「マスキユーさん。SO 2 って有害なんですか?ほとんどの食品に入っていますよね?」
私「ほとんどの食品に入っています。輸入食品には表示義務があります。ワインはSO 2 の総量が400ml /1 L以下でないと日本には輸出出来ません。ヨーロッパではSO 2 でも遊離型に神経をとがらせますが、結合型は問題にしない傾向があります。日本の貿易障壁と問題になっているようです。ただし、近年WHO は結合型でも腸から吸収されるSO 2 の有害性を指摘しており、規制のレギュレーションが変わるかも知れません。」
「SO 2 は結合型と遊離型の2種類あるんですか?」
私「はい。結合型は添加したSO 2 が他の分子と結合して安定した状態で、遊離型はまだ結合していない状態です。」
家内「硫黄臭く感じるのが遊離型です。刺激臭ですね。結合型は妙にアマ苦く喉の奥を刺激します。」
「そうそう。正確に表情されてないから我々解らないんですよね。多いと二日酔いしたり翌日アルコールがのこったりしますよね(笑)。」
「マスキユーさんはどうやって見破るのですか?」
私「初めの頃は翌日二日酔いするかしないかでした(笑)。今ではテクニカル・シートで確認しますが、基本はティスティングでだいたい解ります。たまに外しますが(笑)。」
「へぇー、ティスティングで解るんですか?」
家内「意識して飲むと自然に出来るようになりますよ(笑)。多いと不味いですから(笑)。」
「マスキユーさん、日本酒や国産ワインにもSO 2 は入っているんですか?ラベルには書いてないですよね?」
私「入っています。ただ表示義務が無いだけです。でも最近の良識ある日本のワイン生産者には表示する方もおられます。」
●モングラーナ 2010年 クエルチャベッラ イタリア トスカーナ 赤 マレンマI.G.T. 750ml 2777円 税込み
「これですね。黙っていても売れるから試飲会には出ないワインって(笑)。」
私「(笑)、まずは飲んでミソ(笑)。」
「なるほど旨いや(笑)。」
「品があるね(笑)。あと複雑だね。」
「重くないけど、緻密で綺麗。セパージュは何ですか?」
家内「サンジョヴェーゼがメインでカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロが加わります。サンジョヴェーゼの果実味がよく出ています。」
私「チェリーぽいですよね。オレンジのニュアンスもあります。ちょっとモレッリーノ・スカンサーノに似てるかな?」
家内「クエルチャベッラはもともとキャンティーで名を成した生産者です。歴史は古くなく70年代からのニュー・フェイスです。今ではスターですが(笑)。クエルチャベッラはキャンティーだと熟成にバリックを使いますが、このモングラーナはコンクリート・タンクがメインで、バリックはほんの少し 香りつけ程度です。」
私「かなり柔軟にワインを造りますよね。」
「いわゆるスーパー・タスカンとは違うんですか?」
家内「スーパー・タスカンだとボルドー品種がメインになります。あとバリックの新樽で熟成させますから、かなりヘビーでくどい(笑)。」
「マスキユーさんの嫌いなタイプだな(大爆笑)。」
私「読まれてますね(笑)。」
私「まあ、樽香と果実味のバランスが良ければ良いのです。」
「ところでこのワインのラベル面白いですよね(笑)。ひまわりだな。」
「ガガ様はみたいだ(笑)。アバンギャルドですね(笑)。」
「ありがちな紋章なんかつけないのがイイ(笑)。」
「私このワイン 後味というか余韻が素晴らしく綺麗だと思うんですよね。ひたすらエレガント。ラベル・デザインの印象とは違うんですよね(笑)。」
「とても伸びやかで自由な感じがして良いですね。」
今回このクエルチャベッラのモングラーナとガロフォリのピアンガルダをセットで購入されたお客様が多かったです。やはり共通する良さがあったようです。
●『カンノナウ』 2011年 ヌラーゲ・クラビオーニ イタリア赤 イタリア サルデーニャ島 カンノナウ・ディ・サルデーニャD.O.C. 赤 750ml 2746円 税込
「マスキユーさん。このワイン 前に試飲会で出しましたよね?」
私「はい。たしか去年の試飲会で2010年を出しました。飲み頃になった2011年も良いかと(笑)。あと訳は飲んでから答えがございます(笑)。」
「あっ!これ旨い。同じイタリア・ワインとは思えない(笑)。」
