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今月10月26日のマスキュー店内試飲会のラインナップ決まりました。
まずはスペイン ルエダのヴェルデホでマスキューの定番ヴィーニャ・サンソのロゼ フリザンテです。ガス圧は2.9、テンプラリーニョ100%で造ったあっと驚くフレッシュネス。
大日本ロゼワイン普及協会会長の家内一押し!
〇直接圧搾法でつくられており、タンニンが感じられずテンプラニーリョの果実味だけを抽出しています。赤いベリー系の香りが鮮烈。雑味がなく明瞭で複雑さもあります。M.C.をかけて醸造したようなキャンディーっぽさもプラスに作用しています。
テンプラニーリョってこんなにフルーティーなのかと改めて気付かされます。
そして、ヴィニャ・サンソの看板白ワイン『ソーブレ・リアス』の2011年と2010年の比較試飲です。
今年1月の試飲会で2008年と2011年をやりました。『ソーブレ・リアス』の深淵さはご記憶に新しいかと。また、先日2011年を飲みましたがブルゴーニュっぽかった味わいに黄色の熟した果実のニュアンスが出ていました。更に熟成の進んだ2010年と比べます。
〇ヴィーニャ・サンソ 『ソーブレ・リアス』 2011年 ヴァル・サンソ スペイン 白 ルエダD.O. 750ml 2010円税込み
〇ヴィーニャ・サンソ 『ソーブレ・リアス』 2010年 ヴァル・サンソ スペイン 白 ルエダD.O. 750ml 2010円税込み
すっかりマスキューの定番となったヴァル・サンソがつくるルエダのヴェルデホの最上級銘柄です。
このワイン、ルエダのセラード村にある2.76ヘクタールのフィロキセラの被害を免れた樹齢100年以上の単一畑『ロスポブレ』の葡萄で造られます。
そして造り方がユニーク。まずステンレスタンクにて野性酵母でアルコール発酵し、一旦ワインと澱を分離します。そして500リットルくらいのフレンチオークの新樽にワインと澱の上部を半分ずつ入れます。そして毎日のようにワインを観察しながらバートナージュ(撹拌)し、一年間熟成させます。
当主のハビエルさんがマスキューに来店した時に熱く語ってくれました。
私「SO2はいつ添加しますか?」
ハビエルさん「最後の瓶詰めの時だけです。」
私「えー!凄い管理能力ですね。信じられません。」
ハビエルさん「ですから毎日私が樽のバートナージュしながら変化がないか注意しています。(笑)。」
私「ところでこれほどまでにシュール・リーにこだわる理由は何故ですか?」
ハビエルさん「シュール・リーをすることにより酵母の細胞膜が壊れます。その結果プロ・サッカリンとタンパク質が中から出てきます。」
私「それは味わいにどんな作用をしますか?」
ハビエルさん「甘く感じます。複雑さに繋がります。」
そして更にハビエルさんの造る赤ワインと畳み掛けます(笑)。
●リオハ ラクリムス・レックス 2010年 ヴァル・サンソ スペイン リオハD.O.赤 750ml 1320円税込み
マスキューの敬愛するハビエル・ロドリゲスさんがリオハで造る赤ワイン ラクリムス シリーズの一つレックス。
もともとのルエダではヴィーニャ・サンソ、新たに始めたリオハではヴァル・サンソと会社名が変わります。
リオハは、基本的にはテンプラリーニョが植えられるところですが、このワインはガルナッチャ75%、グラシアーノ25%のセパージュとなっています。
畑はリオハの中でも新興のリオハ・バハの高地。標高530メートル。リオハとしてはかなり高いようです。このあたりがテンプラリーニョではなくガルナッチャ主体にした理由のようですね。
高地のガルナッチャはプリオラートのように頑強になりがちですが、ラクリムス・レックスはタンニンの頑固さがありません。アタックの充実した甘さは完熟した豊かな証。ミネラル感や海藻のようなニュアンスが感じられ、ポテンシャルの高さは十分。完全に除梗した早飲みスタイルですが、まだまだ途上ですね。先々向上するはず。
あと、樽の使い方は相変わらず上手。リオハに有りがちなくどさがないのはグッドです。
新たな味わい、スタイルを模索した意欲的なワインなのです。
さて、お次は久しぶりのシャトー・ピネレの登場です。
●シャトー ピネレ 2009年 フランス カオール赤 750ml 1530円税込み
飲み頃に入ったカオールが入荷しました!
完熟した赤いフルーツの甘味がしっかりしており、カオールらしい堅牢なタンニンが木樽のタンニンとバランス良く調和馴染んでいます。
ようやく飲み頃に入ったところです!
前回は2005年でご好評をいただきましたが、今回は2009年にて再登場です。
最後は珍しくボルドー(笑)、しかもグラーブです!
●シャトー・ラ・ローズ・ヌエ 2006年 フランス 赤 ボルドー グラーブA.C. 750ml 1770円税込み
久しぶりのグラーブの入荷です。
実はスポット入荷の為、資料がない(笑)!
調べるとシャトーのあるのはグラーブでもソーテルヌ寄り、グラーブA.C.の中にある甘口アペラシオン セロンのある辺りです。味わいはグラーブのスターが集まるペサック-レオニャンのような華やかさはありませんが、実に実直でクラシックな味わい。
2006年ヴィンテージですが、ようやく飲み頃に入ったところです。アルコール分は12.5%と収まりが良く、無理に新樽は使っていませんから、アンバランスなところがありません。派手なワインではありませんが、丹念な造りであることは間違いないですね。崩れない良さがあり、余力十分です。
カベルネ・フランがしっとりとしており、グラーブらしい軽やかな重さを感じます。
飲んだ瞬間にグラーブを意識出来る優良なワインです。ジビエのニュアンスや塩からさも程よいアクセントになっていますね。
いつも通り14時から20時30分までやっておりますので、お気軽にお立ち寄りくださいませ。
桝久商店 岡本利秋・昭子