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Written on 2016 11 01

桝久 試飲会リポート 後半 201610

Nov 01, 2016 by weblogland |
●ピノ・ノワール 2015年 カーブ・サン・ヴェルニ フランス中央部 赤 I.G.P. ピュイ・ド・ドーム 750ml 1681円税込み
「おっ!これ濃厚。しかも軟らか(笑)。こういうワイン好きなんですよ(笑)」
「じんわり中から香りが出てくる。
噛みながら楽しむようなワインだね。」
「香りはベリー系ですよね。ピノと言えばピノ・ノワールだよね。でもブルゴーニュとはだいぶ違うかな?
旨いんだけどねぇ(笑)。」
家内「このワイン、フランス中央部
オーベルニュのピノ・ノワールです。」
「そう言えば前の試飲会でやりましたよね。あのワインに似てる(笑)。」
私「ご名答でございます(笑)。あのときはガメイの亜種でガメイ・ド・ベルニュでございました(笑)。」
「このピノ・ノワールはあれに良く似てますよね(笑)。それってテロワールなんですか?」
家内「土壌は花崗岩の風化した水捌けの良い土壌です。ボジョレーの銘醸地も花崗岩土壌です。そうするとテロワール以外説明がつきません。」
私「ガメイとピノ・ノワールは兄弟品種ですから、似ていることは不思議ではないかもしれませんが、このワインはかなりガメイっぽいです(笑)。」
「仮にガメイとしたってクリュ・ボジョレーくらいの水準だから、コスト・パフォーマンスは高いね(笑)。」
私「ありがとうございます(笑)。このワイン実は協同組合のものです。
通常協同組合のワインですと色々な生産者のワインを持ちより混ぜで造られますが、これは混ぜた感じがしません。インポーターさんによると決まった畑のピノ・ノワールだけで造っているそうです。それゆえ、混ざった感じや薄まった感じがしません。」
家内「彼の地ではまだピノ・ノワールの栽培が盛んでないんでしょうね。」
「ところで面白いラベル・デザインですよね(笑)?」
私「はい(笑)。オーベルニュにはミシュランの本社があり、フランスの交通標識を作っているそうです。それをパクったそうです(笑)。もちろん敬意を表してです(笑)。」
「それイイね(笑)!」

●ブルゴーニュ ピノ・ノワール 2009年 ドメーヌ・ド・ラ・プレット フランス ブルゴーニュA.C. 赤 750ml 2700円税込み
「本命のピノ・ノワールですな(笑)。」
「これ何本も飲んでるけど、いつも美味しいんだよね(笑)。」
「ストロベリーの香りが凄く綺麗で途切れない、しかも複雑。土やスバイスなんかのニュアンスが心地よくしてくれてる。」
私「これ昨日抜栓してます。今日の方が香りは出てます。さすがでございます(笑)。」
「このワインの色が一番薄いんですね。」
「それに騙される(笑)!」
「これぞピノ・ノワール!」
家内「色は薄いけどとても強く感
じます。」
「何故ですか?」
私「色が薄いのは醸しの期間が短いだめです。味わいが強いのは房ごと発酵する。いわゆる全房発酵だからです。」
「それってどういうことですか?」
私「今風ですと梗から葡萄果を取り除き粒だけで発酵させるスタイルが主流です。そうすることにより効率良く早飲みのワインを造れます。」
「マスキューさん!飲んでみてどうやって、除梗してるのかそれとも除梗しないで房ごと発酵させているのか?解るのですか?」
私「核心的なご質問ありがとうございます(笑)。果梗を残すとリンゴ酸の量が増します。」
「果梗って木質だからタンニンが増すのではないのですか?」
私「私も最初はそう思っていました。でもそれだと全房発酵した薄い色のピノ・ノワールの強さの説明がつきません。実際に葡萄の芽や果梗をかじるとリンゴの味がします。全房発酵の強さは梗由来の酸の量の多さでございます。」
「なるほど!そうなんですか。こんどかじってみます(笑)。」
私「ただし、ブルゴーニュのピノ・ノワールの場合、全房発酵する時は
プレスをしません。自然に流出した果汁のみでワインを造ります。ですから贅沢(笑)。」
「今のブルゴーニュもそうなんですか?ほとんど除梗してますよ。」
私「はい。ほとんど除梗してるようです。昔ながらのクラシックな全房発酵するドメーヌは少ないのが現実です。」
「ソムリエ協会の教本でも、赤ワインは除梗して造ると書いていますよ。」
私「はい。その通りです。除梗した方が歩留まりが良いのと、醸造時の葡萄果汁の汚染などのリスクが低減します。あと売りやすい早飲みに仕上げやすいです。」
「???ではどちらが良いのですか?」
家内「20年以上寝かして熟成の醍醐味を楽しみたいのなら、全房発酵したものです。」
「除梗したワインは熟成しないのですか?」
私「古典的なブルゴーニュの熟成はしません。」
家内「例外的にイタリアなどのとても強いワインですと、除梗していても驚くほどの生命力を持つものがあります。」
「そう言えば昔のブルゴーニュ・ルージュって若いうちはライム香が
強くてすぐになんか飲めなかったよね(笑)。あの当時はすぐに飲めるピノ・ノワールが欲しかったな(笑)。」
私「どちらか選択するのは飲み手の権利ですよね(笑)。それを狭めるのは生産者や我々の怠慢かな(笑)?」
家内「最近は今風の次のスタイルを
模索する生産者や、造りを昔風に回帰するスタイルも出てます。楽しみですね(笑)。」
「変わらない生産者もいるし(笑)。」
「試飲会で最初に出たアルベット・イ・ノヤなんかも模索してるんですね。」
私「酸がなくファットで飲みやすいワインは酸がないだけにどれも似通ってしまいますから、それを乗り越える努力をするようになってきたのだと思います。」

