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○ヴェルディッキオ・ディ・マテリカ 2013年 ガリアルディ イタリア マルケ D.O.C.白 750ml 2357円税込
あまり日本では馴染みが薄いマルケ州の白ワインです(笑)。マルケ州だとモンテプルチアーノ種を使った赤ワインが有名ですが、実に旨い白ワインがありました。
ヴェルディッキオ種から作られるヴェルディッキオ・ディ・マテリカDOCです。ほとんど日本には入ってないのでは?海岸よりに50Km離れたヴェルディッキオ・ディ・カステッリ・ディ・イエージDOCの方がまだ知名度が高いですね。もっともマテリカの方はイエージの1/10ほどの320ヘクタールの作付け面積しかありませんから、生産量が限られてしまいます。まあ、標高450~550mの山岳地帯ですから畑の広さもおのずと限られてしまいます。実はこのマテリカは2010年よりD.O.C.G.に昇格した極めてレベルの高い産地なのです。(実際はレゼルバ規格のものがD.O.C.G.となりましたのでD.O.C.はそのまま残りました。)
イエージはフローラルでありながら、飲み応えがあることでしられていますが。マテリカはイエージよりミネラル感、密度感ともに勝る優れたワインです。
生産者のヴィーニ・ガリアルディは3代続くワイナリーで、エノログの資格を持つインテリの当主ウンベルトさんが約12ヘクタールの畑を所有しています。
まず立ち上がるのは綿飴のような甘い香り。濃いヴェルデキオの特徴(笑)。軽めとはいえ、充実の一本。全体のポテンシャルの高さは並ではありません。桃や柑橘類の果実味は溢れんばかり、硬質なミネラル感がありますからタイトに締まっています。後半に塩味を感じ後味にナッツのニュアンス。
粘性があり、塩辛さヨードなどのミネラル感が良いアクセントになっています。抜栓後何日もかけてゆっくり変化を味わうのがベスト。揺るがない構造はガリアルディらしい良さ。
内陸部のワインなのですが、魚介類 とくにアサリなどに合わせたいワインなのです。
実はこのワイン、最後の扱いが2013年ヴィンテージ(笑)。ガリアルディはとても良い生産者なのですが、ヴィンテージにより出来上がるワインが違う(笑)。マテリカ自体が内陸部なので致し方ないところなのですが、今回2024年ヴィンテージを飲んで久しぶりの再登板となりました(笑)。とても良くかつてのスタイルを思い出しました(笑)。
●シャトー ラルジャンテール 2015年
フランス ボルドー メドックA.C. 赤 750ml
2357円税込
このシャトー、ボルドー市街から北西に60Kmメドック北部のベガダン村にあります。ジロンド川から3km離れており、粘土石灰岩の地山の上に砂利層があり水捌けの良い畑です。メドックに良くある保水力のある畑ではありませんね(笑)。
それゆえ出来上がるワインはがっちりタニック。最初飲んだ時右岸のワインかと思いました(笑)。
セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン50%、メルロ40%、プティ・ヴェルド10%。熟成はバリック(新樽比率40%)で14~18ヶ月。
ブルジョワ級らしいしっかりした味わいは正統な証。主要のカベルネは香りではなくワインの骨格として作用してます(笑)。余韻も長く、抜栓してから何日も崩れません。今時のメドックにこんなワインがあるとは!思わず絶句(笑)。
久しぶりにコスト・パフォーマンスの良い、渋くて飲み応えのあるボルドーに出会いました(笑)。
実は前回は2016年ヴィンテージでの入荷でした。今回は2015年(笑)。???普通こんなことはあまりない(笑)。このラルジャンテールはちゃんと飲み頃になるまでシャトーのセラーで熟成保管。そして飲み頃になってからリリースする古典的なシャトーなのです(笑)。と言うことは2015年が素晴らしいヴィンテージ。2016年より熟成能力は上と言うこと。実際飲んでみて明らかに一回り大きい(笑)。まあ、お値段もワン•ランク上がりましたが(笑)。
飲んだ瞬間カベルネ•ソーヴィニヨンの比率の高さが伝わってきます(笑)。
●モンテプルチアーノ・ダブルッツォ リゼルバ 『ヴィニャ・レ・コステ』 2019年
販売価格(税込): 3,111 円
