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昨日、一昨日と寒いなかお越しくださりありがとうございました!
まずはコスト・パフォーマンスに優れたスペインの赤。これ、お年玉セールですぞ(笑)。
●エル・テセロ モナストレル・シラーズ 2016年 ボデーガス・サン・ヒル スペイン 赤 フミーリャD.O.P. 750ml 999円税込み スクリュー・キャップ
「おっ、飲みやすいね(笑)。これ。」
「濃いには濃いけど、飲みやすい。甘くてイイ(笑)。」
「この甘さは糖分なんですか?」
私「いえいえ。糖分ではありません。アルコール発酵の際にできるグリセリンです。口のなか全体に広がる甘さです。」
「グリセリンって?」
私「化学物質です。甘く感じますから食品添加物として広く使われています。石油から精製されたグリセリンは車の不凍液とし使われます。これは毒ですが(笑)。」
「このワインとても熟した印象があるけど
、飲みやすい。アルコール分はどのくらいですか?」
家内「14%しっかりあります(笑)。でもあまりアルコリックには感じませんよね。
寄せ集めで造ったワインではありませんね(笑)。」
私「このワインは生い立ちが複雑でして(笑)。フミーリアの老舗ワイナリー フアン・ヒルにローヌのブティノ社が指導して作ったブランドです。『驚くべきコスト・パフォーマンスの高さ』として評価されているフアン・ヒルのワインに磨きをかけて、世界に打って出る戦略のようです(笑)。」
「誰が飲んでも飲みやすい!ってことかな(笑)?」
「バック・ラベルが英語だからアメリカ向きだな(笑)。」
「店長!もう樽のニュアンスに頼るワインは流行らない!果実味あるのみ!今の潮流ですよ(笑)。」
私「ご名答!」
私「従来の樽香の強いスタイルではなく、
果実味を全面に押し出したスタイルです。樽のニュアンスはほんのり隠し味程度(笑)。」
「それってオーク・チップの使用ですか?」
家内「これはオーク・チップではないですね。」
私「多分、ステンレス・タンクでブレンドする際にバリック熟成したものを1樽だけ加えたものかと。インポーターさんに聞いてみますね(笑)。」
家内「チョコレートに良く合いますよ。お試しください(笑)。」
「むしゃむしゃ、ごっくん。あっ!美味しい!グーンと甘くなる(笑)!口の中で爆発するみたい(笑)!」
「このワイン果実味はしっかり感じますが
、上手く解らない(笑)。プラムのようなベリーのような(笑)?」
私「大正解です(笑)。黒い熟した果実のニュアンスですよね(笑)。暑い産地のワインは果実味が不明瞭になりがちです。」
「何故ですか?」
私「生理的に水分を保持しようと葡萄が水分蒸発を極力しないようにするからです。」
「なるほど、香りは揮発性だからね(笑)。」
「モナストレルの香りって?どれですか?」
家内「プラムです。でもこれはもう少し暗いかな。プルーンみたいですよね。昔のモナストレルと比べたら天使のように飲みやすいですね(笑)。」
「シラーは?」
私「小粒のブラック・ベリーやブルー・ベリー。あと黒胡椒っぽいですよね。」
「シラーは何%ですか?」
私「え~と。あっ、15%しかありません。」
「もっとシラーが多い感じですよね?」
「これってシラーズと記載されてますよね。たしかに味わいもオーストラリアのシラーズっぽいですよね(笑)?」
私「そーなんです(笑)。過熟してジャムっぽいし、小粒のベリーっぽさは似てますよね。インポーターさんに聞いてみたところ、オーストラリアのシラーズと言う訳ではないそうです。セパージュの表記はシラーでもシラーズでも良いそうです(笑)。」
家内「丸1日経つとジャムっぽさが増します。ここに昨日開けた残りがありますから試してください(笑)。」
「あっ、ホントだぁ(笑)。より甘く、しかも飲みやすい。」
「値段の割には良いワインなんですね(笑)。」
本日一番本数が売れました。ありがとうございました!
そしてマスキュー定番のシャトー・ラ・バスティードがようやく入荷しました!