「色は薄いけど、すっごくしっかりしてる。薄旨いけど強い。」
私「ブルゴーニュのピノ・ノワール的ですよね(笑)。醸しの期間が短いのと、プレス果汁を使わないでフリーラン・ジュースだけで造るクラシックなブルゴーニュ的造り方をしています。」
「うーん。たしかにブルゴーニュっぽい(笑)。でもセパージュは?ピノじゃないですよね?」
家内「カンノナウ ローヌのグルナッシュのことです。でもサルデーニャの人々はカンノナウを譲りません(笑)。こっちが本家だと(笑)。」
「たしかにグルナッシュでもピノ・ノワールみたいな味わいのワインはありますよね。マスキユーさんの試飲会で以前出てましたよね。」
私「はい。このワインは除梗しており、早く飲めるように造っています。」
「今日飲んだスタイルと比べると異質だよね。でも、造り方で出来上がるワインも違うってことなんですね。」
「でも、このワイン ヨード 海藻みたいなニュアンスがあるよね。塩からさも。」
家内「ミネラルっぽさ感じますよね。」
私「畑は海沿い 鎌倉の由比ヶ浜でワインを栽培してるような感じですよ(笑)。」
「だから潮の香りがするのかな(笑)?」
「不思議ですよね(笑)。」
「このワインはリキュールのような香りが強くしますよね。飲んだ味わいとグラスで嗅ぐ香りが一致します。でも、今日の試飲会では他のワインは香りがあまり立ちませんよね。何故ですか?」
私「待ってましたこの質問(笑)。今日の4番目まではいわゆる地中海系 ポンティカ系と言います。もともと暑い原産地のような植生なので、香りがあまり立ちません。口中での味わいが鼻腔に抜ける時に香りを強く感じます。フランスやドイツのようにもともとワインがなかった産地の葡萄 品種改良を重ねて造られた品種とは違ったスタイルです。」
さて、本日のトリは白。種も仕掛けもあります(笑)。
〇アンソニカ・ビアンコ 2013年 カタルド・カラブレッタ イタリア カラブリアI. G. T. 赤 750ml 2180円 税込み
「おー!これはパワフル(笑)。旨みの爆弾だね(笑)。」
「酸の量が圧倒的。でもアルコイックじゃない。アルコール分は?」
私「13%です。無理していませんね。」
「でも香りは凄く複雑。白い柑橘類やマンゴーなんかのトロビカルなニュアンスも感じる。ワン・パターンじゃないですね(笑)。」
「甘さも強く感じますが、残糖はあるんですか?」
家内「フリーラン・ジュースだけで発酵してから、シュール・リーで半年寝かしますから、甘味・厚み・旨みが増します。このため甘く感じます。」
「5番目のカンノナウ同様フリーラン・ジュースだけなんですね。これが今回の試飲会の仕掛けですね(笑)。」
私「ご明察でございます(笑)。」
「プレス果汁を使わないと使うとではこんなに違うんですよね。目から鱗(笑)。」
「ほんと。厚み、旨みが段違いだよね。」
「アンソニカってあまり聞きませんが、どんな品種?まあ、こんなPCなんでしょうけど(笑)。」
家内「シチリアで有名なインツォリオの別名です。こんなにアロマチックだと解らないですよね(笑)。」
私「まあマロラクティック発酵はしないようです。温度管理はしっかりしています。一昔前では考えられない白ワインです。」
「マスキユーさん、このワインはどのくらい持ちますか?」
私「厳しい質問です(笑)。2013年ヴィンテージで完全に出来上がっていますから、今飲むべきワインです。5年、10年寝かせるワインではないと思います。ただ他のヴィンテージは飲んでないので断定は出来ませんが…。」
「マスキユーさん。フリーランだけが理由でこんなに美味しくなるんですか?」
私「いえいえ、基本は低収量です。1本の葡萄樹からどれだけのジュースを得るか、たくさん採ろうとすれば薄くなり、少なくすれば濃くなります。ただしコストに跳ね返ります。」
私「5番と6番は1本の葡萄樹からワイン1本前後しか採ってないと思います。」
「そうするとアンソニカ・ビアンコはめちゃくちゃ安くありませんか(笑)?」
私「実は特別条件がつきましたので、今回ご紹介することにしました(笑)。通常ですと3000円越えますから、ケチなマスキユーでは売れない(笑)。」
アンソニカ・ビアンコ 土曜日の夕方前に完売してしまいました。本日のトップセラーとなりました。週明けの火曜日に再入荷しますので、しばしお待ちを!
