さてさて、最先端の巨大ワイナリーの次は、3ヘクタールを夫婦で耕作するマンパワーと智恵の塊ロ・ゼルボーネのワインです。
○『レ・ギャーレ』ビアンコ 2014年 ロ・ゼルボーネ イタリア ピエモンテ ヴィーノ・ビアンコ 白 750ml 1944円税込み
「あれ?変わってる(笑)。でもなんか凄い(笑)!」
「癖が目立ってある(笑)。でもパワーと個性が飛び抜けてる(笑)。」
「色もメチャクチャ濃い。オレンジ色に近い。」
「渦巻いてる(笑)。」
「私には強すぎる(笑)。無理(笑)。」
「シェリーっぽさ。これは好みが別れるかな?」
「旨味がたっぷり(笑)。」
「マスキュさん、これって品種は何ですか?」
私「ガヴィ等で使われるコルテーゼです。」
「へぇー。こりゃ解らないな(笑)。」
「ジャスミンの香りや、ハーブの香りが吹き出てますよね(笑)。あー、ナツメグ。カレーに入れる香辛料を強く感じる。」
「シェリーみたいな酸化したニュアンスが香りと一緒になって気にならなくなってくる。」
私「この白ワインは独特ですよね(笑)。SO 2 は使っていません。色も濃く今流行りの『オレンジ・ワイン』の範疇なのかな?」
「マスキュさんは『オレンジ・ワイン』なんて言ってワイン売るの嫌でしょう(笑)?」
私「読まれてますねぇ(笑)。」
家内「オレンジ・ワインって素焼きのアンフォラで熟成したプリミィティブな造りのワインですよね?イタリア北部や中欧なんかの田舎で伝統的に造られてるワインですよね。」
「ワイン雑誌なんかでよく取り上げられてますよね。割りと高いけど(笑)。」
私「造られてる現地の町ですぐ飲むには楽しめますが、あれをそのまま輸出するには無理があります。素焼きのアンフォラ熟成はかなり危険。
少なくとも陶質の甕ならまだしも…
。ホーロー引きやステンレス・タンクだって良いし。それを『オレンジ・ワイン』と名付け第3のワインとして売り出す戦略は胡散臭い(笑)」「イギリス的なビジネスを感じますね(笑)。」
「あと価格が馬鹿高い(笑)。」
「まあ、飲みやすいだけの今風のワインとは違うし、面白いワインだと思いますが、外れも多い。何度か外れました(笑)。」
「店長!そんなこと言っちゃダメですよ!『オレンジ・ワイン』ってだけで飛びつく人は沢山いるんですから(笑)。売れますよ(笑)。」
私「失礼しました(笑)。へそ曲がりなもんで(笑)。」
「そのへそ曲がりがイイんですよ(笑)。」
私「誉められてるのか、慰められているのか(笑)?」
※試飲会のあとに気がつきましたが、このワイン シャルトリューズに似ています。どちらかと言えばジョーヌに近いかな?ペコリーノなんかを食べながら飲んだら美味しいんでしょうね(笑)。
◎キアレット 2013年 ロ・ゼルボーネ イタリア ピエモンテ ロゼ ヴィーノ・ロサート 750ml 1573円税込み
「マスキュさん!このキアレット色がとても濃いですよね。薄い赤ワインに近い(笑)。」
私「そーなんです(笑)。キアレットは黒ブドウをすぐに圧搾しますから
本来は淡いピンク色。きっともともとの黒ブドウのタンニンが濃いからかと。」
「これ凄い!白みたいな酸化したニュアンスはないけど、共通した味わい。旨味が半端ない!」
「白同様に野趣溢れる味わい(笑)。」
「森のなかにピクニックに行って、ハムやチーズを挟んだパニーニなんか食べながら飲みたい気分になりますね(笑)。」
「広がりとか奥行きがスゴくある。余韻も長い。こんなロゼ・ワインは飲んだことありませんよ(笑)。」
家内「ありがとうございます(笑)。私も今まで経験したことのないスケールのロゼ・ワインです。こんなに美味しいロゼは飲んだことがありません(笑)。」
私「果実味は干した杏子やブラム。鮮烈で力強いです。ドルチェットらしい果実味です。」
「ドルチェットと言うとネッビオーロやバルベーラなんかの下のランクだよね。ランクは下かも知れないけどこんなにも美味しいんですね(笑)」
私「チェリーやベリー系のいわゆる高貴な香りはしませんけれど、実に味わい深く美味しいかと(笑)。大変な尽力を感じる味わいです。」
「マスキューさん!ゼルボーネのワインの中ではこのロゼ異常に安いんですが、何故ですか(笑)?」
