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Written on 2020 06 29

桝久 6月のエア・試飲会 リポート前半

Jun 29, 2020 by weblogland |


今月もマスキュー試飲会はエアとなりました。実況・解説は私、家内、ゲストは筋金入りのワイン・エキスパートのKさんとなります。あと飛び入りで無理やり何名かの方に強制参加していただきます(笑)。

●アップル・ツリー・フラット メルロ 2016年 ローガン・ワインズ オーストラリア 赤 セントラル・レンジG.I. 750ml
1226円税込み スクリュー・キャップ

Kさん「あれ?マスキュウさん、オーストラリア・ワインなんて珍しいですね(笑)。

私「そーなんです(笑)。これ普通に美味しいんですよね。」
Kさん「うんうん。ブラインドでやったら解らない(笑)。品種も当たらない(笑)。」
家内「残糖分がない上、酸もある。目立って甘くない。しかも樽とステンレス・タンクで4年近く熟成させてます。」
私「ありがちなスタイルだと、残糖分を残してハイ・トーストした木樽でちゃっ、ちゃっ、と熟成させてリリース(笑)。」
Kさん「うんうん。イエロー〇〇〇なんかね(笑)。飽きるんだよね。飲み続けるには辛い(笑)。これはシンプルなんだけど甘さもシンプルだから、涼しいオーストラリアのスタイルですよね。」
家内「オレンジ地区はオーストラリアでは一番標高が高いですね。」
私「冬場には雪も積もるようです。このローガン・ワイナリーのワインは割りと酸がある。果実味も赤く明瞭です。」
家内「以前のものは鮮烈。オーストラリア
らしい黒いワインではありませんでした
。」
私「そうそう。これは最近リリースされたものですが、今までとはスタイルが違う
。大人っぽくなったと言うか、オールド・ワールドのワインっぽい。」
Kさん「基本フラットなんだけど飲みやすい。飽きない飲みやすさなんだよね。とは言え薄くはない。冷やしても行けるかも(笑)?」
私「ではでは、液温をセラーの温度にしてみますね。」

液温が15℃になったところでティスティング再開!

Kさん「おっ!バランスがベスト!」
家内「タンニンと酸の折り合いがベスト!
スッゴク飲みやすい。」
Kさん「タンニンが口の中で感じられない
!」
私「今流行りの高級ポテトチップス食べながらダラダラ飲んでいたいワイン!下世話かな?」
Kさん「その下世話さ、とても宜しい(笑)
!温度が高めだとオージービーフのバーベキュー連想したけど(笑)、この抵抗のなさは特筆すべき!」
家内「確かに!液温が高いと血の味がする
脂身の少ないヒレ肉なんか欲しくなるけど、このニュートラルな酸とタンニンのバランスはイイ!最初に感じた苦味や甘味が気にならない。」
私「このワイン、翌日になるとプラムのニュアンスがとてもはっきり出ます(笑)。メルロなんだとよく解ります。思った以上に構造がしっかりしております。」
Kさん「価格が素晴らしい!コスト・パフォーマンス高いですな(笑)。オーストラリア・ワインも新たなスタイルを模索してるんですね。」
私「従来のスタイルだと、新興国のワインには価格で勝てません。」
家内「あと、温暖化が進んでいるのでオーストラリア自体ワインの産地特に量産地
がダメになってきていることが問題になっているようです。」
Kさん「それって大きな動機ですよね。ワインのスタイルが変わる時って、人的・自然的な変化の複合が引き金になるのが常。」
私「ワイン界の世界史的変化の一つかもしれませんね。」


●『エグジット』2018年 レ・ヴィニュロン・ド・ビュゼ 南西フランス 赤 ビュゼA.C. 750ml 1509円税込み
「あれ?ラベル・デザイン変わりませんか
?なんかすっきりしたような?」
私「よくお気づきで(笑)!」
家内「あっ、本当だ。」
私「これからの3本は再入荷アイテムです
。どれも定番なのですが、いつも途中でなくなります。」
家内「このエグジットは前回の2017年ヴィンテージが去年の春に入って夏前に完売(笑)。たまたまノコッテイタ2016年ヴィンテージを分けてもらい細々と販売していました(笑)。」
親子3代でお越しのH君ファミリー「これ濃くて美味しい。渋くもないし、スイスイ行けちゃう(笑)。割りと安い(笑)。」
H君ファミリー「今日はワインを買おうと来たんですが(笑)。5人だから3密かな?