〇『エキスプレッション・サヴァニャン・フローラル』2011年 ドメーヌ・グラン フランス 白 コート・デュ・ジュラA.C. 750ml 2730円税込み
「最後は白ワインですね。マスキューさんの意図を感じるなぁ(笑)
。」
私「読まれてますね(笑)。」
「これ、香りが凄い!強くて複雑」
「花の香り!」
「そうそう。果実というより花。マスキューさん言うところの高山植物
ですね(笑)。」
「ラベルに書いてある通りの『フローラル』だね(笑)」
私「白、黄色、ピンク、赤の花の香りがします。」
「イタリアのレジーナ・ディ・フィオーリに似てるってブログに書いてあったけど、たしかにそうだよね(笑)。」
「でもこっちのほうがレジーナよりスパルタン 強い気がするかな?」
「いかにも山のワインって感じ(笑)。」
「今は香りに圧倒されてますが、奥にものすごく巨大なものが隠れてますよね(笑)。」
「旨味、ミネラル、う~ん。花以外のニュアンスも沢山有りそう(笑)。」
「マスキュさん。このワインは翌日
飲むと、花の香りより詰まって複雑な旨味や切れのある密度感が優先しますね。重さが出てくる。」
「チーズっぽさ??、石っぽさ?、栗とか穀物?、」
「茸もあるかな(笑)?」
「マスキューさん!このワインは木樽熟成してるんですか?」
家内「してると思います。おそらく古樽かと。樽の香りは解りませんが。」
私「酸の角を取るような樽の使い方ですよね。でも、資料が全くないので詳しくは解りません(笑)。」
家内「ホームページを見ても あっさり 手掛かりがありません。」
私「文献にも載ってない(笑)。」
「それって商売っけがない(笑)?でもワインはヤル気充分だから(笑)、自信があるんだろうなぁ(笑)。」
私「左様かと(笑)。」
家内「サヴァニャン単一品種でこれほど複雑なワインが出来るとは驚きです。」
「マスキューさん!インターネットでサヴァニャン調べると、かなり古い品種のようです。ですからポテンシャルは高いようですよ。」
私「ありがとうございます(笑)。また好奇心がウズウズしています(笑)。」

お忙しい中、ありがとうございました!
桝久商店 岡本利秋・昭子

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