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桝久 試飲会のラインナップ決まりました!

Jan 24, 2022 by weblogland |
今月1月28日(金)、29日(土)のマスキュー試飲会のラインナップ決まりました!

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オミクロン株真っ盛りでしょうから、無理なご来店は禁物。もちろんH.K.S.15で試飲テーブルは4名様までとなっております。ご協力お願い申し上げます!
H ひっそりやっておりますので
K こっそりご来店くださいね。
S 試飲はサクッと15分!

今回は久しぶりにボルドーが3本入りました!コスト・パフォーマンスの良いボルドーはまだありました(笑)。

ハンガリーのユファルク種って知ってました?私は知らなかった(笑)。
〇プレミアム ユファルク 2019年 トルナイ ハンガリー ショムロー 白 750ml 1555円税込み スクリュー・キャップ
ハンガリー北西部のショムロー山の麓から中腹にかけて畑を所有するトルナイ。地場品種ユファルクのスペシャリストです。
手摘みで収穫したあとステンレス・タンクで発酵・熟成。一部を500Lのハンガリアン・オークの古樽で熟成ブレンドし、落ち着いてからリリース。
このユファルク、皮が薄く病気になりやすい品種。それゆえ栽培されることが少なくなり一時は絶滅とまで。これを復活させたのがユファルクです。ヒュー・ジョンソン曰く「厳格でスタイリッシュ、長期の熟成にも耐える。」と絶賛(笑)。全く知りませんでした(笑)。反省!
飲んでみると、際立つ酸とミネラル!切れる切れる(笑)。基本的リンゴ酸なのですが、レモンというよりは辛口大根に近い(笑)。う~ん。この辛口大根が厳格なんだな(笑)。このガチガチなリンゴ酸は圧巻ではありますが、ティスティングの後半になるとしっとり、液体と独特で素晴らしい折り合いを見せます(笑)
。香りも柑橘類にセロリのようなニュアンスが加わりビックリ(笑)。ワイン自体はいかにも東欧らしいしっとりした粘りのあるスタイルなのですが、香りとの折り合いは経験したことのないもの。
う~ん。
とても良いワインです!
このセロリの香りは、スペイン辺りの白によくアニスの香りがすることと重ねて理解しましょうか?意味合いが似たような気がします(笑)。
とりあえず、大根おろしで食べるお絞り蕎麦を食べたくなりました(笑)。

美味しいボルドー・セック(笑)。
〇レ・ボルドー・ド・モーカイユ 2016年
フランス ボルドー 白 750ml 1728円税込み
この白ワイン、シャトー・モーカイユのネゴス部門が作った白です。セパージュはソーヴィニヨン・ブラン70%、セミヨン30%。あまり詳しくは解りませんが、低温で発酵させてからシュール・リーの状態で樽熟成が1年ほどかと。
飲んだくれ印象はオイリーで甘くとても飲みやすい(笑)。しっかり感じるリンゴ酸とのバランスが良く、典型的なボルドー・セックです。セパージュの癖が気になりませんから疑わずに飲める、忖度なく楽しめる自然なもの。
しっかりした濃度は心地好くソーヴィニヨン・ブランらしい植物的な香りはでしゃばりません。後半になってくると桃などのらしい果実味が現れ芳醇さを実感(笑)。さらに時間が経つとトマトやピーマンの美味しい野菜のニュアンスが加わり、レベルがアップ(笑)。ラタトゥイユや野菜を使った料理に合わせる意図を感じますね(笑)。野菜カレーなんかも合いそう(笑)。あと、この基本的な芳醇さはおそらくセミヨン。遅摘みして貴腐がついたような印象があり、それが深みにも繋がり全体を下支えしています。
う~ん。
上手!
アルコール分が12%で仕上げていますから、もともとの原料葡萄はかなり上質なはず。
マスキューは普段あまりネゴスのアイテムは選択しませんが(笑)、この価格と完成度はネゴスだから出来ると感心(笑)。お買い得感のあるボルドー・セックは久しぶり(笑)。
さすがモーカイユです(笑)。

渋くて美味しいボルドーです(笑)。
●シャトー ラルジャンテール 2016年 フランス ボルドー メドックA.C. 赤 750ml 1791円税込み
このシャトー、ボルドー市街から北西に60Kmメドック北部のベガダン村にあります。ジロンド川から3km離れており、粘土石灰岩の地山の上に砂利層があり水捌けの良い畑です。メドックに良くある保水力のある畑ではありませんね(笑)。
それゆえ出来上がるワインはがっちりタニック。最初飲んだ時右岸のワインかと思いました(笑)。
セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン50%、メルロ40%、プティ・ヴェルド10%。熟成はバリック(新樽比率40%)で14~18ヶ月。
ブルジョワ級らしいしっかりした味わいは正統な証。主要のカベルネは香りではなくワインの骨格として作用してます(笑)。
余韻も長く、抜栓してから何日も崩れません。今時のメドックにこんなワインがあるとは!思わず絶句(笑)。
久しぶりにコスト・パフォーマンスの良い、渋くて飲み応えのあるボルドーに出会いました(笑)。

グラン・ヴァン並み!
●シャトー・モーヴザン・バルトン 2011年 フランス ボルドー ムーリス・アン・メドック 赤 750ml 3300円税込み
メドック最小のアペラシオン ムーリスA.O.C.。ムーリスというとピンとこない方の方が多いかと思いますが(笑)、マルゴーとサン・ジュリアンの間の内陸のアペラシオン。北側のリストラック・メドックにへばりついたようなアペラシオンです。
プジョーやシャス・スプリーン、シトランなどがあると言えば大体想像つきますか(笑)?
ワイン自体に濃さがありタンニンに質感のあるお買い得ワインが多い産地です。
このシャトー・モーヴザン・バルトン、もともと1457年以降の所有者モーヴザン侯爵家の子孫にあたるカルピア子爵からバルトン家が2011年に購入しました。その結果シャトー・モーヴザン→シャトー・モーヴザン・バルトンとなった訳です。ちゃんとお互いの名前を入れるところが貴族的ですね(笑)。まあ、由緒あるシャトーですから名前を残すことには意味がありますか。もちろん品質向上のためにバルトン家はたっぷりお金をつぎ込んでいます(笑)。さすが専業の老舗ですね。

このワイン、セパージュはメルロ46%、カベルネ・ソーヴィニヨン36%、カベルネ・フラン16%、プティ・ヴェルド2%。新たに導入した振動式撰果台を使い、区画ごとに分けて温度調節機能付きのステンレス・タンクで低温浸漬して発酵させます。そして1/3は新樽、1/3は2010年に使った樽、1/3はレオヴィル・バルトンで使った樽に12ヶ月熟成させます。
実はこのワイン、ファースト・リリースの時とインポーターさんが変わりました。別ルートでの再入荷。しかも値段がお安い(笑)。ところで肝心の味わいですが
思った以上の向上ぶりです(笑)。磨かれた育ち良さが伝わる出来映え。果実味とタンニンの折り合い、それぞれの美しいこと(笑)!質感のバランスがとても良いのです。さすがバルトン家でございます(笑)。渾身の品の良さなのです。
まるっきり疲れたところは無く、まだ先の姿を見てみたくなります。当初このワインは今風のワインですから、10年以内に飲むべきワインだと思っておりましたから想像以上のポテンシャルがあった訳です。やはり2011年は良かった(笑)。

〈hr〉

以下2012年のティスティング・コメント

アルコール分は12.5%ながら堂々の凝縮感。ムーリスらしい硬質なタンニンには品があります。今風でありながら、まだまだ向上するはずですから、今飲むにはちょっと早いですね。このアペラシオンのトップ・クラスにあるのは間違いありません。
将来きっとボルドーを代表するようなワインになったら嬉しいです。でもそうなる頃には私はこの世にいないかも(笑)?見届けたいところです(笑)。

難しい2018年でピカイチの出来映え!
●ブルゴーニュ ルージュ 2018年 ドメーヌ・ロシニョル・フェヴリエ フランス ブルゴーニュ 赤 750ml 2,980円税込み
このドメーヌ、1510年よりヴォルネイに代々続く家族経営のドメーヌです。現在はヴォルネイを中心にムルソー、ポマール、ボーヌに計8.5haの畑を所有8.5ヘクタールの畑を所有しています。ヴォルネ村のドメーヌ・マルキ・ダンジェルヴィーユとは遥か昔から親しく(笑)、協業に近い間柄。

ドメーヌはフレデリック・ロシニョルさんご夫妻と従業員の3人で運営されています。畑は古い葡萄樹が手入れよく密植されており、一部マルコタージュもしているようです。仕立ても低く伝統的なブルゴーニュのしきたり通り(笑)。
フレデリックさんは化学的な物質を排除するため化学肥料や培養酵母や薬品などの使用を非とします。発酵槽や木樽の洗浄にはカルキや塩素を含む水道水は使わずにミネラルウォーターを使う徹底ぶりです。また、ブショネ対策としてコルクのストックを一切持ちません。在庫を持たないことにより、コルクの変質をもたらす湿気の影響を無くすことが可能とのこと。実際インポーターさんも、ブショネのクレームがないことをおっしゃってました。現在はサトウキビ由来のバイオ・プラスチック製のノマコルクを採用しています。ブショネの恐れが全くないとのこと。見た目にも本物のコルクと間違えます(笑)。常に最良のものを選択していますね(笑)。

また、ビオデナミの認証もとっています。もともとブルゴーニュでビオデナミを導入した先駆けでもあります。ただし、味わいにビオっぽさがありません。ビオ、ビオしてません(笑)。

ビオデナミの効用に関して私は理解できませんが(笑)、農薬などの排除や徹底した畑仕事と低収穫量が良いワインつくりの鉄則ですから、出来るワインにも信用が置けます。
除梗はしていますが、それは早く飲み頃にするため。旨味とピュアな果実味が両立したスタイルは艶やか。
そう言えば、2006年のヴォルネイ・ヴィエイユ・ヴィーニュも艶のある素敵なワインでした。

このドメーヌの畑はすべて村名ですから、このワインの中身はポマールとヴォルネイのワインが中心にアッサンブラージュしているとか(笑)。ちょっと重心が低いところがいかにもそんな感じですね(笑)。ただ、香りの立ち方、香り自体の明るい色合い、膨らみ、余韻、これらのハーモニーは美しいの一語!とても上品。著名どころのドメーヌでもこうはいかないレベルなのです(笑)。
久しぶりのお買い得ブルゴーニュワインです(笑)。お見逃しなく!

以上5本、1本3分の時間制限となります(笑)!ご協力お願いいたします!

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試飲会番外編

Mar 04, 2021 by weblogland |
う~ん。
見てくださいこの澱の量。

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先日の試飲会で皆さんを驚かせたシャトー・カンテランヌ1995年です(笑)。
まあ、よくこんなに長く瓶熟成したものだ(笑)。2回目のピーク後半の味でしたね

私は常々除梗したワインは長い熟成に耐えないと言っておりましたが、これは除梗したもの。要は葡萄果粒だけで発酵したワインです。圧倒的な酸とエキス分があれば除梗しても熟成すると言った方が正解ですね。
でもですね、今風のワインで20年以上の熟成に耐える造りのワインはどのくらいあるのか?と考えると絶望的。かといってワインの評価は熟成力だけではありませんから、それが救い逃げ道でもあります(笑)。
ここだけの話、何万円もするワインを造り販売しながら『10年は持ちます。』なんて平気な顔して語る生産者はザラ(笑)。
あんた錬金術使か(笑)!

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今月、4月26、27日のマスキュー試飲会のラインナップ決まりました!

