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Written on 2013 12 25

桝久 試飲会リポート - 2013Dec

Dec 25, 2013 by weblogland |
昨日は大勢のお越しありがとうございました。

ワインが足りなくなるは、直前に順番がかわるは、バタバタしてごめんなさい。

さて、トップバッターの白
モセン・ルエダ 2012年 ボデガス・アンターニョ スペイン ルエダD.O.白 750ml 1165円税込
「マスキューさん、これどこのワインですか?香りだけ嗅ぐとソーヴィニヨン・ブランみたいですね?」
「でも飲んでみると違う(笑)!」
私「スペイン ルエダの白ワインなんですが、ブラインドで飲んだら絶対に当たらないですよね(笑)。」
「セパージュは何ですか?」
家内「ヴェルデホにヴィウラがアッサンブラージュされています。ヴェルデホだけだと強くなりますから、ヴィウラを入れてふっくら感とハーブのようなニュアンスを加えたようです。」
「なるほど!ルエダのヴェルデホの変化球ですな(笑)。でも凄い変化球(笑)。」
「よく考えればヴェルデホだけど、言われなきゃわからないね(笑)。ナックルボールだな。こりゃ(笑)。」
「ほど良いですよね。」
「かと言って安物っぽくない(笑)。」
「ライムやレモンの味がしっかりしてる。飲み易いけど、がっちりしてますよね。」
「グラスが空になってもちゃんと香りが続いてる!イイねこれ(笑)。」
私「ありがとうございます。皆さんの眼力は誤魔化せません(笑)。冷や汗かいちゃいます(笑)。」
「マスキューさん。このワイン前から売ってました?」
私「さすがによく見てられる(笑)!実はこのワイン レストランだけの業務用アイテムでして、店頭では売っておりませんでした。」
「なるほど!レストランだったら、このワイン使い易いアイテムですよね(笑)。幅広く料理に合いますね。」
私「はい。今回、インポーターさんが輸入を止めるとのことで、特別価格でのご奉仕品となりました。」
「在庫限りですか?」
私「インポーターさんの在庫限りとなります。」

さて、引き続き白
エメシュテンツ エーデルツヴィッカー 2012年 ドメーヌ・エメシュテンツ フランス 白 ヴァン・ダルザス エーデルツヴィッカーA.C.750ml 1770円税込
「ドイツ語表記だからアルザスワインかな(笑)?」
私「やたらと読み難くい上、発音しづらい(笑)。舌を噛みそうなんです。数種類の品種をブレンドしたワインです。新しく法規定されたようです。『エーデルツヴィッカー』と言います。フランス語読みだと『エーデルスヴィケール』ですか。」
「へぇー、アルザスだと単一品種主体でワインを造るものだとばかり思ってました。いろんなスタイルがあるんですね。」
家内「液温がまだ少し低いので、手で暖めると香りが出てきます。」
私「最初のモセンよりは温度は高くしたつもりですが、もう少し高い方が良いかな。」
家内「10℃以上が良さそうですね。」
「おっ!甘~い香り(笑)。蜂蜜!」
「なんだろ?香水みたい(笑)」
私「薔薇とかライチの香りですよね。」
「おー!いかにもゲヴァルツトラミネール!」
「香りは凄く甘いけど飲むと甘くない?辛口ですよね。」
家内「酸がしっかり入ってますから、甘さがマスキングされています。」
「この強いライムやレモンの香りはシャスラ由来ですか?」
私「おそらくそうかと。シャスラはあまりフローラルな品種ではありませんが、酸がしっかりのります。」
家内「香りはリースリングとゲヴュルツトラミネールからのようです。」
「マスキューさん。ところでグヴュルツトラミネールは何%入っているのですか?」
私「はい。5%です。」
「えっ!たったの5%ですか?それだけでこんなに強い香りが出るのですか?」
私「そーなんです。ゲヴュルツトラミネールは5%で十分な感じですよね(笑)。どうやらこのあたりがこのワインのみそのようです。」
「100%じゃなくとも良いってことですか?」
私「さすが!逆に100%だとくどくなりがち、しかもコストが高くなりますからワインの価格も高くなります。このワインを飲んでいると『これでイイじゃん』って気になります(笑)。」
「なるほど!たしかに『これでイイじゃん』(大爆笑)。」
家内「あとこのワイン、シャスラとシルヴァーネルを混植混醸していますから、溶け込みが良くアルコール感が少ないのが美点です。無理なく自然に作った印象があります。」
本日のトップセラーとなりました!

さてこれより後半戦の赤ワインに突入です。その前に若干の変更がありました。価格順ですとメメント ネグロ 2008年がトッブでしたが、タンニンが強いため後ろに回すことにいたしました。
まずはマスキュー定番の
●『チェリージ』2009年 ヴィーニャ・ガリアルディ イタリア マルケI.G.T. 赤 750ml 2160円 税込み
「マスキューさん、これって品種は何でしたっけ?変な名前でしたよね(笑)。」
私「チ・リ・エ・ジョーロです(笑)。チェリーに由来した名前の地場品種です。」
「滑らかだなぁ~。舌ざわりはうっとりする。」
私「2009年ですが、ようやく調子が出ましたので、今回再び試飲会で皆さんに飲んでいただきました(笑)。」
「すっごくクリアで滑らか。でもかなり独特ですよね。マスキューさん癖のあるワイン好きですよね(笑)。」
私「読まれてますね(笑)。こういうの大好きなんです(笑)。」
「チェリーでも泥がついてて、しかも青い葉っぱもついてる(笑)。なによりも味わい深いですよね。」
「スパイシーだし、この独特の香り…?リキュールっぼくて…、」
私「薬臭いかな(笑)。過熟した感じあります。おそらく完熟した葡萄の種に由来するニュアンスかと。でも、果実味に赤さがあります。真っ黒くなってない良さがあります。品種の特徴かもしれませんね。」
「ピノ・ノワールの原種みたいな感じだね。イタリアって色んな品種があるんですね。」

