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Written on 2013 12 02

試飲会リポートの続きです(笑)

Dec 02, 2013 by weblogland |
赤ワインのトップバッターはトスカーナ キャンティの大御所リカーゾリのI.G.T.からです!
●『カンポチェーニ』2011年 バローネ・リカーゾリ イタリア 赤 トスカーナI.G.T. 750ml 1420円税込み スクリュー・キャップ
「リカーゾリのワインって安いワインないんだよね(笑)。ラベルデザインからして高級だよな(笑)。ブランド品嫌いのマスキューさんにしては珍しい(笑)。」
私「ひょえー!たまには良いかと(笑)。実は今回特別価格で入荷したものでして(笑)。」
「でも、スクリューキャップだから長く保存するワインじゃなさそうだよね。」
私「おっしゃる通り!早飲みです(笑)。パワフルなワインじゃありません。」
「あれっ?このワインのセパージュは何ですか?飲みやすさはキャンティみたいだけど、ちょっと違いますよね?」
家内「そーなんです(笑)。メルロが70%、サンジョベーゼが20%、カベルネが10%です。メルロっぽさが支配的ですよね。」
私「サンジョベーゼのオレンジっぽさよりもメルロのプラムのニュアンスが強いですよね。」
「カベルネは何のために使われているんですか?」
私「このワイン、カベルネがないと柔らかさだけになるはず。カベルネの硬さをアクセントにしているようです。」
「軽いワインですけど、飲み手に何気なく配慮したような感じしますよね。」
「ところでリカーゾリってそんなに有名なんですか?」
家内「キャンティにカナイオーロをブレンドすることを提案したことで知られています。今のキャンティの原形を造った生産者です。元首相を輩出したトスカーナの名門です。」
私「まずは軽くジャブ程度からの発進です(笑)。」

さて、南フランス ラングドックのスター候補の登場です!
●『ジュテーム』2011年 ドメーヌ・バサック 南フランス 赤 コート・デ・トングI.G.P. 750ml 1770円税込み
「おっ!名前がイイね『ジュテーム』 愛だね愛(笑)。これだけで認めたいね(笑)。」
「旨い!豊潤だね(笑)。とっても飲み易い!」
「あー!惹かれるなぁ。このワインに騙されたい(笑)。」
「この豊満さは南フランスらしいけど、アルコールっぽさがないですよね?スッゴく綺麗。」
家内「アルコール分は14%あります。でも感じませんよね(笑)。」
「コーヒーっぽさは確かにルーションの感じだけど、今まで飲んだルーションのワインとは違うよね?」
「セパージュはグルナッシュなんですか?」
私「グルナッシュは40%、カベルネ・フランが40%、シラーが20%なんですよ。ベリーの赤さ明るさが特徴的ですよね(笑)。」
家内「カベルネ・フランが入っている南フランスのワインは初めて飲みました(笑)。」
「この赤いベリーの味わいはカベルネ・フランなんですね?」
私「はい。ルーション辺りだと濃いワインは良く見かけますが、果実味が真っ黒になりがちです(笑)。この点、『ジュテーム』は赤さ明るさがあり斬新かと。果実味の輪郭が明瞭です。」
「ルーションの濃いワインってジャムやペーストっぽくなるけど、味わいはブラックベリー一辺倒だよね(笑)。」
「このワイン、とってもフレッシュなレッドベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、がはっきり感じますよね。」
「グルナッシはどこに行っちゃったんですか(笑)?」
私「よくお気づきで!『ジュテーム』のグルナッシュはチェリーやラズベリーっぽさになっているみたいです。」
「マスキューさん、グルナッシュってプラムっぽくないんですか?」
私「大体は熟したプラムやプルーンっぽいニュアンスになりがちですが、寒暖差のある畑で丁寧に造られたグルナッシはチェリーやラズベリーっぽい上物になります。」
「『ジュテーム』はグルナッシュも上物なんですね(笑)。」
私「『ジュテーム』はドメーヌ・バサックの特別なキュヴェのようです。跡取りのルイさんはまだ24歳ですが、奥さんが日本人とか。その愛する奥さんの母国日本に対する特別品のようです。」
「そりゃ、旨い訳だ(笑)。」
私「あとこのワイン、実は新樽で10ヶ月熟成されてます。でも新樽を使った感じが解りません。」
「そう言えばそうです。それってどう言うことなんですか?」
私「新樽の強い香りより、果実の香りが勝っていると言うことです。良いワインの証です。」
「樽はバリックですか?」
私「確認はしていませんが、おそらく500リットル前後の樽かと。」
「広がりがとてもありますよね。余韻が長くて、いつまでも浸ってられますよね。」
「雑味がないんだよね。南フランスらしくない(笑)。」
私「素晴らしい完成度かと(笑)。」