いわゆるモンテプルチアーノ・ダブルッツォはアブルッツォ州全体のD.O.C.1968年に指定されています。平地が1%しかないアブルッツォ州はアドリア海からすぐに丘陵地帯となり、さらに30~50km内陸に入ると山岳地帯となり農業には適しません。葡萄栽培はアドリア海沿岸の丘陵地帯に集中します。温暖な地中海性気候により日射量に恵まれ、かつ山からの冷涼な風により酸のある葡萄が成育します。そのなかで州の北テラモ県に最良の産地モンテプルチアーノ・ダブルッツォ・コリーネ・テラマーネD.O.C.G.がございます。2003年に指定されています。
コルナッキアはすべての畑がD.O.C.G.内にあります。
この『ヴィニャ・レ・コステ』は通常のモンテプルチアーノ・ダブルッツォ『カサノヴァ』銘柄のワン・ランク上の上級銘柄です。特に日当たりがよく水捌けも良い標高200mの『レ・コステ畑』で栽培したモンテプルチアーノ種を使ったもの。
収穫後除梗し1週間のプレ・マセラシオン。酵母を整え、低温で抽出してからアルコール発酵するようですね。ロータリーファーメンタータンクで15~20日の醸しで葡萄をしっかり発酵させます。それゆえ色は光を通さないほど濃い。デレスタージュした後3000Lのスラヴォニアン・オークの大樽とフレンチ・オークの古樽で24ヶ月熟成しアッサンブラージュ後に瓶詰め。6ヶ月ほど寝かしてから出荷。『カサノヴァ』シリーズのモンテプルチアーノの倍以上の熟成期間30ヶ月。味わいはまさにそれを倍にしたかのよう(笑)。基本『カサノヴァ』のモンテプルチアーノと同じなのですが、すべてに亘って大きい(笑)。モンテプルチアーノ・ダブルッツォの完成形であり頂点と言っても良いと思います。コルナッキアのラインナップにはこの上にD.O,C.G.
の『コッリーネ・テラマーネ』はありますが、これは別のジャンル(笑)。この『ヴィーニャ・レ・コステ』の方がモンテプルチアーノ・ダブルッツォらしいと思います。あとこのスタイルのワインで20年位の熟成能力があることは驚き。個人的にはエミディオ・ペペを彷彿させるのです(笑)。
●ジゴンダス レ•パリエルダス 2022年 ドメーヌ•ビュルル フランス 赤 ジゴンダスA.C. 750ml 3771円税込
まずは、ティスティング!
Kさん「うわっ!コレ飲みやすい(笑)!しかも濃い(笑)。アルコール分はいかほど?」
家内「15%もありますけど、まるっきりドライ。」
Kさん「そんなに高く感じませんね(笑)。13.5%くらいだと思いましたよ(笑)。」
私「完全にアルコール発酵してますね。理論値の限界(笑)。それでこの折り合いの良さ。大したもんだぁ(笑)。旨味の分量も凄い!」
家内「ローヌの赤ワインでアルコール分が15%のものって残糖分があったり、酸がなくてスカスカだったりしがちだよね。果実味も真っ黒になるし(笑)。」
私「標高の低い畑だからもっと鈍重なワインかと思っていたけど…、予想は裏切られましたね(笑)。それでも標高150mだからパフなんかと比べると高いには高い。」
Kさん「この赤い果実のニュアンスはグルナッシュですよね。トーンにしっかりある(笑)。それにしても抵抗感が無い(笑)。今風なんだろうなぁ。」
家内「磨かれてますよね(笑)。トップ•キュヴェ
らしい佇まい(笑)。美しいし。」
Kさん「渾身の飲みやすさ(笑)。」
私「とても飲みやすい。ともかく飲みやすい。でも、深みがある。それも優しい深み。」
家内「ムールヴェードルが15%入るのが秘訣かな(笑)?グルナッシュだけだとちょっと突出しそうだよね。」
私「思い出したぁ!ジゴンダスのアマデューのスタイルに似てる(笑)。ひたすら飲みやすいワイン。」
私「アマデュー調べてみますね(笑)。おっ、あったあった。どれどれ…。畑の標高はビュルルより高い。セパージュは…、あ~、グルナッシュ、ムールヴェードルですね。大当たり(笑)?」
Kさん「飲みやすい上にとてもクリーン。プレスしてないですな(笑)。除梗はしてるのかな?」
私「除梗してますよね?でもカタログスペックを見ると全房発酵と書いている。後で確認してみますね。」
家内「アマデューも除梗してるよね(笑)。あとビュルルのジゴンダスって値段が安い(笑)。今5000円を超えるのが普通だもんね。昔の値付けだよね(笑)。」
その後のティスティングはKさんに丸投げ(笑)。
Kさん『おはようございます
標高の低いジゴンダスは一昨日飲み切りました。
珍しく妻が美味しいとよく飲んでたので早く終了しました(笑)
今週の月・火曜は香り抑えめでピノ・ノワール的ではないですがスルスル飲める赤ワインでした。
