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さてさて、次の赤は今回の試飲会最安値の赤!
●サリーチェ・サレンティーノ リゼルヴァ 赤 2012年 ボッター・カルロ イタリア プーリアD.O.C. 750ml 1234円税込み
「サリーチェ・サレンティーノなんて名前がかっこいい(笑)。どこのワインですか(笑)?」
家内「南イタリア プーリアの一番南に飛び出した 地図で言うと踵の部分です。暑いところです。」
「おー!いかにも南イタリア(笑)。コクがあって美味しいですね。」
「シンプルだけど飲み飽きしない味だよね(笑)。普通に美味しい。」
「花や果実のニュアンスはあまり感じないけど、チョコレートやクリームの香りが心地好い。ゴージャスなワインじゃないけど毎日飲みたいね(笑)。」
「これってセパージュは何ですか?」
家内「ネグロ・アマーロにマルヴァジアを少しブレンドしています。」
「マルヴァジアって香りの強い白葡萄ですよね?入っているのが全然分からないですよ。」
家内「キャンティにカナイオーロを少し入れるような発想なのですかね
?きっと隠し味的な使い方なんでしょうね。」
「それにしてもコスト・パフォーマンスが良いですよね(笑)」
私「ありがとうございます。あと、鉄板のマリアージュはモッツァレラやカプレーゼです。オリーブ・オイルなんかとも相性が良いです。」
家内「トマトや煮込んだ肉とも合わせやすいですよ。」
私「昨日発見したのですが、このワイン、アイスクリームのピノによく合います(笑)!」
「チョコレートとクリームですね(
笑)。同じピノでもピノ・ノワールじゃないんだな(笑)。」
「店長!これってたしかにあまり明瞭な果実味はないですが、奥にしっかりブラック・チェリーがありますよね。だから、旨いんでしょうね。
レベル高いですよ(笑)。」
私「ありがとうございます(笑)。販売元のボッター・カルロは、このランクのチョイスが本当に上手です。産地の特徴がしっかり出ている全うなワインを売ってくれます。フランスのネゴシアンとは在り方も違います。」
家内「ボッター・カルロのワインはドイツで売れているようです。バック・ラベルがドイツ語で書かれていますから、ドイツ仕様のものが日本に来ているようです。」
私「ケチなマスキユーが好むようにドイツ人も好むのかなぁ(笑)?」
●ラクリムス アパッショナド 2015年 ヴァル・サンソ スペイン 赤 リオハD.O.C. 750ml 2005円税込み
「マスキユーさん!最近アパッシメントに凝ってますね(笑)。セットまで作っちゃって(笑)。」
私「ゲッ!お見通しですね(笑)。
『濃いワインばっかり集めてどうすんだ!』なんて言わないでくださいね(笑)。」
「それにしてもこのワイン飲みやすい。キャッチーなくらいだよね。陰干ししたりすると飲み頃になるのに時間がかかるんだけどな(笑)。」
「そうそう。すぐには飲めないくらいタニックだったりするよね。」
「特にテンプラリーニョなんて熟成に時間がかかってようやくベリーやチェリーの果実味が出てくるんだけど、初めからそのニュアンスが出ている。」
「若いんだけど荒さ、黒さがないんだよね?」
私「おっしゃる通り!しかもヴィンテージはなんと2015年なんですよ(笑)。」
「驚きですねぇ!ハヤ!」
家内「要らない部分が濃くなってないんですよね。」
「これってリオハの赤ワインですよね。一般リオハの赤って樽のニュアンスが強いイメージがあるけれど、これは樽熟成してるのですか?」
私「トーストした木樽のニュアンスがありますよね。果実味の方が勝っていますから目立ちませんが。」
家内「木樽熟成はしていないのですが、木製のタンクを考案してそれでワインを数ヶ月寝かせるようです。」
私「そのタンクの内側をトーストしているのかもしれません。木製のタンクならば酸素の供給量が多いのでワインの出来上がりを早めそうですよね(笑)。」
「無理にミクロ・オキシダシオンするよりは自然だよね(笑)。」
私「ハビエルさんは常にイノヴェーションすることを考えていますから、きっと理由があるはずです。詳しく知りたいです(笑)。」
「店長!テンプラリーニョ・ファンの自分としましては驚きです。熟成したテンプラリーニョとは趣は違いますが、テンプラリーニョと言う他ない味わいです。」
●カイロール 2013年 ドメーヌ・ラファージュ フランス ルーション 赤 コート・カタランI.G.T. 750ml 1980円税込み
「おー!これ密度感あるなぁ(笑)。香りからしてヘビー(笑)。高そうな感じするよね(笑)。」
「カリニャン100%なんて珍しいよね。カリニャンって補助品種だよね。」
私「おっしゃる通り!カリニャン100%のA.O.C.は東隣のフィトウだけです。」
家内「この『カイロール』基本的にはフィトウに似たスタイルですがフィトウほど荒くないし、雑味がない。この点ラファージュさんらしい洗練されたスタイルです。まあ、アロマティックな葡萄品種ではありませんが(笑)。」
家内「樹齢も古く、特殊な畑の印象です。」
「以前の試飲会でカリニャン100%の華やかなワインがありましたが...?」
私「そうそう。あれはボジョレーみたいにM.C. をかけて造ったワインです。コルビエールやルーションなどのビオ・ディナミの生産者がよくやるスタイルです。スミレやプラム、キャンディーの香りがするスタイルですね。面白いスタイルですよね。」
「ところでラファージュ教のマスキユーさんが何故今まで『カイロール』を扱わなかったのですか?」
私「痛いところを突かれました(笑)。この『カイロール』、とてもコストがかかったワインなのですが、解りにくいスタイルなので当初売る自信がありませんでした。ただ諸般の事情で終売ということになり在庫処分の販売となりました。この価格なら売る自信が俄然出てきた訳なのです。失礼!」
「ラファージュさんよりお客様が神様なんですね(笑)。」
私「ご名答でございまするぅ~!」
ご来店どうもありがとうございました!
桝久商店 岡本利秋・昭子