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Written on 2019 04 29

桝久 試飲会リポート 後半

Apr 29, 2019 by weblogland |
間違いないトップ・ランナーです。
SO2の残存量は10mg以下!
そしてこの価格!
とうとう来ましたね(笑)。
●『エグジット』2016年 レ・ヴィニュロン・ド・ビュゼ 南西フランス 赤 ビュゼA.C. 750ml 1481円税込み
「マスキューさん、ビュゼって何処(笑)?」
私「フランスのシュ・ド・ウェスト いわゆる南西地域です。ベルジュラックに近いかな。」
「ビュゼなんか飲んだことない(笑)。」
私「私もいままで飲んだ記憶がありません。」
家内「たしか1973年頃にA.O.C.に昇格していますが、パッとしなかった(笑)。」
「地図を見ると新しいA.O.C.があるはあるは(笑)。今ワインの資格試験受ける方は大変なんでしょうね(笑)。」
家内「A.O.V.D.Q.S.が全部A.O.C.になったのかな(笑)?」
私「まっまっ、お試しを(笑)。」
「ビオ臭がするけど嫌な感じじゃない。」
私「甘い腐葉土のニュアンスですね。」
家内「湿った森 羊歯 苔 なんかのニュアンスも。」
「ふっくらしてて違和感が無いよね(笑)。

「う~ん。綺麗だし、広がりもジワジワ(笑)。セパージュは何ですか?」
私「えーと。メルロが60%、カベルネ・フランが25%、カベルネ・ソーヴィニヨンが15%です。」
「へえー、メルロが6割入っているのですか?」
「暖かな産地のメルロとは違いますね。」
私「小粒の梅のニュアンスですよね。」
「小粒の梅干し 紫蘇を刻んで入れたヤツ(笑)。昔お祖母ちゃんが作った梅干しを思い出しちゃいましたよ(笑)。」
家内「南西地域のカベルネ・フランやマルベックに出る特徴的な香りです。あと時間が経つと海藻や塩辛さを感じます。」
「いきなり香り全開のスタイルじゃないけど(笑)、癒されるし、優しい。」
家内「南西地域の固くて時間のかかる伝統的なスタイルじゃありません。」
「あー、カオールなんか手強いもんね。20年くらい待たなきゃいけない(笑)。」
私「最近はだいぶ早く飲めるスタイルに変わって来てますが(笑)、それでもタンニンは荒いですよね。このビュゼのタンニンはこの意味では異例。ニューワールドっぽい(笑)。でも果実の特徴は南西地域(笑)。」
「マスキューさん!ボトルの首にNO・ADDED・SULFITESって書いてありますけど、いわゆるSO2無添加なんですか?」
私「そーです!ワインから検出されたSO2
が10mg/L以下です。信じられません!」
「マスキューさん。でも安い値段で酸化防止剤無添加のワインがありますよ(笑)?」
私「加熱処理したり、過度の濾過をすることで無添加ワインの製造は可能ですが、味わいがワインでなくなってしまいます。」
家内「加熱処理すると果実味がぼやけて特徴が無くなるし…、ワインが死んでしまいます。」
私「生産者のレ・ヴィニュロン・ド・ビュゼがどうやって無添加を達成したか?目下の私の研究課題でございます(笑)。」
「まず衛生管理が徹底しないとダメですよね?」
私「はい。左様でございます。」
「レ・ヴィニュロン・ド・ビュゼって協同組合ですよね?」
私「左様でございます。」
「組合員が自分で作った葡萄を持ち寄る。
しかもそれでいて衛生管理を完璧に出来るのはかなり凄い!」
私「左様でございます(笑)。」
家内「協同組合自体の意志が寄せ集めではないのでしょうね。生き残りをかけているはずです。」
「ラベルデザインや認証を3つも取得してること、売る気満々だよね(笑)。」
「しかもこの値段は驚異的(笑)。」
「とうとうこんなの出てきた!って感じですね(笑)。」
私「ちょっとアバンギャルドだし、新しい技術が見え隠れもしますが、もともとの葡萄の良さを感じますから…。保守的なベテラン・ワイン・ラヴァーの中には『解らない』と言う方はいるはずですが。好奇心旺盛なマスキューの常連のお客様に支持されてほっとしております。ありがとうございました!(笑)」