アルコール度数が15%もあるのに喉越しは柔らかく抵抗なく飲めるワインでした。』
このジゴンダス、「Pallieroudas」(粘土石灰質土壌)と「Hautes Garrigues」(粘土砂質土壌)地区にあるブドウ畑。標高は150mとジゴンダスにしては高目。初代が取得したもので、畑に残る一番古いグルナッシュは1921年に植えたものが残っています。ビュルル家初期以前から続く虎の子です(笑)。
セパージュは グルナッシュ 85%、ムールヴェードル 15%。ブドウの樹の平均樹齢 65年とかなり古く、ムールヴェードルを入れるところが古典的ですね。比較的標高の低いジゴンダスの特徴かと。
栽培は 機械による土壌作業を伴う、伝統的かつサステナブルな栽培方法。肥料は有機肥料を使用。
醸造は除梗しない葡萄をコンクリートタンクで26日間。毎日ピジャージュ(remontages)を実施。このドメーヌはエアレーションをしっかりすることでワインを飲みやすくし、無理にプレスしないことで雑味を排除しています。更に コンクリートタンクで12ヶ月間熟成して瓶詰め。木樽の影響を嫌い、基本クリアかつ芳醇なワインを目指してますね。
生産量は 6700本ですから1.4ヘクタールほどの畑のようです。
テイスティングノート: デリケートでフローラルなアロマに、スミレと甘いチェリーの香りが感じられる。爽やかさとボリューム感がある。口の中盤にはパワフルさが感じられ、ベルベットのようなエレガントな余韻へ
初代のジェルマンは1930年代にビュルル村で初めてブドウ栽培に着手しました。いわゆるヴィニロンとして彼の地でスタート。20年後には息子のルネが跡を継ぎ、1965年には孫のエドモンに経営を譲り、ドメーヌは新局面を迎えます。
ジゴンダスがA.O.C.を取得するのが1971年。この波にエドモンは乗りました(笑)。
自らの足元に質の高いテロワールがあると確信した彼は、ジゴンダス村のすぐ近くにあるアモー・ド・ラ・ボーメットに新たなセラーを建設し、1968年にワインの瓶詰めを開始しました。
考えてみると当時クロ•ヴイージョの混ぜものとして売られていたジゴンダスですからポテンシャルは十二分(笑)。
ただ、エドモン自身途方もない尽力を成した方なのでスーパー•ワンマンだったようです(笑)。数多の苦悩•困難にぶつかり乗り越えた彼は66歳で早世しました。その後ドメーヌは次男フローランと三男ダミアン二人の息子が跡を引き継ぎました。幼い頃から土地取引に携わっていたフロレントはブドウ畑の管理を、ダミアンはセラー、管理、販売を担当しました。当初奥さんの実家のワイナリーに参加していた長男のベルナール(ドメーヌ•フォン•サラド)の手助けを得て、今では世界に打って出るジゴンダスの星となりました。
ただ、現在の所有畑は17.55ha。その内ジゴンダスは2.3ha、ヴァケラス1.75ha、サブレ3ha、プラン•ド•デュー0.5ha、V.D.P.と決して大きなドメーヌとは言えませんね(笑)。
今、ドメーヌ•ビュルルその生産量の75%以上を主に米国と日本、イギリス、ドイツ、シンガポールに輸出します。基本戦略としてV.D.P.の質を高め、それを主に海外向けとして販売。(ホームページにはエスクが載っておりません。)需要の減ったフランス国内より海外の消費者の賞賛を得ることに成功。それに伴い上級品も売れるサイクルを目指した訳です(笑)。17.55ヘクタールほどの小規模ドメーヌの質とリーズナブルな価格戦略です(笑)。面白いのは海外の正規代理店をホームページに載せています。流通も含め管理する意思ですね。大量生産•多量販売を志向するワイナリーとは違いますね。いわゆる横流しや並行輸入を避け、質と価格の安定が基本戦略かな(笑)。買ってくれれば何処でもオッケーではないようですね(笑)。
生産戦略としてはサブレ以下のコート•デュ•ローヌ•ランクのワインは基本フレッシュ&フルーティ。早く飲める解り易い、豊かな果実味をたっぷり持つワイン。その上のヴァケラスやジゴンダスは渾身のクラシック•スタイル。飲みやすく仕上げてはいるものの、全房発酵で醸した熟成スパンの長いもの。この2本立てを生産の両翼としている訳です(笑)。
●ジゴンダス レ•フォイユ 2022年 ドメーヌ•ビュルル フランス 赤 ジゴンダスA.C. 750ml 4337円税込
ジゴンダス『レ•パリエルダス』2022年に引き続き『レ•フォイユ』2022年のティスティング!
