Written on 2024 04 05
桝久 試飲会リポート 後半
Apr 05, 2024 by weblogland |◎『スピリタス』テッレ・マルヴァジア・オレンジ 2022年 カンティーナ・オルソーヤ イタリア アブルッツォ オレンジ・ワイン テッレ・ディ・キェティ I.G.P. 750ml 2734円税込み
「マスキューさん!前のリースリングからギア上がって来ましたね(笑)。きっとこれから一気にトップギアかな(笑)。」
私「えへへ(笑)。まっ、まっ、どうぞお試しくださいませ。」
「オレンジ・ワインでしたっけ。コレまさにオレンジ色(笑)。」
「前に試飲会で出た『ダイダイ』みたい(笑)。もろにオレンジ色(笑)。」
家内「これはマルヴァジアを皮と共に3日ほど発酵してから果皮を分離したものです。見た目ヴァン・ド・パイユ(ウズラの目の色)みたいですよね(笑)。」
「えー!3日だけでこんなに色がつくのですか?」
私「なんでも昔はこのスタイルのワインを作っていたそうです。」
「え~と、『ダイダイ』はたしか黒葡萄でしたよね。でもってマルヴァジアって白葡萄。不思議だなぁ?」
私「そーなんです。黒葡萄を果皮接触したキアレット ロゼみたいですよね。」
家内「マルヴァジアって自然に変異することが多い品種のようです。畑の写真を見ても葡萄の房の色合いが一定ではないように見えます。」
「秋の夕暮れの田園風景だよね(笑)。まだ残照で明るくて…。」
「そうそう太陽がギラギラした真夏の真っ昼間じゃないよね(笑)。」
私「『ドンナルーチェ』もマルヴァジアですが、きっとクローン管理や選別などしているかと。オルソーニャは自然で乱雑(ごめんなさい)、プリミティブな葡萄樹栽培をしているようです。」
「う~ん。味わいもオレンジ(笑)。かなり濃い。香りも同様(笑)。」
「ホント、全体に濃いし、強力(笑)。凄い広がり!口の中が大変になっている。」
「広がり、余韻共に立派(笑)。なかなかお目にかかれない(笑)。」
私「抜栓した翌日になると重心が下がったように感じます。」
「『ドンナルーチェ』みたいに磨かれたワインとは違いますよね(笑)。単一クローンの畑ではないですよね(笑)。基本香りはオレンジだからマルヴァジアなんでしょうけどね(笑)。」
家内「よくキャンティなどにマルヴァジア・ネロが少しブレンドされる訳が解りました(笑)。キャンティらしさのオレンジのニュアンスのためなんだろうな。」
「店長!単なるオレンジ爆弾じゃないんだよね(笑)。樹木…、葉っぱ、あとミネラル…たっぷりですよ(笑)。」
「ドライ・フルーツをブランデーに浸けたような凝縮感と香り。アプリコットっぽさもある(笑)。」
「とても自然なんだよね(笑)。強いけど飲みにくい訳ではない。ワインに飲まされるような感覚(笑)。」
「折り合いが高度(笑)。言葉を失う。」
私「収量をかなり落とした印象ですよね(笑)。尽力を感じます。」
「ジョージア辺りのオレンジ・ワインとは違う印象。とても綺麗。変な香りがしませんよね(笑)。」
「ビオ臭しないよね(笑)。これだってほぼ無添加なのにね?しかもお安い(笑)。」
私「技術も高いし、ある程度の量も確保出来ています。ビオのトップランナーですね。しかも協同組合と聞いて絶句しました(笑)。」
「う~ん。コレ甲殻類だよね。合わせるのは絶対甲殻類(笑)。」
家内「皮ごと焼いた海老!物凄く美味しかったですよ(笑)。」
「ところでマスキューさん、ブログ読んだんですが、同じヴィンテージでも味が違うのですか?」
私「はい。同じ2022年のオレンジ・ワインはチェリーやプラムなどの香りが強くまるでキアレット。黒葡萄から作ったとしか思えませんでした。今回は香りはマルヴァジアらしいオレンジでした。」
「それってありなんですかね(笑)?」
私「基本ネゴシアン系や協同組合のワインはブランドすることでワインの味を安定させるものです。例えばルイ・ラツールのマコン・リューニー。これは協同組合カーブ・ド・リューニーの作るもの。今ではルイ・ラツールのエントリー・アイテムとして看板ワインとなっています。」
