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昨日、一昨日とマスキュー店内試飲会にお越しくださいましてありがとうございました。
ワインがなくなったり、夕方一気に集中したり、不手際お許しくださいませ。
まずは南フランスの期待の星 ドメーヌ・バサックルイさんの白ワインからです。
◯ソーヴィニヨン・ブラン 2013年 ドメーヌ・バサック 南フランス コート・ド・トングI.G.P.白 750ml 1371円税抜き
「おっ、これですね(笑)。マスキューさんのブログに載ってたルイさんのワインですね(笑)。」
家内「はい。この写真の人です。」
「えっ!ホントに26歳?老けてる(大爆笑)。」
私「禿げてはいませんが、たしかに老けてますね(笑)。」
「ヨーロッパの人は子供から一気に大人になりますからね。」
「ところで、ワイン、ワイン(笑)。」
「あっ!これ旨い!」
「ソーヴィニヨン・ブラン100%なんですか?」
「私ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン好きで良く飲みますが、全然違う!」
私「桃っぽいんですよね。品も良いし。」
家内「ワイン自体の濃度はメチャクチャ濃い訳じゃないんですが…。なんと言えば…。程好いんですよね。」
「酸はしっかり入ってるから隠れた強さがあるよね。供出温度はもっと低い方が良いかな?」
私「さすが!実はわざと温度を高くしました(笑)。温度が高くてもバランスが良いのです。嫌なところが前に出ません。」
「なるほど!」
家内「抜栓直後はソーヴィニヨン・ブラン特有の青臭さなどがありますが、やがて果実味が勝ってマスキングします。」
「これ、どこのソーヴィニヨン・ブランかって聞かれたら、まず解らないよね。すごくエレガント!」
「南フランスのワインって力づくのところがあるんだけど、それがない。ちなみにアルコール分は何%ですか?
私「えーと。おっ!12.5%です。」
「低いなぁ~!」
私「補糖はしてないですね(笑)。」
「だからこんなに自然な味わいなんだ!」
家内「ルイさんは葡萄果が完熟するまでちゃんと待ち、一気に収穫するようです。あと、無理なプレスをしませんから、ワインがクリアに仕上がるんですね。」
「なるほど。だから雑味がないんだ。」
「草っぽさもちゃんとある。ソーヴィニヨン・ブランらしさもあるよね。あと凄く自然な飲み口だよね。」
私「ありがとうございます。広がり方と飲み込んだ後の余韻がとても美しいんですよね。」
「マスキューさん、ちょっと化学的な香りがするような気がしますが、何故ですか?」
私「良く気がつかれました!それはソーヴィニヨン・ブランの特徴でもあるんですが、樟脳のような香りですよね?」
「樟脳って?」
私「タンスに入れる防虫剤です。もともとは楠から採取されます。」
家内「濃くつくられたカベルネ系のワインにも出る香りでもあるんですよ。」
「ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランは強く出るね(笑)。」
家内「あまり感じないのはロワールのサンセールなんかかな。」
「マスキューさん。この白ワインは酸がありますが、マロラクティック醗酵はやっているのですか?」
私「マニアックな質問ですね(笑)。このワインはしていません。」
「どうやってマロラクティック醗酵を止めるのですか?」
私「ドメーヌ・バサックでは低温管理することで止めるようです。アルコール醗酵後にSO2を入れたり、濾過などの特殊なことをしたりはしません。ですから最後の最後にSO2を若干入れて安定させるようです。」
家内「通例の生産者と比べるとSO2の量が絶対的に少ないです。」
私「基本的に酸を生成し難い暖かい産地ですから、腐心しなくてはエレガントな白ワインは出来ないんでしょうね。今のトレンドになっています。」
さて、続いてはカベルネ・ソーヴィニヨンです。
●カベルネ・ソーヴィニヨン 2012年 ドメーヌ・バサック 南フランス コート・ド・トングI.G.P.赤 750ml 1371円税抜き
「おっ!これも白同様広がりが素晴らしいですな。」
家内「ボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨンとは違いますが(笑)、スパイシーでいかにも南のカベルネっぽい。」
「でも、このカベルネとソーヴィニヨン・ブランを比べると、同じ産地で同じ生産者が造っているとは思えませんね?」
私「そーですよね。カベルネ・ソーヴィニヨンは晩熟性なので収穫も最後になります。アルコール分も高くなり、パワフルな出来上がりとなります。」
家内「アルコール分は14.5%ですね。南フランスらしい(笑)。」
「完熟した時の糖度は品種によって違うんですね。」
「私、この赤はとても芯がしっかりしてるような感じがするんです。野趣とでも言いましょうか?土地にある環境が反映してるような…。」
「ひたすら飲みやすいだけのワインとは違うよね。ハーブなんかの植物の香りがするよね(笑)。」
私「ありがとうございます。皆さんさすがですね(笑)。ドメーヌ・バサックは今流行りのミクロ・オキシダシオンをしないようです。醪に微細な空気を送り込み醗酵を促進したり、タンニンを柔らかくする技術です。」
家内「ゆっくり時間をかけてポンピング・オーバーする昔ながらの方法でやるようです。」
さてさて次はルイさん渾身の赤ワイン。
●『ジュテーム』2012年 ドメーヌ・バサック 南フランス 赤 コート・デ・トングI.G.P. 750ml 1686円税別
「マスキューさん、これ以前の試飲会で出しましたよね。このラベルと味は忘れられない(笑)。」
「マスキューさんの一押しだね(笑)。」
私「お恥ずかしい。読まれてますね(笑)。」
家内「じゅげむ、じゅげむ じゃなくてジュテーム、ジュテームって、親父ギャクを聞かされ困ってます(笑)。」
「ところで前回は2011年で、今回は2012ですね。2011年の方が甘かったかな?」
私「今回2012年はアルコール分が14%ですから、2011年より低いですね。ヴィンテージの影響みたいですね。」
「うーん。旨い。果実の感じが溢れてる。コストパフォーマンスが素晴らしい。しかも複雑。果実を織り込んだよう。」
私「ドメーヌ・バサックのカベルネ・フランは素晴らしいです。赤いベリーのニュアンスが明瞭なんですよね。いままでの南フランスにはないスタイルです。」
「バサックのワインってバランスが良いですよね。マスキューさん曰く、『折り合いが良い』でしたっけ(笑)。」
「ところでマスキューさん。バサックはいわゆるビオ・ディナミの生産者なのですか?」
家内「ビオの認証はとっていますね。ラベルの下の方に小さく載っていますよ(笑)。でも、本人はビオが嫌いみたいです(笑)。」
私「ルイさんはビオではなく『オーガニック』と言っていました。ビオディナミの非理論的な部分が納得できないようです。良いワインを造るための本来的なプロセスが『オーガニック』と言っていました。良いワインを造るための自然なことで、売り言葉にしたくはないようでした。」
「ドメーヌ・バサックのような在り方って良いですよね。小さいけれども、確たるアイデンティティーがあります。こう言っては何ですが、日本の零細な日本酒メーカーは、零細な装置産業ですよね。やはりスタートからして違うから無理ないのかな?」
私「さすが見識が高い!日本酒のつもりでワインを造っても、駄目なんですよね…。唯一無二のワインを造る覚悟が必要なんですよね。この意識の立ち位置こそが、ワイン造りの一番大事なところかと。」
話しは乗ってきましたが、今日の日曜日は出張ワイン会です。急いで出掛けないと間に合いません(3日続きはちょっとつらい(笑))。
そんな訳で試飲会リポート後半は明日アップいたします。
ところで、今日は何話しましょう?