実はこのシャトー、中国系に買収されました。ただしワインの生産は今まで通り。どうやら風光明媚な彼の地に目をつけ観光リゾートとして再開発したいようです。幸いと言えば幸いです(笑)。
〇シャトー・ラ・バスティード 2016年 ギレム・ギュラン フランス 白 コルビエールA.C. 750ml 1377円税込み
「マスキューさん!これ特別強くないけど、強いスペインの赤の後でもちゃんと美味しい(笑)。マスキューさんの作戦だな(笑)。」
私「へへへ(笑)。ばれてますね(笑)。」
「え~と、レモン、あとハニーさがあって
優しい(笑)。これも飲みやすい。あんまり香りは強くないけど美味しい(笑)。」
「このワイン、ずいぶん沢山飲みましたよ
(笑)。最近見かけなくなって困ってたんですよ(笑)。」
家内「ありがとうございます(笑)。ずっと白が切れていました。2013年ヴィンテージから2016年で再登場です。」
「これってセパージュは何ですか?」
私「え~と、ルーサンヌが50%、ブール・ブランシェが25%、ヴェルメンティーノが25%です。」
「在来の品種なんだ。ちょっと懐かしい感じもするかな(笑)?」
私「香りよりも旨味を重視してるスタイルですよね。豚肉+白菜+このワインの組み合わせは黄金のトライアングルです(笑)。」
家内「もちろんボンズ醤油は鉄板(笑)。野菜の甘味と良く合います。」
「なるほどね!このワインの酸っぱさはレモン系だからね(笑)。ハニーなニュアンスは野菜の甘味。あとすべてに程好いんだよな(笑)。」
「そうそう。程好い!凄く自然で飲みやすい(笑)。」
私「ちなみにアルコール分は14%と高いですが、あまり気にならない出来ですよね(笑)。」
「えー!そんなにアルコールがあるんだ!」
「感じないよね。」
家内「単にアルコール分の高さを問題にすることってあまり意味がないような気になりますよね(笑)。全体のバランスの方がが大事かな(笑)。」
「店長のよく言う折り合いの良さ ですね
(笑)。」私「うっ、うっ、うっ。また読まれた(笑)。」
「ハニーな後味とは別の甘さがありますよね?」
私「お芋っぽさかな(笑)?」
「そうそう。ふっくら優しい(笑)。」
私「南フランスの地場品種の特徴です。特別フローラルじゃないのもそうです。この点プリミティブかと。」
●シャトー・ラ・バスティード 2015年 ギレム・ギュラン フランス 赤 コルビエールA.C. 750ml 1377円税込み
「この赤もずいぶん飲んだなぁ(笑)。」
家内「これは2015年ヴィンテージですが、
まだ少し若いですね。」
「うんうん。でも全体のポテンシャルはかなり高いな(笑)。」
「このワイン時間が経つとどうなりますか?」
私「全体のバランスが良くなり、飲みやすさが増します(笑)。タンニンがもう少し落ち着いて来ます。」
「タンニンの分量はかなり凄いよね。このタンニンは何由来ですか?」
私「葡萄の皮と種です。スパイシーさがまだマスキングされてますね。」
「飲んだ感じシラーって言うよりグルナッシュだよね。」
「この渋さ、苦さ、私には強く感じます。
圧倒的(笑)。」
家内「タンニンの分量は多いですよね(笑)。意地悪に感じる方もおられるはず(笑)。チョコレート食べながら飲むと柔らかく変身しますよ(笑)。」
「あっ!変身した(笑)!美味しい(笑)?」
私「木樽由来のタンニンではないので、基本的には意地悪じゃないんですよね。でも分量は多いから強く感じるかな(笑)。」
「シラーが60%入っているとは思えない。
グルナッシュの甘いニュアンスが支配的ですよね。」
私「そーなんです(笑)。時間が経つとタンニンがもっと複層的になるはずです。2015年の南フランスはかなり良かったような印象を感じます(笑)。」
「強いんだろうけど、強さが全面に出てない。旨味が裏支えしてるんだろうな。」
「マスキューさん、これって白ワインよりアルコール分は高いのですか?」
私「同じ14%です。」
「へぇー。ということは同じように造ってるのかな?」
私「2015年、2016年はともに作柄は良さそうです。以前のメイクより大きさがあります(笑)。」
「この赤も白同様な、共通したニュアンスがありますよね?」
「香りはおとなしいけど、旨味がありますよね。」
「あと余韻がとても綺麗!」
私「流石!SO2が少ない証拠です(笑)。この価格帯では一番少ないレベルです。」
「SO2って多いとどうなるんですか?」
「いわゆる酸化防止剤ですよね。」
私「余韻を断ちきります(笑)。あと不快な甘苦さを感じます。」
「これってビオなんですか?」
私「特別ビオは唄ってませんが、結果は正銘なワインになってます。技術的には南フランスのトップ・ランナーです。」