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Written on 2017 06 26

桝久 試飲会リポート 後半 201706

Jun 26, 2017 by weblogland |
●『サン・ヴィザージュ』2014年 ドメーヌ・フランソワ・メリオー フランス ロワール 赤 トゥーレーヌA.C. 750ml 2268円税込み
「マスキューさん!これ品種名は『コー』ですか?」
私「はい。『コット』とも言うようです。」
「あ~。資格試験で覚えましたよ(笑)。『
コット』、『オーセロワ』、『マルベック』でしたよね(笑)。」
「ニュー・ワールドの『マルベック』ですか?いろんな言い方するんですね。」
家内「このドメーヌでは伝統的に『コー』と呼ぶみたいですね。」
「それにしても色が濃い(笑)。」
「真っ黒(笑)。」
私「墨汁みたいですよね。カオールなんかだとこんな感じかな(笑)。」
「一つ前に飲んだガメイとは大違い(笑)。」
「味も別物(笑)。なんでこんなに濃い(笑)!」
「あれ?香りも独特(笑)。マルベックってこんな味でしたっけ?」
「プルーンっぽさ?黒い果実がたっぷり入ってる感じだけどまだはっきりしないのかな?」
「違う地方で違う人が造ったみたい(笑)。
同じ生産者が造ったとは思えないですよ
(笑)。」
私「品種によって造り方を変えています。これは発酵に1ヶ月以上かけています。」
「ガメイの3倍以上ですか!そりゃ濃くなる(笑)。」
「香りはよく解らないけど、とても深い感じがする!」
「マスキューさん曰く 折り重なるようなタンニン だね。ところでこれは熟成に木樽使ってるんですか?」
私「木樽は使わずにステンレス・タンクで24ヶ月熟成しています。ですから葡萄のタンニンのみで勝負しています(笑)。」
「ところで香りが独特ですよね。何と言えばよいのか?」
「おばあちゃんのタンスの匂い(笑)。樟脳っぽさもあるし、なんか懐かしいなぁ(笑)。」
「高校生の頃男子で流行った香水みたいです(笑)。あの香水何と言ったっけなぁ。」
私「麝香っぽいかな。」
「麝香?」
私「ジャコウです。動物系の香りのような…。」
「あの香水アラミスだったっけ(笑)。」
私「昔懐かしい『髪のもと』の香りだぁ
(大爆笑)。」
「何ですか?それ…」
家内「昔の整髪料です。男女別なくつけてましたっけ(笑)。」
私「若い方は知らないでしょうね(笑)。」
「ヨード 海藻 ミネラルっぽさもあるし。」
「葡萄の果実全体を溶かしたような深い味わいだよね。それも余分なものがない高濃度(笑)。これだけ濃くて純粋なワインって経験したことがないかも(笑)。」
「深くて折り重なる。複雑味はあるけど雑味がない。」
「これラベルが変わってるけど(笑)、どういう意味合いなんですかね?」
私「『サン・ヴィザージュ』の意味 100の顔 と言う意味です。」
「なるほどね(笑)!折り重なる複雑な味わいだからかぁ(笑)。」
「価格が良心的ですよね。現地だと10ユーロくらいで買えるんだろうな。毎日飲めちゃう(笑)。」
私「こんなワインを毎日飲む訳だから自然とワインの美味しさを体で覚えるんでしょうね(笑)。」