Apr 25, 2019 by weblogland |
毎月、毎月バタバタです(笑)。
何故?って考えるに、ついつい余計なサンプルを取り寄せたり、ギリギリまで試飲したり。
どうやらこの辺りが原因のようです(笑)。
この間際のバタバタは直りませんね(笑)。

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まずは久しぶりのクズマーノの白と赤。
お値段がとてもリーズナブルになりましたので、再登板です(笑)。
〇カタラット』2017年 クズマーノ イタリア 白 シチリアD.O.C. 750ml 1110円税込み ヴィノ・ロック
イタリア半島の南西端に浮かぶ地中海最大の島シチリア島で2000年に設立されたワイナリー クズマーノ。
シチリアの地葡萄とメルロ、シャルドネ等を育て、単一品種のワインや地葡萄とフランス系葡萄とのブレンドしたもの等をリリース。
若いワイナリーらしくチャレンジ精神に富んだワイン造りを行っています。
マスキュー定番では『アンジンベ』があります。



これは地場品種『カタラット』100%の白ワイン。
醸造・熟成はステンレス・タンクのみで行いますからセパージュの味がダイレクトにわかります。
ちょっと高級な柑橘類の香りは高密度。オレンジや甘夏というよりもっと高い感じかな(笑)。
オリジナルな香りなのです。カタラット種を調べるとマルサラの原料用の葡萄とか。
う~ん。そういわれると、マルサラのベースにはオレンジっぽさがありますから、この点納得。
でも、カタラット単体で作ったこの白ワイン、こっちの方が惹かれますね(笑)。
これこそクズマーノの手腕なのですね。
アルコール分が高くなりすぎないようにしっかり管理・栽培することで、白ワインとしての新たなスタイルを確立したようです。
実際のアルコール分は12.5%。思った以上なアルコール分が低い印象。
しかもこの価格!
恐るべしクズマーノなのです(笑)。


ここのところマスキューのマイ・ブーム
マルケのサン・ジョヴァンニのワイン。
この白ワイン、ずーっと試飲会に出したかったのですが、品切で断念。
ようやく再入荷しました(笑)。万を持しての登場です(笑)。
〇マルタ パッセリーナ 2017年 サン・ジョヴァンニ イタリア マルケ 白
マルケ I.G.T. 750ml 1712円税込み
これ、いわゆるヴィーガン・ワイン。ヴィーガンを辞書で調べると『完全菜食主義』。
植物のワインで菜食主義なんておかしい?よく調べると肥料や散布薬剤などに動物由来のものは使わない。
醸造工程でも清澄でゼラチンや卵白を使わない代わりに珪藻土などを使うとか。
なるほど、そういうことなんですね。酪農由来の動物性の材料を口にしない、使用しない主義。
今では世界の一潮流のようです。

このワイナリー サン・ジョヴァンニは1990年設立。
マルケ州の南部オッフィーダから数キロほどのピチェーノの丘にあります。
30ヘクタールをビオ・ロジックで運営しています。継続的な農業を目指す農場のワイン部門です。
所有する畑のうちチャフォーネ地区でヴィーガンの認証を取得しているようです。
サン・ジョヴァンニの所有する畑で一番高く評価されている畑です。

これまでマスキューでは赤のレオ・グエルフス ロッソ・ピチェーノ スペリオーレ
2015年と白のキアラ オッフィーダ ペコリーノ2017年を試飲会でご紹介いたしました。
赤はプリミティブで深みがあり、白は比べるもののないパワー(笑)。これは地場品種『パッセリーナ』100%の白。
中部イタリアの古代品種パッセリーナをステンレス・タンクのみで醸造・熟成。
パッセリーナ本来の抜けの良さと継ぎ目のない果実味のハーモニーは万人を惹きつけるかな(笑)。
果実の基本はグレープフルーツや白い花ですが、切れと濃度のバランスがとても良い。
折り合いが良い白ワインなのです。ともすれば温暖さに頼りがちな中部イタリアにあっても出色の出来の良さ(笑)。
デイリー・ユースのワインとしては欠点がない出来映えなのです(笑)。


●『ネロ・ダーヴォラ』2017年 クズマーノ イタリア 赤 シチリアD.O.C. 750ml 1110円税込み ヴィノ・ロック
これはシチリアでよく使われる『ネロ・ダーヴォラ』100%で造られた赤。以前はI.G,P.だったかな(笑)?
ネロ・ダーヴォラらしからぬとても軽やかで飲みやすいスタイルなのですが(笑)、
開けてから2~3日経つとバランスが出てクリーンな印象が増します。
夏場を越すとさらに良くなる予感(笑)。
濃く重くなりがちなネロ・ダーヴォラを飲みやすくするには薄く造るのも方法ですが(笑)、そうやるとワインが水っぽくなる(笑)。
これは薄くなく軽く造っています(笑)。
このため果実味も明瞭、旨味もしっかりあります。
クズマーノの葡萄栽培の良さ、醸造技術の高さを感じます。
また、以前よりかなり価格が下がりましたから、この価格帯ではベスト・チョイスですね(笑)。

間違いないトップ・ランナーです。
SO2の残存量は10mg以下!
そしてこの価格!
とうとう来ましたね(笑)。
●『エグジット』2016年 レ・ヴィニュロン・ド・ビュゼ 南西フランス 赤 ビュゼA.C. 750ml 1481円税込み
まずはラベル解説(笑)。『エグジット』出口?ラベルの絵には出口が2つ。入り口は無いのかな(笑)?
ビオロジックとグリーンで書かれてます。
認証は3つとってますね。ビオロジックとエコ・セールとヴィーガン。
しかも、なんと、レ・ヴィニュロン・ド・ビュゼは協同組合!協同組合で認証を取るとは!
よく足並みが揃いましたね(笑)。しかもリーズナブルな価格!
調べると地元のワインメーカー、184人の葡萄生産者、そして95人の従業員が協同組合に集まって、栽培から販売まで一貫して手掛けています。
テーマは社会的、経済的、環境的責任を果たす!志が高い!
ちょっと普通じゃない協同組合ですね(笑)。

このワインは木樽熟成していないスタイル。
セパージュはメルロー60%、カベルネ・フラン 25%、カベルネ・ソーヴィニヨン 15%。ステンレス・タンクで発酵してからコンクリート・タンクにて9カ月間熟成。
味わいは今風。でもですね、シュド・ウエストらしい締まった味わい。
バランスが良くクリア。小粒の完熟した果実味はビビッド。輪郭がはっきりしており密度感があり、広がり余韻も長く立派(笑)。
ニュー・ワールドっぽさが気に入りませんが、ニュー・ワールドとはちょっと違う(笑)。
シュド・ウエストらしい武骨さが洗練された堅牢さに変わっていますね。しかも飲みやすい。
う~ん。
こりゃ凄い!
ワイン自体の構造がしっかりしていますから、葡萄自体の良さと醸造技術の高さを感じます。
農薬やSO2の少なさが味わいに出ています。衛生管理を含めた技術の高さは世界的にみてもトップ・ランナーに違いないレベルです。
しかも協同組合で成せるとは…!
思わず絶句しました(笑)。



身から鱗のドルチェット!
●ディアーノ・ダルバ 『ソル・リキン』 2015年 カーサ・ヴェッキア イタリア ピエモンテ 赤 ディアーノ・ダルバD.O.C.G. 750ml 3332円税込み

インポーターさん資料より
『1700年代からカーサヴェッキアは、ソリ  チン、サン キリコなど、ディアーノ ダルバに4ヶ所の畑と
バローロのカステリオーネ ファレット村に畑を持ち、その広さは合わせて約10ヘクタールになる。
バローロに隣接するわずか820エーカーの標高差の激しい石灰質が多く含まれた粘土質土壌でDOC Diano d'Albaは造られている。
ディアーノダルバ地区の町の起源は、ローマ時代に遡り、名前の由来は、”狩猟の神 ディアナ”からきています。

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マスキューではこのカーサ・ヴェッキア
のバローロが定番です(笑)。ただ、2010年にD.O.C.G.に昇格したディアーノ・ダルバとバローロの位地関係が今一つ解らず(笑)、
しばらく地図とにらめっこ(笑)。よーやく理解(笑)。
バローロの東を流れるタローナ川、その左岸の北東向きの傾斜地にバローロの銘醸地セッラルンダ・ダルバ村があります。
バローロを3分割するタローナ川が合流する手前の西向き斜面がクリュ・フォンタナフレッダ。
東向きがディアーノ・ダルバ村でございます(笑)。谷の出口付近。谷を出て西に回るとカステリオーネ ファレット村。
尾根を挟んでディアーノ・ダルバ村とセッラルンガ・ダルバ村は隣接しています。
元々がバローロのクリュであるディアーノ・ダルバ村。でもそこのバローロは見たことないんですよね(笑)。
このカーサ・ヴェッキアのドルチェットの『ソル・リキン』はフォンタナフレッダの丘を南東に向かってさらに登ったところにあります。
標高が428mと高く、ネビオッロを植えてバローロを名乗っても良いところとか(笑)。
常識ではネビオッロ→バルベラ→ドルチェットの順番で標高が低くなると言われますが、このディアーノ・ダルバは違います。
土壌は完全な石灰質でネビオッロを植えればバローロを生産できる畑なのですが、ドルチェット(笑)。
でもですね(笑)、飲んで納得(笑)。
フル・ボディーではありませんが、とても品が良く深み複雑さがあります。単調になりがちなドルチェットとは別物なのです。
果実のニュアンスがプラム一辺倒ではありません(笑)。高貴とも言えます。
う~ん。
バローロとディアーノの関係は、ブルネッロ・モンタルチーノとヴィーノ・ノヴィレの関係みたいかな(笑)。
ヒュー・ジョンソン曰く「爆発的な深みがあるドルチェットがある。」と言うのが理解出来ました(笑)。言い過ぎかな(笑)。
まあ、少なくとも何故ドルチェットのD.O.C.G.にディアーノ・ダルバが昇格したか府に落ちました(笑)。


家内共々心に突き刺さりました(笑)。
●デフォラ 2007年 1+1=3(ウ・メス・ウ・ファン・トレス)スペイン 赤 ペネデスD.O. 750ml 2406円税込み
マスキュー定番のスペインの発泡性ワイン カヴァ 1+1=3のラベルと言えば皆さんご存知(笑)。
比較的軽いカヴァの多い中、しっかりとした濃度感のある良品として愛されています。
カヴァと言えば日本ではかなり馴染みのスペインの発泡性ワインですが、その大半は大メーカーによります。
(日本でも黒いラベルのフレシネやコドルニュが有名ですね。)ただコストがかかるため小規模生産者が育ちにくい産業でもあります。

いきおい小規模生産者は大手カヴァメーカーに生産したワインやブドウを売るしかない状況です。

そんな中、カヴァの聖地ともいわれる生産地域ガルディオーラ・フォン‐ルビで、カヴァ最高品質のブドウを栽培することで有名なピニョル家は、現地ワイナリーの間で「幻のブドウ」といわれ高値で取り引きされていました。
彼のところは30ヘクタールの畑を所有する家族経営の生産者です。
ピニョルさんのブドウ栽培は除草剤や殺虫剤は一切使用しませんから、畑仕事にとてつもない労力が注がれます。休みなく一日4時間睡眠で働くそうです。
そして醸造にはフリーランの果汁しか使用しません。いわゆるプレス果汁を使わない徹底ぶり、濃さとクリアな味わいの原点なのです。
そんなピニョルさんとペネデスのトップワイナリー「カン・ラフォルス・デルス・カウス」のエステーベ家とのベンチャーがこの1+1=3なのです。

当初はカヴァのみのブランドだったようですが、1+1=3の成功とともに赤ワインも登場(笑)。
これは標高400mほどの高地の畑のもの。樹齢45年の石垣に囲まれた少面積の畑です。
おそらくピニョルさんの掌中の珠。キュヴェ名『デフォラ』はフランス語の『クロ』の意味。まんま(笑)。
セパージュはガルナッチャ75%、カリニェーナ25%。26~27℃の比較的低い温度で20日弱アルコール発酵、そして300Lのフレンチ・オークの樽で13ヶ月間熟成。
飲んでびっくり(笑)。2007年とは思えない生命力。全然枯れていなく、溌剌とした印象。
普通除梗した今風のワインでは10年も経つとへたりますが、これは全然疲れた様子無し(笑)。
旨味、深み、パワー 3拍子揃っています。プリオラートの雄 かつてのスカラ・デイのワインを連想させます。
思わず泣きそうになりました(笑)。
ガルナッチャはフランスではグルナッシュ。ローヌ・ワインの主要品種。
すぐ飲んですごく美味しい(笑)スタイルのフレンドリーな品種として知られています。でもですね、ガルナッチャは違います(笑)。
若いうちは武骨で、飲んでも途方に暮れるほど、10年以上経ってようやくタンニンがほどけてきて内在する爆発的な果実味と折り合いが取れる。
この様を知ると病みつきになる(笑)。
さらに時間が経ち20年を越えると旨味と果実味が研ぎ澄まされながらも、渦巻くような求心力を発揮し飲み手の言葉を失わせる。
これなんですよね(笑)。これこそガルナッチャ!