家内「アンソニカ・ビアンコを飲んだ後に1番目のトスカーナ・ロッソを飲んでみてください。」
「おっ!ちゃんとしてる!普通に美味しい。」
「安い赤だけど負けていないよ!」
私「これが本日の仕掛けです(笑)。ありがとうございました。(笑)」
お忙しい中、ご来店ありがとうございました。
桝久商店 岡本利秋・昭子
Written on 2015 09 28
桝久 試飲会リポート 後半
Sep 28, 2015 by weblogland |ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。
人気ブログランキングへ
桝久、試飲会リポート 前半
Sep 28, 2015 by weblogland |昨日、一昨日とお忙しい中ご来店ありがとうございました!
今回一番乗りは筋金入りのワイン・エキスパートのKさん。
Kさん「金曜日の5時だとまだ皆さん仕事かな?」
私「はい。だいたい6時過ぎ頃からかけつかて下さいます。」
Kさん「では、口開けですね(笑)、抜栓直後に飲むことは一番上の美味しい所ですから、良さがよく解るんですよね(笑)」
土曜日の一番乗りはワイン・ラヴァのAさん。
私「あれ、今日はやけに早いでね(笑)。」
Aさん「実は、午後出勤なので、早めに寄らしてもらいました(笑)。内緒でよ(笑)」
私「なるほど!その手がありましたか?ありがたいことです。これブログネタにしても良いですか?もちろん匿名にします(笑)。」
Aさん「はい(笑)。」
皆さんそれぞれのワイン・ライフがあります。
さて今回のテーマはイタリア・ワイン。
まずは972円の登場です(笑)。
●トスーナ・ロッソ 2014 年 アジェンダ・アグリコーラ サン・ルチアーノ イタリア 赤 トスカーナI.G.T. 750ml 972円税込
「マスキユーさん、安いワイン見つけましたね(笑)。この牛ですね。」
家内「短角牛ですから、食用でね(笑)。」
私「Tボーン・ステーキ!」
「安くて美味しいワインってなかなかないんだよね。」
「あっ、でもこれ美味しい(笑)。」
「フレッシュ!飲みやすいし、コクもある。」
「甘さもある(笑)。ちゃんと酸ものってる。」
家内「時間が経つと甘さが増します。」
「イタリア行った時の味!田舎のビストロで、一番売れてるワインを頼んだ時に出てきたワインみたいだ(笑)。日本だと経験出来ないんだよね。何でかな?」
私「もともと輸出向けではないようです。安い輸出向けワインは大手の酒商が効率的にワインを造りますから、コスト重視のワインになりがちです。こんなスタイルのワインが日本で飲めるようになるのは、驚きです。」
「セパージュはサンジョヴェーゼですか?100%かな?」
私「私も最初サンジョヴェーゼ100%だと思いましたが、サンジョヴェーゼは60%、あとモンテプルチアーノとチリエジョーロです。サンジョヴェーゼらしさが良く出ているしブレンドした違和感がないんですよね。」
家内「チェリーやオレンジっぼさがありますよね。」
「広がりがあるよね。洗練されてる訳じゃないけど、雑じゃないんだよね。媚びた所がない。いいね(笑)。」
私「多分SO2もかなり少ないはずです。」
「安心できる味だよね。」
「これって木樽使ってますよね?」
私「テクニカル・シートではステンレス・タンクのみです。でもちょっと木樽のニュアンスが無くはないですよね。ひょっとしてアッサンブラージュの際に木樽熟成したキュヴェをちょっとだけ混ぜているかもしれません。一応インポーターさんにしつこく聞いています(笑)。ワイナリーの返事待ちです。」
家内「モンテプルチアーノのタンニンは若いとざらつくことがあるので、それかも知れませんね。」
コスト・パフォーマンスの高さに大好評なのは想定内でした(笑)。ホームランかな(笑)?
