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桝久 試飲会リポート 後半

Sep 28, 2015 by weblogland
「マスキユーさん。SO 2 って有害なんですか?ほとんどの食品に入っていますよね?」
私「ほとんどの食品に入っています。輸入食品には表示義務があります。ワインはSO 2 の総量が400ml /1 L以下でないと日本には輸出出来ません。ヨーロッパではSO 2 でも遊離型に神経をとがらせますが、結合型は問題にしない傾向があります。日本の貿易障壁と問題になっているようです。ただし、近年WHO は結合型でも腸から吸収されるSO 2 の有害性を指摘しており、規制のレギュレーションが変わるかも知れません。」
「SO 2 は結合型と遊離型の2種類あるんですか?」
私「はい。結合型は添加したSO 2 が他の分子と結合して安定した状態で、遊離型はまだ結合していない状態です。」
家内「硫黄臭く感じるのが遊離型です。刺激臭ですね。結合型は妙にアマ苦く喉の奥を刺激します。」
「そうそう。正確に表情されてないから我々解らないんですよね。多いと二日酔いしたり翌日アルコールがのこったりしますよね(笑)。」
「マスキユーさんはどうやって見破るのですか?」
私「初めの頃は翌日二日酔いするかしないかでした(笑)。今ではテクニカル・シートで確認しますが、基本はティスティングでだいたい解ります。たまに外しますが(笑)。」
「へぇー、ティスティングで解るんですか?」
家内「意識して飲むと自然に出来るようになりますよ(笑)。多いと不味いですから(笑)。」
「マスキユーさん、日本酒や国産ワインにもSO 2 は入っているんですか?ラベルには書いてないですよね?」
私「入っています。ただ表示義務が無いだけです。でも最近の良識ある日本のワイン生産者には表示する方もおられます。」

●モングラーナ 2010年 クエルチャベッラ イタリア トスカーナ 赤 マレンマI.G.T. 750ml 2777円 税込み
「これですね。黙っていても売れるから試飲会には出ないワインって(笑)。」
私「(笑)、まずは飲んでミソ(笑)。」
「なるほど旨いや(笑)。」
「品があるね(笑)。あと複雑だね。」
「重くないけど、緻密で綺麗。セパージュは何ですか?」
家内「サンジョヴェーゼがメインでカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロが加わります。サンジョヴェーゼの果実味がよく出ています。」
私「チェリーぽいですよね。オレンジのニュアンスもあります。ちょっとモレッリーノ・スカンサーノに似てるかな?」
家内「クエルチャベッラはもともとキャンティーで名を成した生産者です。歴史は古くなく70年代からのニュー・フェイスです。今ではスターですが(笑)。クエルチャベッラはキャンティーだと熟成にバリックを使いますが、このモングラーナはコンクリート・タンクがメインで、バリックはほんの少し 香りつけ程度です。」
私「かなり柔軟にワインを造りますよね。」
「いわゆるスーパー・タスカンとは違うんですか?」
家内「スーパー・タスカンだとボルドー品種がメインになります。あとバリックの新樽で熟成させますから、かなりヘビーでくどい(笑)。」
「マスキユーさんの嫌いなタイプだな(大爆笑)。」
私「読まれてますね(笑)。」
私「まあ、樽香と果実味のバランスが良ければ良いのです。」
「ところでこのワインのラベル面白いですよね(笑)。ひまわりだな。」
「ガガ様はみたいだ(笑)。アバンギャルドですね(笑)。」
「ありがちな紋章なんかつけないのがイイ(笑)。」
「私このワイン 後味というか余韻が素晴らしく綺麗だと思うんですよね。ひたすらエレガント。ラベル・デザインの印象とは違うんですよね(笑)。」
「とても伸びやかで自由な感じがして良いですね。」
今回このクエルチャベッラのモングラーナとガロフォリのピアンガルダをセットで購入されたお客様が多かったです。やはり共通する良さがあったようです。