以上6本!
いつも通り26日(金)は17~20時30分
27日(土)は11~20時30分までやってます!
皆様のお越しお待ちしておりまする(笑)。

桝久商店 岡本利秋・昭子



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桝久 試飲会リポート 後半 201901

Jan 29, 2019 by weblogland |
エルミータ・デ・サン・ロレンソ グラン・レゼルバ アルティーガ・フステル 1999年 スペイン 赤 カンポ・デ・ボルハD.O. 750ml  2407円税込み

「マスキュウさん、去年もこれこの時期にやりましたよね(笑)。」
私「バレバレですね(笑)。まあ、良い年だけしか無いものですから、年に一度くらいは飲むのも一興かと(笑)。」
「う~ん。若いけれど枯れている(笑)。」
「溌剌としてるよね(笑)。けど滋味深い。」
「これってリオハですよね?」
私「リオハのすぐ近くのカンポ・デ・ボルハという歴史ある産地です。」
「チェーザレ・ボルジアの出身地だね(笑)。」
私「良くご存じで!さすが!」
家内「リオハ・スタイルなんですが、セパージュはガルナッチャとカベルネ・ソーヴィニヨンです。」
「テンプラリーニョ入っていないんだぁ!」
私「そーなんです(笑)。」
「言われてみるとテンプラリーニョっぽくはないのかな(笑)。でも綺麗に熟成した
スペイン・ワインであることは、間違わないかな(笑)。」
「とても懐かしい味ですよね。昔はよく売ってたけど、最近あまり見かけない(笑)。」
私「地元で消費されるスタイルのワインです。」
「最近のスペイン・ワインってニュー・ワールドみたいにファットで飲みやすいものばっかりだよね(笑)。」
「どれ飲んでも同じような味なんだよね(笑)。」
「まあ、あれはあれでイイのかな(笑)。」
私「海外向けではあります(笑)。ビジネスとして考えると20年経ってから市場にリリースするにしては安いから、とても非効率ではありますよね。何万円もの値段はつけられないし。」
「そーだよね。特別フル・ボディーで息を飲むようなワインでもないし(笑)。ただほっとする美しさが良いんだけどね。」
「マスキューさん、このワインは今が飲み頃なんですよね?あとどのくらい持ちますか?」
私「近々ぐっと甘さが増すときが来ると思います。そしてそれが何年か経ってからある日突然古酒になるかと。」
「へぇー、そうするとまだ楽しめそう(笑)。」
「じゃあ、あと10年くらい大丈夫かな?」
家内「このワインはずっと大きな樽で熟成した後瓶詰めされてますからコルクは古くないので、この点お勧めです(笑)。」
私「長い樽熟成で澱もありません。状態がとても良いのがアドバンテージです。」
「そうするとマスキューさんのセラーにある1978年のワインはどうですか?液面にバラツキが出てますよね?」
私「はい。何年か前にミドル・ショルダーまで液面が下がったものを飲んでみましたが、完全に古酒になり、とても美味しかったです(笑)。ただ、コルクは限界に近いと思いますので保証は出来ません。まあ、大丈夫だとは思いますが(笑)。売らないで実験用としてとっておいてもイイかな(笑)。」


『ネイール』2007年 ロ・ゼルボーネ イタリア ピエモンテ 赤 ドルチェット・ディ・オヴァダ・スペリオーレD.O.C.
 750ml 2314円税込み
「マスキュウさん、ゼルボーネのワイン以前試飲会で出しましたよね(笑)。あのときは2015年でまだガスが残ってましたよね(笑)。変に心誘われたなぁ(笑)。」
私「そーなんです(笑)。あの変なワインの古いヤツです。正確に言うとこれはスペリオーレですからワン・ランク上になるのかな(笑)?」
家内「あと2005年もやりましたが、スペリオーレではないものでした。記憶を辿るとこちらの方が力強く熟成能力が高いような気がします(笑)。」
「ゼルボーネってビオなんだろうけどビオを唄わないし(笑)、スペリオーレとか格付けにも無頓着みたいですよね(笑)。」
家内「はい。そーなんです。ラベルにヴィンテージ書いてなかった時は焦りました(大爆笑)。」
「白とロゼもありましたっけ?」
私「白は完全にオレンジ・ワイン(笑)。ロゼ キアレットは、今までに飲んだロゼの中でも一番好きなものでした(笑)。」
「あのキアレット復活しますか?確かご主人の体調がすぐれないんでしたよね?」
私「体調良くなったみたいです(笑)。春に再輸入されるとか。」
「おー!凄い!これヴィンテージ2007年ですか。全然古びたところがない。もっと若いワインかと思っちゃいましたよ(笑)。」
「強烈(笑)。2007年のピエモンテ凄く良い年だったんですね。」
「う~ん。確かにこの癖のある香りはビオ臭なんだろうけど、許せる範囲(笑)。タンニンの量や酸などすべての分量が物凄い量。規格外ですね(笑)。」
私「2007年が特に良かったからスペリオーレにしたのかもしれませんね。」
「今2019年ですから、瓶詰めしてからだいぶ経ちますよね。普通はもっと熟成が進むはず。そうすると中身の詰まり方が尋常でないということだな(笑)。」
「自分達が飲む早飲みのドルチェットをこんなに濃く造るとは!絶句ですね(笑)。」
「コンチェルノなんかの樽の香りの効いた
美しいのもイイんだけど、こんな野趣溢れたのもイイね(笑)。レアな味わいだよね。」
私「今風のワインに馴れた方には拒否反応を示す方がおられるとは思いますが、これはこれでプリミティブで良いかと(笑)。」
「マスキューさん、このワインあとどれくらい持つのですか?」
私「どれくらい持つんでしょうね(笑)?規格外なので断言出来ませんが(笑)、少なくとも5年後、10年後に飲んで確認したいワインですね(笑)。」
家内「長期戦になることは間違いなさそうですね(笑)。」

『ミストラル』 2015年 ドメーヌ・ルージュ・ブルー フランス コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュA.C. 赤 750ml 2730円税込み

私「今回の試飲会のトリはこれ(笑)!あの強烈なゼルボーネの後で大丈夫かな(笑)?」
「なぁーに言ってるんですか、計算積みでしょ(笑)。でもゼルボーネの後に出すわけですから期待しちゃうな(笑)。」
「おー!旨い!」
「バランスが良いですよね。ある意味完璧。」
「う~ん。言葉を失う!」
「旨さがゼルボーネのパワーを凌駕してる(笑)。」
私「これもゼルボーネ同様に全房発酵してます。ですから強さは相当なものなのですが、信じられないほどのエレガントさがあります(笑)。」
「ローヌ・ヴィラージュですか。どの辺りですか?」
家内「パフより北側で畑もパフのような石ころだらけの沖積地です。」
私「標高の高い感じはしませんね。」
「セパージュは?」
家内「グルナッシュ、シラー、ムールヴェドルの黄金比率です(笑)。」
「いかにもローヌ・ヴィラージュ。でもこんなにエレガントなワイン経験したことがないですよ。」
「グルナッシュがとびきり良いですよね(笑)。」
私「ジゴンダスみたいにピノ・ノワール的ではなくあくまでローヌ・ヴィラージュ味なのですが、曇りがない。不思議なほどです。」
「ブラック・チェリー、プルーン、プラム
のニュアンスは確かにローヌ・ヴィラージュのグルナッシュ(笑)。わずかにチョコレートっぽさもある。」
「ゼルボーネの後に飲んでも影響が無いということは、かなり強靭。でも強靭さが見立たないで旨さが目立つ(笑)。不思議なワインですよね。」
家内「実はこのワイン、開けてから丸2日経つと力が表に出てきます(笑)。」
私「2日、3日経つと若さが出てきます(笑)。そんな馬鹿な!」
家内「シラーやムールヴェドルの強さが後から出てきます。ベリーや粉っぽいニュアンスが感じられグルナッシュの中にシラーとムールヴェドル しかもとても頑強なものと感じられます。」
私「驚きなんです(笑)。」
家内「木樽を使いませんから、誤魔化しが効きません。生産者の唯一無二の意図を感じます。」
私「樽を使ってくっつけたテイストじゃないんですよね(笑)。ずば抜けた力量です。」
家内「私が好きになるワインって木樽熟成したものではなく、何故かコンクリート・タンクで熟成したものが多いんですよね(笑)。」
「コンクリートだと何が良いのですか?」
私「発酵温度が上がりにくいのと、酸素をワインに与えられること。それとコンクリートはアルカリ性ですから酸化や腐敗に抗することです。使い勝手はあまり良くないかも知れませんが(笑)。」
「あまり衛生的だとも思えない(笑)。」
私「強アルカリ性ですから大丈夫のようですよ(笑)。」
私「ゆっくり低温で発酵出来る。しかも途中にあまり手を加えないで済むようですよね。ワインにストレスを感じないのもそれ故かもしれません。」
「そうなんですよね。すべてに無理がないんですよね。」

ビギナーもベテランも皆さん美味しいと言っていただけました!

ありがとうございました!
桝久商店 岡本利秋・昭子

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マスキュー 試飲会リポート 後半 201804

May 04, 2018 by weblogland |
引き続きケットマイヤーの白です。
〇シャルドネ 2016年 ケットマイヤー イタリア アルト・アディジェ‐ジュートチロルD.O.C. 750ml 1980円税込
「おっ、これもピノ・グリージョ同様しっかりしてる。」
「どっちも粘りが強いよね。」
「これはいかにもシャルドネ(笑)。ブラインドでティスティングしてもわかるかな(笑)。」
私「これも青リンゴのニュアンス感じますね。」
「でもさあ、どこのシャルドネって言われたら解んないよ(笑)。」
「う~ん。マスキューさんの言うシンメトリーなんだな(笑)。」
「冷涼さと暖かさが両立してるとでも言えるかなぁ(笑)。上手く言えない(笑)。」
家内「アルト・アディジェの葡萄畑は谷の底標高2~300mから高度を上げ1200m位までのところに畑があるようです。雨は年間600mlほどしか降りません。川沿いにガルダ湖からの暖かい空気が流れてくるそうで、わりと暖かいそうです。」
「かなり特殊な産地なんですね。」
「ドイツの首相メリケルさんの別荘があるとか(笑)。」
「良いところ。リゾート地だよね。」
「店長!このシャルドネもステンレス・タンクのみで熟成させているのですか?それでマロラクティック発酵を止めている?」
私「私もそうかと思っていましたが、ステンレス・タンクだけではなく一部大樽を使っているようです。それで酸をコントロールしているのかも?技があるようです(笑)。」
「このシャルドネ、それにしても良く出来てる。コスト・パフォーマンス高いですよ(笑)。シャルドネ好きの私にはたまりませんね(笑)。」
「これもピノ・グリージョみたいな旨味があるから、口のなかに入れるとジュワっと涎が出ちゃう(笑)。」
「この点、ルフレーブなんかに似てる(笑)。」
私「ありがとうございます(笑)。フレッシュなルフレーブかな(笑)。」


●ラグレイン 2016年 ケットマイヤー イタリア アルト・アディジェ‐ジュートチロルD.O.C. 750ml 1980円税込
「ほっほぉー、これがラグレインですな。

「聞いたことありませんよ(笑)。地場品種ですか?」
家内「はい。地場の赤ワイン品種です。酸が多くしっかりしてるのが特徴です。私大好きなんです(笑)。」
私「でも中々バランスの良いものは日本に輸入されていません(笑)。」
「おっー!これは特徴的!こんなの飲んだことないですよ(笑)。」
「あー、たしかに。白ともスタイル共通してますよね(笑)。」
「うんうん。酸が豊か、強い。」
「今風の酸がなくて濃くてスイスイ飲めるワインとはまるで違う。」
私「酸とタンニンのバランスが今風のワインとは決定的に違いますよね(笑)。」
「かおりは野イチゴ。野趣溢れてますね(笑)。これはジビエに合わせるワインですな(笑)。」
「ジビエの臭いくらいのコクにきっと合うね(笑)。」
「ワイン自体に旨味もある。ホント、赤・白ともに共通してるよね。」
私「酸味、旨味、タンニンが拮抗してバランスをとっているかのようですよね(笑)。」
家内「ラグレイン標高の低いファットな土壌を好むようです。でも、タイトさも備えてますね(笑)。独特なスタイルのワインですよね(笑)。」
私「このワイン、チョコレート食べながら飲むと美味しいですよ(笑)。」
「あっホントだぁ。」
「これ柑橘類のエキスが入ったチョコレートだと素晴らしく合いそうですよね(笑)。」
「あー、有名ブランドのスッゴク高いチョコレート!絶対に合う(笑)!」
「ルックチョコレートじゃダメかな(大爆笑)?」
「店長!このラグレインは樽熟成してますよね?」
私「はい。伝統的な大樽熟成しています。」
「ということはマロラクティック発酵はちゃんとしているんだぁ!それでもこんなにリンゴ酸が残っているなんて…。酸が残る品種なんですね。」
私「その特性を生かしたワイン造りですよね。まさに文化です(笑)。」
「マスキューさん、大樽熟成したりするのはドイツ的ですよね(笑)。」
私「はい。いかにも。」
「でも、出来上がったワインは独特(笑)。アルザスやドイツなんかとも違うし。」
家内「基本的にはオーストリアが近いとは思いますが、でも趣は違う(笑)。面白い産地ですよね。」
「気候、地形、さまざまな外的要因。それと造っている人の気質。これらが長い年月を経て成熟したものなんだろうな。そんなことを実感してくれるワインですよね(笑)。」


●ベッカチャイア 2009年 パクラヴァン・パピ イタリア 赤 I.G.T.トスカーナ メルロ 750ml 3795円税込み
「おっー、これ凄い!」
「高級な味。高そう(笑)。」
「いや、相当高そう(笑)。」
家内「開けたてはなめし革みたいな還元臭がしますが、すぐ消えていきます。」
「還元臭って何ですか?」
私「長い間瓶の中で密封されていると、瓶内の酸素が無くなってきます。いわゆる還元状態です。この状態で瓶内熟成するわけですので還元臭がします。」
「高級なオールド・ヴィンテージ・ワインによくある香りだね。」
「獣の匂いってヤツだね(笑)。」
「ビオ臭にも似てるかな?」
「似てるには似てるけど、あれは一歩間違えると、う〇この匂いになっちゃう(大爆笑)。」
危ない、危ない。
「それにしてもこれ凄いな。マスキューさん曰くの『言葉を失うワイン』だね(笑)
。」
私「ありがとうございます。まさに壮麗なワインかと(笑)。」
「え~と2009年だから9年経っている訳ですよね。そして飲み頃の味わい。これは全房発酵しているのですか?」
私「していないと思います。基本的には飲みやすいことを念頭にしているとは思いますが…。全房でやったら飲めるようになるまで20年くらいかかりそうですよね(笑)。」
「果実味はプラム しかもエキスやリキュールっぽい凝縮感。メルロらしい味わい。」
「余韻が物凄く長いですよね。巨大(笑)。」
家内「タンニンやらが口の中で折り重なるようですよね(笑)。広がりも凄いし。プピーユのアーティピックに似てる。」
kさん「私もそう思います(笑)。やはりとことん凝縮して造ったメルロ同士似るのかな(笑)。」(Kさんは先日プピーユのオーナー、カリーユさんがマスキューに見えた折、一緒にアーティピックを試飲されています。さすが!)
私「価格はアーティピックの1/3だからお買い得かな(笑)?イタリアワインの優位性
を感じますよね(笑)。」

今回の試飲会で真っ先に完売!
マスキューのお客様のレベルの高いこと!
皆さん良いワインを飲んでいらっしゃる!
甘く見てました。ごめんなさい!