家内「『大日本ロゼ・ワイン普及協会会長』の私が言うのもナンですが(笑)、ロゼ・ワインはあまり売れません。それでインポーターさんが売れるように価格を押さえたんだと思います。実際ゼルボーネの輸入本数で一番少ないのがロゼでした。」
「なーるほど!嬉しくも悲しい話しですね(笑)。」
大日本ロゼ・ワイン普及協会会長大推薦の飲むべきロゼ・ワインでした(笑)。
●『レ・ぺルゴーレ』2013年 ロ・ゼルボーネ イタリア ピエモンテ ヴィーノ・ロッソ 赤 750ml 1851円税込み
私「このワインもドルチェット100%です。造りの特徴としてはボジョレーのようなマセラシオン・カルボニックをしています。」
「マセラシオン・カルボニックって?」
私「密閉式タンク内で発酵させます。飲むと府に落ちますよ(笑)。」
「あっ!キャンディーっぽい(笑)。ボジョレー・ヌーボーに似てる(笑)。」
「うんうん確かに似てる。でももっと濃い(笑)。これ軽いワインじゃないよね(笑)。タンニンが滑らかだけど凄く緻密。」
「あと、酸の強さはボジョレーとは違うかな?」
私「ご明察でございます(笑)。マセラシオン・カルボニックで発酵後一年間ステンレス・タンクで熟成しています。やわな早飲みのワインではありません(笑)。」
「ボジョレーみたいと言ってもクリュ・ボジョレーの良いワインレベルだよね。」
私「時間が経つとキャンディーっぼさが消えてドルチェットらしいブラムのニュアンスが出てきます。柔らかに造っているようですが、実はスパルタンな良さがちゃんとあります。」
家内「畑は3ヘクタールしかありませんから、ブドウの栽培の仕方は同じはずです。作柄ヴィンテージによって醸造方法を変えるようです。」
私「ゼルボーネはキュヴェ名がコロコロ変わります(笑)。」
「ラベル・デザインは3パターンですよね。でもよくみるとブドウの色なんかが違ってる(笑)。」
「小技使ってますなぁ(笑)。」
「マスキューさん、葉っぱのラベル・デザインのキュヴェは今回入らなかったのですか?あのランブルスコみたいに泡立つ赤ワイン(笑)。」
私「来ました。飲んでみましたが、まだまだ強すぎて飲み頃ではありませんでした。2007年と2013年です。今回は瓶詰め前に若干SO 2 を入れたようで泡立ちませんでした(笑)。様子を見て入荷させる予定です。」
●ドルチェット・ディーオヴァーダ 2005年 ロ・ゼルボーネ イタリア ピエモンテ 赤 ドルチェット・ディ・オヴァ-ダ
D.O.C. 750ml 2314円税込み
私「これを飲めばゼルボーネの真の力量が解ろうかと思います(笑)。」
家内「なんと2005年でございます(笑)。」
「色は落ち着いてるけれど、古い感じはありませんよね。香りにも酸化臭もしない。重い還元臭はしますね。大物感あるね(笑)。」
「スケールが大きい!タンニンと甘さのボリュームが素晴らしい!」
「圧倒的!」
「良いワインには時間が必要なんだと実感しますね(笑)。」
「マスキューさん、このワインとても強いですけど全房発酵してるのですか?」
私「除梗しています。けれども生命力は大したものです。10年経っても枯れません(笑)。」
「店長!ビオ系のワインは除梗する場合が多いですよね。リスク回避なんでしょうね。だから割りとワインが持たない(笑)。これは本物ですね
(笑)。」
「こんなワインがあるんですね。よく日本に輸入したしたよね(笑)。」
私「ありがとうございます(笑)。あとゼルボーネの赤ワインは共通して
ピリッとしたワサビ菜のニュアンスがあります。何故か解りませんが。
一度生産者に会って話を聞きたいものです(笑)。どれも好奇心を掻き立てられる面白くて質の高いワインです(笑)。」
ありがとうございました。
桝久商店 岡本利秋・昭子
Written on 2016 09 27
桝久 試飲会リポート 後半 201609
Sep 27, 2016 by weblogland |ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。
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