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まだ途中までしか読んでいないのですが、素敵すぎる小説なので 紹介しちゃいます。
特に イタリアワインが好きな方、ぜひ 呼んでいただきたい!!
カルミネ・アバーテの『風の丘』(関口英子訳 新潮クレスト・ブックス)です。
イタリア半島最南端 カラブリア州の架空の農村に暮らす家族の物語。第一次世界大戦の前から物語が始まります。
ワインに関して直接の言及はないものの、たぶんチロのあたりを舞台としているんではないかと 推測します。
作者のアバーテさんはカラブリアの出身ということで、とにかく自然描写が素晴らしい。
舞台となる丘の、空気の匂いまでも読者に伝わってくるようです。
そして そのカラブリアの厳しくも美しい自然の中で 生き生きと、実直に暮らしている人々。
第一次大戦、ムッソリーニのファシスト政権、第二次世界大戦 と続く激動の時を、
貴族でもなく大地主でもなかった むしろ貧しい農民だった彼らが 自分たちで得た土地をどう守って次に伝えていくのか。
南イタリア農民の暮らしが 活写されています。
土地を子孫に伝えていくこと、農業で身を立てること・・・いろいろ考えさせられます。
こんばんは、本を読みながら カラブリアのワインを飲もう。美しい自然に想いをはせながら。
ワインがより具体的に美味しく感じられること、間違いなしの一冊です。