ありがとうございました!

桝久商店 岡本利秋・昭子

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桝久 試飲会リポート 後半 201609

Sep 27, 2016 by weblogland |
さてさて、最先端の巨大ワイナリーの次は、3ヘクタールを夫婦で耕作するマンパワーと智恵の塊ロ・ゼルボーネのワインです。

○『レ・ギャーレ』ビアンコ 2014年 ロ・ゼルボーネ イタリア ピエモンテ ヴィーノ・ビアンコ 白 750ml 1944円税込み
「あれ?変わってる(笑)。でもなんか凄い(笑)!」
「癖が目立ってある(笑)。でもパワーと個性が飛び抜けてる(笑)。」
「色もメチャクチャ濃い。オレンジ色に近い。」
「渦巻いてる(笑)。」
「私には強すぎる(笑)。無理(笑)。」
「シェリーっぽさ。これは好みが別れるかな?」
「旨味がたっぷり(笑)。」
「マスキュさん、これって品種は何ですか?」
私「ガヴィ等で使われるコルテーゼです。」
「へぇー。こりゃ解らないな(笑)。」
「ジャスミンの香りや、ハーブの香りが吹き出てますよね(笑)。あー、ナツメグ。カレーに入れる香辛料を強く感じる。」
「シェリーみたいな酸化したニュアンスが香りと一緒になって気にならなくなってくる。」
私「この白ワインは独特ですよね(笑)。SO 2 は使っていません。色も濃く今流行りの『オレンジ・ワイン』の範疇なのかな?」
「マスキュさんは『オレンジ・ワイン』なんて言ってワイン売るの嫌でしょう(笑)?」
私「読まれてますねぇ(笑)。」
家内「オレンジ・ワインって素焼きのアンフォラで熟成したプリミィティブな造りのワインですよね?イタリア北部や中欧なんかの田舎で伝統的に造られてるワインですよね。」
「ワイン雑誌なんかでよく取り上げられてますよね。割りと高いけど(笑)。」
私「造られてる現地の町ですぐ飲むには楽しめますが、あれをそのまま輸出するには無理があります。素焼きのアンフォラ熟成はかなり危険。
少なくとも陶質の甕ならまだしも…
。ホーロー引きやステンレス・タンクだって良いし。それを『オレンジ・ワイン』と名付け第3のワインとして売り出す戦略は胡散臭い(笑)」「イギリス的なビジネスを感じますね(笑)。」
「あと価格が馬鹿高い(笑)。」
「まあ、飲みやすいだけの今風のワインとは違うし、面白いワインだと思いますが、外れも多い。何度か外れました(笑)。」
「店長!そんなこと言っちゃダメですよ!『オレンジ・ワイン』ってだけで飛びつく人は沢山いるんですから(笑)。売れますよ(笑)。」
私「失礼しました(笑)。へそ曲がりなもんで(笑)。」
「そのへそ曲がりがイイんですよ(笑)。」
私「誉められてるのか、慰められているのか(笑)?」
※試飲会のあとに気がつきましたが、このワイン シャルトリューズに似ています。どちらかと言えばジョーヌに近いかな?ペコリーノなんかを食べながら飲んだら美味しいんでしょうね(笑)。

◎キアレット 2013年 ロ・ゼルボーネ イタリア ピエモンテ ロゼ ヴィーノ・ロサート 750ml 1573円税込み
「マスキュさん!このキアレット色がとても濃いですよね。薄い赤ワインに近い(笑)。」
私「そーなんです(笑)。キアレットは黒ブドウをすぐに圧搾しますから
本来は淡いピンク色。きっともともとの黒ブドウのタンニンが濃いからかと。」
「これ凄い!白みたいな酸化したニュアンスはないけど、共通した味わい。旨味が半端ない!」
「白同様に野趣溢れる味わい(笑)。」
「森のなかにピクニックに行って、ハムやチーズを挟んだパニーニなんか食べながら飲みたい気分になりますね(笑)。」
「広がりとか奥行きがスゴくある。余韻も長い。こんなロゼ・ワインは飲んだことありませんよ(笑)。」
家内「ありがとうございます(笑)。私も今まで経験したことのないスケールのロゼ・ワインです。こんなに美味しいロゼは飲んだことがありません(笑)。」
私「果実味は干した杏子やブラム。鮮烈で力強いです。ドルチェットらしい果実味です。」
「ドルチェットと言うとネッビオーロやバルベーラなんかの下のランクだよね。ランクは下かも知れないけどこんなにも美味しいんですね(笑)」
私「チェリーやベリー系のいわゆる高貴な香りはしませんけれど、実に味わい深く美味しいかと(笑)。大変な尽力を感じる味わいです。」
「マスキューさん!ゼルボーネのワインの中ではこのロゼ異常に安いんですが、何故ですか(笑)?」
家内「『大日本ロゼ・ワイン普及協会会長』の私が言うのもナンですが(笑)、ロゼ・ワインはあまり売れません。それでインポーターさんが売れるように価格を押さえたんだと思います。実際ゼルボーネの輸入本数で一番少ないのがロゼでした。」
「なーるほど!嬉しくも悲しい話しですね(笑)。」
大日本ロゼ・ワイン普及協会会長大推薦の飲むべきロゼ・ワインでした(笑)。

●『レ・ぺルゴーレ』2013年 ロ・ゼルボーネ イタリア ピエモンテ ヴィーノ・ロッソ 赤 750ml 1851円税込み
私「このワインもドルチェット100%です。造りの特徴としてはボジョレーのようなマセラシオン・カルボニックをしています。」
「マセラシオン・カルボニックって?」
私「密閉式タンク内で発酵させます。飲むと府に落ちますよ(笑)。」
「あっ!キャンディーっぽい(笑)。ボジョレー・ヌーボーに似てる(笑)。」
「うんうん確かに似てる。でももっと濃い(笑)。これ軽いワインじゃないよね(笑)。タンニンが滑らかだけど凄く緻密。」
「あと、酸の強さはボジョレーとは違うかな?」
私「ご明察でございます(笑)。マセラシオン・カルボニックで発酵後一年間ステンレス・タンクで熟成しています。やわな早飲みのワインではありません(笑)。」
「ボジョレーみたいと言ってもクリュ・ボジョレーの良いワインレベルだよね。」
私「時間が経つとキャンディーっぼさが消えてドルチェットらしいブラムのニュアンスが出てきます。柔らかに造っているようですが、実はスパルタンな良さがちゃんとあります。」
家内「畑は3ヘクタールしかありませんから、ブドウの栽培の仕方は同じはずです。作柄ヴィンテージによって醸造方法を変えるようです。」
私「ゼルボーネはキュヴェ名がコロコロ変わります(笑)。」
「ラベル・デザインは3パターンですよね。でもよくみるとブドウの色なんかが違ってる(笑)。」
「小技使ってますなぁ(笑)。」
「マスキューさん、葉っぱのラベル・デザインのキュヴェは今回入らなかったのですか?あのランブルスコみたいに泡立つ赤ワイン(笑)。」
私「来ました。飲んでみましたが、まだまだ強すぎて飲み頃ではありませんでした。2007年と2013年です。今回は瓶詰め前に若干SO 2 を入れたようで泡立ちませんでした(笑)。様子を見て入荷させる予定です。」


●ドルチェット・ディーオヴァーダ 2005年 ロ・ゼルボーネ イタリア ピエモンテ 赤 ドルチェット・ディ・オヴァ-ダ
D.O.C. 750ml 2314円税込み
私「これを飲めばゼルボーネの真の力量が解ろうかと思います(笑)。」
家内「なんと2005年でございます(笑)。」
「色は落ち着いてるけれど、古い感じはありませんよね。香りにも酸化臭もしない。重い還元臭はしますね。大物感あるね(笑)。」
「スケールが大きい!タンニンと甘さのボリュームが素晴らしい!」
「圧倒的!」
「良いワインには時間が必要なんだと実感しますね(笑)。」
「マスキューさん、このワインとても強いですけど全房発酵してるのですか?」
私「除梗しています。けれども生命力は大したものです。10年経っても枯れません(笑)。」
「店長!ビオ系のワインは除梗する場合が多いですよね。リスク回避なんでしょうね。だから割りとワインが持たない(笑)。これは本物ですね
(笑)。」
「こんなワインがあるんですね。よく日本に輸入したしたよね(笑)。」
私「ありがとうございます(笑)。あとゼルボーネの赤ワインは共通して
ピリッとしたワサビ菜のニュアンスがあります。何故か解りませんが。
一度生産者に会って話を聞きたいものです(笑)。どれも好奇心を掻き立てられる面白くて質の高いワインです(笑)。」

ありがとうございました。
桝久商店 岡本利秋・昭子

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スローなコンビが人気です

Feb 17, 2015 by weblogland |
ここのところマスキューではスローなコンビが人気です(笑)。



マルケス・デ・バルデカーニャス グラン・レゼレバ 2004年 ボデガス・サン・パレロ
エルミータ・デ・サン・ロレンソ グラン・レゼルバ アルティーガ・フステル 2004年

どちらもスペインの赤ワイン。10年の熟成を経て飲み頃を迎えたワインです。最近雑誌などでスローフードがよく取り上げられている影響かな?でも、マスキューのオールド・ワイン・ラヴァーはそんなこと関係ないはず(笑)。

きっと、
今風のワインは旨いには旨いんだけど、似かよってるんだよね(笑)。飽きるんだ(笑)。昔風のワンパターンだけど飲み飽きしないワインが恋しかった。」
なんて言うクラシックなワイン・ファンは多いでしょうね(笑)。

でも、ここのところ若いお客様でこのコンビを探しマスキューにたどり着く方がいるからびっくり(笑)。一度レストランで飲んで癖になったとか。携帯で写メを撮って検索して、マスキューにご来店。若い方の行動力と味覚の良さに感激しました(笑)。

通り一辺の売りやすいワインだけに頼った商売ではダメですね。ワインはもちろん売れなくてはダメですが、つまらない没個性もダメ。かといって高過ぎたりアバンギャルド過ぎるのも不可(笑)。

でも、たまに抑えられない衝動に駆られて「絶対に売れっこないワイン」を仕入れてしまうことがあります(笑)。こんな場合はセラーの角に隠すように置き、売る気の無さ100%(笑)。確信犯なのです。何年が経ってから、「あれ?こんなワインあったんだ?」と知らんぷりをして飲む(笑)。家内にもお客様にも見つからないように隠密裏に実行します(笑)。長いスパンのスローな楽しみなのです。
たまにお客様に見つかった場合は「私は好きなんですが、美味しくないかも知れませんよ。」と真実を説きます(笑)

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桝久 試飲会リポート 201501

Feb 02, 2015 by weblogland |
昨日、一昨日と寒いなかご来店ありがとうございました。特に一昨日にいらしたお客様、風邪など召さなかったですか?
重ねて御礼申し上げます。
まずは久しぶりのボルドーの赤。飲み比べていただきます(笑)。
●シャトー ラモット・デュブール 2010年 フランス 赤 ボルドーA.C.750ml 1071円税別
●シャトー レ・ペルリーグ2013年 フランス ボルドー 赤 グラーブA.C.750ml 1556円税別