●『ラリアンス・デ・ジェネラシオン』2009年 ドメーヌ・ジャン・フランソワ・メリオー フランス ロワール 赤 トゥーレーヌA.C. 750ml 2684円税込み
「マスキューさん!このラベルには『コー』ではなく『マルベック』って書いてありますよ(笑)。」
私「そーなんです(笑)。何でかな(笑)?あと マルベック カベルネ・フラン と書いてありますが、普通は多い品種を先に書きます。このワインはフランが80%ですから カベルネ・フラン マルベック と書くのが通例なんですが…。逆です(笑)
何でかな(笑)?」
「もの凄いワインだな(笑)。凄い高密度。
広がり方がハンパない(笑)。」
「口のなかにいつまでも残ってる(笑)。」
「う~ん。余韻がめちゃめちゃ長い(笑)。」
「確かにグラン・クリュ規格だね(笑)。グッと来るね(笑)。」
「飲み頃なんだろうけど、香りはまだまだ開く余地あり(笑)。これも樟脳っぽさがあるね。」
私「濃いワインは樟脳っぽさが出やすいようです。」
「カベルネ・フランって割りと香りがフレンドリーで解りやすいけど、これは寄せ付けないような風格があるよね。」
家内「孤高のカベルネ・フランかと(笑)。」
「うんうん。経験したことがないスタイルなのは確か。このドメーヌどれも個性的だし、しかも高次元。マスキューさんが絶賛するのも解るな(笑)。」
「マスキューさん!このドメーヌはいわゆるビオ系ですか?ビオっぽさありますよね。」
家内「SO 2の少なさやワインに余計なことをしない点いわゆるビオ・ロジックなんでしょうね。きっと昔から変わらない部分なので、特別ビオとは謳っていません。」
私「認証はとっているようですが、認証マークはラベルに書いてませんね(笑)。普通のことを普通にやってるプライドですね(笑)。」
「ビオ・デナミとは違うんですか?」
私「ビオ・デナミとなるとお祈りみたいなものが入ってきますからよく解らない(笑)。だって結界貼ったり、儀式やったりしますもので(笑)…。」
「ロワールはビオ・デナミの総本山ニコラ・ジョリーがいますから、ビオビオ言う人が多い(笑)。」
「まあ、美味しいならなんでもイイかな(笑)。」
「このワイン個性的で心に残る味わいだよね。」
「ところでこのワインって合わせる料理は 肉! 肉しかない!って主張してますよね(笑)。」
私「仰る通り! 肉! あとバター系に合うでしょうね(笑)」
「この前に飲んだサン・ヴィザージュもそうですよね(笑)。肉!」
家内「サン・ヴィザージュなんか赤みの臭いような肉に良く合いそうですよね(笑)。」
「鹿肉だね(笑)。」
「マスキューさん。これもラベルが変わってるけど(笑)、どういう意味合いなんですかね?」
私「この『ラリアンス・デ・ジェネラシオン』は 世代を越えた絆 の意とか。何代にも亘って畑を育てたからこそ出来るワインなのかと。」
「赤い点が世代の架け橋になってるんだな(笑)。」
家内「同じ絵描きさんが描いてるようです。」


●シノン レ・オー・エ・レ・バ 2014年 ドメーヌ・ジョラン・プレザンタン
 フランス ロワール赤 シノンA.C.  750ml 2,592 円税込み
「店長!以前試飲会でこのワイン出しましたよね(笑)?」
私「はい。去年出しました(笑)。ようやく調子が出てきました。これは同じトゥーレーヌでも下流寄り。砂地のワインなので軽やかです。『ラリアンス・デ・ジェネラシオン』と比べると全くスタイルが違います。こっちのカベルネ・フランの方が
親しみ易いかも(笑)。」
「おっ!確かに飲んだことある味(笑)。フランボアーズ 花 アロマチックだなぁ。私の好きなワイン(笑)。」
家内「とてもシノンらしい味わいですよね(笑)。」
「同じ品種でもこんなに違うんだ!マスキューさん!シノンでも『ラリアンス』みたいなワインは造れないんですか?」
私「鋭い質問ですね(笑)。土壌の水分量が違いますから無理かと。砂地で水分量の多いシノンでは軽やかなスタイルが向いています。きっとメリオーさんの畑の葡萄より葡萄の房が大きいはずです。」
家内「逆にメリオーさんには出来ないスタイルかも(笑)。」
「同じトゥーレーヌと言っても一括りにはならないんだな(笑)。トゥーレーヌって広いしなぁ(笑)。」
「それが面白い(笑)。フランスワインってA.O.C .で括られてるけど、実は括られてない自由さがあるよね(笑)。」
「その上A.O.C.はブランド戦略にもなってるからフランス人は賢い(笑)。」
「上手く考えられてるよね(笑)。」
「そうそう(笑)。日本はどれだけ遅れてるのやら。」
「でもさあ、日本酒って飲んでも米の産地解らないよね(笑)。」