さて、これからクライマックス(笑)。クラシックなイタリア・ワインの登場です(笑)。
モンテファルコ・ロッソ2009年 アダンティ イタリア ウンブリア州 赤 モンテファルコ・ロッソD.O.C.750ml 1980円税込み家内「中部イタリア ウンブリア州のワインです。サッカーのペルージャの本拠地です(笑)。」
「ペルージャかぁ(笑)。食べ物の美味しいところですよね(笑)。」
「トスカーナの東隣の山の中だっけ?」
私「海に面していませんよね。」
「おっ!こりゃ、大物ですなぁ(笑)。」
「色はさほど濃くないけど、凄い凝縮感。みっちり詰まってる(笑)。」「果実味が綺麗。しかも膨大。」
「ミネラルや革のニュアンスがあって、ジビエ食べたくなるね(笑)。」
私「いかにも山里のワインですよね。鹿とか野鳥の臭い肉に合うんでしょうね(笑)。」
「そうそう(笑)。鹿だよね鹿(笑)!良いワインって飲んでいると食べ物を連想しちゃうよね(笑)。」
私「そーなんですよ。ワイン自体が、地の食べ物に良く合うようになってるんですね。」
「ところで、日本でも鹿食べられますか?」
私は解りませんんので、食通のTさんに教えていただきました。
Tさん「北海道の利尻で野生の鹿を捕って、出荷してますよ(笑)。あまりに野生の鹿が多いのと、広大な土地を利用して上手に捕まえるみたいですよ。計画的に出荷できるようですから、新鮮なジビエが食べられます。高くないし(笑)。」
「おー!それ良いですね(笑)。」
「ブルゴーニュのピノ・ノワールに鹿が定番ですけれど、このワインも共通した味わいがありますよね。マスキューさんがピノ・ノワール的と言ったのも解りましたよ(笑)。」
「サンジョベーゼが主体でもこんな味になるんですね。」
「確か、この地域のD.O.C.G.はモンテファルコ・サグランティーノでしたよね。モンテファルコ・ロッソの上のランクですよね?」
家内「格はモンテファルコ・サグランティーノが上ですが、モンテファルコ・ロッソとは別物と考えた方が正しいみたいです。モンテファルコ・ロッソはサグランティーノが15%までですが、モンテファルコ・サグランティーノは75%入れます。出来上がるワインも全く別物、別次元です(笑)。」
私「このアダンティもモンテファルコ・サグランティーノを造っていますが、物凄いワインです。息が出来ないほど(笑)。同じ系列のワインとは思えませんでした。」
「次回の試飲会ででますか(笑)?」
私「ノーコメントです(笑)。」

そして、最後が
●『ゴディコ』2009年 チウ・チウ イタリア マルケ州 赤 ロッソ・ピチェーノ・スペリオーレD.O.P. 750ml 1980円税込み
「マスキューさん!また、無名な産地のワイン探しましたね(笑)。チウ・チウ?生産者の名前ですか?イイ名前ですねぇ~(笑)。」
私「でしょ(笑)。」
「こりゃ、大物ですな(笑)。パワーが物凄い。あと深い。」
「たしかにディープ。立体的だしね。立派なワインだね(笑)。」
私「この『ゴディコ』チウ・チウのミドル・レンジなんですよ。2009年でようやく飲み頃に入った感じです。生産者は、感覚的には早く飲めるキュヴェとして造ってます(笑)。」
「これで早飲みのスタイルなんだ!? この上のワインはどんな味なんですか?」
私「とりつく島もない感じです(笑)。何時飲み頃になるか解りません(笑)。」
「時間とワイン造りのスパンが違うんだね(笑)。」
「私、『ゴディコ』の下の『バッカス』を先日飲みました(笑)。あれも相当旨かったでしたよ(笑)。マスキューさん取り扱わないんですか?」
私「さすが!良くご存知で!今回は並びの都合で『バッカス』はパスしました(笑)。でも、12月から入荷させますよ(笑)。」
「このワイン、アマローネした高級なモンテプルチアーノみたいだね。本物の味がするね。」
「テヌータ・サン・アントニオのスボンサに似ていませんか?」
私「良くお気づきで!あれはカベルネをアマローネしてブレンドしています。凝縮したカシスの味わいが良く似てますよね。」
「驚くほどの凝縮感があるけれど、カシスや黒スグリの果実味が膨大だよね。余分な物が無い感じ。あと、口当たりが優しいよね。」
私「ありがとうございます。この点、日本人の口に合うかと。山葡萄や甘く煮た黒豆に合うと思います。カベルネにある硬さがないんですよね。」
家内「タンニンの量は膨大なんですが、意地悪に感じません。」

実はマスキューのセラーには、チウ・チウが造ったオフィーダ2005年が1本あります(笑)。もちろんD.O.C.G.昇格前のワインです。あまりに凄くて、ついつい仕入れてしまったワインです(笑)。
あと10年たったら一緒に飲んでみませんか(笑)?