私「いえいえ。他にお客様もいませんし、2本だけの試飲ですから(笑)。試飲会と言うほどでもないほとんどエア・試飲会でございます(笑)。」
ファミリー「これ、なんかエキゾチックな香りがする。なんとも言えない深くて上品な香り。」
私「開けたてははっきりしませんが、翌日になると香木みたいな香りですよね。」
家内「場所はビュゼ。ボルドーの川を遡った内陸部です。あの辺りのワインは若いうちは堅くて飲みにくいのですが、これはとても飲みやすいスタイルです。」
H君ファミリー「飲みやすいけど、全然薄くない!品種は何ですか?」
私「ボルドー系を混ぜて作っていますが、味わいはボルドーっぽくないですよね。かなり独特。」
Kさん「これってビオでしたよね。でもビオの変な癖がないんですよね(笑)。」
私「そーなんです。。SO2無添加で、しかもこの価格で販売するのはこのワインだけだと思います。」
家内「ワインを変にいじったインチキっぽさもないし(笑)。」
H君ファミリー「裏のラベルには亜硫酸って書いてありますけど?」
家内「醸造・熟成の工程で自然に作ってしまいます(笑)。それゆえ表記されます。」
Kさん「日本酒は表記義務がないんですよね(笑)。誰か文句言わないかな(笑)。」
家内「本来的な無添加でワインが出来るということはワイン自体が安定している。すなわち高品質でないと無理なのです。」
私「このワイン、元々の良さがあるのでレストランなどの人気アイテムでもあります。」
Kさん「プロは嗅覚が鋭い(笑)!」
家内「しかもこのワインは協同組合が作っています。」
私「普通協同組合が作るワインって無尽蔵
(笑)。協同組合ですから原料にはこと欠きません(笑)。でもこのエグジットは違います。無くなります(笑)。」
Kさん「ほっ、ほっー。寄せ集めじゃないのですね(笑)。ドメーヌ的な協同組合なのかな?日本ではあり得ない!」
家内「この協同組合は必要善ですよね。」
私「一般に協同組合で質を上げるの大変だし、オリジナルな味わいのワインを作っているのも凄い!」
家内「ここの上級品があったら是非試してみたい気持ちになります。」
私「協同組合のワインって上級品が美味しくないのが通例(言っちゃったゴメンナサイ。でもここの上級品あれば飲んでみたい!」
ご近所のKさん「ヴィーガン認証も取っているんですね。かなり厳しい認証らしいですよね。肥料も植物性じゃなきゃダメ
(笑)。」このご近所のKさん、凄く博学な方。単に知識があるというよりは博学。物事を理論づけて話してくださいます。偏見もなくリベラルで話を聞いていて楽しい(笑)。
私「そーなんです。糞もダメ(笑)。」
ご近所のKさん「ヴィーガンって理屈じゃないですよね。宗教的な教義に近い。」
私「半捕鯨も似たようなものですよね。理屈じゃないから議論にならない(笑)。」
ご近所のKさん「今のタバコ規制も似た匂いしますよね。私はタバコ吸わないし好きでもない。吸い殻をポイ捨てするのも
見てて良い気分はしません。でもタバコ排除のやり方は良くないですよね。」
私「同感でございます。魔女狩りに近い。

ご近所のKさん「今回のコロナでも似たようなことありますよね。何かを槍玉に上げて溜飲を下げるようなところありますよね。」
私「もっとも大事なことから目をそらすような力を感じますよね。」
ご近所のKさん「タバコの次はアルコール
。でも100円でチューハイ買えることの方が病巣が深いと思うのですけれど…。まあ、極端な規制はする必要はないし、その辺は適当な塩梅で大人の対応するのが望ましいですよね(笑)。」
私「そーなんですよね。右と左に世の中別けられないですもんね(笑)。私の人生なんて右往左往の連続ですから(笑)。」