●ラーマ・ディ・ピエトラ ネーロ・ディ・トロイア 2014年 カンティーナ・デオメーデ イタリア 赤 プーリア ネロ・ディ・トロイアI.G.P. 750ml 1296 円 税込み
「これってマスキユーさん定番のトロイアとは違うんですか?たしかディオメーデですよね?」
家内「同じですが、トロイアの方がワンランク上のキュヴェで、これは早飲み用のスタンダード・キュヴェです。」
私「品種も同じですから、紛らわしい(笑)。」
「杏子の香りがハッキリしてますな。」
「南イタリアにしてはフルーティーですよね。真っ黒くなってないですね(笑)。」
「チョコレートっぽさは南イタリアなんだけどね。」
「マスキユーさん、これは木樽熟成してるんですか?」
私「木樽は使っていません。タンニンが粉っぽいのは、若さ故かと。」
「私この粉っぽさ好きだな(笑)。」
「南イタリアにしては、酸っぱいくらい酸がありますよね?」
家内「ヴォルビなんか合いますよね(笑)。美味しいだろうなぁ(笑)。」
私「スタイルなのか?作柄なのか?即答は出来ませんが、このワインはアルコール分が12.5%しかありません。南イタリアのプーリアにしては異例の低さです。去年のノベッロの時に感じた印象がそのまま出たかも知れません。」
「それって作柄不良?」
私「夏場が暑く乾燥しなかったようです。最初に飲んだトスカーナ・ロッソの方は13%ありますから、トスカーナの方が良かったかも知れませんね。これも去年のノベッロ同様です。」
「2014年て難しいヴィンテージなんですね。」
「作柄が悪くてアルコール分が上がらなかったのかもしれませんが、ワインとしてちゃんとしてますよね。ありがちな暴力的な在り方じゃないし(笑)、マスキユーさんがよく言う、折り合いは
ついてますよね。」
「一番アルコール分を感じないアルコール度数は13.5%なんて言うけれど、それって前提ありきですよね。酸や濃度によって決まるし、日本人からすらと12%くらいで収まっているのが心地好いですよね(笑)。」
私「ワインとその作柄によってベストなアルコール度数 折り合いは違ってくるはずです。ワインの前提がカリフォルニアなら13.5%で理論化は出来ますが、それを他のワインに当てはめるのは大間違いです。」
●ビアンカルダ 2011年 ガロフォリ イタリア 赤 マルケ ロッソ・コーネロ D O.C. 750ml 1697 円 税込み
「神ガロフォリですね(笑)。」
「マスキユーさん!味わいが特別新奇な訳じゃないんですよね(笑)。基本クラシックですよね?」
私「はい。おっしゃる通りです(笑)。ブラインドで飲んでもマルケのワインだと解るスタイルなのですが、このクラスでこれほど完成度の高いワインは無いはず。近いと言えばファレスコかな(笑)?」
「旨み、広がりが素晴らしい!深みもあるし、あと余韻が長くて綺麗です
ね(笑)。」
「スッゴクしっかりしてるけど、重ったるく感じない。」
「樽を使った感じも無い?」
家内「古い大樽を使ってますが、樽香をつけるために使っている訳じゃないですね。ワインが調和するために木樽を使っています。」
「マスキユーさん、このワインすべてが良く出来てますが、2011年は良い作柄なんですか?」
私「はい。糖度は高く上がりアルコール分は14%あります。でも、アルコイックになっていません。無理に遅摘みしたりしていませんから、折り合いがとても良くバランスがとれています。ガロフォリのノベッロ2013年はアルコールが11.5%でしたが、素晴らしい出来映え。2014年は苦しかったようですが、。」
家内「2011年は今飲み頃に入ったところですね(笑)。時間が経つとどんどん良くなります。マルケのモンテプルチアーノは基本暗さ黒さがありますが、プラムやラズベリーのニュアンスがだんだん出てきます。」
「なるほどね。たしかマスキユーさん定番のチウ・チウも似てますよね(笑)。」
「小豆や黒豆っぽさが共通してるよね。ガロフォリの方はそれに赤い果実のニュアンスが加わるのかな。」
