワイナリー。45ヘクタールの畑を所有しています。驚くべきは、すべて自根で平均樹齢が50年以上。フィロキセラが及ばないんですね。中にはプレ・フィロキセラの樹齢100年を越える葡萄樹もあるとか(笑)。
ラ・マンチャは雨が少ない乾燥した土地。草も生えないような荒涼とした大地です。そんな環境に適したアイレン自体が乾燥に強い品種ですから、水を好むフィロキセラを寄せつけなかったようです。もちろん潅水を与えない忠実なワイン造りを続けた証拠。

味わいはビックリするほどの出来の良さ。シトラス系のドライで鮮烈な香りの中心には洋梨の味わいがどっかり座り、アニス系のハーブの香りがとてもエキゾチック。まるで5月のラマンチャの大地の香り。


そして、マスキューの定番のサヴォア。確実に腕を上げています。
◯『レ・アビーム』2013年フィリップ・ラヴィエール フランス ヴァン・ド・サヴォア 白 A.O.C.750ml 1647円税込み

シャンベリーの南、A.O.C.ヴァン・ド・サヴォア域内のクリュ アビームの白ワイン。ジャケール種100%で造られています。

畑は急峻で、斜面の狭く限られた耕作可能地という感じ。もちろん機械は入りません。フィリップ・ラヴィエールはミヨンという集落に本拠を置きますが、隣のクリュ アプレモンにも畑を所有しているようです。(畑というより斜面。)

ワインはステンレスタンクで発酵後、タンク内で澱とともにシュール・リーの状態で熟成後、出荷されます。マロラクティック発酵はしないようです。味わいは切れる切れる(笑)。白い花や青草のニュアンス。りんごやグレープフルーツなどの柑橘類の果実味が爽やか。ドイツのトロッケンに似ていますが、もっとワイン自体にパワーがある感じですか。この辺がジャケール種の特徴のようです。



白ワインの最後はイタリアの白。イタリア マルケからガリアルディの久し振りの登場。やはりガリアルディは白が突出していますね。酒質も安定して宜しい(笑)。 
◯ヴェルディッキオ・ディ・マテリカ 『セレッツィオーネ』2013年 ガリアルディ イタリア マルケ D.O.C.白 750ml 1980円税込み

あまり日本では馴染みが薄いマルケ州の白ワインです(笑)。マルケ州だとモンテプルチアーノ種を使った赤ワインが有名ですが、実に旨い白ワインがありました。
ヴェルディッキオ種から作られるヴェルディッキオ・ディ・マテリカDOCです。ほとんど日本には入ってないのでは?海岸よりに50Km離れたヴェルディッキオ・ディ・カステッリ・ディ・イエージDOCの方がまだ知名度が高いですね。もっともマテリカの方はイエージの1/10ほどの320ヘクタールの作付け面積しかありませんから、生産量が限られてしまいます。まあ、標高450~550mの山岳地帯ですから畑の広さもおのずと限られてしまいます。実はこのマテリカは2010年よりDOCGに昇格した極めてレベルの高い産地なのです。
イエージはフローラルでありながら、飲み応えがあることでしられていますが。マテリカはイエージよりミネラル感、密度感ともに勝る優れたワインです。

粘性があり、塩辛さヨードなどのミネラル感が良いアクセントになっています。抜栓後何日もかけてゆっくり変化を味わうのがベスト。揺るがない構造はガリアルディらしい良さ。

内陸部のワインなのですが、魚介類 とくにアサリなどに合わせたいワインなのです。


そして、ネオ・クラシックなボルドーの新入荷。
●シャトー・クロノー 2013年 フランス 赤 ボルドー・スペリュールA.C.750ml 1740円 税込み

まず飲むと非常にタイトで質感溢れるタンニンが特徴的。味わいにデラウェアっぽさがあるので、一瞬アン・トゥル・ドゥ・メールかなと…。
???
まず産地チェック(笑)。サン・フォア・ラ・グランドから南に10KMのところにあるリダェック村とのこと。まずサン・フォア・ラ・グランドを探すとサン・フォア・ボルドーA.C.のある町です。更にリダェック村はと?ボルドーの地図には載っていません(笑)。さてさて?ボルドーの外れベルジュラックにつながるドルトーニュの地図にありました!ボルドーと言うより南西地域に近いですね(笑)。
これで味わいの謎が氷解。サン・フォア・ボルドーはボルドー最北東部ですが、アン・トゥル・ドゥ・メールの地続き。しかも気候は南西地域により近いはず。アン・トゥル・ドゥ・メールに似た味わいと南西地域のようなしっかりしたタンニンを併せ持っていた訳です。

このワイン セパージュはメルロ95%、カベルネ・フラン5%。収穫量は1本の葡萄樹でボトル2本弱。比較的低い温度で長期醗酵後、20%を大樽、40%を新樽のバリック、40%を古樽のバリックで熟成させます。過剰な樽香はありません。
飲んだ感じ、無理なく丁寧に抽出した印象があり雑味が少ないです。ミクロ・オキシダシオンに頼らず、液抜き静置法と言う技術を採用しているとのこと。セニエしてから、また葡萄液を元のタンクに戻すようです。なるほど!だから造ったっぽさがないのですね(笑)。
抜詮してから除除に質感を増しどんどん滑らかになって行く様は優良な証。赤い果実味がそれとともに現れ深みも増します。すぐに解りやすいワインではありませんが、ゆっくり楽しむことの出来るボルドー・スペリュールです。ネオ・クラシックなワインなのです。


