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昨日はご来店ありがとうございました。
寒くなってきて、いよいよワインシーズンに突入した感でした(笑)。
まずはマスキューの定番ドメーヌ・ラファージュのノヴェラム・シャルドネ2011年です。
「ふっくらしてて美味しいですね。これってシャルドネですか?」
「美味しいですよね。でも去年のヴィンテージとちょと変わったような気がしますが…?」
私「そーなんです。香りが前ほど強くありません。」
「そうそう。香りがおとなしい(笑)。」
私「このワインは基本的にはシャルドネなんですが、ヴィオニエの澱が入っています。この量が2011年は減ったようです。」「なるほど。微調整したんですね。かえってこっちの方が飲み飽きしないスタイルですよね。」
私「はい。香りは華やかですが味わいは食事により合わせ易くなったような感じです。」
家内「ラファージュさんの技術と研究心は毎年新たな模索をしているようです。こうした彼の微調整の上手さは『アッサンブラージュの魔術師』と言われる由縁です。」
「たしかに幅広く食事に合わせ易いワインですよね。」
私「あと、もともとの造りがしっかりしてますからワインが丈夫です。この点いわゆるネゴシアン物とは違いましね。」
そして同じくドメーヌ・ラファージュのエルマセットです。
「あっ、『M』ですね。このワインずいぶん飲んだな(笑)。」
私「ありがとうございます(笑)。」
「久しぶりだけど…。また美味しくなってる(笑)。飲みやすくて、でも飲みやすいだけじゃない。さすが『アッサンブラージュの魔術師。』(笑)。」
「すんごくバランスがイイ!複雑さもある。しかも安くなってる(笑)。」
「チョコレートの香りがベリーの香りと上手くマッチしてる。」
私「エルマセット飲みながらチョコレート食べると美味しいですよ(笑)。」
家内「今日は間違っていつもと違う『森永のベネズエラ・ビター』を買っちゃいました(笑)。でも甘くなくて、この方がエルマセットに合いそうです(笑)。」
「うんまい(笑)!口の中で爆発します。」
「あー。こりゃイイ。」
「ベリーの味が飛び出る。チョコレート食べながらエルマセット飲むと口の中が3Dになる(笑)。」
「『エルマセット』は食事の最後のデザートまで合わせられますね。『エルマセット』1本ですべて済んじゃいますね(笑)。」
私「ここがラファージュさんの狙いかと。」
家内「幅広く多くの特に若い方にワインを飲んで欲しいと言ってました。」
私「『エルマセット』と『ノヴェラム・シャルドネ』の価格が下がったのも円高とラファージュさんの要望があったようです。」
「このクラス最強ですな(笑)。」
さてこれより中盤戦、ロワールシリーズです(笑)。
まずはマスキュー初登場トゥレーヌのドメーヌ・ピバローの『ガメイ』です。
「お花みたい!女子会必須アイテムですね(笑)。」
「そうそう、ラベルの絵みたいに赤やブルーのベリーが甘い香りに包まれている。」
「これってボジョレーのガメイ種と同じなんですか?」
私「葡萄品種は同じです。造りもマセラシオン・カルボニックしますから、基本的には同じです。ただヌーヴォのようにすぐ出荷しないでステンレスタンクでしばらく熟成してからリリースします。」
家内「ちょっとキャンディーっぽさがあるところはボジョレーと似てますが、ここまで華やかでシットリしているのはロワールだからこそ。」
抜栓してから3時間ほど経つと様々な香りが出てきました。
「ミントみたいな感じしませんか?」
私「ホワイト・ミントかな。あと漢方薬みたいな、ヨードっぽさも…。」
「八角?この独特な甘さ…。このワインをバニラアイスクリームにかけたら美味しいだろうな(笑)。」
家内「それグッドアイデアですよね(笑)。あとシナモンっぽさもありますね。」
私「ガメイの品種特性ですか、香りの変化が早くでますね。でもかなり複雑で面白い。」
「これって中華料理に合わせたいですね!」
さすが中華料理関係者で新ワインエキスパートのOさん。(おめでとうございます!間違っていたらゴメンなさい?)