●『カンノナウ』 2011年 ヌラーゲ・クラビオーニ イタリア赤 イタリア サルデーニャ島 カンノナウ・ディ・サルデーニャD.O.C. 赤 750ml 2746円 税込
「マスキユーさん。このワイン 前に試飲会で出しましたよね?」
私「はい。たしか去年の試飲会で2010年を出しました。飲み頃になった2011年も良いかと(笑)。あと訳は飲んでから答えがございます(笑)。」
「あっ!これ旨い。同じイタリア・ワインとは思えない(笑)。」
「色は薄いけど、すっごくしっかりしてる。薄旨いけど強い。」
私「ブルゴーニュのピノ・ノワール的ですよね(笑)。醸しの期間が短いのと、プレス果汁を使わないでフリーラン・ジュースだけで造るクラシックなブルゴーニュ的造り方をしています。」
「うーん。たしかにブルゴーニュっぽい(笑)。でもセパージュは?ピノじゃないですよね?」
家内「カンノナウ ローヌのグルナッシュのことです。でもサルデーニャの人々はカンノナウを譲りません(笑)。こっちが本家だと(笑)。」
「たしかにグルナッシュでもピノ・ノワールみたいな味わいのワインはありますよね。マスキユーさんの試飲会で以前出てましたよね。」
私「はい。このワインは除梗しており、早く飲めるように造っています。」
「今日飲んだスタイルと比べると異質だよね。でも、造り方で出来上がるワインも違うってことなんですね。」
「でも、このワイン ヨード 海藻みたいなニュアンスがあるよね。塩からさも。」
家内「ミネラルっぽさ感じますよね。」
私「畑は海沿い 鎌倉の由比ヶ浜でワインを栽培してるような感じですよ(笑)。」
「だから潮の香りがするのかな(笑)?」
「不思議ですよね(笑)。」
「このワインはリキュールのような香りが強くしますよね。飲んだ味わいとグラスで嗅ぐ香りが一致します。でも、今日の試飲会では他のワインは香りがあまり立ちませんよね。何故ですか?」
私「待ってましたこの質問(笑)。今日の4番目まではいわゆる地中海系 ポンティカ系と言います。もともと暑い原産地のような植生なので、香りがあまり立ちません。口中での味わいが鼻腔に抜ける時に香りを強く感じます。フランスやドイツのようにもともとワインがなかった産地の葡萄 品種改良を重ねて造られた品種とは違ったスタイルです。」

さて、本日のトリは白。種も仕掛けもあります(笑)。
〇アンソニカ・ビアンコ 2013年 カタルド・カラブレッタ イタリア カラブリアI. G. T. 赤 750ml 2180円 税込み

「おー!これはパワフル(笑)。旨みの爆弾だね(笑)。」
「酸の量が圧倒的。でもアルコイックじゃない。アルコール分は?」
私「13%です。無理していませんね。」
「でも香りは凄く複雑。白い柑橘類やマンゴーなんかのトロビカルなニュアンスも感じる。ワン・パターンじゃないですね(笑)。」
「甘さも強く感じますが、残糖はあるんですか?」
家内「フリーラン・ジュースだけで発酵してから、シュール・リーで半年寝かしますから、甘味・厚み・旨みが増します。このため甘く感じます。」
「5番目のカンノナウ同様フリーラン・ジュースだけなんですね。これが今回の試飲会の仕掛けですね(笑)。」
私「ご明察でございます(笑)。」
「プレス果汁を使わないと使うとではこんなに違うんですよね。目から鱗(笑)。」
「ほんと。厚み、旨みが段違いだよね。」
「アンソニカってあまり聞きませんが、どんな品種?まあ、こんなPCなんでしょうけど(笑)。」
家内「シチリアで有名なインツォリオの別名です。こんなにアロマチックだと解らないですよね(笑)。」
私「まあマロラクティック発酵はしないようです。温度管理はしっかりしています。一昔前では考えられない白ワインです。」
「マスキユーさん、このワインはどのくらい持ちますか?」
私「厳しい質問です(笑)。2013年ヴィンテージで完全に出来上がっていますから、今飲むべきワインです。5年、10年寝かせるワインではないと思います。ただ他のヴィンテージは飲んでないので断定は出来ませんが…。」
「マスキユーさん。フリーランだけが理由でこんなに美味しくなるんですか?」
私「いえいえ、基本は低収量です。1本の葡萄樹からどれだけのジュースを得るか、たくさん採ろうとすれば薄くなり、少なくすれば濃くなります。ただしコストに跳ね返ります。」
私「5番と6番は1本の葡萄樹からワイン1本前後しか採ってないと思います。」
「そうするとアンソニカ・ビアンコはめちゃくちゃ安くありませんか(笑)?」
私「実は特別条件がつきましたので、今回ご紹介することにしました(笑)。通常ですと3000円越えますから、ケチなマスキユーでは売れない(笑)。」
アンソニカ・ビアンコ 土曜日の夕方前に完売してしまいました。本日のトップセラーとなりました。週明けの火曜日に再入荷しますので、しばしお待ちを!
家内「アンソニカ・ビアンコを飲んだ後に1番目のトスカーナ・ロッソを飲んでみてください。」
「おっ!ちゃんとしてる!普通に美味しい。」
「安い赤だけど負けていないよ!」
私「これが本日の仕掛けです(笑)。ありがとうございました。(笑)」

お忙しい中、ご来店ありがとうございました。

桝久商店 岡本利秋・昭子

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