そして久し振りのマズールの古酒の登場です!コスト・パフォーマンスの高さは驚きに値します。
『カルト・マロン』 ヴィエイユ・ヴィーニュ 2000年 ドメーヌ・マズール フランス 赤 コート・デュ・ローヌ 750ml 1850円税込み

ドメーヌ・マズールは 16世紀まで溯れる歴史ある生産者。
ローヌに典型的な砂利質土壌に グルナッシュ.シラー.カリニャンなどを植えています。
樹齢40~60年の古木が 中心で、中には100年を超えるものもあるそうです。
ワインは飲み頃を迎えるまで ドメーヌの蔵でホーロー引きのタンクにて熟成されます。
リリースまで10年以上は ごく普通のこと。
きちんと管理されたワインは 若さ、力強さを湛えており、その品質の高さには 驚きを禁じえません。
さらに驚くのは、顧客から注文がきてはじめて、注文の数だけ瓶詰めするという そのやり方!
効率・スピード重視の日本人からみると無駄でしかないやり方です。
でも、良い状態の飲み頃ワインを リーゾナブルな価格で提供してくれる その姿勢に信頼がおけます。

マスキューではこの下のランク『レ・プラド』以来の登場です(笑)。
セパージュはグルナッシュ80%、カリニャン20%。古木から造られたワインは凝縮感たっぷり、しかも長い熟成を経て総てが重合した姿は甘美。カリニャンも全く邪魔しませんね(笑)。インク、スパイシーさ、なめし皮、アーティチョークなどの香りがタップリ。このアペラシオンの粋と言えます。

堪能できるワインなのです(笑)。


さて、今回の試飲会のトリは なっ、なっ、なんと!オーストリアの『ペラ・ヨシュカ』 あの犬のラベルの赤ワインです。家内と私が無類の犬好きなのとは別に(笑)、期待するワイナリーなのです。
去年、『インターナショナル・ワイン・グルメ・ジャーナル』で『NEW COMER OF THE YEAR 2014』を授賞!最も活躍がめざましい醸造家に贈られる賞とのこと。 
ふふふ。
前から『ペラ・ヨシュカ』を飲んでいるマスキュー関係者にとっては当然の結果(笑)。ワインの価格が高くならないのを祈るのみ(笑)!
どうやらスターダムにかけ登りそうですね(笑)。
ベラ・ヨシュカ ブラウフレンキッシュ アイゼンベルグ2012年ヴァイングート・ヴァハター・ヴィースラ オーストリア ブルゲンラント アイゼンベルグD.A.C.赤 750mlスクリュー・キャップ 750ml 2453円税込み


まずはラベルの説明から、ワイナリーの名前はヴァイングート・ヴァハター・ヴィースラー と言います。現在の若き当主クリストフ・ヴァハターの父フランツと母テレジアの結婚を期に父方と母方の実家のワイナリーを合併して今の形になりました。ワイン名『ベラ・ヨシュカ』はその互いの父(クリストフの祖父) ベラとヨシュカに敬意を払いつけたそうです。ワイナリーのフラッグ・シップ ブラウフレンキッシュ のキュヴェ名としている訳です。

ワイナリーはオーストリア南部 ズュートブルゲンラント地方のアイゼンベルグ村にあります。ハンガリーとの国境付近です。ハンガリーからの暑いパノニア平原からの気候とオーストリア内陸からの冷涼で湿潤な大陸性気候がぶつかる位置にあります。このため、割りと降水に恵まれています。

畑の土壌は鉄分の多いスレート土壌。溌剌としたミネラル感を生み出すようです。しっとりとしたベリーの果実味に塩辛さや鉄っぽさ、胡椒のような後味があります。

ヘビーではないが非常に緻密な味わいはエレガント。余分にデフォルメしたところがありません(笑)。14ヶ月の熟成に古いオークの大樽を使うことで、余分な樽香をワインに着けずハーモニーを与えます。

ステンレスタンクでの醗酵や低温での長い醸しなど、最新の技術はありますが、基本的にナチュラル。自然を最大限引き出すことを信条としています。最大限の労力と注意を払うことで、ブラウフレンキッシュをひとつの完成したスタイルのワインにしています。食事に合わせて毎日でも飲みたいワインです。

アメリカナイズされたワインに飽きた諸兄には是非お勧めしたいワインなのです(笑)。

果実味プンプンの豊満なワインではなく、ワイン自体の良さが伝わる、本来的な良さがあります。

あとラベルの紋章に犬が描かれています。支えるようにウズラとイタチがいます。この犬はクリストフさんの名前のもと「聖クリストフォロス」を表しています。犬の頭を持つ聖人とのこと。ウズラとイタチはドイツ語発音がそれぞれ「ヴァハター」と「ヴィースラー」に似ていることからの言葉遊びだそうです。

クリストフさんは真面目なだけでなく、遊び心もあるようですね(笑)。


以上6本、盛春仕様のワインです(笑)。
4月24日は17時~20時30分
4月25日は11時~20時30分までとりおこなっておりますので、お暇な時間にお越しください。
お待ちしております。

桝久商店 岡本利秋・昭子

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