「このワインの広がりの良さ、クリアさは何に由来するのですか?もちろわ造りが良いのでしょうが(笑)。」
私「SO2が少なく感じたのでインポーターさんに問い合わせたところ、テクニカル・シートには書いていない(笑)。そこで通関の検査資料を調べると、析出不能レベルでした(笑)。1リットル中14ml 以下は析出出来ないようです。」
「それ以下ということなんだ。」
家内「おそらく、瓶詰め時に少しだけ入れる程度だと思います。」
私「それ以外の工程でSO2は使っていませんね。ましてや木樽を使いますから管理能力は素晴らしいです。」
「木樽の殺菌のためにSO2を使うんですね。」
私「ご明察です(笑)。木材の木孔部分に雑菌は繁殖しやすいようです。あと、醸造時に不健全な葡萄果が入ることもリスクとなります。」
「いわゆるビオ・ワインなんですね。」
私「ビオを謳いながらたくさんSO 2 を使う生産者が実は多い(笑)。インチキの方が多いです(笑)。」
家内「ガロフォリはビオを謳ってません(笑)。矜持があります。」
「美味しさには訳があるんですね(笑)。」
今回一番乗りは筋金入りのワイン・エキスパートのKさん。
Kさん「金曜日の5時だとまだ皆さん仕事かな?」
私「はい。だいたい6時過ぎ頃からかけつかて下さいます。」
Kさん「では、口開けですね(笑)、抜栓直後に飲むことは一番上の美味しい所ですから、良さがよく解るんですよね(笑)」
土曜日の一番乗りはワイン・ラヴァのAさん。
私「あれ、今日はやけに早いでね(笑)。」
Aさん「実は、午後出勤なので、早めに寄らしてもらいました(笑)。内緒でよ(笑)」
私「なるほど!その手がありましたか?ありがたいことです。これブログネタにしても良いですか?もちろん匿名にします(笑)。」
Aさん「はい(笑)。」
皆さんそれぞれのワイン・ライフがあります。
さて今回のテーマはイタリア・ワイン。
まずは972円の登場です(笑)。
●トスーナ・ロッソ 2014 年 アジェンダ・アグリコーラ サン・ルチアーノ イタリア 赤 トスカーナI.G.T. 750ml 972円税込
「マスキユーさん、安いワイン見つけましたね(笑)。この牛ですね。」
家内「短角牛ですから、食用でね(笑)。」
私「Tボーン・ステーキ!」
「安くて美味しいワインってなかなかないんだよね。」
「あっ、でもこれ美味しい(笑)。」
「フレッシュ!飲みやすいし、コクもある。」
「甘さもある(笑)。ちゃんと酸ものってる。」
家内「時間が経つと甘さが増します。」
「イタリア行った時の味!田舎のビストロで、一番売れてるワインを頼んだ時に出てきたワインみたいだ(笑)。日本だと経験出来ないんだよね。何でかな?」
私「もともと輸出向けではないようです。安い輸出向けワインは大手の酒商が効率的にワインを造りますから、コスト重視のワインになりがちです。こんなスタイルのワインが日本で飲めるようになるのは、驚きです。」
「セパージュはサンジョヴェーゼですか?100%かな?」
私「私も最初サンジョヴェーゼ100%だと思いましたが、サンジョヴェーゼは60%、あとモンテプルチアーノとチリエジョーロです。サンジョヴェーゼらしさが良く出ているしブレンドした違和感がないんですよね。」
家内「チェリーやオレンジっぼさがありますよね。」
「広がりがあるよね。洗練されてる訳じゃないけど、雑じゃないんだよね。媚びた所がない。いいね(笑)。」
私「多分SO2もかなり少ないはずです。」
「安心できる味だよね。」
「これって木樽使ってますよね?」
私「テクニカル・シートではステンレス・タンクのみです。でもちょっと木樽のニュアンスが無くはないですよね。ひょっとしてアッサンブラージュの際に木樽熟成したキュヴェをちょっとだけ混ぜているかもしれません。一応インポーターさんにしつこく聞いています(笑)。ワイナリーの返事待ちです。」
家内「モンテプルチアーノのタンニンは若いとざらつくことがあるので、それかも知れませんね。」
コスト・パフォーマンスの高さに大好評なのは想定内でした(笑)。ホームランかな(笑)?