「それってとても重要ですよね。いつ飲んでもルイ・ラツールのマコン・リューニーだ!ってね(笑)。」
私「左様かと。品質も高く、評価されてますよね(笑)。協同組合とのコラボの成功例です。質と量を確保しルイ・ラツールのブランドを世界的に広めました。自社畑にこだわるとこうはならなかったと思います。」
「そうするとオルソーニャは違う方向に行ったんですね(笑)。僕は味わいがある程度予測出来るスタイルの方が嬉しいんだけどね(笑)。」
私「きっとワン・ロットが農家1件分に近い気がします(笑)。」
「そりゃ味わいは安定しないよね(笑)。」
私「ただし、特に収量の規格は厳密に守られていると思います。この『スピルタス』シリーズはとことんやっているような気がします(笑)。ワイン自体の力が無添加でも可能なレベルまで収量を落としています。」
「協同組合で一般に求められないレベルと言う話ですね(笑)。」
私「それでも、協同組合でも実現していることは或意味トップランナーですし、面白いと思います。」
「ビオだからむやみに高く売る訳じゃないことには賛同します(笑)。」
私「ありがとうございます(笑)!」
●ボナルダ 2019年 マルティルデ イタリア ロンバルディア 赤 オルトレポ・パヴェーゼD.O.C. 750ml 2734円税込み
私「お次はロンバルディアのビオ系生産者のワインとなります(笑)!」
「マスキューさん!これも凄そう(笑)。色が光を通さない(笑)。」
「うわっ!凄いタンニン!」
「う~ん。タンニンの量が凄まじい(笑)。」
「若すぎてタンニンが目立つワインとはニュアンスがちょっと違う?」
「渋くて飲めない訳ではないんだよね(笑)
。渋いには渋いけど(笑)。」
「タンニンはたっぷりなんだけど果実に直結してるから嫌じゃないんだよね?」
家内「2019年ヴィンテージですが、熟成に木樽は使っていません。それゆえ葡萄のタンニンのみです(笑)」
「凄く甘くも感じますが、砂糖っぽくないんだよね(笑)。」
「マスキューさん!オルトレポ・パヴェーゼって割りと国際品種を栽培してますよね。ピノ・ノワールなんてとても高級ですが美味しい。どちらかというと洗練されたワイン産地だと思ってました。こんなワインがあるとは!びっくりしましたよ(笑)。」
「そういえば資格試験の時『俺とレポート書こうぜ!』って覚えたなぁ(笑)。」
家内「私、このワインの最後に残る澱を食べてみました(笑)。それが美味しい!葡萄の味がたっぷり(笑)。美味しく澱をいただいたのは初めてです(笑)。」
「澱が美味しい。そんなことあるのですか
(笑)?」
家内「ふふふ(笑)。グラスのそこの澱を召し上がれ。」
「あっ!本当だぁ!葡萄(笑)。」
「甘味…、旨味も多量で多量なタンニンとバランスを取っている(笑)?経験したことないワインなのは間違いない(笑)。」
私「このワインは今飲むべきワインのような気がします。」
家内「私、ビエルソのメンシアやブルグイユのカベルネ・フランか好きなのですが、このワインに似てるんですよね(笑)
。好きなんですよ(笑)。」
「たっぷりのタンニンを楽しむべきワインなのかな?」
「ちょっと溜まり醤油っぽいですよね。漬け…、鰻の蒲焼きのタレ…、合うかも(笑)。」
「私、実家が千葉でして、帰る途中の道の駅で『下総醤油』というのが売っております。とても濃厚で美味しい。このワインの醤油っぽさに似たモノを感じます。」
「解った!このワインは牛肉の干し肉に合わせるワインです!臭くて美味しくて病み付きになる(笑)。」
私「半生のジャーキーみたいなやつですね(笑)。」
「子羊…、ラム肉!」
家内「マルティルデはご夫婦の意思で農園を始めました。もともとはミラノのIT関係の会社員で週末をこの地で過ごしてましたが、農業を生業にしてしまいました
(笑)。生活を楽しむための決定とか。このワインを飲むと、ご夫妻が飲みたいワインを作る意思を感じます。」
「ラベルが良いなぁ。ジャケ買い決定(笑)!」
「マスキューさん、ブログで書いてたけど