「1番目のワイン、これって普通に美味しい。」
「ゴージャスじゃないけれど、あざとさや邪魔な部分がないよね(笑)。」
「あれ?色が全然ちがいますよね。2番は紫色!」
「そうそう。1番は縁にレンガっぽい色が出てるよね。えーと1番はヴィンテージが2010年だ!」
「1番のワイン飲み頃だよね。普通に美味しい(笑)。」
「セパージュは何ですか?」
私「1番のワインはメルロ55%、カベルネ・ソーヴィニヨン30%、カベルネ・フラン15%。ですね。アントゥル・ドゥ・メールの真ん中で造られています。」
「なるほど、メルロが主体ですな(笑)。でもわりとしっかりしてるよね。」
私「あまり華はないのですが、ちゃんとしているかと(笑)。この点、今風のフレッシュ&フルーティーなアントゥル・ドゥ・メールとはちょっと違うかなと(笑)。」
家内「開けたて、1番のワインを飲んだ時 右岸若しくはブール産ワインと間違いました(笑)。」
「こんなに安いワインでも時間がかかるんですね。それって品質の良し悪しなんですか?」
私「新しいヴィンテージで直ぐに美味しく飲めるワインは抜栓してから味わいが良くならないことが多いですね。」
「何故ですか?」
家内「技術の進歩でもあるんですが、微細な空気をワインに送り込み酸化を早めたりします。」
私「まあ、ドーピングに近いかな(笑)。あまりやり過ぎると不自然にはなります。」
「それでも売れれば良しなのかな(笑)?」
私「決めるのは飲み手です(笑)。マスキューは流されるのみ(笑)。」
「いや違います!マスキューさんは誘導係(笑)!」
私「まずい!読まれてます(笑)。」
「2番目のグラーブの赤は強いですね。でも割りとすっと飲める。ブログで予習した通り(笑)。」
「果実味に赤さがあるし、植物っぽさスパイシーっぽさもある。」
私「カベルネ・ソーヴィニヨンが主体でそれにカベルネ・フランとメルロが加わります。カベルネ系の味わいが綺麗に出ているかと。」
「ガリークなどのニュアンスがありますが、土壌由来の特徴ではないのですか?」
家内「土壌はガリークではないんです。ちょっと涼しげですよね。」
「タンニンなども完熟していますよね。でも難しいヴィンテージの2013年でここまで出来るのは大したもの。アルコール分は12%ですから尽力しています。」
家内「補糖もおそらくしていないと思います。」
「何故補糖していないと解るのですか?」
私「上手く言えませんが(笑)、補糖するとアンバランスな感じが出ます。」
「マスキューさん!これって樽熟成してるとしか思えない!でもしていないんですよね?」
私「はい(笑)。私も間違えました(笑)。絶対に木樽熟成していると思ってました。ですからインポーターさんに執拗に聞きました(笑)。インポーターさんはシャトーまで連絡をとって確認してくださいまして(笑)、やはり木樽熟成はしていないとのことでした。」
「まるっきり教本やワイン本とは違う(笑)?」
私「困りますよね(笑)。翌日になると樽のようなニュアンスは消えていきますから、やはり木樽は使っていないかと。ワイン自体が若い性とタンニンの強さによるようです。またこのワインはグラーブらしい軽やかさがあるので、余計木樽熟成していると判断してしまったと思います。」
「なるほど。あと酸も強いですよね?」
「さすが!良くお気づきで!リンゴ酸が強いですよね。多分除梗しないクラシックな醸造法で造られたのではないかと。マロラクティック醗酵をしていながら多量のリンゴ酸があるのは梗に含まれるリンゴ酸の影響かと。」
「マスキューさん、赤ワインって除梗して粒だけで醸造するのが基本ではないのですか?」
私「おっしゃる通り。教本ではそのように書いてあります。実際今風のワインは100%除梗します。でも、本来は房のまま醗酵します。ただ全房醗酵しますと衛生管理が難しいのと、ワインがすぐ飲んで美味しくなりにくいので、今では除梗するのが主流です。」
「それってマスキューさんが嫌う『つんつるてんなワイン』になると言うことなんですか(笑)?」
私「鋭い(笑)!行き過ぎると似たり寄ったりのワインになりがちです。」
「ある種のグローバリズムの弊害ですな。」
家内「濃くて飲みやすいワインは出来たのですが、どれも似てしまう傾向があります(笑)。」
「品質は良くはなったが、問題点も出てきたんですね。」
私「おっしゃる通り!」
「マスキューさんが言うワインの良し悪しって翌日飲んでも美味しいことですよね?」
私「はい。ダメなワインは抜栓してから味が落ちる一方です。」
「2番目のグラーブはこの先どうなって行くか知りたくなるワインですね。」
「マスキューさん、どうなりますか?」
私「解りません(笑)。だからこそ知りたくなりますよね(笑)。」
「解ったところで何なんだと言えばそれだけのことだけど、それが楽しい(笑)!」
私「奥深い発言(笑)!でも、それだけのことなんですよね(笑)。」
「ちなみに奥さんと店長は1番と2番のどちらが好きですか(笑)?」
私「うーん。厳しい質問ですね(笑)。」
家内「私は1番かな(笑)。」
私「2番目です(笑)。」
「食べ物に合わすとしたら何ですか?」
私「定番ですみませんが、乳臭い子牛かな」
「じゃあ、ラム肉も大丈夫ですね(笑)。」
「ジンギスカン鍋だぁ(笑)。」

さて、お次は馴染みのない最北のブルゴーニュの赤ワインです(笑)。
●ブルゴーニュ コート・ドーセール 2010年 ドメーヌ グラン・ロシェ フランス ブルゴーニュ 赤 ブルゴーニュ コート・ドーセールA.C.750ml 2213円税別
「たしかにピノ・ノワールの味。ところでコート・ドーセールってどこ(笑)?」
私「シャブリの近くですが、ロワールの方が近いかな(笑)。」
家内「マスキューの定番『サン・ブリ』を造っているドメーヌ・グラン・ロシェの赤ワインです。フィロキセラ以前にはワインの集積地・産地として栄えていたようです。」
「まあ、サンセールやシャンパーニュでも赤のピノ・ノワールは造られてるから、不可能じゃないんでしょうが マスキューさんまた変わったワイン探してきましたね(笑)」
私「最北だけあって作柄の厳しい時は造れないようです。2012年は良かったようです。アルコール分も12.5%まで上がっています。」
「ピノ・ノワールには違いないんだけど、ブルゴーニュのピノ・ノワールとはちょっと違うよね(笑)。プラムっぽいかな。」
家内「ラズベリーやチェリーが支配的ではないですよね。」
私「プルーン?ちょっと黒さが混じるかな。」
「密度感があって良いですね(笑)。質感からすると良いワインだね。」
家内「翌日に飲む方が美味しい。ポテンシャルが高いですね。」
「あー、たしかに昨日開けたワインと今開けたワインは違う!翌日の方がしっとりしていて、果実のニュアンスがはっきりしている(笑)。」


さて、今回唯一のボルドー・ブルゴーニュ以外の赤!
●クローズ・エルミタージュ 『レ・ザマンディエ』2012年 ドメーヌ・デュ・ミュリネ フランス ローヌ 赤 クローズ・エルミタージュA.C. 750ml 2914円税別
「マスキューさんはローヌ好きだなぁ(笑)。」
私「ついつい(笑)。」
「あー、美味しい。でもエマニュエル・ダルノーのクローズ・エルミタージュとはスタイル違いますね!ヴィンテージは同じでもだいぶ違う。」
私「さすが!エマニュエル・ダルノーの方が強い感じですよね。でもアルコール分は同じ13%です。造りの思想が違うように思えますよね(笑)。」
「このワイン、すっごくシラーらしい。肉肉してる(大爆笑)。」
「あと、今までのワインと比べるとグンと甘い。」
「ベリーの香りに、コーヒー・チョコレート・タバコ?ベーコン?」
「昨日開けたワインの方がスパイシー!飲みやすいけど芯がしっかりしてる。」
私「このワインも木樽熟成していません。シラーだけの香りです。」
「えー!教本とは違う!」私「不思議ですよね。でも樽熟成由来のタンニンは感じません。」
「どう言うことなんですか?」
私「木樽由来のタンニンは収斂性がありますが、果実由来のタンニンは重さとして感じます。ワインの中での溶け込みも良いです。」
「教本ではチョコレートやタバコの香りは樽由来と書いてあるけど、違うんだ!」
私「断定は出来ないようですよね。」
「マスキューさん!このシラーは香りが強く立ちませんよね?」
私「良くお気づきで!これが本来形かと。若くて香りぷんぷんのものは木樽の香りです。口の中に入れて香りが解るのが本来かと。じんわり香りが解るようなニュアンスがシラーにはあるかと。」
「シラーって良いですよね。グルナッシュと比べると格が違うよね。でも、エルミタージュやコート・ロティなんか10年以上待たないと飲めないし、高いし(笑)。一筋縄じゃいかないですよね(笑)。」
「悩ましいし、深い。ピノ・ノワール同様に深みにはまると大変(笑)。」
家内「合わせる料理も家庭料理じゃ無理(笑)。」
「そうするとこのワインの価値はこの辺にありかな?」
私「我が意を得たり(笑)!」

さて、後半戦はクラシックな白!まずはボルドーからです(笑)。
◯シャトー リクーニュ ブラン 2010年 フランス 白 ボルドーA.C. 750ml 1572円税別
「マスキューさん!ブログで見ましたよ(笑)。値段間違えたんですか(笑)?」
私「知ってました(笑)?まあ、高く間違えた訳ではないのでお許しを!」
家内「そんな訳なので在庫限りでお許しを!」
「うーん。飲んだ感じでも値段間違えたの解りますね(笑)。」
私「ひょえー、ありがとうございます。」
「セミヨンが入ると良いですね(笑)。たしかに昔、良く飲んだような気がする(笑)。」
家内「ヴィンテージが2010年で、今飲むのがベストですよね。」
「ソーヴィニヨン・ブラン100%とは在り方が違うんですね。とげとげしていない。プラスチックみたいな香りは何ですか?」
私「いわゆるエステル香です。暑い夏を経た作柄のワインに出がちです。2010年の夏は暑かったようです。」
家内「エステル香は出過ぎると良くないんですが、まあ許せる範囲かな。」
私「香りが立つのを助ける程度ならイイかな。あと熟成を経ると目立つ傾向もあります。」
「サンセールなんかは別にしても、ソーヴィニヨンブランって濃く造ると 痛い(笑)。ここのところずっとソーヴィニヨンブラン100%が流行っているから 痛いワインが多いんだよね(笑)。」
私「樟脳嗅いでるようなワインありますよね(笑)。」
「あっ、何処だか解った(笑)!」
「濃さもあるし、塩梅が良いよね(笑)。食事しながら飲みたいよね。」
「バランスが良いから安心して飲める(笑)。」
「こんな白ワイン、毎日飲めたらイイね(笑)。」

クラシック・ファンは健在でした(笑)!


さて、今回試飲会の白眉!
◯ヴィレ・クレッセ『テロワール・ド・クレッセ』2012年 ドメーヌ・デ・ギャンディス フランス ブルゴーニュ 白 750ml 2414円 税別
「マスキューさん!ブログから旨いオーラ出てましたよ(笑)。」
私「分かりました(笑)?まあ、飲んでみてくださいませ(笑)。」
「…旨い…。」
家内・私「ありがとうございます。」
「旨いには理由は要らないって感じ。」
「旨味をすごく感じますよね。旨味は旨さに繋がる(笑)。」
私「昨日はグレープフルーツやレモンのニュアンスが支配的でしたが、今飲むと高級なシャルドネらしいアプリコットやヴィレ・クレッセらしいトロピカルなマンゴーみたいな香りもしてきました。ヴィレ・クレッセとしたら完成形かと。」
「ブルゴーニュの1級品だな。よく見つけましたね!」
「ブルゴーニュのシャルドネってバカ高いけど、こんな掘り出し物あるんですね。」
家内「ただ数があまりないので…。」
私「週明けに追加オーダーするつもりですが、恐らく無くなっているかと。あまりブログで煽らないようにしたつもりでしたが、バレバレでしたか(笑)。」

こうなったらヤケクソです(笑)。
この価格でこんなに美味しいシャルドネはありません!
あー、スッキリした(笑)。

昨日、一昨日とありがとうございました。

桝久商店 岡本利秋・昭子

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ポルトガル南部アレンテージョの赤ワイン『ガリトス』

Nov 23, 2014 by weblogland |
ふふふ(笑)。

今、マスキューの店内に入って、すぐ目につくところに隠し玉があります(笑)。

ポルトガル南部アレンテージョの赤ワイン『ガリトス』です。並べてある数だけですので、あまり大々的に売り出せませんが、お買い得!

780円税込みで売ってますが、味わいはお値段以上(笑)。実はこの価格、我々が通常仕入れるより安い。もちろんマスキューが赤字で売ってる訳ではありませんが(笑)。インポーターさんの在庫調整の一環でのスポット特売です。

スクリュー・キャップで扱いやすく、軽く飲める今風のワインですが、とてもしっかり出来ています。赤い果実味がとてもチャーミングなのです(笑)。真っ黒で樽香の強いポルトガルワインではなく、明瞭さがあって毎日でも飲みたくなるデイリーユースの良品なのです。

高級ではありませんが、普通に美味しいのです(笑)。

お買い得ですぞ!

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桝久 試飲会リポート 2014年

Sep 29, 2014 by weblogland |
昨日一昨日とマスキュー試飲会にお越しいただきありがとうございました。

今回は怒涛の赤ワイン5連発(笑)。季節の移ろいを感じていただけましたか(笑)?

