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かなり前にワイン・アドバイザーの資格を取られたBさんが、久しぶりにみえました。
Bさん「マスキューさん、ご無沙汰してます。今、私はサーヴィスの仕事をしてまして(笑)、勉強のし直しをかねてソムリエ試験を受けました(笑)。とりあえず一次は合格しました(笑)。」
もともとBさんは同業者です。
私「Bさん頑張りますね(笑)。」
Bさん「そこで実は解らないことがありまして、教えてもらいにきました(笑)。」
私「何をおっしゃいますか。教えるなんてとんでもありませんよ。」
Bさん「昔シャルドネはバターの香りがするって教えてもらいましたよね?でも、今は違うんですよ(笑)。バターの香りは第二アロマとするんですよ。」
私「確かにバターの香りはシャルドネにも見られますが…。まあ、マロラクティック醗酵の際もしくは木樽の使用が原因ですよね。シャルドネでも今風のマロラクティック醗酵を完全にブロックしたワインには出ませんよね。」
Bさん「じゃあ、シャルドネの香りってなんですか?」
私「唯一無二のシャルドネの香りと私が思っているのは、アプリコットや白桃のエレガントな香りです。ブルゴーニュの優良なワインの特徴だと思います。そしてそれが品良くないとダメ(笑)。」
Bさん「高そうですね(笑)。」
私「はい!高級品ですからソムリエ試験には出ません(笑)!」
Bさん「困りましたなぁ(笑)。」
私「じゃあ、マロラクティック醗酵しないシャルドネとマロラクティック醗酵しながら樽熟成したシャルドネを飲んでみてください。チリのシャルドネなんか安くて良いですよ。」
今やシャルドネは世界中で造られてます。しかも、様々なテクノロジーや環境で造りますから、品種の特性・特徴という言葉が死語になりつつあります。飲み手の嗜好と造り手の指向が品種の味わいを越えることとなっています。皮肉な話です。
それでも、ワインは売れ飲まれ続けます。
イノヴェーションの帰結でもありますから、先行きを見届けるのも面白いのも事実。でも、インチキなワインは見極める眼力が先行きまで持っていられるか?
騙されるようになったら看板を降ろさないといけませんね(笑)。