さて、次は大物の登場です(笑)。
●『オピドゥム』2008年 チウ・チウ イタリア 赤 I.G.T.マルケ・ロッソ 750ml 2880円 税込
「すんごいですねぇ!超大物ですな(笑)。」
「今年飲んだワインで一番だな(笑)。」
私「圧倒的ですよね(笑)。でも優しさがあるんですよね。生命力のポテンシャルは計り知れませんが、タンニンに意地悪なところがなく風味が日本的かと。」
「マスキューさん。それってどういうことですか?」
私「このワインは物凄く凝縮した黒系果実の味わいが支配的なのですが、その黒系果実の味わいがカシスと言うよりは山葡萄やお正月に食べる黒豆やあんこのようなニュアンスの方が近いように思います。カベルネ・ソーヴィニヨンに代表されるカシスの味わいとは若干違うような気がします。もっと優しい感じとでも言えば良いかも知れません。」
「雑味もないし、滑らかさは出色の出来栄えですな。流行りのスタイルだとは思いますが、圧巻ですな。」
「言葉を失うね(笑)。」
「これって先月の試飲会で出た『ゴティコ』の上のワインですよね。『ゴティコ』だって満足度が高かったけど『オピドゥム』はもっと凄いんですね。ビックリしました。チウ・チウって凄いんですね。」
私「大規模でこれだけ品質の高い生産者はいないかも?無茶にワインが高くないのも魅力です(笑)。」

さて、次は順番を飛び越した
メメント ネグロ 2008年 ボデガス・ルーアン スペイン プリオラートD.O.Q.赤 750ml 1680円税込み
「マスキューさん。このワイン随分飲みましたよ(笑)。これも凄いボリュームなんだよね(笑)。」
「ところで、何故順番変わったんですか?」
家内「まあ、とりあえずお飲みください(笑)。」
「あれ?前飲んだ時とイメージが違う。飲みやすくなった(笑)。前のワインが強烈だったからかな?軽く感じる。でも、強いな!これ。」
家内「実はメメント ネグロ 2008年だけは今朝10時に抜栓しました。」
私「熟成香が強く、そのまま出すと誤解されそうだったので、その部分を減らす為です。」
「熟成香ってどんな香りなんですか?」
私「還元的に臭かったり、マディラやリキュールっぽいとでも言いましょうか?」
「それってボトルを開けて空気に触れさせると無くなるのですか?」
私「はい。良い塩梅になります(笑)。ただし熱の影響を受けて劣化したマディラ香は消えません(笑)。」
「たしかに旨い。良い塩梅(笑)?」
「じっくり味わうと酸やタンニンがかなり強いですよね?」
「前の赤2本とは、根本的に違うよね?」
私「前の2本が今風ならば、あとの2本はクラシックかと。」
「なるほどね。それでメメントの並びが変わったんですね(笑)。」
私「いかがでしょう?」
一同「許す!」
あー、良かった(笑)。
「マスキューさん。ところで何故メメント ネグロ 2008年こんなに安いの?」
私「実はインポーターさんが新しく輸入しなくなりました。メメントのシリーズは基本的にブランドなのでワインの調達先が変わることがあります。どうやら新しいヴィンテージのサンプルが良くなかったようです。『マスキューさん安く出すからお客様に安く出してください。』とのことで、今回のビックリ価格になりました。」
「なるほど!」

さて、今年最後を飾るのは
サグランティーノ・ディ・モンテファルコ 2006年 アダンティ イタリア ウンブリア州 赤 D.O.C.G・750ml 3510円税込み
「これはこれで凄いね。あまりお目にかかれないレベルだな(笑)。」
「私には『オピドゥム』の方が合うかも(笑)。これ凄すぎる(笑)。」
「イタリア・ワイン・ファンとしてはこれは見逃せませんな(笑)。」
「マスキューさんの言うクラシックスタイルの代表選手だね(笑)。」
「メメントの並びを変えた訳がはっきりしました(笑)。」
私「ありがとうございます(笑)。」
「それにしてもマスキューさんは、本当に癖のあるワイン好きだよね(笑)。僕も大好きだけど(笑)。」
「これも先月の試飲会で出た生産者ですよね?」
家内「先月はワンランク下のモンテファルコ・ロッソをだしました。」
「似てるって言えば似てるけど、別次元だよね。」

私「これ以上のワインは望んではいけないと本気で思っています(笑)。」
「イタリアワインって面白いよね。コストパフォーマンス良いし。良く探しましたね(笑)。」
私「ありがとうございました。」
「店長、店長が飲んだ今年のNo.1はどのワインでしたか?」
私「イタリアワインだと、総てを勘案してこのサグランティーノかと…。」
あー!
言っちゃった。


昨日、昨年を通じマスキュー試飲会にご参加ありがとうございました。
来年もワイン探しに励みますのでよろしくお願いいたします。

桝久商店 岡本利秋・昭子

番外編
マスキューさん、ところで今年のジュ・ド・レザン2013年どうでした?」
私「12月19日に開けた残り飲んでみましょうか?」
「わっ!凄い香り!部屋中がこの香りになった。これって最初からこんなに香りが立ったのですか?」
私「いえいえ。開けてから丸4日でようやく全開みたいですね(笑)。」
「こりゃ、ジュースじゃないね(笑)。信じられないパワー。中に何か居るな(笑)。」

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