まずは今回の試飲会唯一の白からです(笑)。
◯ソーヴィニヨン・グリ 2013年 ドメーヌ・デュ・コロンビエ フランス ロワール 白 V.D.P.デュ・ソーヴィニヨン・グリ 750ml 1823円税込み
「マスキューさん!ソーヴィニヨン・グリなんて聞いたことありませんよ(笑)。変な品種探しましたね(笑)」
「ソムリエ協会の教本にはソーヴィニヨン・グリは載っていますが、どんなものかは知らないですよ(笑)。」
家内「ソーヴィニヨン・ブラン種の変異したもののようです。果皮がピンク色。」
「(写真を見ながら)ホントだ。ピンク色。ソーヴィニヨン・ブラン種って普通はグリーンですよね。グリ色ってことなんですね?」
家内「日本語訳だと灰色と訳されることが多いようですが、色のちょっと濃い桃色が近いような気がします。」
「そうそう、扁平に潰れた形の桃の色に近いよね!」
良くご存知で!
のっけから白ワインの品種の色で大盛り上がりです(笑)。
「味も桃系の味がする!ソーヴィニヨン・ブランっぽくない。凄く厚みもある。」
私「このワインはロワールの下流のナント地区で造られています。ミュスカデの産地で有名なところです。」
「でも、ミュスカデみたいに水っぽくないよ(笑)。凄く強いですよ。」
私「そーなんです。かなり真面目に尽力してますよね。」
家内「面白いのが、温度が上がると味が変わります。」
しばしグラスを手で暖め試飲再開!
「あれ?ハチミツの香りしますね。」
「マスカットだぁ!」
私「メロンっぽさもあるかな。」
「ゲヴュルツトラミネールに間違えそう(笑)。とにかく香り方が半端ない。」
「こんなスタイルのワインは初めて!ソーヴィニヨン・ブランとは似ても似つかない。マスキューさん!なんでですか?」
私「解りません(笑)。不思議ですよね。香りの分量と幅が広いですよね。従来のパターンに当てはまらないところ斬新ですよね(笑)。」
「ところでこの白ワインはどんな食べ物に合わせますか?」
家内「キャベツと豚肉を重ね煮したような鍋なんか合いそうですよね。キャベツの芯が甘~くなって、豚肉の脂がとけて…。考えただけで涎が(笑)。」
「ベースのタレは?」
家内「味噌ダレなんか鉄板かな(笑)。」
「和食っぽいテイストに合いそうですね。」
「単純に焼いたベーコンや生ハムなんかも行けそうですよ(笑)。」
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桝久 試飲会リポート 2014年7月

Jul 28, 2014 by weblogland |
あつーい中、わざわざ足を運んでいただき、本当にありがとうございました!

予想通り、ご来客は夕方に集中しました(笑)。特に金曜日は7時頃がスタート(笑)。嫌な予感的中です(笑)。
でも土曜日は混雑を避け、暑い日中からわざわざご来店いただき恐縮です。

「あ・つ・い~。今日は人生の中で一番暑い日かもしれない(笑)。でも夕方は混みそうだから、来ちゃいました(笑)。」
私「ありがとうございます!まずはこれで身体を冷やしてくださいね!」
●サンソ・テンプラニーリョ・フリザンテ・ロサード 2012年 ヴァル・サンソ スペイン ロゼ 微発泡 カステーリャ・イ・レオン V.D.T.750ml 1190円税別
「おー!こりゃいーね(笑)!暑い時はこうじゃなきゃ(笑)。」
「でも、一気に1本飲んじゃいそう(笑)。危険かな(笑)?」
「バラやベリーの香りがすごいね!香水みたい(笑)。」
私「ちょっと残糖がありますが、うんと冷やして飲むにはちょうど良いかと。」
「そーだよね。甘みは絶対必要(笑)。」
家内「でも、アルコール分は9.5%ありますから、いつの間にか酔います(笑)。」
「ビール代わりに飲むには危険だな(笑)。」
「マスキューさん、色はロゼですけれど、これって赤ワインなんですか?ものすごく赤ワインの香りがしますよね?でもテンプラリーニョってこんなに香り出ませんよね?」
私「黒葡萄のテンプラリーニョのアロマだけ取り出して増幅させたような味わいは斬新です。黒葡萄を直接圧搾することと、炭酸ガスが充満する工程を維持することでこんな味わいが出来たようです。」
「ボジョレーなんかでよくやるマセラシオン・カルボニック法ですか?」
私「それの応用編かと。」
家内「ガス圧は3気圧弱ですが、ガスが入っているために酸化しにくいです。開けてから冷蔵庫に入れて置けばかなり持ちます。」
「一石二鳥だ(笑)。」
「先月の試飲会でこれの白が出ましたよね?あれはグレープフルーツの香りが素晴らしかった。サンソはワイン造りが上手なんですね。」
「僕はソーブレ・リアスの大ファンなんですよね(笑)。」
家内「サンソのハビエルさんってスペイン人らしからぬ真面目な人で、科学者みたいな方ですよ(笑)。3.11の二日前にマスキューに来てくれました。特に白ワイン造りは上手です。」
「あの時ですか?ちゃんと帰れたんですか?」
私「先日来日してましたから、大丈夫だったみたいです(笑)。」
私「最近のスペインの評論誌でフリザンテ白が89点ついてました。」
「じゃあ、ロゼは90点以上かな(笑)。」
私「残念ながらロゼは掲載されていませんでした(笑)。ロゼは斬新な点、白を上回るワインだとは思いますが。」
「暑い今飲むならロゼは95点だ!」
私「T.P.O.が大事ということで(笑)…。」
ちなみに本日のトップセラーとなりました。

さて、つづいてはイタリア シチリアの斬新な白ワインです。
◯アンジンベ 2012年 クズマーノ イタリア シチリアI.G.T.白 750ml 1800円税別 
「爽やかだけど濃いね(笑)。」
「酸がしっかりしてる。香りが凄く良いね。」
「グレープフルーツの香りに苦味がある。ピールのニュアンスかな?」
「グレープフルーツを丸かじりしたよう(笑)。」
「桃っぽさもある。わりとトロピカル?」
家内「このワインはイルソリア70%、シャルドネ30%。在来のインソリアだけですと、力が強すぎるためにシャルドネを30%入れたようです。」
「シチリアのワインって力づくでぶっきらぼうな印象あったよね(笑)。」
「なるほど、じっくり飲むとハーブみたいなニュアンスもあるんですね。ソーヴィニヨン・ブランっぽいですね。」
「品種が何か?ってこだわると迷宮に陥るな(笑)。」
私「そーなんですよね。特に白はブラインド・テイスティングしたら当たらない当たらない(笑)。」
「何でですか?」
私「醸造技術の進化、とくに低温管理が普及したお陰で、どんな暑いところでもフレッシュ&フルーティーないわゆるアロマチックな白ワインが出来るようになりました。簡単に言うと、産地地図と葡萄品種が重ならなくなりました(笑)。」
家内「飲んでみると普通はどこいら辺でどんな品種で造ったか解りますが、最近は解りませんね(笑)。」
「それって困った亊なんですか?」
私「ある意味夢を壊す(笑)。でもワイン自体は人間が造り上げるものですから、必然かも知れません。」
「資格は意味が無くなる(笑)?」
私「うーん。そこまでは言い切れませんが、難しくなるのは避けられません。」
家内「従来の固定観念に囚われ過ぎると足下をすくわれます(笑)。知らない産地で、あっと驚くワインが造られたりすることを見逃したりしますから(笑)。」
私「品種や産地が当たらなくとも、どんな造り方がされたかをテイスティングで再現する能力が大事になってきました。」
「ところで、この栓カッコいいですよね(笑)。ヴィノ・ロックでしたっけ?」
「ちょっと簡単過ぎて頼りないけど(笑)。大丈夫なんですね?」
私「そーなんですよね(笑)。今飲んだ限りは大丈夫なんですよね。あまりに暑いと瓶内が膨張して開きそうですが、ちゃんと温度管理して輸送すれば大丈夫みたいですね。今度実験してみますね(笑)。」
「このヴィノ・ロックは他のワインにも使えるので、私は集めています(笑)。」
私「たしかに、集めたくなりますね(笑)。」
全てが斬新なのです。

そして今年マスキューのコストパフォーマンスNo.1の赤ワインです(笑)。
●ペズナ 2006年 ドメーヌ・ド・フォンデュース 南フランス コトー・デュ・ラングドックA.C. 750ml 1389円税別
「たしかにNo.1というだけあるね(笑)。旨い。」
「高級ワインみたい(笑)。」
家内「ベーコンみたいな香りがします(笑)。」
「そうだ。ベーコンだぁ(笑)。何故ですか?」
家内「熟成香かと。木樽と葡萄由来の熟成した香りかと。」
「樽熟成するとスモーキーになるんですか?」
私「はい。木樽の内側を焦がします。その塩梅でワインの香りやスタイルは変わります。」
「熟成香ですか。2006年だから8年ですか。色もグラスの縁はオレンジがかってますね。真ん中は黒いけど。あとスパイシーですよね。」
私「シラーっぽいですよね。ベリーのニュアンスもシラー由来かと。インクっぽいのはグルナッシュかな。」
「スモーキーですが、果実味もしっかり溶け込んでますよね。完成してますな(笑)。有料なラングドックだね。」
私「ありがとうございます。通常ラングドックのワインは長持ちしませんから、このワインは特殊かも知れませんね。」
家内「ラベルに書いてある『ペズナ』は産地の村名なのですが、2011年産からラングドック・グラン・クリュを名乗れるようです。」
「ソムリエ試験の教本には載ってないですよ!」
私「まだ改定が追いつかないんですね(笑)。レギュレーションはしょっちゅう変わりますから(笑)。」
「このワインは2006年なんですが、どうやって熟成されたのですか?」
私「セラーで木樽熟成した後に瓶詰めして、そのままセラーで寝かされていたものです。ですから状態が非常よ良いかと。」
家内「造った蔵でそのまま熟成させたものが一番状態が良いですね。」
私「マスキューも古いワインは極力蔵出しのものを選びます。」
家内「インポーターさんもそれを見つけて1ロット輸入したようです。」
「じゃあ、それが無くなったら終わりですね。」
私「はい。残念ながら…。」


さて、いよいよ本日の本丸。暑いなか重いワインでスミマセン!
●ブルゴーニュ ピノ・ノワール ヴィエイユ・ヴィーニュ 2012年 ドメーヌ・ド・ベレーヌ フランス ブルゴーニュ 赤 750ml 2858円税別
「マスキューさん。ブルゴーニュとは珍しい(笑)。」
私「読まれてますね(笑)。けちなマスキューがブルゴーニュワインを扱うのは久しぶりかな(笑)。」
「ピノ・ノワールってイイなぁ。純粋だよね(笑)。」
「美しくて好きなんですが、これって男性的でもありますよね?」
私「さすが!実は強いんですよね(笑)。今風のブルゴーニュは弱っちいんですが(笑)。クラシックなブルゴーニュって強さがあります。」
「D.R.C.のワインに似てるよね(笑)。」
さすが!オールド・ワイン・ラヴァーのKさん。
「今のブルゴーニュは葡萄粒だけで醗酵しますが、クラシックなスタイルは房ごと醗酵します。まさにD.R.C.もそのやり方です。」
「房ごと醗酵すると強くなるんですか?」
私「はい。梗のタンニンとリンゴ酸が加わりますから強く感じます。ただ飲み頃になるのに時間がかかります。ですから、すぐ飲みやすいスタイルが主流の昨今、全房醗酵のブルゴーニュはレアな存在です。」
「へぇー。ソムリエ試験の教本だと、赤ワインは除梗して粒だけで醗酵すると書いてありますが?」
私「はい。あくまでそれは今風です。20年を越える熟成を経て熟成の魔術を経験出来るのは、全房醗酵のブルゴーニュしかありません。」
家内「ファースト・インプレッションを大事にする今風のワインは、それだけでも意味はあります。でも、熟成しません。時間の経過で、より飲みやすくはなりますが。」

さて、続いてはクラシックな今風の超大物
●シャトーヌフ・デュ・パフ 2010年 ドメーヌ・グラン・ヌヴェール フランス ローヌ 750ml 4285円税別
「とにかく凄い(笑)。言い表せない(笑)。」
「でも、飲みにくい訳じゃない(笑)。飲みやすい。すいすいは飲めないけど(笑)。お腹にはたまるかな(笑)。」
「ヘビーですね(笑)。圧倒的だな(笑)。普通じゃないね。」
「甘さとタンニンが物凄い。飲み終えても味がいつまでも口の中から消えない(笑)。」
家内「アルコール分は15%を越えていますが、それほどアルコリックに感じません。」
「何故?」
家内「酸とグリセリンにマスキングされているからかと。」
私「潜在アルコール分は17%ありますから、未醗酵の糖分が2%ほどあります。ちょうど今日最初に試飲していただいたフリザンテほどの残糖分です。でもテイスティングしても解りません(笑)。」

ここで、先ほどのニコラ・ポテルのブルゴーニュとギョームのシャトーヌフの7月17日に抜栓したものと比べていただきました。昨日今日の抜栓したものと、抜栓後8日以上経ったものと比べていただきました。
「マスキューさんらしいな(笑)。そんなに高いワイン開けてたら赤字だよ(笑)。」
私「読まれてますね(笑)。でもこうしないと気がすまないんですよね(笑)。」
「どっちもあんまり変わらない(笑)。でもブルゴーニュの方は8日前の方が強いかな?香りは今日抜栓したほうが強いけど…。」
「私は8日前のブルゴーニュ好きかな(笑)。酸味は強いけどしなやか。」
私「ブルゴーニュの方は酸っぱさは増してますよね。ただし酸化して酸っぱくなったんじゃなくて、隠れていたリンゴ酸が出てきたように思います。ライムやレモンの新鮮な酸っぱさだからです。」
家内「シャトーヌフの方は今風のクラシックですね(笑)。これほで酸のあるシャトーヌフは珍しい。大概のシャトーヌフは抜栓後2、3日で駄目になります(笑)。」
私「シャトーヌフの方は8日前に抜栓した方は残糖分を感じます。ただしタンニンの壮麗さは増しています。ワインを飲み干した後に、舌の上にタンニンの城が一気に建造されるような凄さがあります。」
「シャトーヌフはどちらも変わらない(笑)。どれほどの生命力なんだろう?」
私「どちらも20年以上は持つはず。私の余命より長いはず(笑)。」
「マスキューさん。ブルゴーニュの方は熟成するとどうなるんですか?」
私「熟成も酸化ですが、20年後が今日の実験で再現出来た訳ではありません。この実験は生命力の強さは確認出来ても、熟成した将来を再現できません。」
家内「瓶内の還元状態で時間をかけると、まず色が薄くなります。あと酸がタンニンやアルコール分、水分などと重合します。」
私「今飲むと、膨大な広がりがある酸が一つ一つの粒のようになり、舌の上を転がるような心地好さになります。柔らかな甘み。吹き出す香り。ブルゴーニュはきっとこうなるはず。でもシャトーヌフはどうなるか解りません(笑)」
家内「少なくとも20年以上は持つはず。」
私「良いワインはすぐに手の内を明かしてくれません(笑)。」

8日前に抜栓したワインは途中で無くなり、皆さんに行き渡らなかったことお許しください。

暑いなかお越しくださりありがとうございました!

