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桝久 試飲会リポート 後半
Dec 03, 2024 by weblogland●ヴィンテージ メルロ 2020年 ラダチーニ モルドバ バルル・ルイ・トライアン地区 750ml 1885円税込み
私「毎度お馴染みのモルドバのラダチーニがリリースする上級銘柄でございます(笑)!」
家内「バルル・ルイ・トライアン地区はモルドバの一番南側のワイン産地となります。」
「たしか以前フィオーレシリーズのワイン試飲会で出しましたよね(笑)。モルドバってコスパ良いんですよね(笑)」
私「ありがとうございます(笑)。まっ、まっ、お試しを!」
「あれ?香りが高級そうですよね(笑)。フローラルじゃなくてとても詰まった感じの香り。重さがある(笑)。」
「高いワインの香り(笑)。」
「なめし革…、獣の香り(笑)?」
「野性的(笑)。」
「腐葉土…、ヨード…。とても密度感がありますね(笑)。やはり上級品だね(笑)。」
「口当たりはヘビーだけど飲みやすい。隠れたものが沢山ありそう(笑)。」
「メルロ全開ではないけど…、まだ若くて開いてないのかな?」
私「開けたてはメルロっぽくないですよね(笑)。メルロのディティールはまだ不明瞭かな。」
「とても高級なカカオの香り。これは?」
家内「樽由来です。ただし樽の使い方がとても上手。過剰になっていません。品が良い(笑)。」
「新樽コテコテでは無いですよね。かと言って樽香はしっかりしている。新樽なのかな?」
私「1年落ちのフレンチバリックの内側を削り再びトーストして使うようです。収斂性の無い新樽みたいに感じますよね(笑)。」
「ちょっとスパルタン(笑)?しっかりしてる。」
「う~ん。私のイメージするメルロでは無い!
メルロって『安めぐみ』みたいじゃないとダメ(大爆笑)。」
私「なんて適切な表現!さすが!私が高田純次の次に尊敬するAさんです(笑)。」
「緩くてたっぷり。コレですよメルロは!」
「このラダチーニのヴィンテージ•メルロは通常の価格の安いメルロとは違いますよね?安い方が『安めぐみ』に近い(笑)。」
家内「安い方はもっと北側の産地で作られてますね。」
私「ヴィンテージ•メルロの方が生命力ありますね。まだ向上しそうですね(笑)。」
そして翌日の土曜日
私•家内•Kさん「ヴィンテージ•メルロは翌日になるとメルロらしくなる!小粒のプラム…、とてもよく締まっており、緻密!」
私「良いワインだったね(笑)。昨日より成長してる(笑)。」
家内「でも『安めぐみ』とはちょっと違いましたね(笑)。」
Kさん「品が良い。」←安さんに悪意はありません。
「小粒のプラムが心地良い(笑)。余韻が綺麗ですね(笑)。」
「スタイルとしてはボルドー…、でも味わいはモルドバなんだろうな(笑)。」
「うんうん。ボルドーのメルロではない。でもランクとして日本のメルロだと3∼4000円くらいはしそうな感じ。」
●❴限定品❵グリニャン・レ・ザデマール キュヴェ『エミリアーヌ』2020年 ドメーヌ・サン・リュック 赤 フランス ローヌ グリニャン・レ・ザデマールA.C. 750ml 2168円税込み
「あれ?コレも限定品ですか(笑)?」
私「えへへ(笑)。今年の6月のマスキュー試飲会でお出ししたところ一気に完売。ようやくの再入荷なのですが、ワイナリーが廃業とのこと。
最終入荷となります。」
家内「一時期パスティス•メーカーに売却するなんて話が出ていましたが…。」
私「マスキュー同様先の事は解らないということで(笑)。最後の味をお試しくださいませ!」
「あ~、たまらん!とても強いけど飲みやすい(笑)。」
「そうそう。強くて濃いのだけれど…、旨味が物凄い。」
「バランスもとても良い(笑)。」
私「しっかり醸した後に、ほとんどプレスをかけずに作った感じですね。畑の一番古くて良い区画だけの葡萄を使ってますから、古樹独特の旨味がたっぷり綺麗に出ています(笑)。」
「いわゆるローヌのワインっぽくないですよね(笑)。」
私「このアペラシオン グリニャン・レ・ザデマールはコート•デュ•ローヌの一番北側。グルナッシュの北限と言われています。たしか混植•混醸。除梗はしてますね(笑)。」