Kさん「低い畑のジゴンダスより色は濃いかな?同じくらいかな?アルコール分はいかほどですか?」
家内「え~と、15%!低いジゴンダスと同じですね(笑)。ヴィンテージも同じ。そうすると作りの意識も同じ(笑)。ギリギリ限界の熟度勝負(笑)?」
Kさん「セパージュは?」
私「グルナッシュ&シラーを半々。これは標高の高いクラシック•ジゴンダスの典型ですね(笑)。シラーが入ってきます。」
Kさん「あ~!このワイン凄い!全体の密度感に圧倒される(笑)。完全にグレート•ワイン!」
家内「チェリー、ベリーの鮮烈でしっかりした明瞭な果実味…、ちょっと焦げたニュアンス…シラーっぽさ…、それもとてもエレガント。」
Kさん「枯れ葉みたいな…、先々の熟成を予感させますね。ピノ・ノワール的。」
家内「標高の低いジゴンダスほどフレンドリーではないけれど、同じように栽培したとしても結果が違うから作りのアプローチを変える感。」
私「暑い産地のシラーとは趣が違いますよね(笑)。力強過ぎなくてバランスが良い。しかも立体的。」
Kさん「標高の低いジゴンダスも、標高の高いジゴンダスもともにとても厚みがあるのですが、標高の高いジゴンダスはそれに立体感がある。コレが違いだな(笑)。」
私「この味わいは愛するエスピエのスタイルです(笑)!タンニンも香りも折り重なるようで壮麗さに繋がる!全房発酵した古典的なジゴンダスです(笑)。しかもプレスしない渾身の極上品(笑)。」
Kさん「マスキューさんがよく言うピノ・ノワール的なジゴンダスってようやく解りましたよ(笑)。グルナッシュとシラーがこうなるのですね(笑)。」
家内「標高の高いジゴンダスはシラーを入れます。エスピエのシラー100%の美味しかったこと…、泣けましたよ(笑)。」
私「ルビーンも良かった。ルビーンはエスピエより上かも(笑)。」
ブドウ畑は「La Fouille」と「Les Florets」の地区にあり、「La Fouille」は泥灰石灰岩、「Les Florets」は粘土質の土壌です。ブドウ品種はグルナッシュ50%、シラー50%。標高350mの高地のジゴンダスらしいもの。樹齢の平均は40年です。低い畑と比べると収穫も遅くなります。また、この高地の畑は近年に取得したものです。生産本数は年間4000本ほどですから1ヘクタール弱の面積だと思います。それと畑で特徴的なのは割と密植している点です。ちょっと見1ヘクタールあたり4∼5000本植樹しているようです。通常のジゴンダスでは1500∼2000本ですので異例。調べると畑の脇を小川が流れているそうです。それゆえ土壌に保水力があるようです。特殊な良い畑のようですね(笑)。ご本人達も購入したことを良かったと思っています(笑)。
栽培は 機械による土壌作業を伴う、伝統的かつサステナブルな栽培方法。肥料は有機肥料を使用。←カタログによるとこう書いてますが多分機械は入らないはず(笑)。かえって非効率なはず(笑)。まあ、せいぜい小型のトラクターで耕す程度ですね(笑)。
醸造は全房で葡萄をコンクリートタンクで21日間。低地のジゴンダスより4日ほど短いようです(笑)。低地の比べると収穫も遅くなりますからその分ゆっくり葡萄は成熟し、しっかり酸も残りますね(笑)。
毎日ピジャージュ(remontages)を実施するビュルル•スタイル(笑)。このドメーヌはエアレーションをしっかりすることでワインを飲みやすくし、無理にプレスしないことで雑味を排除しています。更に コンクリートタンクとステンレスタンクで12ヶ月間熟成して瓶詰め。木樽の影響を嫌い、基本クリアかつ芳醇なワインを目指してますね。