Written on 2018 12 23
桝久 試飲会リポート 前半
Dec 23, 2018 by weblogland |昨日、一昨日お忙しい中ご来店ありがとうございました!
まずはウェルカムを兼ねた泡
◎プロ・セッコ 『トレヴィソ』 エキストラ・ドライ レ・コンテッセ イタリア ヴェネト 白 発泡性 750ml 1,836 円
「これってマスキューさんの定番ですよね?」
「そうそう(笑)。美味しいんだよね(笑)。」
私「ガス圧がしっかり5.3気圧あります。あと、葡萄の収穫を早めにします。そうすることによりしっかりとした泡を確保でき、ラムネのような清涼で優しいライム香が漂います。大人のラムネでございます(笑)。」
「スッゴク飲みやすい!」
「マスキュウさん、これってアルコール分は11%くらいですか?」
私「さすが!ご名答(笑)。」
「11%のアルコール分で折り合いがつくのがプロセッコなんですね(笑)。」
私「そーなんです(笑)。泡だともっとアルコール分が高いのが多いですよね(笑)。コンテッセのフリザンテなんかは10%ちょっと。原料ワインに補糖もしないですね。」
家内「レ・コンテッセ社はプロセッコに最適とされるコネリアーノ地区に畑を所有。すべて自社畑でまかなっています。」
私「買い付葡萄、買いワインだと、ここまで管理できませんね。特徴がとても良く出ています。」
「へぇー。プロセッコって有名だし、わりとよく見かけますよね。」
家内「コンテッセはその中のトップ・ランナーかと(笑)。」
「夏場の暑いときギンギンに冷やして飲むのもイイけど、鍋なんかに合わせて飲むのも良さそう(笑)。」
「日本人好みの旨味があるよね(笑)。」
「柑橘類のニュアンスが強い。柚子っぽさもあるから、ポン酢正油に柚子入れたら完璧(笑)!」
「柑橘類の感じもわりと上品。塩気もあるから出汁とってヒガシマル正油を加える
と良さそう(笑)。」
「たしかに日本人好みですよね(笑)。」
「イタリアのワインなのに、日本人好みなんて不思議(笑)。」
「マスキューさん!コンテッセのフリザンテ大好きでよく飲みますが、共通して優しいんですよね(笑)。それが意図でスタイルなんでしょうね。」
「積み重ねた歴史だし、原産地法の根拠にもなってるんだろうね。」
「でもさ、主観的で数量化できないものに
法律を当てはめるのって不思議ですよね(笑)。」
「だからフランス人は商売が上手い!」
「日本でも原産地法が最近出来たけど、どうなんですか?」
「あれはまだまだ。原料葡萄を何処から調達したか書くようになっただけ(笑)。」
「究極はこれが山梨のワイン。これが山梨の甲州ワイン。てなれば良いんだけど、
時間かかるよね。」
「確たるものが無くても原産地法が造られるのも不思議ですよね。」
私「でも無いよりはあった方が将来の希望に繋がりますよね。進歩はしてる(笑)。」
「きっとワインだけの問題じゃないんだろうね。将来の農業の在り方が世界基準に置いておかれないような配慮もあるんだろうね。」
〇オリヴェート クラッシコ セッコ 2017年 ビジ イタリア ウンブリア 白D.O.C. 750ml 1296円税込み
私「マスキューの大定番のウンブリアの白、ビジ社のオリヴェート・クラッシコ。かなり前から扱っておりましたが、マスキュー試飲会に出すのは初めて(笑)。定番過ぎて忘れてました(笑)。」
「美味しいよね。ブラインドで飲んでも、イタリア・ワインって解る(笑)。」
「飲みやすい!後味のほろ苦さがイイね!」
家内「このワイン、扱い続けて30年位経ちます(笑)。世界市場に打って出たのが古いですね。」
「へぇー。そんなに長いんですか?マスキューさんは新しいワインを探すから入れ替わりも激しそうですよね(笑)。」
私「はい。ですから異例中の異例です(笑)
。マスキューの中でもレストラン・アイテムなので、息の長いブランドとして続いています。」
「飛び抜けた個性は無いけど(笑)、とっても上質(笑)。こんなワインがハウス・ワインとして出てくるレストランならグッド(笑)。」
「どうしようもないハウス・ワインを出すとこ多いよな(笑)。そりゃたしかに安いけど(笑)、がっかりするよ(笑)。」
「うんうん。これ普通に美味しいところがイイね(笑)。」
「白や黄色の柑橘類の香りが心地良いですよね。」