家内「この下のキュヴェもシラー60%、グルナッシュ40%と同じ割合です。区画の良さの差が明確に出ています。飲み比べると面白いですよ(笑)。」
「やりましたよ(笑)。でもエミリアーヌは味の差以上に安いですよね。良心的ですよ(笑)。」
私「ワイナリーのスタートが趣味的なので無理な価格はつけていませんね。返す返す廃業が惜しまれます。」
「マスキューさん!これって酸があるワインってことですか?」
私「早飲みではありますが、酸はあるかと。酸っぱさだけでなく旨味の酸味があると思います。」
「よく酸があるとか無いとかワインを評しますが、酸っぱくても酸が無いなんてどういうことか疑問だったんですよ(笑)。なんか腑に落ちましたよ(笑)。」
「このワイン、旨酸っぱくて口に入れると涎がダ、ダーと出る(笑)。」
「うんうん、熟成したピノ・ノワールなんかも涎がダ、ダーと出る(笑)。」
「梅干しなんかもそうですよね。旨味があってこそ。酸っぱいだけでは涎は出ない。苦痛なだけ(笑)。」
私「私はこのワインを飲むと幸せになれます(笑)。」
「同感!(笑)」
「マスキューさん、このワインはどう考えてもビーフシチューに合いますよね(笑)?」
家内「鉄板ですよね(笑)。」
「あと牛のホホ肉の赤ワイン煮かな(笑)。」
私「漬ける赤ワインをエミリアーヌにして、飲むのもエミリアーヌ!コレで完璧です(笑)!」
●ボジョレー ヴィラージュ ヌーヴォー2024年 ドメーヌ・コート・ドゥ・ラ・モリエール 750ml 4320円税込み
●モルゴン グラン・クラ 2019年ドメーヌ・デ・コート・ド・ラ・モリエール フランス ボジョレー 赤 750ml 4242円税込み
私「さあ、今月のマスキュー試飲会のトリはモリエールの極上品のモルゴンですが、その前に今年のモリエールのヌーヴォーをお試しいただき比較するのも一興かと(笑)。いつかはやりたい比較ティスティングだったのですが、日にちや在庫数の関係上なかなか実現しませんでした(笑)。まずはヌーヴォーからお試しを!」
家内「開けたてはちょっと還元臭がしますが、じきに消えてゆきますのでゆっくりお試しください(笑)。」
「あ~!スミレの香り!」
私「それ!それでございます(笑)!」
「僕が先日持ってきたスミレの香り。土ごと持ってきたヤツ(笑)。」
私「Mさんからいただいたあのスミレ、ちゃんと植わっていますからご安心を(笑)!和三盆みたいな甘い香りと土臭さ(笑)。まさにあれですね(笑)。」
「へぇ~、クローバーのお兄さんはスミレも栽培してるんですか(笑)?」
「いわゆるボジョレーヌーヴォーと違ってキャンディっぽくない(笑)。もっとワインワインしている。」
「軽く感じるけど決してヌーヴォーみたいに薄くない(笑)。」
「大人のボジョレーヌーヴォーだね(笑)。」
「さっきの話じゃないけど(笑)、リンゴ酸に旨味がしっかり乗っている(笑)。」
「咲きたてのキンモクセイの香り(笑)。甘くて爽やか(笑)。」
家内「抜栓してからしばらくするととても果実味がはっきりしてきます(笑)。翌日になるともっと良くなる(笑)。」
「チャーミングですよね(笑)。明るく正しく!(笑)。」
私「モリエールは基本ヌーヴォー専用の畑はありません(笑)。日本のお客さんのために50ケースだけ作ってくれています(笑)。」
家内「あと補糖補酸はもちろん余計な事は一切しません。元祖ヴァン•ド•ナチュールです。それ故今回2024年のヌーヴォーはアルコール分が10.5%と過去最低となっております。」
「えー!10.5%ですか?そんな感じはしないですよ(笑)。普通に飲みやすい(笑)。」
「バランスも良いしちゃんと美味しく飲める(笑)。アルコール分が10.5%って何が凄いのですか?」
私「今年は収穫期の8月下旬に雨が振り、収穫が9月の第1週にずれ込みました。ヌーヴォーはスケジュールが決まっていますから、大半の生産者は糖分添加してアルコール分を上げ、SO2をバシッと添加して発酵を強制的に終了させたようです。ですから出回っているヌーヴォーは12∼13%の範囲で仕上がっています。酸があればアルコール分が低くてもワインとして成り立つのが凄いかと(笑)。」
さて、本丸のモルゴン グラン・クラ 2019年
です(笑)!
