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桝久試飲会レポート後半2015/08

Aug 31, 2015 by weblogland
さて、後半戦の赤3本です。

まずはちょっと毛色の違うローヌです。
ヴァン・ド・ペイ・ド・ヴォークリューズ ルージュ 2012年 ドメーヌ・ド・ラ・モナディエール 南フランス ローヌ 赤 750ml 1819円税込み
私「このワイン シャトー・ヌフ・ド・パフとジゴンダスの間にあるヴァケラスのワインです。ただし畑が一部アペラシオンの外れに在るためV.D.P.となります。」
「軽くて飲みやすい!?」
「へぇー、いわゆるローヌっぽくないよね(笑)。スッゴくエレガント(笑)。でもなんで?」
私「おそらくプレス果汁を使わないためかと。インポーターさんに聴いてみますね(笑)。」
「なんでプレス果汁を使わないとこうなるんですか?」
私「余分に皮のタンニンを抽出しないからです。あと、醸しも低温で短いとおもいます。」
家内「ローヌでは長いところでは1ヶ月くらい醸す蔵がかなりあります。」
「なるほど、1ヶ月も醸したら全て溶けてドロドロになっちゃうんですね(笑)。」
私「あと、SO2も瓶詰め時に2mgほどしか入れていません。砕身の管理をしています。」
「へぇー、SO2って少ない方が良いとは思いますが、普通どれくらい入れるんですか?」
私「国際標準だと瓶詰め時に1リットル中に30mg 30ppmくらいが達成されています。テイスティングした際に添加量が50mgくらいだと違和感ないですね。」
家内「SO2は少ない方が良いのですが、全く入れないとかなり危険です。30mgくらい瓶詰め時に入れてくれた方が安心して扱えます。正直な話(笑)。」
「SO2の量が多いとどうなりますか?」
私「硫黄臭くなります。温泉地のあの臭いです(笑)。あと結合するとアマ苦く感じ喉を刺激します。ちょっとオェっとなります(笑)。」
家内「あとワインに広がりや余韻が狭まるかな。」
「なるほど!そう聞くとこのワインの味わいがよく理解できますよ(笑)。ところでこのワイン、軽いけれど強いですよね?」
私「そーなんです(笑)。酸がしっかりしています。昨日抜栓して今日飲むとより良くなっています。」
「ゴージャスじゃないけれど美しいよね(笑)。」
「地味に美味しい(笑)。」「でも、ローヌにありがちな真っ黒じゃない(笑)。赤い果実のニュアンスがあるよね。」
「エレガント!キメ細か。」
「うんうん。アメリカ人には解らない味(笑)。日本人向きで良いですね(笑)。」
私「さすがソムリエ!このワインの本質を見抜きますね(笑)。」
「アメリカ人向きのキャッチーで単純で甘さと力だけのワインじゃないよね(笑)。」
家内「和食の煮物なんか合わせ易いかな。出汁にも相性が良いはず。」
私「いわゆるローヌだと焼き鳥のタレなんて言うしかないんですが(笑)、これは和食に合わせ易いかと(笑)。」


