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桝久、試飲会リポート 前半

Sep 28, 2015 by weblogland
昨日、一昨日とお忙しい中ご来店ありがとうございました!
今回一番乗りは筋金入りのワイン・エキスパートのKさん。
Kさん「金曜日の5時だとまだ皆さん仕事かな?」
私「はい。だいたい6時過ぎ頃からかけつかて下さいます。」
Kさん「では、口開けですね(笑)、抜栓直後に飲むことは一番上の美味しい所ですから、良さがよく解るんですよね(笑)」

土曜日の一番乗りはワイン・ラヴァのAさん。
私「あれ、今日はやけに早いでね(笑)。」
Aさん「実は、午後出勤なので、早めに寄らしてもらいました(笑)。内緒でよ(笑)」

私「なるほど!その手がありましたか?ありがたいことです。これブログネタにしても良いですか?もちろん匿名にします(笑)。」
Aさん「はい(笑)。」
皆さんそれぞれのワイン・ライフがあります。

さて今回のテーマはイタリア・ワイン。
まずは972円の登場です(笑)。
●トスーナ・ロッソ 2014 年 アジェンダ・アグリコーラ サン・ルチアーノ イタリア 赤 トスカーナI.G.T. 750ml 972円税込
「マスキユーさん、安いワイン見つけましたね(笑)。この牛ですね。」
家内「短角牛ですから、食用でね(笑)。」

私「Tボーン・ステーキ!」
「安くて美味しいワインってなかなかないんだよね。」
「あっ、でもこれ美味しい(笑)。」
「フレッシュ!飲みやすいし、コクもある。」
「甘さもある(笑)。ちゃんと酸ものってる。」
家内「時間が経つと甘さが増します。」
「イタリア行った時の味!田舎のビストロで、一番売れてるワインを頼んだ時に出てきたワインみたいだ(笑)。日本だと経験出来ないんだよね。何でかな?」
私「もともと輸出向けではないようです。安い輸出向けワインは大手の酒商が効率的にワインを造りますから、コスト重視のワインになりがちです。こんなスタイルのワインが日本で飲めるようになるのは、驚きです。」
「セパージュはサンジョヴェーゼですか?100%かな?」
私「私も最初サンジョヴェーゼ100%だと思いましたが、サンジョヴェーゼは60%、あとモンテプルチアーノとチリエジョーロです。サンジョヴェーゼらしさが良く出ているしブレンドした違和感がないんですよね。」
家内「チェリーやオレンジっぼさがありますよね。」
「広がりがあるよね。洗練されてる訳じゃないけど、雑じゃないんだよね。媚びた所がない。いいね(笑)。」
私「多分SO2もかなり少ないはずです。」
「安心できる味だよね。」
「これって木樽使ってますよね?」
私「テクニカル・シートではステンレス・タンクのみです。でもちょっと木樽のニュアンスが無くはないですよね。ひょっとしてアッサンブラージュの際に木樽熟成したキュヴェをちょっとだけ混ぜているかもしれません。一応インポーターさんにしつこく聞いています(笑)。ワイナリーの返事待ちです。」
家内「モンテプルチアーノのタンニンは若いとざらつくことがあるので、それかも知れませんね。」
コスト・パフォーマンスの高さに大好評なのは想定内でした(笑)。ホームランかな(笑)?