ラベルたしかにクリムト風(笑)。」
家内「奥さんが描いたそうですよ(笑)。この猫や最後の馬も飼っている動物です(笑)。」
「馬を飼う!カッコいい(笑)。馬は飼ってどうするのかな?」
「交通手段ではなく、農耕馬かな?」
「いやいや、ただ好きだから飼ってるかも
(大爆笑)。」
「馬のお尻が好きなのかな(さらに爆笑)。後ろ向いてるし。」
●『ザッフォ』クロアチーナ 2017年 マルティルデ イタリア ロンバルディア 赤 プロヴィンチャ・ディ・パヴィアI.G.T. 750ml 3394円税込み
「今日のラスボス登場ですな(笑)。」
「おー!うんまい!」
「あ~、高級…、極上の味わい(笑)。」
「肉厚の昆布みたいな…、旨味たっぷり。」
私「このワインも全然ビオ臭しません。ちょっと後味に枝豆っぽさは感じますが。」
「猫のワインの後味にも枝豆っぽさありますよね?」
私「多分酵母の匂いかと。」
「このワインは前の猫のワインと同じ品種なんですか?ホントですか?」
私「はい。そーなんです(笑)。」
家内「ボナルダ=クロアチーナ シノニムとされますが、信じられない。とはいえ香りに共通項はあると思います。」
「プラム…、ベリー…、猫ラベルの方がはっきりしてる。『ザッフォ』はまだまだなのかな?」
「ヴィンテージは2017年ですか。まだまだ行けそう。前のワインと比べるとこっちの方がまだ閉じている。猫のワインの方が飲み頃なのかな。」
「この馬のワイン、折り重なるようなタンニンと香り。マスキューさんがよく言う壮麗なワインかな(笑)。」
「広がり、奥行き、余韻、佇まいすべてが異次元。今飲んでも飲みにくくはないんだけど…。少なくともこのワイナリーの頂点だろうな。」
「店長!アルコール分はいかほどですか?」
私「猫は14%、で馬は15%です。」
「え~!15%もあるとは!全然そんな感じしませんよ。」
「すべてが高次元に調和している証なのかな…。」
「それにしても猫と馬が同じ品種とは思えない。しかも生産者も同じですよ!」
家内「ボナルダはミラノ周辺では単独表記されますが、クロアチーナの場合はブレンドされる場合がほとんどです。100%クロアチーナ表記したワインはコレが初めてです。」
「ボナルダだとDOCで、『ザッフォ』クロアチーナだとIGTになってますね。何故だろう?」
私「猫の方はキュヴェ名がDOCボナルダで、馬の方はキュヴェ名が『ザッフォ』。バック・ラベルにクロアチーナ2017と記載はされてますが…。」
「『ザッフォ』って何ですか?」
私「馬の名前のようです(笑)。」
家内「この辺の意図は謎ですが(笑)、可愛いのでしょう(笑)。このワイナリーのラベルに描かれている動物は飼っているものです(笑)。猫のラベルもあるんですよ(笑)
。」
「あれ?二本ともコルクはDIAMですね。猫はDIAM2で馬はDIAM10ですよ!」
私「スミマセン。見えなかったです。最近目が悪くなって(笑)。」
「ということはやはり猫は早飲み、馬は長熟タイプなんですね(笑)。」
「それにしても面白いワインですね(笑)。前回のテアトロ・イタリアの振り切ったスタイルにも驚かされたけど(笑)、よくこんなの見つけますよね(笑)。」
「しかもこのワイン、安いよね(笑)。嬉しい(笑)。」
「このワイン、何も食べないでコレだけ飲んでも良い(笑)。ワインに浸りたい(笑)。」
「そうですよね。高級なチーズくらいしか思い浮かばない。」
家内「霜降の馬肉!」
私「そんな罰当たりなことを言ったら叱られるよ(笑)。合いそうだけど(笑)。そうそう、もう『ザッフォ』は作らないそうです。」
「何故?」
私「よく解りませんが…。『ザッフォ』は畑の一番古くて良い区画の葡萄を使っているようで毎年は作りません。改植時期なのかもしれません。あとは夫婦のいざこざくらいしか思い浮かびません(笑)。」
家内「インポーターさんの在庫も尽きたようですから、マスキューも在庫限りとなります。」
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