ご来店ありがとうございました。

桝久商店 岡本利秋・昭子

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桝久 試飲会リポート 2013Nov

Dec 02, 2013 by weblogland |
昨日は皆様のご来店ありがとうございました。

まず冒頭から変更です(すみません。)。
予定ではモントナールの『ルガーナ』がトップで、『チャコリ』が二番手でしたが、家内と抜栓して試飲してみると
家内「チャコリのフルーティーさは際だっているから、一番手が良いんじゃないかな?」
私「そーだよね。たしかに!チャコリは冷やして供出するから、最初に出すべきだね。」

こんな訳で…。
まずは
〇『エウケニ』 チャコリ 2012年 アルトマーニャ・チャコリ スペイン バスク チャコリ・デ・アラバD.O.750ml 1980円税込み
「さっ・わっ・やっ・かぁー!」
「ライムの天使降臨!」
「アルコールっぽさや口の中を邪魔する癖がない。」
「癖はあるけど癖がない(笑)?凄い個性だよね。」
「ワインだけどワインっぽくない。」
家内「そーなんです(笑)。とってもユニークなんですよ。私チャコリが好きで好きで(笑)、ずっと探していたんですよ。でもなかなか無くて。」
私「チビチビ飲む気にはならないですよね(笑)。」
「そうそう。グビグヒ行かなきゃ!」
私「今日は試飲会なのでご勘弁を(笑)!」
「初めてチャコリ飲みました(笑)。マスキューさんの言う通りシードル的ですよね。冷涼な産地で育まれた文化を感じるよね。ところでチャコリ調べたんだけど、凄く高価ですよね。3000円以下のものはないし、なかには9000円なんてあるんでビックリしましたよ。」
私「そーなんです。基本的にはバスク内で一年の内に地産地消されますから域外には出ません。あと晴れと雨曇りが半々の気候ですから、葡萄栽培はかなり困難のようです。糖分が上がらないのと病気の対処が大変なようです。」
家内「畑も急峻で、全体で200ヘクタールしかないようですから生産量はもともと少ないんですよね。」
「バスクもリアス・バイサスみたいに棚仕立てですよね。日本もフランスやイタリアの著名ワインの真似ばかりやるんじゃなくて、気候風土にあったワイン造り出来ないものですかね?ヒントはあると思うんですが。」
「海外のコンテストで金賞取ったというのも販売戦略でしょうが、まずは地産地消のワイン文化が日本にも出来ると良いですね(笑)。」
「マスキューさん!これは瓶を高く掲げてグラスに注ぎ込むんだよね。やってみてよ!」
私「無理です(笑)!絶対にこぼします。」
「あれってワインの香りを出すためにやるんですよね?シェリーなんかと一緒ですよね?」
私「良くご存知で!シェリーを樽からグラスに注ぐ時に、蔵人(ベネンシア・ドール)がやりますよね。樽の眠りから、一気に空気に触れさせて目覚めさせる訳です。」
家内「チャコリはシェリーほど頑強ではないんですが、空気を入れて香りを立てて一気に飲む感じなんでしょうね。グビグヒと(笑)。」
私「今、ロンドンのバーを中心にカクテルを造る時、シェーカーを振らないで二つのシェーカーを口を開けたまま高低差をつけてジョコジョコ混ぜるスローイングというやり方が流行ってます。スペインの影響です。日本のバーでもやっているお店があります(笑)。」
「イギリス人はスペイン好きだからなぁ(笑)。」
「スペインはイギリス人の避寒地ですもんね。スペイン人の明るいところをイギリス人は好きなんでしょうね。」
「ボルドーからだと海岸線沿いに車で3時間ほどでバスクにつくけれど、バスクは全く異郷の地(笑)。驚くほどでしたね。」
「学生時代バスク解放独立同盟みたいのがあって爆弾テロが頻発してたよね。IRAと双璧だったな。今の人に言っても解らないか(笑)。」
「バスクのワインは初めて飲みましたが、何と合わせるのですか?」
家内「有名なのがスケトウ鱈ですか。牛乳で煮るみたいですよ。北大西洋ね鱈は大きいんですよ(笑)。」
私「あまりピンときませんよね(笑)。でもチャコリの酸のニュアンスは日本人には好ましいと思うんですが…。カボスなんかに良く合うかな。」
「ポン酢醤油には合いますよね。考えると涎が出ちゃう(笑)。」
家内「そーなんです。私はチャコリって、ちょっと辛いキムチ鍋のお友達だと確信してます(笑)。」
「なるほど!夏の暑い時に涼を求めて飲む印象がありますが、逆に冬に合わせるんですね!」
「ところで店長!このチャコリアルコール分12%もありますよ!」
私「あっ!本当だ!私ずっとチャコリはアルコール分8%だと思い込んでました。失礼いたしました!」
家内「このチャコリは海岸部の古い伝統的な産地ではなく2002年にD.O.指定された内陸の新しい産地です。チャコリ・デ・アラバと言います。海岸部より雨も少なく日照量も多いようです。糖分も高くなるようですね。」
私「たしかに8%のアルコール分だと輸出には無理があります。」
「なんでですか?」
私「輸送に耐えられません(笑)。品質が変わり易くて、扱えません。」
「このチャコリは大丈夫なんですか?」
私「大丈夫かと。ただし何年も寝かせるようなワインではありませんね。早く飲むに限ります。」
「ラベル・デザインを見るといかにもスペインっぽくてカッコイイですよね。心惹かれますね(笑)。」
「海外市場を意識してるんですね。」
「ソムリエ協会の教本に『名だたる白ワイン』とわざわざ書いてありましたよ(笑)。教本でワインを誉めるなんて異例ですよね。価値ある白ワインなんですね。」
家内「私はここに『日本チャコリ普及同盟』の設立と会長職につくことを宣言します!」
私「家内の暴走は止まりません(笑)。とりあえず、私は理事長に就任いたします。」

