昨日はお忙しい中、ご来店ありがとうございました(笑)。
まずはウェルカムを兼ねて泡です!
〇プロ・セッコ エキストラ・ドライ サンテロ イタリア 発泡性 白 プロ・セッコD.O.C.750ml 1440円税込み
「飲みやすいですな。でもちゃんとプロ・セッコの香りがするね(笑)。」
「マスキューさん。このプロ・セッコ『お一人様一杯』の札かかってますが、数がないんですか?」
私「お恥ずかしいのですが、急に人気が出たらしく追加発注したら既に完売していました。すみません。」
「プロ・セッコって癖があるけど、このワインは癖に感じないよね。日本人好みになるのかな?」
「独特の植物っぽさがあるよね。でも品が良いね。」
「伸びやかさがプロ・セッコらしいよね。」
「飲みやすくて危険だな(笑)。下手すると30分かからないで飲んじゃいそう(笑)。」
「サンテロってオレンジのラベルがありましたよね。あれもひたすら飲みやすい(笑)。」
「ずいぶんあのオレンジのスプマンテ飲んだなぁ(笑)。」
「あのオレンジとこの水色は明らかに違うよね(笑)。」
私「このプロ・セッコ、フリウリからタンクでピエモンテに持ってきて瓶詰するんですが、法律は原則禁止。でも法律以前からこの方法でサンテロはやっており、しかもプロ・セッコを有名にしたのもサンテロなので特例扱いだそうです。」
「なるほどね。誰も文句言えない訳だ(大爆笑)。」
「マスキューさん。サンテロってそんなに大きな会社なら、このプロ・セッコは日本仕様なんですかね?」
私「あー!有り得るかも知れませんね。調べてみます。」
家内「この繊細で飲みやすいスタイルのプロ・セッコって、ありそうでない(笑)。」
「うーん。良い意味でも悪い意味でも完璧なんですよね。」
深いご指摘ありがとうございました!
さて次は春の試飲会でマスキューデビューしたシャトー・ル・ペイラ。夏場を越して変身です(笑)。
●シャトー・ル・ペラ 2009年 カスティヨン コート・ド・ボルドーA.C.フランス ボルドー 赤 750ml 1200円 税込み
「これって春飲んだ時、ローヌのワインみたいだったワインですよね?」
私「はい(笑)。夏場を越して良くなったかと…。」
「確かにボルドーの味(笑)!」
「このワイン、カベルネ・ソーヴィニヨン入っていますよね?とてもしっかりしてますね。」
私「実はメルロが85%、カベルネ・フランが15%です。春に飲んだ時はふくよかさが印象的で、いかにもローヌっぽかった(笑)。」
「でもこれ、立体的で構造に鉄筋が入ってる(笑)。カベルネ・ソーヴィニヨンっぽい硬さがあるよね。なんでかな?」
私「ありがとうございました。夏場を越して、タンニンが立体的になりました。折り重なり壮麗とは言えませんが(笑)。その系譜に繋がるかと。」
「広がりもありますよね。」
家内「農薬の使用量が少ないようです。」
私「2009年の作柄は良いみたいですね。」
「そうそう。特に右岸はかなり良さそうですね。」
「ボルドーでもコストパフォーマンスの良いワインがまだあるんですね(笑)。」
「マスキューさん。これって熟成するってことなのですか?」
私「この変化はワインの質が時間の経過と共に向上している状態です。熟成は劣化の蓄積と見る専門家がいますが、この場合は良い方向に作用してますよね。」
「じゃあ、時間が経ても良くならないワインもあるってことですか?」
私「鋭い(笑)!沢山あります(笑)。」
話しが危なくなってきました(笑)。
次は波乱のドメーヌ。
●『クロー・ド・ネル』アンジュ・ルージュ カベルネ・フラン 2010年クロー・ド・ネル フランス ロワール アンジュA.C. 750ml 2190円税込み
「相変わらずラベルかっこいいな(笑)。2003年3本飲んだっけ(笑)。どれどれ…、あっ!2010年は2003年とは別物!」
「同じ生産者のワインとは思えない。」
私「そーなんですよ。優良なシノンやブルグイユみたいなんです。」
「店長!私、マスキューさんで散々カベルネ・フラン飲んだから試験のティスティングでは、一発でフラン解りましたよ(笑)。この2010年は典型的でとても良いですよ!」
私「ありがとうございます(笑)。家内共々フラン好きなものでして…。」
「2010年は先々2003年みたいになるんですか?」
家内「2003年は、反則と言って良いほどの凝縮したワインです。2010年は規格内の造りですから、熟成しても2003年のようにはならないはず。もっとも2003年は10年経ってもあまり変わらなかったし(笑)、まだまだ伸び代があるはず。」
私「2005年は醗酵槽で微生物が発生したらしくワインがダメになり、2006年は雨によるベト病が発生して収穫の全てをダメにしたようです。原理主義的なビオディナミの生産者として注目されていましたが、やり過ぎはあまりにリスクが高かったようです。二年連続で収穫がゼロですから破綻してしまいます。」
「あー、そうなんですか。気の毒ですね。それでルフレーブの経営になったんですね。ワインづくりも安全運転になった訳だ。岡本さん、実は私2003年1本取ってあります。」
私「それはそれは!先見の明がありましたね(笑)。飲んだらどんな味になっていたか、教えてくださいね(笑)。」
「ワイン造りって大変なんですね。」
私「この2010年がルフレーブによる再出発ヴィンテージになります。樽熟成期間も1年と短くなってますね。」
家内「2003年は3年熟成。ロワールでは異例なワインでした。」
「冷静に考えると、今の有名ドメーヌの造るカベルネ・フランは3000円くらいはしますから、この2010年はコストパフォーマンス良いですよね。」
マスキューのワイン・ラヴァーはクロード・ネルを見守ります!