お忙しい中わざわざのご来店ありがとうございました!
桝久商店 岡本利秋・昭子

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桝久 試飲会リポート 前半 201706

Jun 26, 2017 by weblogland |
昨日、一昨日とご来店ありがとうございました!null



まずはイタリア ヴェネトの白です。
〇クストーザ 2015年 モンテ・デル・フラ イタリア 白 ヴェネト クストーザD.O.C. 750ml 1481円税込み
「おっ!この地図イイですね。ヴェローナ県の地形図、しかも等高線も入ってるしワイン産地は色分けされてるし、見やすい!」
私「ありがとうございます。この白ワインの箱に1枚くっついていました(笑)。オマケです(笑)。見やすいですよね。」
家内「クストーザはガルダ湖の湖畔 東隣がガルーダD.O.C. です。」
「ヴェネトの白ワインって一時期世界中を席巻しましたよね(笑)。とくにソアーヴェか。ヴェローナ挟んで西側でしたよね。」
私「ヴェローナにあるジュリエット・ハウスも載ってますよ(笑)。」
「ラブレターや恋の悩みを出すとが返信されるやつ(笑)。」
「あ~、ジュリエットの銅像が置いてあって、何故だか胸がベタベタ触られるから胸だけ変色してたなぁ(笑)。」
「う~ん。今日みたいに暑いと白はたまらん(笑)。」
「飲むと生き返りますなぁ。この酸味がグッド(笑)!」
「普通良く飲む白ワインとは趣が少し違いますよね?」
私「甘夏っぽい(笑)。」
「あー、あとハッサク。親しみ深い味わい(笑)。」
「ハッサクを剥いて果肉を包む薄い白い皮ごとかじったような感じ。皮の苦みを感じるところがイイね(笑)。」
「女子は酸っぱいのが好き(笑)。レモンやライムとは違い、この酸っぱさは大好き(
笑)。」
「このワインはどのくらい冷やせば良いのですか?」
家内「強く冷やすと酸味が際立ちそれはそれで美味しい(笑)。温度が上がると旨味の部分が出てきますからそれはそれでまた美味しい(笑)。強めに冷やしてまず体をクールダウンして、それから温度の上昇旨味を楽しめる良さもあります(笑)。」
「マスキューさん!これ酸っぱさの後ろに物凄い旨味の塊がありますよ(笑)!
「旨味と酸っぱさのハーモニーがイイ!
こんなワインあまりないですよね?」
「日本の国産ワインにこんなワインがあっても良さそうだけど…。」
「日本的な味わいですよね。」
「何にでも合いそう。これだけでもイイかな(笑)。」
家内「オリーブオイルやトマトには鉄板の相性ですよね。」
「マスキューさん!これセパージュは何ですか?」
「主要なものはガルガーネガ40%、トレビアーノ・トスカーナ40%です。」
「ガルガーネガってソアーヴェの主要品種ですよね?」
私「はい。ソアーヴェだと80%以上入れます。」
「なるほどね!旨味はガルガーネガから、酸っぱさはトレビアーノ・トスカーナから引っ張るんだ?」
私「個人的な疑問なんですが、ガルガーネガは品種の特徴を考えるとマロラクティック発酵はするはずですが、トレビアーノ・トスカーナはどうしているのか?
今度インポーターさんに聞いてみようと思います。妄想が止まりません(笑)」
家内「ソアーヴェもクストーザもD.O.C.
になったのは同じくらい古いんです。だからクストーザはソアーヴェの後発という訳でもなさそうです。もともとのローカルなスタイルかと。」
「暑い時はソアーヴェよりクストーザの方が渇きを癒せそう(笑)。」
「前回の試飲会のミュスカデと比べると面白いですよね(笑)。在り方の違いは食文化に根ざすんだろうな。こうした違いを楽しめるのはこの時代に生まれたからこそ(笑)。良い時代に生まれたなぁ(笑)。」
私「特に日本の市場は多くのワインが輸入されています。爛熟してます(笑)。」
家内「ヨーロッパの生産者は『なんでこんなに色々なワインがあるんだ?』って驚きますよ(笑)。」
「国内で大した量のワインを造ってないのに沢山のワインが飲まれますからね(笑)。ワイン産地でもないのに何故ってなりますよね(笑)。」
私「爛熟した周辺文化(笑)?」