桝久商店 岡本利秋・昭子

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『ガブリッチョ』美味しいですね

May 02, 2014 by weblogland |
試飲会のおさらいです(笑)。

うーん。

『ガブリッチョ』美味しいですね(笑)。
昨日試飲会の残りの『ガブリッチョ』を飲み干しました。素晴らしい生命力ですね。時間の経過につれてディテイルは明瞭さを増します。香りの総量は増しませんが(笑)、構造はガッチリ。崩れませんね。タンニンの滑らかさも不変。一週間近くたってもマディラ香とは無縁です。
このワイン ヴィンテージは2007年ですけれど、まだまだ先々向上しますね(笑)。
もちろん除梗した今風のワインではありますが、必要以上のポテンシャルがあります(笑)。ちょうどウンブリアのファレスコが造るマルチリアーノに似ています。
飲み手を試すような気風漂うグレートワインですね。「俺を飲むのは勝手だが、ちょっと飲んだだけで解るかな(笑)?」
飲み手の想像力を越えるものがあります。
こんなワインに出会った時、幸せを感じますね(笑)。

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2013年 心に残った赤ワインの発表です(笑)!

Dec 17, 2013 by weblogland |
うーん。

やはり、驚きの生命力をみせたイタリア ウンブリアでファレスコが造る『マルシリアーノ2000年』ですね。想像以上の生命力には度肝を抜かれました。言わば今風の頂点にあるワインなのですが、熟成能力はナンバー1かも?濃いだけで熟成しない今風のワインが多いなか、あの隠れた力は畏れに近かったでしたね。知らない世界がちょっと解ったような気がしました。
あと、今月の試飲会のトリを飾るアダンティのサグランティーノ・ディ・モンテファルコ2006年も良かったです。ジビエの為にあるワインですから癖もありますが、圧倒的な旨味と深みがあります。インポーターさんの試飲会で飲んだ折り、意地悪な私ですら言葉を失いました(笑)。23日のマスキュー試飲会で出ますから楽しみにしていてくださいね(笑)。
期せずしてウンブリアのワインが2本出ちゃいました(笑)。
そうそう、フランス ボルドー サン・テミリオンのエタンダール・ド・シャトー・ヴァラッド2010年も良かったです。このワインは言わばセカンドなのですが、数合わせのセカンドじゃありません(笑)。優良なサン・テミリオンの良さを思い出させてくれました。シャトー・ヴァラッドをまだ飲んでいないのが、惜しまれてしょうがありません(笑)。
あと、エスピエのジゴンダスには相変わらず心惹かれますね。今のローヌではきっとピカ一でしょう。
そうそう!南フランス サン・シニアンのパン・デ・マルグリットの『ルーガベル』はいわゆるビオ・ワインの絶品でした。あんなに安いのが不思議(笑)。
そうなるとエンリケの『ラ・リニア』も素晴らしかった!あれで買い酒とは…。実に旨かった(笑)。

このペース挙げて行くとキリがありませんね(笑)。

番外編、今年私が一番数飲んだ赤ワインは、恐らくオーストリアのヘレラーが造る『ツヴァイゲルト』ですね。お世話になりました(笑)。

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桝久 試飲会リポート

Oct 28, 2013 by weblogland |
昨日は悪天候が懸念されるなか、わざわざのご来店ありがとうございました。
最初はどうなることかと心配しましたが、台風一過の4時頃に一気にご来店が集中しパニック(笑)。改めて感謝申し上げます。

さてトップバッターは
サンソ・テンプラニーリョ・フリザンテ・ロサード 2012年 ヴァル・サンソ スペイン ロゼ 微発泡 カステーリャ・イ・レオン V.D.T.750ml 1250円税込み
「お~!これはフルーティー!赤ワインのフルーティーさですよね。でも飲んだ感じは白(笑)。」
「こりゃ、飲みやすい(笑)。女子会で飲んだら受けるだろうね。」
私「鉄板です(笑)。」
「ちょっと甘いけど、べたつかないからいいね。」
家内「残糖分が1リットル中25gほどあります。ワインのアルコール分を9.5%に抑えて甘さを残したようです。後から加えた甘さではありませんね。」
私「そのまま完全に醗酵させたらアルコール分11%くらいのワインになります。若い葡萄樹などを原料にしてるかも。」
「『大日本ロゼワイン普及協会』C.E.O.の私はこのワインを推奨いたします(笑)。」
「私、結構ロゼワインが好きで飲みますが、経験したことのないスタイルです。香りは赤ですが、赤ワインのタンニンがないワインとでも言えば良いか…。」
「色はたしかにロゼだけど、新しいタイプのワインですよね。ラベルにもロサードって書いてないし(笑)。」
私「さすが良くお気づきで!ハビエルさんの意図もそこにありそうですね(笑)。」
「マスキューさん、この香りってテンプラリーニョなんですか?」
私「ふっくらした薔薇の香りと赤いベリー、ストロベリーなんかが溶け込んでいますよね。まさにテンプラリーニョかと。今流行りのテイスティング分類だと第二アロマになりますが、品種の特徴がハッキリ出てます。」
「でも、第二アロマって醗酵の過程で出るもので、葡萄果由来の物ではないんでしょ?」
私「あの分類はあくまで仮説(笑)。すべては説明できていないかと。」

さて、一月の試飲会に引き続きハビエルさん渾身の『ソーブレ・リアス』の比較試飲です(笑)!
ヴィーニャ・サンソ 『ソーブレ・リアス』 2011年 ヴァル・サンソ スペイン 白 ルエダD.O. 750ml 2010円税込み
ヴィーニャ・サンソ 『ソーブレ・リアス』 2010年 ヴァル・サンソ スペイン 白 ルエダD.O. 750ml 2010円税込み
「2011年は結構新樽の香り強いですよね?ブルゴーニュっぽいかな?」
「それに比べると2010年の方があまり樽の香りがしませんよね。樽の香りが弱くなってますよね。」
私「どちらも同じように造っています。おそらくアリエ産の木材を使った300リットルくらいの新樽で12ヶ月シュール・リーしています。」
「マスキューさん、これってルエダのヴェルデホですよね?ルエダのヴェルデホってもっと酸があっつフレッシュ感のあるワインですよね?」
私「はい。基本的にはマロラクティック醗酵しないタイプのフレッシュ&フルーティーなワインがメインです。『ソーブレ・リアス』は常温で樽熟成しながらシュール・リーしますから、マロラクティック醗酵は自然に起きます。この点、いわゆるルエダのヴェルデホとはちょっと違うスタイルであり、斬新な試みかと。」
「私は、熟成に木樽を使うと樽のニュアンスが減ることはないと思ってました。熟成につれ果実味が痩せて行き樽香は最後まで残るものだと思ってました。でも『ソーブレ・リアス』はあきらかに2010年の方が2011年より樽のニュアンスが少ない。何故?」
「2008年はもっと樽のニュアンスが少なかったよね。」
「そうそう2008年は新樽を使っているとは思えなかったよね。しかもキノコみたいな旨味がタップリ(笑)。松茸でしたっけ(笑)?」
私「2011→2010→2008の流れではあきらかに樽香が弱くなっています。それは逆に樽香が弱くなっているというより、閉じていた酸が表に出てきたことにより樽香を凌ぐようになったと考えていただけると『ソーブレ・リアス』を理解できるかと。旨味が徐々に出てくるのかなと。」
家内「『ソーブレ・リアス』は一本の葡萄樹からハーフボトル一本ほどの超低収量です。中に詰まっている酸やミネラルなどの分量はとてつもないレベルです。しかも畑はプレ・フィロキセラというからビックリ(笑)。」
「コストかかってるんですね。でもなんでこんなに安いんですか(笑)?」
私「基本的に雨がほとんど降りませんから葡萄が太らない(笑)。」
あと試飲会の終わり頃に2010年から松茸の香りがほんのり漂ってきました(笑)。やはり2011→2010→2008と続くようですね。たった1本のワインを理解するには大層時間がかかります。これが真実ですね。もっともダメなワインはすぐに解りますが(笑)。

続いてハビエルさんの新たなチャレンジ。リオハの赤ワインです。
リオハ ラクリムス・レックス 2010年 ヴァル・サンソ スペイン リオハD.O.赤 750ml 1320円税込み
「あっ!これイイね(笑)。好きだな~。」
「ケチ臭くないよね(笑)。飲みやすいけど、満足感あるよね。」
「リオハのワインって、こんな感じじゃないですよね?もっと枯れたような落ち着いた感じかな?ちょっとニューワールドっぽいけど、経験したことのない味。」
「ガルナッチャってグルナッシュですよね?でもこんなグルナッシュないよね(笑)?」
「そうそう。レイシスなんかとはまるで違う(笑)。でも、好ましいかな。」
家内「グルナッシュ75%とグラシアーノが25%です。グラシアーノって初めて飲みました(笑)。どんな葡萄かと調べると、通常の葡萄より開花は遅く収穫も遅い(笑)。酸も強く扱い難いようです。今風のワインには使われないでしょうね(笑)。」
私「このワインに緩さがないのが、グラシアーノの性かも知れませんね。グルナッシュに圧倒的な甘さや強さを求めると平板になりがちですが、それがない。ミネラルや酸がしっかり入ってバランスが取れています。ただリオハらしくない(笑)。」
家内「畑も新たな地域で、伝統的な地域ではありません。標高も500mを越しますので、リオハでは異例の高さです。」
私「抜栓直後はまだガスっぽさがあり、出来上がった感じではありませんでしたが、ぐんぐん良くなるんですよね。驚くほどです。」
家内「原産地原理主義者の私は、実はこのワイン苦手なんです(笑)。」
私「これだけリキュールっぽい濃厚で明瞭なスタイルは少なくともリオハにありません(笑)。だから、今日の試飲会では好みが別れるかと。この点が心配でした。」
「でも、コストパフォーマンスが素晴らしく良いから大人気じゃないですか(笑)?」
私「ありがとうございました(笑)。」
「ところでラベルの絵はなんですか?」
家内「これ恐竜の足跡の化石です。白亜紀の石灰石土壌で恐竜の化石が畑から出るようです。だから箱にもこんな遊びが(笑)。(写真参照)」
「なるほど。恐竜の味なんだな(笑)。」
マスキューのお客様は皆さん既製概念に囚われない、つわもの揃いでした(笑)。

さてマスキューの愛するシャトー・ピネレの久しぶりの登場です(笑)。
シャトー ピネレ 2009年 フランス カオール赤 750ml 1530円税込み
「マスキューさん。以前このワイン随分沢山飲みましたよ(笑)。何年でしたっけ?」
私「前の扱いは2005年でした。この2009年は2005年と遜色のない出来栄えかと。」
「あ~。このタンニンの重さ懐かしい~。カオールって良いなぁ。癒される濃さだよね。」
「肉、肉が欲しくなる(笑)。」
家内「タンニンに重量感があるんですが、とってもクリアなんですよね。シャトー・ピネレの一級品たるところです(笑)。」
「店長!実は先日2008年のこのワイン飲んだんですが、あまり印象が良くなかったんですよ。もう、終わったような感じでした。でも2009は大違いですね(笑)。」
私「私達もじつは毎ヴィンテージこのワインを飲んでます(笑)。生産者の方には大変申し訳ないのですが、マスキューのスタンスを守るためヴィンテージをジャンプさせてしまいました。でも2007年のロタンティークは入荷させました。安かったもので(笑)。」
家内「カオールは内陸部ですから作柄の良し悪しがかなりあるようです。ポテンシャルは高いのですが。」
まあ、ともあれシャトー・ピネレの復活に皆さん大喜びでした。
あー、良かった(笑)。

さて最後は無名のグラーブの登場です(笑)。
シャトー・ラ・ローズ・ヌエ 2006年 フランス 赤 ボルドー グラーブA.C. 750ml 1770円税込み
「おー、これこれ!いーなー。グラーブらしくて(笑)。」
「軽やかだけど薄くない(笑)。滑らかで良いね。ボルドー好きは応えられないねぇ(笑)。」
「マスキューさん。セパージュはなんですか?」
家内「表記にはありませんが、メルロとフランでしょうね。あと場所もグラーブの中心のペサック・レオニャンではなく、もっと南の甘口ワインのアペラシオン セロンの辺りのようです。」
私「飲み易く造っていますが、2006年でちょうど今飲み頃になっていますから、造りは真面目ですね。簡単に崩れませんよ。ボルドーは割と2006年良い作柄かも知れません。2005年の陰になってますが…。」
「樽のニュアンスがほど良いですよね。ちょっとチョコレートっぽくて(笑)。」
私「樽の使い方を良く解ってますよね。この意識はクラシックです(笑)。」
「この価格帯でグラーブらしいワインってないですよね。よく探しましたね(笑)?」
家内「勘が働きました(笑)。」


ありがとうございました。
桝久商店 岡本利秋・昭子

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まさに今風。しかも最先端行ってます

May 31, 2013 by weblogland |
今風って?

