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桝久 試飲会リポート 後半

Jul 31, 2023 by weblogland


「いやー、暑いですよね(笑)。こんな中赤ワインが4本とは(笑)?って思ってましたが(笑)、最初の泡で一気にクールダウンしたから、とても次の赤が飲みやすかったですよ(笑)。これマスキューさんの戦略(笑)?」
私「はい(笑)。そして体が慣れたところで最後のスパートです(笑)。暑い寒い言ってられない圧倒的な良さ(笑)。」
家内「先日の暑い『海の日』にハイキングに行きましたが、山の中はとても涼しくて快適。樹林の中は照りつけ照り返しがなく谷に沿って風もあり快適でした(笑)。」
私「体が慣れれば赤もオッケーのヒント(笑)。」
家内「ただし帰りのアスファルト道を歩いて暑さにやられましたが(笑)。」
私「試飲会もマスキューまでたどり着けない(笑)。」

●バッケ・ネーレ カベルネ・ソーヴィニヨン レゼルバ 2017年 モンテチーノ・ロッソ イタリア エミリア・ロマーニャ 赤 コッリ・ディ・イモラD.O.C.
750ml 2451円税込み
「うわっ!香りが重い(笑)。中身が物凄く詰まっているのが解る(笑)。」
「うんうん。飲んでもそのまんま(笑)。凄い凝縮感!」
「只者じゃないね。しかもヴィンテージは2017年…。全然古くない。まだまだ先がある感じ。」
「リキュールみたいですよ(笑)。」
「しかも果実味がはっきりしてる(笑)。セパージュは?」
「カベルネ・ソーヴィニヨンって書いてある。」
「この間の試飲会で食べたマルベリー山桃みたいな…。そうそう、ラベルに描いてある小さい小粒の赤や黒の果実の香りがする!」
私「マルベリー 桑の実ですね(笑)。」
「カベルネ・ソーヴィニヨンってこんな味なんだ。」
私「ボルドーの典型的なカベルネはカシス風味って言われていますが、これは桑の実ですね。いわゆるスグリ系と言うことでは共通しているとは思いますが、これほど個性がはっきりしたカベルネ・ソーヴィニヨンは初体験です(笑)。」
家内「この生産者モンテチーノ・ロッソはセパージュの特徴をはっきり出すのが上手。しかもオリジナリティーもある。マスキュー定番の『S』や『A』ラベルのものです。」
「ああ、あれですね(笑)。『S』がサンジョヴェーゼでしたよね。規格外の上物のフル・ボディー(笑)。コスト・パフォーマンスに驚いたよね(笑)。」
「そうそう。でもすぐに飲み頃にならない頑固なワイン(笑)。」
私「頑固さが欠点(笑)。でも良いワインは時間がかかる(笑)。」
「う~ん。これ2017年ヴィンテージだけど飲み頃の入口の感。前の2本の赤とは明らかに規格が上(笑)。ボルドーのグラン・ヴァン並み(笑)。」
家内「モンテチーノ・ロッソの一番高いシリーズのようです。良心的ですよね(笑)。」
「イタリアのカベルネ・ソーヴィニヨンって謂うとボルゲリみたいなスタイルかと思ったけど、これはエレガントさがある
。くどい樽香が無い(笑)。凝縮した果実味の真っ向勝負(笑)。コスパ高い!」
「濃厚だけど綺麗。とても上等(笑)。」
「花の綺麗な香りもする。複雑だよね(笑)
。しかも圧倒的(笑)。」