●ホヤ・デル・リオ クリアンサ 2013年
アルティーガ・フステル スペイン 赤 トロD .O.  750ml 1203円税込み
「マスキュウさん!よくトロでこんなに安いワイン見つけましたね(笑)!トロのワインってだいたいが2,000円以上しますからね。」
私「ありがとうございます(笑)。銘醸地リベラ・デル・デュエロの次の産地として有名ですから、全体的にワインがお高い(笑)。まっまっお飲みください(笑)。」
「おっ!肉付きイイね(笑)。木樽のニュアンス以上に果実味があって美味しい。お値段以上(笑)。」
家内「これはテンプラリーニョ100%で木樽で6ヶ月熟成したクリアンサ規格のワインです。」
「ヴィンテージは2013年ですか。無理に早く飲めるようにした感じじゃない良さがありますよね(笑)。今飲んでちょうどイイね(笑)。」」
私「早くから飲みやすい今風のスタイルとは若干違います。綺麗には出来ていますが(笑)。」
「昔の暴力的な強いワインとは違うよね
(笑)。あれはあれで困る(笑)。」
「このワイン心地良い!デイリーな価格でこれはイイね(笑)。」
「チョコレートみたいなニュアンス、あと甘さ。これは?」
私「木樽とアルコール発酵由来のグリセリンの甘さです。暖かい産地のワインの特徴です。」
家内「チョコレート食べながら飲むと美味しいですよ(笑)。」
「店長!リオハの熟成したテンプラリーニョとは趣は違いますよね。天使が舞い上がるような感じではない。わりとはっきり強くテンプラリーニョらしいベリーのニュアンスが出てますよね。店長曰く
の重心が低いと言うことなんですか?」
私「仰る通り(笑)!」
「ボリューム感もあり、深みもあるし、過不足ないね(笑)。」
「トロのワインってちょっと乱暴なところがあるけど、これはバランスが良いよね(笑)。」
「トロの圧倒的な力はこなれるまでに時間がかかるんだろうな。」
家内「このワインはトロでも一番標高の高い辺りのワインです。雨は年間350ml しか降らなく、真夏は日中40℃を超え明け方は霜が立つときもあるとか。かなり過酷な環境です。」
ここで文献に載っていたトロの畑の写真を見ていただく。
「草木がない!変な木が1本立ってるだけだぁ。バウバウの樹?(笑)」
「葡萄樹だって這えてるだけみたい。畑と呼ぶにはほど遠い(笑)。」
「農薬撒かなくても雑草生えないよ(笑)。」
「ほったらかしてるみたい(笑)。」
「きっと日中は暑いから畑仕事なんかやってられないんだよ(笑)。」
「葡萄がポツンポツンと植わってるようですけど(笑)?」
私「フランスなんかだと1m 間隔で植えることが可能ですが、スペインですと3m 間隔くらいで植えます。地面に水がないためです。ですからフランスですと1ヘクタール当たり10,000本植樹できますが、スペインだと1,000本くらいしか植えれません。」
家内「スペインの乾燥した土地のこの栽培法は乾燥農法と呼ばれています。」
私「スペインは葡萄生産量がフランス、イタリアに次いで世界第3位ですが、栽培面積は世界一です(笑)。」
家内「効率は良くないですよね。しかも出来る葡萄も房が小さく得られるジュースも少ない。」
「それじゃあ、葡萄の収穫量ってヘクタール当たりで表されますが、果汁の濃さと言うわけでもないんだ?」
私「仰る通り!ですから葡萄樹1本当たりでどのくらいの果汁を得ているかが大事です。」
「ヘクタール当たり何ヘクトリットルって鵜呑みに出来ない訳ですね(笑)。」


●『ル・ポア・ジャック』2015年 
ドメーヌ・フランソワ・メリオー フランス ロワール 赤 トゥーレーヌA.C.
750ml 1712円税込み
「マスキューさん!このドメーヌのワインって以前扱ってましたよね?」
私「はい。ピノ・ノワールを以前試飲会で扱ってから定番になっています。」
家内「赤や青、緑の線を描いたラベルのワインです。」
私「とても気に入りまして(笑)、今回他のキュヴェが初入荷したとのことなので迷わず発注しました(笑)。」
「これってガメイ種。ボジョレーだけじゃなくロワールでも造っているんだ。」
私「はい。醸造法もボジョレーと同じマセラシオン・カルボニック。かなり古典的
なスタイルですが(笑)。」
「おっ‼これ綺麗で旨い!」
「飲みやすいなぁ(笑)。」
「ボジョレー・ヌーボーみたいに色は薄いけど、しっかりしてる(笑)。」
私「張りつめたような強さを感じます。」
「でもボジョレーのガメイとはちょっと違いますよね。」
「ボジョレー・ヌーボーのガス臭さやキャンディーっぽさを取った感じ(笑)。果実味がクリーン。マスキューさん曰くビビッド(笑)?」
私「ありがとうございます(笑)。アルコール発酵終了後1年間ステンレス・タンクで熟成しています。熟成によりワインが出来上がってからリリースしています。」
「なるほどね。良心的だよね(笑)。」
「わりとスパイシー。白胡椒の香りがする。」
私「ボジョレーのガメイですとベリー系の果実のニュアンスが強いですが、こっちはプラム系の果実のニュアンスです。」
「スペインのワインは底が見えないほど濃かったけど、これは色がすごく薄い。
何故ですか?」
家内「こっちの方が発酵期間が短く、その分果皮の色素を抽出しません。」
「でもこのワインはかなりしっかりしてる。」
「葡萄自体の濃さを感じますよね。」
「上澄みの美味しいところだけで造った
味わいだよね。贅沢だな(笑)。無理が全くないスタイルだよね。」
私「ありがとうございます(笑)。ピノ・ノワールも同じようなスタイルです。」
「私予習を兼ねてピノ・ノワールをいただきました(笑)。すごく美味しかった(笑)。
まだ残っていますから、変化が楽しみです(笑)。」
「僕も飲んでみたい!ありますか?」
家内「売り切れちゃいました。でも週明けには再入荷しますからご安心くださいね(笑)。」

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