「あ~、コレ美味しいんだよね。ピノ・ノワールの極上品みたいなんだよね。前に試飲会に出ましたよね?」
私「ストロベリー!それもハウス栽培のものではなく露地栽培のもの。う~ん。願わくばビートルズのストロベリー・フィールズ・フォーエヴァーたれ!妄想が止まりません(笑)。」←ほぼ気が狂っている(笑)。
「ストロベリーストロベリーしてるけど複雑ですよね(笑)。」
家内「2年くらい前に同じものを出しました。あの時と比べるとだいぶ落ち着いて来ましたね。ピークの入り口かな(笑)。」
私「ピークが長いような気がします(笑)。」
「あ~!相変わらず旨い!言葉が続かない。」
「ちょっとハチハチ感が舌に残ります。酸かな?」
私「そーとしか思えませんよね。再発酵ではありませんね。前はハチハチ感がなかったように記憶してます。」
「すべてが圧巻。ヌーヴォーとは違うなぁ(笑)。作りはどうなんですか?」
私「畑は違うと思います。作り方としてはヌーヴォーは除梗して、モルゴンは全房発酵です。モルゴンはアルコール分が12.5%。同じ年のヌーヴォーがアルコール分12%でした。ヌーヴォーより0.5%高いのが通例のようです。」
「でもモリエールって基本あまりアルコール分が高くないですよね。」
家内「他のボジョレーは大体13%くらいですね。」
「それって畑のテロワールの性ですか?それとも作りの特徴ですか?」
私「両方かと。」
家内「ひょっとしてモリエールの畑は特別で、ハンギングタイムが長くても糖度がさほど上がらないのかもしれません。この点、他のモルゴンの生産者ともちょっと違います。」
私「遅摘みしても過熟感があまり出ないような気がします。」
「温暖化の影響でフランスでワインが作れなくなるかもなんて言われてますが、どうなんでしょうね?」
私「2024年は今までの酷暑の揺り戻しかもしれませんね。」
「マスキューさん!このワイン、ラベルにイザベル&ブルーノ•ペローと書いてありますが、コレは?」
私「ご夫妻の名前です(笑)。私はモリエール モリエールと呼んでますが2024年のヌーヴォーはドメーヌ•イザベル&ブルーノ•ペローとバッグラベルに小さく記載されてます。名前を変えたかもしれません。」
「そうそう、あと気がついたのですが(笑)、何故ヌーヴォーの方が高いのですか(笑)?」
私「あ~!気がついちゃいましたか(笑)。私はさっき気がつきました(冗談)。じつはモルゴン2019年が入荷した頃は為替が120円代でしたヌーヴォー2024年は為替はご存知のように150円代。あとワインの価格自体が値上がっていること。航空運賃も然り。そんなこんなでございます。でもですね(笑)、いくらケチなマスキューでもわざわざ作ってくれたヌーヴォーを入荷しないのは沽券にかかわる!信用にかかわるので見栄を張りました(笑)。冗談です(笑)。」
「だったらモルゴンの方を高くするのも一手では(笑)?」
私「気がつきませんでした(笑)!」←これホント。
ありがとうございました!
桝久商店 岡本利秋•昭子
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