私「桃やレモン、グレープフルーツが溶け合ってます。香りと液体の調和がとても良いと思います。」
「植物っぽさや、ハニーな感じもある。」
「このワイン、味わって飲むと香り豊かですよね。ところでセパージュは何ですか?」
私「えーと(資料を見ながら)、プロカニコ45%、ヴェルデッロ20%、グレケット15%です。30年間扱っていても、未だに覚えられない(笑)。」
家内「地場品種ばかりでシャルドネなどの国際品種を使っていないところは好感が持てますね(笑)。」
「そーですよね(笑)。地についてますよね。」
私「実はこの上のキュヴェがございまして
(笑)、『トッリチェラ』という名前なのですが。今回の試飲会で出しても良かったのですが、総計7本ですとグラス洗いが大変なので(笑)、次回にお出しする予定でございます(笑)。」
家内「セパージュはほとんど同じなのですが、出来上がりは別物。面白く美味しいワインです(笑)。」
●メルロ 2017年 ラダチーニ モルドヴァ ヴァルル・ルイ・トライアン 赤 750ml 943円税別 スクリュー・キャップ
「うわっ!ラズベリー!」
私「ラズベリー全開でございます(笑)。時間が経つとプラム、フランボワーズなどの小粒の果実のニュアンスが出てきます。」
「ブルーベリーやアセロラみたいな感じもするね(笑)。」
「店長!赤さ、明るさが明瞭。すごく輪郭がはっきりしている。なかなか無いレベルですよ(笑)。」
「う~ん。たしかにメルロ。でもフランスとは違うし…、ニュー・ワールドとも違う。」
家内「一般にメルロは糖度が上がりやすいので、出来上がったワインは甘くふっくらした感じのものが多いですよね。甘くて緩いかな(笑)。」
私「このワインの果実味は小粒な果実の印象。ぎゅっとつまって完熟した感じです。」
「前に飲んだラダチーニのロゼに共通の味わいのニュアンスがありますね。」
「酸がしっかりありますよね。液体は濃く無いけど、味わいは濃い(笑)。」
私「ラダチーニはプレス果汁を使いませんから、それ故かと(笑)。ピノ・ノワールみたいな感じしますよね。」
「プレス果汁を使わないって?」
私「通例プレス果汁を含めると全重量の70%くらいの果汁が得られます。最初のフリーラン・ジュースだけですと50%くらいしか果汁が得られません。」
「へぇー、かなり贅沢なんですね(笑)。プレス果汁を使わないとどうなるのですか
?」
私「雑味が無く、旨味に富んだワインになります。」
「クリアな味わい!」
「日本酒と同じだね(笑)。」
私「ボルドーはワインに重さを出すためにプレス果汁を加える伝統があります。ですからフリーラン・ジュースだけで造るワインより安く出来ます。」
「どのくらいプレス果汁を混ぜるんですか?」
私「クラシックな作りでは10%くらい混ぜるようです。ただ、今風ですと技術の進化により得られた70%すべてを使ってワイン作りをするワイナリーがほとんどです。特にニュー・ワールドの技術者と話をするとプレス果汁とフリーラン果汁の区別がありませんので話が通じません(笑)
。」
「マスキューさんはワイン選びにこだわりが無いんですね(笑)。フランス専門とか、
ブルゴーニュ専門とか、ワインショップ
ありますよね(笑)。」
家内「産地にこだわると、美味しいワインを見逃す恐れあり(笑)!」
私「どうやら世界にはボルドーやブルゴーニュよりもっとワイン栽培に適した地が沢山あるように思います。」
「ニュー・ワールドですか?」
私「いえ。砂漠のような土地ですと無理があります。腐葉土も出来ませんから。」
「そう!オールド・ワールド!これからはオールド・ワールドですよ!」
家内「特に肥沃で雨の少ない黒海沿岸の葡萄の原産地や黒土地帯は見逃せません。
」
私「葡萄だって植物ですから条件の良いところの方が嬉しいはず(笑)!彼の地では1本の葡萄樹から多量の良質な果汁を得ることが出来るようです。」
「そうすると高級なワインで飛び抜けたものが出来る?」
私「産業としてのワインの歴史はまだ浅いので、あと1世代後には花開いているはず。もっともロシアのいじめや依存が無ければの話ですが(笑)。」
驚愕のコスト・パフォーマンスにより、本日のトップ・セラーでございました。。
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