●モルゴン グラン・クラ 2019年ドメーヌ・デ・コート・ド・ラ・モリエール フランス ボジョレー 赤 750ml 4242円税込み
「あれ?もう予約入っているんですか?」
私「知っている方々がおられまして…(笑)。6ヴィンテージくらいジャンプしての入荷ですが…。根強いファンがおられます(笑)。」
「あー!ピノ・ノワールだぁ(笑)。しかも極上。」
「ストロベリー全開(笑)。ガメイってこんなになるんですか?」
「ビオ臭するけど気にならない。圧倒的な香りがすべてを払拭する。」
「しかも品が良い。いやいや威厳がある。
マスキューさん曰くの壮麗かな(笑)。」
「香りの玉手箱(笑)!」
私「昨日抜いたコルクなんですが、コルクに香りがまだ残ってます(笑)。」
「コレって合成コルクですよね。何で香りがするの(笑)?」
家内「抜栓直後は香りが店に漂いますよ(笑)。尋常じゃない(笑)。」
私「翌日は重さが出てきます。チェリーやベリー、マラスキーノ・チェリーのようなリキュールっぽさも感じます。」
「香りも凄いけど、甘さ。甘露な甘さに驚かされる(笑)。」
「香り、広がり、入口も優しい。森林の中の湿った空気感がある。高級なブルゴーニュのピノ・ノワールみたいだね(笑)。」
「この甘さはグラン・クリュの証だね(笑)
。でもこの値段(笑)。こんなの飲んだらバカ高いピノ・ノワール飲む気が無くなる(笑)。」
「ラベルに『グラン・クラ』って書いてある(笑)。」
「マスキューさん扱いのモルゴン、えーとドメーヌ・シャサーニのピイ、私とても好きなんですが、スタイルが違いますよね。あれって完全にボジョレーのガメイの味わい。」
家内「典型的なボジョレーのガメイです(笑)。私はボジョレーだったらシャサーニのスタイルの方が好きです。モリエールのワインは規格も飛び抜けてますからね(笑)。」
「う~ん。コレってボジョレーなんですか
?ボジョレー・ヌーボーみないなキャンディーやバナナの香りはしませんよね?」
私「はい!あれは作りたてなのであんな香りがします。密封式のステンレス・タンクで発酵させるとあの香りが出ます、でも時間が経つとあの香りは消えていきます(笑)。」
「へぇー、そうなんだ。と言うことはあのキャンディーみたいな香りはガメイ種の特徴ではないのですか?」
私「左様でございます(笑)。作りの特徴でございます(笑)。イタリアのノヴェッロ(ヌーボー)もボジョレー・ヌーボーのように作るようになってから似た感じになりました。」
私「そうそう。モリエールのこのワインですが、コロナ前にETVの番組で『旅するフランス語講座』で、ブルゴーニュのリオンのワインショップで女優の黒木華さんが『ブルゴーニュらしいワインをください!』と聞いたら、このワインを勧められてました。」
「へぇー、ピノ・ノワールじゃないんだ(笑)。ガメイも立派なブルゴーニュなんだね(笑)。」
「ボーヌ・ロマネなんか売りつけられたら
番組ぶち壊し(笑)。」
私「そう言えば、番組だと家庭料理に合わせる設定でしたね(笑)。」
「どんな料理に合わせたのですか?」
私「作った料理はお好み焼きのブルゴーニュ風?ワインと合わせてなかった(笑)。さすがNHKだと思いましたね(笑)。」
「このワイン、何と合わせますか?」
「子羊?」
「高級なチーズかな?」
家内「鰻の蒲焼き!土用の丑の日の影響かな(笑)?」
「このワインは味噌っぽさありますよね(笑)。」
私「さすが!発酵由来の独特な香りします
(笑)。」
家内「大和煮っぽい味つけなら幅広く合うかもしれませんね(笑)。」
「マスキューさん、このワインっていわゆる全房発酵ですよね?」
私「左様かと。」
「最近除梗〇〇%なんて記載があるけど、マスキューさんがよく言う全房発酵とはどう違うのですか?」
私「私の言う全房発酵は古典的なブルゴーニュの作りです。最近はカリフォルニアのデヴァイス校の研究で『葡萄の梗概はタンニンと結びつき酸となりPHを下げる
』という研究がありました。梗概を発酵中に入れることで酸度が増すという研究です。」
「なるほどそうすれば梗概の量で酸度の調節も出来る訳だ。」
私「温暖化が進むとワインの酸度は下がりますから、まさに錬金術的な研究となりました(笑)。一気に広がりました。」
「味わいも良くなるんですか?」
私「酸がなく抜けたようなワインには有効だと思います。バランスが良くなるような気がします。あとワインの寿命も伸びます。」
「良いことづくめじゃないですか(笑)?」
私「でも根元的にワインが美味しくなることはありません。旨いと感じる酸が増える訳では無いからです。アメリカ人的な発想です(笑)。」
家内「例えば暑い南イタリアなどのワインですが、驚くほど酸度が高いのです。セオリーを度外視してます(笑)。この研究の方が必要だと思います。」

以上5本、とてもとても暑い中、ご来店ありがとうございました!
桝久商店 岡本利秋・昭子

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