さて、続いてイタリアの白ワインです。
モントーナル・ルガーナ2011年 アジェンダ・アグリコーラ・モントナーレ イタリア ロンバルディア ルガーナD.O.C.白 750ml 1770円税込み
「柔らかいなぁ。」
「ふくよかで美味しい!」
「いかにも、豊かなイタリアワインですよね。」
私「雑味がありませんよね。柑橘類や桃やらフルーツのニュアンスに美しさがあります。無理に遅摘みしたようなくどさもないです。広がりと余韻の美しさから化学薬品などの影響も感じられません。」
「出しゃばったところがないけど、特別な個性もない?」
私「たしかに(笑)。そうも言えますね。完成度が高すぎるのかも?」
家内「実はモンスターなんですよ(笑)。」
「トレビアーノ・ルガーナってトレビアーノの亜種じゃないんですか?」
私「はい。私もずっと亜種かと思っていたんですが、モントナールの次男ロベルトさんから教えてもらいました。実際写真を見ると葉っぱの形状や大きさはいわゆる地中海系やヨーロッパ系とは違いました。あと、一房が大きい(笑)。500g以上ありますからビックリ。」
家内「ワイン用葡萄品種としては異例な大きさです。」
「ワイン用葡萄って小さいですよね。その方が良いワインが出来るって聞きました。」
私「そーなんです。まるでワイン用に品種改良する以前のような葡萄です(笑)。実際D.N.A.鑑定すると3000年ほど遡るようです。そして、1本の葡萄樹に3房残すことでベストなワインが造れるようです。」
「かなり特殊なんですね。」
私「実はここに11月14日に開けたルガーナが少し残っています。」
家内「ロベルト夫妻が来た時、一緒にテイスティングした残りなんですよ(笑)。」
「11月14日というと今日が11月30日だから…、二週間以上前のワインですか?」
私「もう香りや甘味はないんですが、ちょっとだけ飲んでみますか?」
一同「じぇ、じぇ、じぇ~!」
「ワインの味がする!」
「たしかに骨格しか残ってないけれど、まだしっかりしている!」
「酸が生きている!」
「マスキューさん、これどうやって保存してたんですか?」
私「普通にほっぽらかしですが…。」
「何回くらい途中にグラスに注いだんですか?」
私「もう底から2cmくらいしか残ってませんから、ちょくちょくテイスティングしましたよ。」
「私も途中何度かテイスティングさせてもらいましたけど、ここまで生命力があるとは!」
信じられない完成度と生命力!
「ワインの価値って価格じゃ決められないんですね。凄いワインが知らないところで知らない人が造っているんですね。」
「最初の優しい印象からは解らない堅牢さがあったんですね。マスキューさんは最初から解ってたんですか?」
私「解りませんでした。どのくらいでヘタルか知りたくて、ワインを残しました。でも、これほど生命力があるとは…。我ながらビックリしていました。」
家内「未知の良いワインって沢山ありそうですね(笑)。」


白ワインだけで、リポートが長くなってしまいましたので、次回に続きます(笑)。

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