●ラーマ・ディ・ピエトラ ネーロ・ディ・トロイア 2014年 カンティーナ・デオメーデ イタリア 赤 プーリア ネロ・ディ・トロイアI.G.P. 750ml 1296 円 税込み
「これってマスキユーさん定番のトロイアとは違うんですか?たしかディオメーデですよね?」
家内「同じですが、トロイアの方がワンランク上のキュヴェで、これは早飲み用のスタンダード・キュヴェです。」
私「品種も同じですから、紛らわしい(笑)。」
「杏子の香りがハッキリしてますな。」
「南イタリアにしてはフルーティーですよね。真っ黒くなってないですね(笑)。」
「チョコレートっぽさは南イタリアなんだけどね。」
「マスキユーさん、これは木樽熟成してるんですか?」
私「木樽は使っていません。タンニンが粉っぽいのは、若さ故かと。」
「私この粉っぽさ好きだな(笑)。」
「南イタリアにしては、酸っぱいくらい酸がありますよね?」
家内「ヴォルビなんか合いますよね(笑)。美味しいだろうなぁ(笑)。」
私「スタイルなのか?作柄なのか?即答は出来ませんが、このワインはアルコール分が12.5%しかありません。南イタリアのプーリアにしては異例の低さです。去年のノベッロの時に感じた印象がそのまま出たかも知れません。」
「それって作柄不良?」
私「夏場が暑く乾燥しなかったようです。最初に飲んだトスカーナ・ロッソの方は13%ありますから、トスカーナの方が良かったかも知れませんね。これも去年のノベッロ同様です。」
「2014年て難しいヴィンテージなんですね。」
「作柄が悪くてアルコール分が上がらなかったのかもしれませんが、ワインとしてちゃんとしてますよね。ありがちな暴力的な在り方じゃないし(笑)、マスキユーさんがよく言う、折り合いは
ついてますよね。」
「一番アルコール分を感じないアルコール度数は13.5%なんて言うけれど、それって前提ありきですよね。酸や濃度によって決まるし、日本人からすらと12%くらいで収まっているのが心地好いですよね(笑)。」
私「ワインとその作柄によってベストなアルコール度数 折り合いは違ってくるはずです。ワインの前提がカリフォルニアなら13.5%で理論化は出来ますが、それを他のワインに当てはめるのは大間違いです。」
●ビアンカルダ 2011年 ガロフォリ イタリア 赤 マルケ ロッソ・コーネロ D O.C. 750ml 1697 円 税込み
「神ガロフォリですね(笑)。」
「マスキユーさん!味わいが特別新奇な訳じゃないんですよね(笑)。基本クラシックですよね?」
私「はい。おっしゃる通りです(笑)。ブラインドで飲んでもマルケのワインだと解るスタイルなのですが、このクラスでこれほど完成度の高いワインは無いはず。近いと言えばファレスコかな(笑)?」
「旨み、広がりが素晴らしい!深みもあるし、あと余韻が長くて綺麗です
ね(笑)。」
「スッゴクしっかりしてるけど、重ったるく感じない。」
「樽を使った感じも無い?」
家内「古い大樽を使ってますが、樽香をつけるために使っている訳じゃないですね。ワインが調和するために木樽を使っています。」
「マスキユーさん、このワインすべてが良く出来てますが、2011年は良い作柄なんですか?」
私「はい。糖度は高く上がりアルコール分は14%あります。でも、アルコイックになっていません。無理に遅摘みしたりしていませんから、折り合いがとても良くバランスがとれています。ガロフォリのノベッロ2013年はアルコールが11.5%でしたが、素晴らしい出来映え。2014年は苦しかったようですが、。」
家内「2011年は今飲み頃に入ったところですね(笑)。時間が経つとどんどん良くなります。マルケのモンテプルチアーノは基本暗さ黒さがありますが、プラムやラズベリーのニュアンスがだんだん出てきます。」
「なるほどね。たしかマスキユーさん定番のチウ・チウも似てますよね(笑)。」
「小豆や黒豆っぽさが共通してるよね。ガロフォリの方はそれに赤い果実のニュアンスが加わるのかな。」
「このワインの広がりの良さ、クリアさは何に由来するのですか?もちろわ造りが良いのでしょうが(笑)。」
私「SO2が少なく感じたのでインポーターさんに問い合わせたところ、テクニカル・シートには書いていない(笑)。そこで通関の検査資料を調べると、析出不能レベルでした(笑)。1リットル中14ml 以下は析出出来ないようです。」
「それ以下ということなんだ。」
家内「おそらく、瓶詰め時に少しだけ入れる程度だと思います。」
私「それ以外の工程でSO2は使っていませんね。ましてや木樽を使いますから管理能力は素晴らしいです。」
「木樽の殺菌のためにSO2を使うんですね。」
私「ご明察です(笑)。木材の木孔部分に雑菌は繁殖しやすいようです。あと、醸造時に不健全な葡萄果が入ることもリスクとなります。」
「いわゆるビオ・ワインなんですね。」
私「ビオを謳いながらたくさんSO 2 を使う生産者が実は多い(笑)。インチキの方が多いです(笑)。」
家内「ガロフォリはビオを謳ってません(笑)。矜持があります。」
「美味しさには訳があるんですね(笑)。」
ここを↓クリックして頂けると励みになります。ブログランキング参加中。ご協力お願いします。
人気ブログランキングへ