●ラーマ・ディ・ピエトラ ネーロ・ディ・トロイア 2014年 カンティーナ・デオメーデ イタリア 赤 プーリア ネロ・ディ・トロイアI.G.P. 750ml 1296 円 税込み
「これってマスキユーさん定番のトロイアとは違うんですか?たしかディオメーデですよね?」
家内「同じですが、トロイアの方がワンランク上のキュヴェで、これは早飲み用のスタンダード・キュヴェです。」
私「品種も同じですから、紛らわしい(笑)。」
「杏子の香りがハッキリしてますな。」
「南イタリアにしてはフルーティーですよね。真っ黒くなってないですね(笑)。」
「チョコレートっぽさは南イタリアなんだけどね。」
「マスキユーさん、これは木樽熟成してるんですか?」
私「木樽は使っていません。タンニンが粉っぽいのは、若さ故かと。」
「私この粉っぽさ好きだな(笑)。」
「南イタリアにしては、酸っぱいくらい酸がありますよね?」
家内「ヴォルビなんか合いますよね(笑)。美味しいだろうなぁ(笑)。」
私「スタイルなのか?作柄なのか?即答は出来ませんが、このワインはアルコール分が12.5%しかありません。南イタリアのプーリアにしては異例の低さです。去年のノベッロの時に感じた印象がそのまま出たかも知れません。」
「それって作柄不良?」
私「夏場が暑く乾燥しなかったようです。最初に飲んだトスカーナ・ロッソの方は13%ありますから、トスカーナの方が良かったかも知れませんね。これも去年のノベッロ同様です。」
「2014年て難しいヴィンテージなんですね。」
「作柄が悪くてアルコール分が上がらなかったのかもしれませんが、ワインとしてちゃんとしてますよね。ありがちな暴力的な在り方じゃないし(笑)、マスキユーさんがよく言う、折り合いは
ついてますよね。」
「一番アルコール分を感じないアルコール度数は13.5%なんて言うけれど、それって前提ありきですよね。酸や濃度によって決まるし、日本人からすらと12%くらいで収まっているのが心地好いですよね(笑)。」
私「ワインとその作柄によってベストなアルコール度数 折り合いは違ってくるはずです。ワインの前提がカリフォルニアなら13.5%で理論化は出来ますが、それを他のワインに当てはめるのは大間違いです。」

●ビアンカルダ 2011年 ガロフォリ イタリア 赤 マルケ ロッソ・コーネロ D O.C. 750ml  1697 円 税込み
「神ガロフォリですね(笑)。」
「マスキユーさん!味わいが特別新奇な訳じゃないんですよね(笑)。基本クラシックですよね?」
私「はい。おっしゃる通りです(笑)。ブラインドで飲んでもマルケのワインだと解るスタイルなのですが、このクラスでこれほど完成度の高いワインは無いはず。近いと言えばファレスコかな(笑)?」
「旨み、広がりが素晴らしい!深みもあるし、あと余韻が長くて綺麗です
ね(笑)。」
「スッゴクしっかりしてるけど、重ったるく感じない。」
「樽を使った感じも無い?」
家内「古い大樽を使ってますが、樽香をつけるために使っている訳じゃないですね。ワインが調和するために木樽を使っています。」
「マスキユーさん、このワインすべてが良く出来てますが、2011年は良い作柄なんですか?」
私「はい。糖度は高く上がりアルコール分は14%あります。でも、アルコイックになっていません。無理に遅摘みしたりしていませんから、折り合いがとても良くバランスがとれています。ガロフォリのノベッロ2013年はアルコールが11.5%でしたが、素晴らしい出来映え。2014年は苦しかったようですが、。」
家内「2011年は今飲み頃に入ったところですね(笑)。時間が経つとどんどん良くなります。マルケのモンテプルチアーノは基本暗さ黒さがありますが、プラムやラズベリーのニュアンスがだんだん出てきます。」
「なるほどね。たしかマスキユーさん定番のチウ・チウも似てますよね(笑)。」
「小豆や黒豆っぽさが共通してるよね。ガロフォリの方はそれに赤い果実のニュアンスが加わるのかな。」
「このワインの広がりの良さ、クリアさは何に由来するのですか?もちろわ造りが良いのでしょうが(笑)。」
私「SO2が少なく感じたのでインポーターさんに問い合わせたところ、テクニカル・シートには書いていない(笑)。そこで通関の検査資料を調べると、析出不能レベルでした(笑)。1リットル中14ml 以下は析出出来ないようです。」
「それ以下ということなんだ。」
家内「おそらく、瓶詰め時に少しだけ入れる程度だと思います。」
私「それ以外の工程でSO2は使っていませんね。ましてや木樽を使いますから管理能力は素晴らしいです。」
「木樽の殺菌のためにSO2を使うんですね。」
私「ご明察です(笑)。木材の木孔部分に雑菌は繁殖しやすいようです。あと、醸造時に不健全な葡萄果が入ることもリスクとなります。」
「いわゆるビオ・ワインなんですね。」
私「ビオを謳いながらたくさんSO 2 を使う生産者が実は多い(笑)。インチキの方が多いです(笑)。」
家内「ガロフォリはビオを謳ってません(笑)。矜持があります。」
「美味しさには訳があるんですね(笑)。」

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