身から鱗のドルチェット!
●ディアーノ・ダルバ 『ソル・リキン』 2015年 カーサ・ヴェッキア イタリア ピエモンテ 赤 ディアーノ・ダルバD.O.C.G. 750ml 3332円税込み
「マスキューさん。ドルチェット好きなんですね(笑)。私も好きですが(笑)。」
「これってD.O.C.G.なんですね。シール貼ってますもんね(笑)。これだけで偉そう(笑)。」
家内「2010年にD.O.C.G.に昇格しています。」
「ここ数年で倍増しましたから、これまた資格試験は大変(笑)。」
「さて、味わいもD.O.C.G.かな(笑)?」
「う~ん。これホントにドルチェットなんですか?ドルチェットとは思えない!」
「飲み頃になったバローロみたい。」
「バローロみたいに重厚じゃないけど、旨いね。深みがある!」
「貴婦人!」
「ドルチェットって割りと単調なんだけど、これは違う。大きな違いを感じます。こんなドルチェットあるんですね(笑)。」
「でもさ、こんなに品のあるバローロは無いよね(笑)。しかもこの値段じゃ(笑)。」
家内「ドルチェットですからここの家のバルベラやネッビオーロに比べると出来上がりは早いですね。」
「これヴィンテージは何時ですか?」
私「2015年です。今飲むには良いところですね(笑)。」
「色も味も綺麗(笑)。」
家内「実はこのワイン、バローロを造れる畑で作っています(笑)。」
「えー!そーなんですかぁ!」
家内「このディアーノ・ダルバはバローロのクリュでもあります。宮嶋さんのイタリア・ワインの本の地図を見るとバローロに隣接したように見えるのですが、本来バローロのクリュです。ドルチェットはバローロに隣接畑の下側に植えられるのが通例なのでそのパターンなのかなと思っていましたがそうじゃない(笑)。」
私「フォンタナフレッダの丘の尾根を登った所にある標高の高い畑。丸っきりの石灰質でいわゆるバローロのネッビオーロを植える畑の土壌とは違います。これを調べて確認するのに、も~大変でした(笑)。」
「バローロの区画にドルチェット植えるとは…。絶句ですね。」
「ネッビオーロ植えてバローロってした方が高く売れるしね(笑)。」
「イタリア人は変わり者も多いから(笑)、一人D.O.C.G.なんじゃない(笑)。」
「生産者は数えるほどいないかも(笑)。」
私「そうかも知れませんね(笑)。」
「ネッビオーロからすると、癪な存在だな(笑)。畑でネッビオーロに苛められてるんじゃない(大爆笑)。」
私「マスキューはこの生産者カーサ・ヴェッキアのファンでして(笑)。ここのバローロとこのドルチェットの関係が、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノとヴイーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノの関係のように思えてなりません(笑)。もっともバローロは違うクリュで生産していますが(笑)。」


家内共々心に突き刺さりました(笑)。
●デフォラ 2007年 1+1=3(ウ・メス・ウ・ファン・トレス)スペイン 赤 
ペネデスD.O. 750ml 2406円税込み
「おっ、おっ~。旨い!」
「圧倒的(笑)。ニッコリしちゃうね(笑)。」
「すべてが巨大。でも、とても透明感がありますよね。何故?」
私「熟成したからとしか言い様がありません(笑)。」
「たしかに熟成しているけど、まだまだ行くね(笑)。2007年だから12年でこれか。
ポテンシャルがかなり高い(笑)。」
「チョコレート食べながらこのワイン飲むと言葉を失う(笑)。実に美味しい(笑)。」
「まるで太陽みたいな生命力を感じる。熟成することで光輝くのかな(笑)。」
「マスキューさん!このワインのコルク新しいですよね?」
私「出荷前にコルクを打ち直していますね。新品ですね(笑)。」
「それってどう言うことですか?」
「コルク自体は10年くらいの寿命です。このため品質管理を兼ねて打ち直し。あとさらに10年くらいは持つためだと思います。」
私「先日開けたほぼ30年経ったワインのコルクより長いコルクですね(笑)。」
家内「弾力を失い、そろそろ限界でしたっけ。」
「タンクに入れて出荷前にコルクを打っただけではないのですか?」
私「その場合は瓶内に澱が残りません。これはしっかり澱があります。それも瓶詰め前に樽で13ヶ月熟成していますから、細かい部分は落ちていますが。」
「そんなに生命力があると言うことは、全房発酵したクラシックなワイン?」
私「そう思っていましたが、インポーターさんに聞くと、除梗していました。不思議に思いよくよく調べると、ジュースの段階で18%ほどセニエをしていました。濃くなる訳です。」
「マスキューさん!セニエって?」
私「醪の水分だけを抜く方法です。直訳すると『血抜き法』。そうすることでより濃厚なワインになります。」
「グジュ、グジュの醪から2割も液体を抜き取って大丈夫なんですか(笑)?」
私「出来上がるワインが2割減ります。基本的には不作で薄い果汁しか得られない時にやる方法です。」
「抜いた果汁はロゼとして利用?」
私「左様でございます(笑)。」
家内・私「20年近く前にマスキューで流行ったプリオラートのスカラ・デイを思いだし、涙が出そうになりました(笑)」
「なるほど!あれね(笑)。たしか70年代半ばのものでしたよね(笑)。沢山飲んだなぁ(笑)。グラン・レゼルヴァでしたよね。」
家内「もうあんなプリオラートありません。スカラ・デイも売却されて、高くてつまらないものになっちゃいました。残念!」
私「ガルナッチャこそ長期に熟成して飲むべきワインなのです!あー、すっきりしたぁ(笑)。」
「このスタイルのワインはもう無いのか。
あったとしても高いんだ。」
私「これでも早く飲めるように工夫されていますが、かなりクラシックなワインだと思います。」


昨日、一昨日とご来店ありがとうございました!良きゴールデンウィークをお過ごしください。

桝久商店 岡本利秋・昭子

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