今度は南フランスの果実爆弾の登場です。これも2009年とは違った味わいです。
●『ドモワゼル・クレア』 2010年 カバルデスA.C. ドメーヌ・カザバン 南フランス ミディ 赤 750ml 2100円税込み
「うわっ!まろやか!旨いなぁ。」
「ホント(笑)。2009年って凄く強い印象ありましたよね。2010年も凝縮感はとてもありますが、融合している感じかな。」
「シラーとメルロで出来ているのが信じられない(笑)。」
「それだけでも不思議ですよね。」
「2009年のペパーミントのニュアンスはシラーの特徴なんですか?」
家内「スパイシーさはシラーの特徴ですが、暑い年に過熟するとシラーに限らず表れ易い特徴かと。」
私「南フランスの2009年では割と良くみかけられました。2010年の方が完熟のタイミングにずれが無かったように思います。」
「たしかにこのワインは濃いけれどジャムっぽさがない。ディテイルに無理がない。」
私「流石!あと2010年は複雑で変な香りもします(笑)。いわゆるビオ臭です。時間が経つと消えて行きますが。」
「この漢方薬みたいな感じかな?」
私「はい。ちょっとシナチクっぽい(笑)。甘い泥みたいな(笑)。」
家内「この点、好みの別れるところですね。」
「リキュールのチェリー・ヒーリングに似ていませんか?」
私「似てますね(笑)。きっとチェリー・ヒーリングの方が似せたんですよ(笑)。(良くお気づきで!鋭い感性です。勉強してますね。)」
さて、いよいよ佳境。あっと驚くサルデニア島のワイン登場!
●『カンノナウ』 2011年 ヌラーゲ・クラビオーニ イタリア サルデーニャ島 カンノナウ・ディ・サルデーニャD.O.C. 赤 750ml 2680円税込み
「あっ!色薄いですね。ロゼみたい(笑)。」
「ブルゴーニュのピノ・ノワールみたい!エレガント!」
「チェリーですよね。たしかにピノ・ノワールぽい。でもオリジナリティあるよね。」
「経験したことないなぁ。田舎臭いところはイタリアっぽいけど(笑)、高貴な味わい。」
「そうそう。田舎の貴族や王様が飲んでいそう(笑)。こりゃ旨い!」
「色は薄いけど、物凄く強靭。酸の量が凄いね(笑)。でも酸が上手にコントロールされてるよね。最近マスキューさんが探してる薄旨いワインですかな(笑)?」
私「私、結構このワインにやられてます(笑)。このマラスキーノチェリーの味わいは、比べるものがないかと。」
家内「前に扱ったパーラのカンノナウとは全く別物です。あのワインは理解の範疇でしたが、これは想像を越えてます(笑)。」
「カンノナウ→ガルナッチャ→グルナッシュでしたっけ?でもこのワインはあくまでカンノナウとしか言いようがないよね。それでも、きっとサルデニア島では特異なカンノナウなんだろうね?」
私「暑く寒暖差のない砂地でこんなに香り高いワインが出来ることはセオリーにはありません。面食らいました。」
驚きはまだまだ続きます。続いて白。
〇『カニマリ』 ヴェルメンティーノ ディ サルデーニャ2010年 ヌラーゲ クラビオーニ イタリア ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャD.O.C.白 750ml 2670円税込み「おー!言葉が出ない(笑)。物凄い密度。」
「グリーンのノートが強い。圧倒的だね。」
「液体の中にあるミネラルの量が凄いですね。つけ入る隙がない(笑)。カンノナウと同じ人が造ったとは思えませんね。」
家内「カンノナウもこの白ワインも密度感が凄いのですが、無理した感じがないんですよね。わざわざ収穫を遅らせたような…。」
私「それなりにちゃんと収まっているんですよね。」
「白ワインにこんなに強いワインがあるんですね。途方にくれちゃいます(笑)。フレッシュでフルーティーなのが白だと思ってました。」
「なるほど、試飲会の最後に出てきた訳だな(笑)。」
私「いきなりこの白を飲んだら、ショック症状を起こすかも(笑)。サルデニア島最良のヴェルメンティーノの部類です。」
「このワイン何に合わせたら良いんですか?思い浮かばない(笑)。」
家内「魚介類やペコリーノみたいな強いチーズには最適です。魚介類と言っても濃厚なアメリカンソースなんかを使った料理でしょうね。」
「甲殻類ですね(笑)。」
以上、お疲れ様でした!
桝久商店 岡本利秋・昭子
Written on 2013 09 29
桝久 試飲会リポート
Sep 29, 2013 by weblogland |ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。
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