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風の丘

Oct 02, 2015 by akiko
まだ途中までしか読んでいないのですが、素敵すぎる小説なので 紹介しちゃいます。
特に イタリアワインが好きな方、ぜひ 呼んでいただきたい!!
カルミネ・アバーテの『風の丘』(関口英子訳 新潮クレスト・ブックス)です。

イタリア半島最南端 カラブリア州の架空の農村に暮らす家族の物語。第一次世界大戦の前から物語が始まります。
ワインに関して直接の言及はないものの、たぶんチロのあたりを舞台としているんではないかと 推測します。
作者のアバーテさんはカラブリアの出身ということで、とにかく自然描写が素晴らしい。
舞台となる丘の、空気の匂いまでも読者に伝わってくるようです。
そして そのカラブリアの厳しくも美しい自然の中で 生き生きと、実直に暮らしている人々。
第一次大戦、ムッソリーニのファシスト政権、第二次世界大戦  と続く激動の時を、
貴族でもなく大地主でもなかった むしろ貧しい農民だった彼らが 自分たちで得た土地をどう守って次に伝えていくのか。

南イタリア農民の暮らしが 活写されています。
土地を子孫に伝えていくこと、農業で身を立てること・・・いろいろ考えさせられます。

こんばんは、本を読みながら カラブリアのワインを飲もう。美しい自然に想いをはせながら。
ワインがより具体的に美味しく感じられること、間違いなしの一冊です。

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