●『クロス・ロヘン 』2019年 ボデーガス・イ・ヴニェードス・ポンセ スペイン 赤 マンチュエラD.O.750ml 1414円税込み
●『デパウラ 』2019年 ボデーガス・イ・ヴニェードス・ポンセ スペイン 赤 カスティーリャ・ラ・マンチャ 750ml 1414円税込み
私「この2本は2019年ヴィンテージで先日通関を切ったばかり(笑)。若いのと輸送のダメージを差し引いても宜しいかと(笑)
。」
「『クロス・ロヘン』と『デパウラ』どう違うのですか?」
家内「同じ生産者なのですが『クロス・ロヘン』はボバル種100%、『デパウラ』は
モナストレル種100%です。」
Kさん「はっきりとした違いありますね(笑)。どちらも赤い小粒な果実のニュアンス。しかもとても明瞭。若干落ち着きがありませんが(笑)。これは時間が経てば差し引けるか。『クロス・ロヘン』はプラム、『デパウラ』はフランボワーズやブルーベリーかな。こんなに鮮烈な果実味のスペイン・ワインって経験したことがありませんね。」
私「そーなんです(笑)。斬新かと(笑)。昔のモナストレルなんていつまでたっても果実味が出ない(笑)。平気で20年くらいかかりました(笑)。どちらもピノ・ノワール的なスタイルかと。」
ご近所のKさん「もともとボバルもモナストレルもブレンド用ワインですよね(笑)
。どちらも濃いからブレンドのベースとして作られバルクで売られていたワイン
。」
Kさん「スペインらしからぬ酸がありますよね。産地は『マンチュエラ』でしたっけ?」
家内「バレンシアから内陸に入った高地
で寒暖差の大きい産地です。」
Kさん「オーストラリア同様に高地がポイントのようですね(笑)。」
家内「はい(笑)。酸が残ったユニークでオリジナルなスタイルを造ろうとする流れ
ですね(笑)。」
私「実は2019年は飲むまで不安がありました。ヨーロッパが酷暑で、パリが40℃
越えたり、葡萄樹が枯れたり、酸のないワインが多いと予想しておりました。」
Kさん「マンチュエラ辺りだと日中は平気で40℃くらいいっちゃいそうですよね。

私「はい。思い出したのですが、スペインだと葡萄樹の仕立てが株仕立てです。そうすると葡萄果を覆うように葉が繁って日陰になる。彼の地は日陰はかなり涼しい。ビエルソのメンシア種なんかその特性を利用しているようです。」
家内「フランスやニュー・ワールドだとわざと葡萄果を日に当てるように仕立てる
所があります。」
私「いわゆる除葉です。そのスタイルだと
2019年の酷暑は乗りきるのが難しいような気がします。」
家内「『デパウラ』は去年リリースされませんでした。葡萄が基準に合わなかったそうです。2018年も暑かったので2019年も作られないかとヒヤヒヤしていました
(笑)。」
Kさん「2019年の『クロス・ロヘン』はアルコール分が12.5%なんですね。思ったより低い!この点だけでも従来のスペイン・ワインとは趣が違いますね(笑)。」
家内「『デパウラ』は13%。微妙に違いますね(笑)。意図があるはず(笑)。」
私「そうだよね。絶対意味がある(笑)。品種特性によるのかな?」
Kさん「同じ生産者で同じヴィンテージのものを比べるのって面白いですよね(笑)。
勉強になりますね(笑)。」

私「来たばかりなのであと1~2ヶ月置いておくと本来のしっとり感や落ち着きが出て、もっと美味しくなりますよ(笑)。その頃飲んで確認しなきゃ(笑)。」
Y夫妻「それにしても飲みやすい!これだってかなりのもの(笑)。ラベルに1ヶ月待て!って書いておかないと(笑)!」
Y夫妻「いやいや、ラベルだと見落とす可能性があるからキャップに貼っておかないと(笑)!」
私「完璧でございます(笑)!」



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