さてさて、次はボルドーの赤。順番からするとヴァケラスの前にしたかったのですが、かなり強さがあるのでトリの前の登場です(笑)。
シャトー・クロノー 2013年フランス 赤 ボルドー・スペリュールA.C.750ml 1740円税込み
私「このワイン 実は4月の試飲会に出しました(笑)。その時はポテンシャルの高さは好評でしたが、あまり売れませんでした(大爆笑)。悔しくて(笑)、毎月飲みながら家内と『何時旨くなるかな?』と定点観測してました(笑)。」
家内「この夏を越えて よーやく 良くなってきました(笑)。」
「たしかに!タンニンがこなれて質感が増しましたね(笑)。」
私「でしょ(笑)!」
「これってメルロですよね。スッゴくしっかりしてる。」
「タンニンだけとったらグラン・ヴァン並みだよね(笑)。ランクが違う。」
私「ありがとうございます。そう言っていただいて涙出そうです(笑)。」
「ボルドー・スペリュールだとツルンとしたワインばっかりだけど、このワインはちょっと違うよね?」
家内「産地が北のベルジュラックに近いのが原因だと思います。あの墨汁のようなベルジュラックに似ています(笑)。」
私「家内はベルジュラックの墨汁っぽさが好きなんですよ(笑)。」
「ベルジュラックのワインって硬質で飲み頃になるまで時間がかかるんだよね(笑)。それで理解出来ました(笑)。」
私「これでも早飲みに造られてますが、それでもスローですよね(笑)。冬になる頃にはもっと良くなるはずです。」
「更にどうなるんですか?」
家内「甘さと柔らかさが増すはずです。味噌ダレの鍋が私を待ってます(笑)。」


さて、トリは大物(笑)。
ル・キャバレ・デゾワゾー2014年 ラ・プチ・コマンドリ フランス コルビエールA.C. 赤 750ml 3054円税込み
「うわっ!これすごい!今まで飲んだのとはレベルが違う(笑)。」
「うっまい!」
「全てがスゴいよね。」
「口の中がエライことになってる(笑)。大きさも凄いし、余韻が長い長い(笑)。いつまで経っても味が消えない。リキュールを飲んだ後みたい。」
「全房醗酵してプレスせずにフリーラン・ジュースだけで造っています。とてもプリミィティブな造りです。」
「4番目のヴァケラスがフリーランで造っているから綺麗で雑味がないのがこのワインと共通しているのは解りますが、大きさがこっちは桁外れにでかい(笑)。なんでですか?」
「収穫量がこのコルビエールは極端に低いからだと思います。おそらく1本の葡萄樹からハーフボトル1本分くらいしかとってないはず。あと、房ごと醗酵させるクラシックな全房醗酵により酸が多量に引き出されます。このためワインが立体的になります。口中でそそり立ちます(笑)。いわゆる壮麗さとなります。」
「マスキューさん!教本だと赤ワインは葡萄の房から粒を外して醗酵させるのがセオリーと書いてますが?」
私「間違いです(笑)。確かに除梗して醸造するスタイルが席巻していますが、基本的に赤ワインは全房醗酵させてフリーランだけで造るのが本来形です。」
「白ワインで全房醗酵させるスタイルもあると聞きましたが。それは?」
私「初耳です(笑)。葡萄果の酸不足を補うのかも(笑)。飲んでないのでなんとも…。」
「マスキューさん。梗って葡萄果に繋がる木質の小枝みたいなものですよね?あれって枝だからタンニンやエグ味に繋がるのでは?」
私「確かにプレスすると過剰なタンニンやエグ味の原因になります。実際に囓るとリンゴの味がします。リンゴ酸を多く含むようです。」
「コルビエールのワインだとマスキューさんはオプティマも扱ってますよね(笑)。あれってこのワインとは対極ですよね(笑)?」
私「おっしゃる通り!オプティマは今風のトップランナーでございます(笑)。」
「ワインって産地じゃなくて造り方や造り手に依存するんですね。」
「このワインって、この変な(笑)オジサン味のワインなんだな(大爆笑)。」
家内「あと、このワインアルコール分は12%と低いのですが、折り合いが素晴らしい。ラングドックらしからないワインになっています。もちろん作柄が困難であったことも含めてですが。」
私「葡萄樹の仕立てが低いですから、その分養分は葡萄果に集まります。ただ作業効率は悪いし(腰が痛くなる。)、葡萄房が蒸れないように常に下草を抜かなくてはなりません。ハードワークですから、彼の手におえる4ヘクタールの畑が限界だと思います。質を重視した生産者に違いありません。」
「変わり者じゃなきゃ出来ないんだろうなぁ(笑)。きっと凄い人なんでしょうね。」

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