「それにしても面白いワインですな。好みは別れるかもしれませんが。造りのレベルはクリュ・ボジョレークラスですね。」
私「ユニークなワインを造る人が、ポッと出てくるところがフランスワインの奥深さですね。」
「それってビオ・ディナミだからですか?」
家内「ビオ・ディナミとワインの関係性はよく解りませんが、農薬の使用を避け、低収量を実現したからこそこんな味わいが出来たのは確かのようです。」
そしてマスキューの隠れ定番のシノン ドメーヌ・パスカル・ランベール改めドメーヌ・シェナ『シノン・トラディション・グラーヴ』2010年です。
「マスキューさん、このシノン相変わらず美味しいですね(笑)。」
私「しばらく入荷がなかったのですが、復活しました(笑)。今やシノンのトップ生産者になったようです。」
「これって前に飲んだドメーヌ・ピバローも同じロワールのワインですか?品種は違いますよね?」
私「はい。場所は隣です。あとシノンの品種はカベルネ・フランです。泥のついたラズベリーみたいなところが特徴的です。」
家内「軽いのですが、とても質感があります。舌触りが醤油なんかと合うんですよね。」
「あと、深みがありますよね。僕はこの泥臭さに惹かれるんですよね(笑)ジビエに合うんですよね。」
私「たしかに。鴨料理には鉄板です(笑)。」
家内「鴨南蛮は?」
私「いいかも!おつゆは温かい汁で、そばは冷めたいざるそばで!カボスとわさびも入れて!」
「そうなると後のサンセールでもオッケーですな(笑)。」
家内「ロワールでは蕎麦はガレットとして定番ですから、合わないはずがありませんね。あとシノンは味噌や醤油にも合いますら鍋物にはバッチリ。」
「チゲ鍋なんか良さそう(笑)。」
そしてロワールの最後はサンセール白です。
私「このサンセールはいわゆるネゴシアン物なんですが、とてもサンセールらしいかと。」
「凄いのびやか、あと変な雑味がない。ぬけるようなフレッシュさ!」
家内「りんごの紅玉みたいですよね。」
「これって品種はソーヴィニヨン・ブランですよね?ボルドーなんかのものとこんなにも違うんですね?」
「そうですよね。ニュージーランドなんかとも違う。」
私「日本人の口に一番合うソーヴィニヨン・ブランはサンセールだと思うんですよね。」
「たしかに、蕎麦とも合いそうですよね(笑)。」
私「定番で言えば舌平目のムニエル(笑)。魚介類とバター炒め+レモンは完璧のフォーメーションですね(笑)。」
サンセールで口をリセットした後はトリのボルドーです。
「旨いなぁ!ちょっとモノが違うなこのワイン。」
家内「蔵出しのオールド・ヴィンテージは良いですから安心できます。」
「なんで蔵出しが良いのですか?」
家内「造られた状態で保存出来るからです。あと出荷前にチェックしますから怪しいワインは出てこない(笑)。ボトル1本1本の液面も高く安定しています。市中在庫ですと、どんな状態で管理されていたか保証がありません。」
「マスキューさんがブログでよく言う壮麗さって解りました(笑)。ところでこのワインが正銘のセカンドワインと言われましたが、正銘でないセカンドワインってなんですか?」
私「簡単に言えば、セカンドワインはまだファーストにするには若い葡萄樹などから造ります。ですから成長の暁にはファーストになる樹です。ところがいつまでたってもファーストに昇格できない場所で造ったワインをセカンドとして売るケースがそれです。」
「セカンドと書いてあれば売れるからですね(笑)。」
私「飲んでみれば解ります。セパージュが違っています。ボルドー・グラン・ヴァンの偽物セカンドはカベルネの比率が低い場合が多く、出来上がりが異常に早い。このレ・ゾード・ポンテ1997年は優良なカベルネの味わいがしますし、セパージュの割合もファーストと同じはずです。あとしっかり熟成しています。」
家内「まあ、仮にこのワインが正銘のセカンドでなくとも良いクラシックなポイヤックであることは事実かと。ポンテ・カネは一枚畑なのも良い材料ですね。飛び地で別の畑を買い出したら要注意です(笑)。」
「前回は1992年をマスキューさんで買いましたが、今回の1997年の方が良いと思いますが、どうでしょう?」
私「私もそう思います。1994年にクルーズからテスロンにオーナーが変わったことが良い方向に向かったきっかけのようです。ワインの凝縮感が増してますよね。」
なんと本日のトップセラーはレ・ゾー・ド・ポンテ1997でした。秋深くなりワイン・ラヴァーも全開モードになったようです(笑)。
昨日はありがとうございました。
桝久商店 岡本利秋・昭子