今日ご来店された常連のBさんから質問されました。
Bさん「マスキューさん、ブログで読みましたが、『今風のワイン』ってどんなワインなんですか(笑)?」
私「いつもお世話になっております。ブログご覧でしたか(笑)?簡単に言うと酸が少なくてタンニンが多いワインです。すぐ飲んですぐ美味しいワインとでも言いましょうか?」
Bさん「私のお気に入りの『モラゴン』なんかもそうですか?」
私「はい。まさに今風。しかも最先端行ってます(笑)。」
Bさん「美味しいですよね(笑)?」
私「もちろん!今すぐ飲んでとても美味しいですよ。」
Bさん「今風のワインはどこか欠点があるんですか?」
私「うーん。欠点と言って良いかどうか判断の難しいところですが…。長期の熟成は望めません。数年の内に飲むべきワインです。」
Bさん「なぜ熟成に向かないんですか?」
私「酸が無いことと、タンニンが開きもうワインとしては出来上がっている点ですか。」
Bさん「逆にだから今飲んで美味しいんだ(笑)!」
私「はい。この価格帯では驚くほどの堅牢さもありますから、コストパフォーマンスは高いかと。」
Bさん「そうすると高いワインは今風じゃないんですね?」
私「いいえ。かなり今風が多いです。今風でも、ちゃんと造っていれば熟成しますが、絶対に20年なんかもちっこない高級ワインはざらにあります。」
Bさん「じゃあ、娘の誕生年のワインをとって置くのは…。」
私「正確に熟成を遂げたワインでしたら、蔵出しで20年後に買うのが一番リスクがありません。でも娘さん同様、大事に20年保管した方が思いはありますね。」
Bさん「20年後、娘もワインもぐれていたら最悪だな(大笑い)。」

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昨日はご来店ありがとうございました。

Mar 31, 2013 by weblogland |
夕方ご来店が集中して行き届かなかったことお許しくださいませ。

さて、まずはスペイン ラ・マンチャのニューウェイブ レアル・コンバニーア・デ・ヴィノス の白と赤です。
「この白旨いですね。でも安い(笑)。スペインの白ってこんなに美味しいんですか?」
「ふっくらしてるけどフレッシュで爽やか。」
「美味しいスペインの白って リアス・バイサスとかリエダのヴェルデホくらいしか想いつかない(笑)。ラ・マンチャって暑いところだからもっとぶっきらぼうなイメージがありますよね。」
「これはパエリアに合わせたいね(笑)。」
「それ鉄板(笑)!」
「この白、品種はマカベオですよね。カーヴァの品種ですね。マカベオ、チャレロ、パリリャーダでしたっけ。試験前に覚えたなぁ(笑)。でもこのマカベオはカーヴァとは結び付きませんね。」
家内「カーヴァだと軽い印象がありますもんね。」
私「マロラクティックはしてませんし、アルコール分が過剰になる前に収穫してます。アルコール分は12%です。因みに赤は14%。造り手の意図を感じます。」
「そーだよね。あの辺りの白ってやたら濃くて酸のないワインだよね。」
「暖かい産地のワインって酸がないんですか?」
私「はい。糖度は上がりますが、酸が少ない傾向です。ですから、このワイナリーは徹底的に温度管理しています。」
「マスキューさん。あとこのワイン、雑味がないよね。赤も同様雑味がない。かと言って安物っぽい作為的なところがないのが凄い。」
私「赤は暑い産地らしく香りは立ちませんが、味わいで主張しています。最初はベリー系のニュアンスがほんのり感じます。時間が経つと熟したプラムなどがコンポートっぽく加わります。」
「リオハ辺りのボルドーっぽいテンプラリーニョなんかと比べるとプリミティブですね(笑)。飽きない味わい。」
「この赤、濃さはあるけど滑らかでスイスイ飲める(笑)。」
「全然水っぽくないから満足感ある。飲んだ気になる(笑)。でも飲みやすいから危険だな(笑)。」
「たしかに。気づいたら1本飲んでそう(笑)。」
「でも、マスキューさんは変なところから驚くようなワインを捜しますよね(笑)。」
私「ありがとうございます(笑)。これはなかなかの自信作かと(笑)。」
「ラベルを見ると安っぽいけど(大爆笑)。」
私「ラベルのやる気の無さはこのワインの欠点です(笑)。お許しを!」
「先月の『モラゴン』はラベルデザインは斬新だったよね(笑)。」
「そうそう。あれもう5本くらい飲んだ(笑)。これからこのワインも加わるからバリエーションが増えて助かりますよ(笑)。」
大好評・大爆笑の900円ワインとなりました(笑)。


さて、次はイタリアの個性派 カラブリアのチロです。
「えーと。『空振りチロ(しろ)。』で覚えたな(笑)。このチロ高級なチロですね。カラブリアで飲んだチロはまずかった(笑)。」
私「一応『クラシコ』表示があるのはランクが高いと聞きました。事情通のKさんに褒めていただいて安心しました(笑)。」
「大きな古樽でじっくり熟成させたクラシックなワインですよね。割と標高の高いところで造られたような感じもしますね。」
私「きっと寒暖差がある場所なんでしょうね。」
家内「でもこのワイン何を調べても出てきません(笑)。よく解らない産地があるんですね。」
「たしかに味わいも独特。マスキューさんが言うように田舎臭い(笑)。」
「うんうん。でも、嫌じゃないな(笑)。シンプルだけど揺るがない良さがありますよね。」
「プーリアのプリミィティーヴォに似ていませんか?」
家内「熟した杏とか干し葡萄みたいなニュアンスありますよね。」
私「これも暖かい産地のワインらしく香りより味わいが優先しますね。好みが別れるところかと。」
完売ありがとうございました。週明けに再入荷しますのでご安心を!

さてこれから佳境です(笑)。ジゴンダスのエスピエが造る渾身のローヌ。
「これ、コート・デュ・ローヌですか?私のイメージと違う(笑)。もっとシンプルなのかと思いました。すっごく香りが複雑。折り重なってる(笑)。」
私「通常のコート・デュ・ローヌだと暗いプラムのイメージですよね(笑)。」
「そうそう。でもこれいろんなベリーやら、香草、ミネラル、チョコレート…。」
「ハーブの香りが強い。リキュールっぽさも。」
家内「ローヌというよりプロヴァンスに近い産地です。」
私「このねっとりした舌触りが好きなんです(笑)。ちなみに家内はあまり好きじゃない(大爆笑)。」
「単にコート・デュ・ローヌで人括りにしちゃダメなんですね。」
「セパージュはグルナッシュメインでも、こんなに違うものなんですね?」
私「あと生産者のエスピエの技量によるところが大かと。ほとんど除梗しないでこれほどピュアでクリアなワインを造る生産者はいないはずです。」
「除梗しないってことは…。房ごとワインを造ることですか?」
私「はい。除梗しないと細菌に感染したり、クリアな飲み易さが出にくいのです。管理能力が高くないと不可能です。ですから、今風のワインはほとんど除梗します。」
「このワイン、恐るべしなんですね(笑)。」
家内「あと、チョコレート食べながらこのワイン飲むと美味しいですよ(笑)」
「おー!旨い!」
「なんでチョコレートとこんなに合うんですか?」
「ワインのアロマにチョコレートのニュアンスがあるからかと。」
「チョコレートのニュアンスは樽由来じゃないんですか?」
私「このワインは木樽熟成していませんから、葡萄果由来の味わいです。木樽由来のチョコレート香は立ち上りますが、果実由来の場合は香りというより味わいとして感じます。」


最後はドゥエマーニの『チフラ2011』です。
「カベルネ・フランですな。今日これが楽しみでした(笑)。」
「あー!緻密で深い!」
「広がりますねぇ~。さすがルカ・ダットーマ!」
「香りはまさしくカベルネ・フラン。でもロワールに似てますが、ちょっと違う?」
私「たしかに。ロワールより重いというか…。香りの重心が低いと言えば良いか…。」
「香りが立つと言うより、味わいに香りがある?」
私「ロワールより暖かい産地になりますから、ロワールほどアロマチックにならないようです。」
私「あとタンニンに重さと複雑さがありますから、このワインも除梗していないのかも知れません。インポーターさんに確認してみます。」
「でも、香りを含んだ味の密度感は素晴らしいですね。」
私「同じトスカーナのテヌータ・デ・トリノーロもカベルネ・フランで成功してますから、カベルネ・ソーヴィニヨンよりフランの方が、トスカーナでは向いているような気がします。」
家内「ありがとうございます。畑も他の葡萄畑に隣接するのを嫌い、森を新たに切り開く念の入れようです(笑)。ここまでやるビオの生産者はいません。」
「まだ二回目のリリースですから、まだまだ先のヴィンテージは良くなって行きそうですね(笑)。」
家内「そーなんです。しばらく続けて追いかける必要があります(笑)。」
ルカ・ダットーマ ファンの家内破顔の『チフラ』でした。
どうも、ありがとうございました。


桝久商店 岡本利秋・昭子

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明日は試飲会です(笑)。

Mar 29, 2013 by weblogland |
明日都合のつかないお客様が今日ご来店してくださいました。

お客様「マスキューさん、明日の試飲会行けないから今日来ちゃいましたよ(笑)。えーと。チロのワインに惹かれましてね(笑)。」
私「ありがとうございます。田舎臭くてイイですよ(笑)。」
お客様「そうそう。ホームページ見て飲みたくなっちゃいましたよ(笑)。シンプルで変わらないホッとするようなイタリアワインって最近あまり見かけないですよね?」
私「日本に入ってくるイタリアワインは割と洗練された今風のワインが多いですよね。昔は変なワインが結構輸入されてましたが(笑)、最近はあまり見当たりません。」
お客様「そうそう。当たり外れもかなりあった(笑)。それはそれでスリリングで楽しかったですよ(笑)。」
私「このチロは外しませんから大丈夫です(笑)。癖さえ気に入ってくださればですが…(笑)。」
明日皆さんがどんな感想をしてくださるか、楽しみです。

ご来店お待ちしております。

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ラランド・ポムロールのシャトー

May 11, 2012 by weblogland |
ふふふ、今日また試飲サンプルが届きました(笑)。
今日のワインはボルドーのラランド・ポムロールのシャトーです。ラランド・ポムロールと言えばマスキュー定番のシャトーセルガンがありますが、隠れた銘醸地ですから常にアンテナを張っていなくてはなりません。
今日届いたワインは除梗をする今風のワインなのですが、なかなか良さそうなのです。まず、ヴィンテージが2005年。そして名前だけは聞いたことのある生産者なのです(笑)。どうしてかと言うと、まず名前の通ったワインは高い(笑)。でも注目はされているが、まだ評価されていない生産者は、名前だけは見かけます(笑)。それゆえ、例えばヒュー・ジョンソンのアトラスなどでは生産地の頁で名前だけ記載があるとか、ラベルの写真だけ載っている生産者のワインこそ注目すべきなのです。
お買い得な優良ワインに当たる確率が高いのです。
まずい!マスキューの手の内をバラしてしまいました(笑)。

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どうやらサン・モン村は勝負に出たようです

May 09, 2012 by weblogland |
またサンプル取り寄せちゃいました(笑)。
もちろん有料ですよ(笑)。ただでもらうと断りにくいから、当たり前と言えば当たり前ですか?

じつは、好評いただいているフランス ガスコーニュのプレモン協同組合のワインです。
マスキューでは『エスプリ・ド・ヴィーニュ』V.V. 1999年 と『コレクション・プレモン』 2001年 の2種類を扱っています。ようやく飲み頃となったタナ種のワインです。手強いには手強いのですが、オールドファンや今風のワインに飽き足らない方にはご好評いただいております。逆に拒絶反応を示す方もおられるとは思いますが(笑)。それは好みとして。
またプレモンのワインを見つけました。こんどは1995年です!違うインポーターさんですが、どうやらサン・モン村は勝負に出たようです。熟成したタナ種の代わるものの無い味わいを世に知らしめて、一気にA.O.C.への昇格を狙っているか?はたまた成熟しつつある日本市場こそ、新たな市場となると踏んだか?
私の妄想は止まりません(笑)。

とりあえず飲んでみますね。

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試飲会のラインナップ決まりました!

Apr 23, 2012 by weblogland |
4月28日土曜日、マスキュー店内試飲会を開催します。ラインナップは次のように決まりました。

昨晩飲んだブランケット・ド・リムーとクレマン・ド・リムー旨いには旨かったのですが、味わいにもう少し個性が欲しかったですね。
うーん。
よって今回は5本となりました。

まずはマスキュー定番のマズールの『レ・プラド』2003年です。いままで2000年でしたが、2003年ヴィンテージとなって再登場。
コート・デュ・ローヌ 『レ・プラド』2003年 ドメーヌ・A・マズール フランス ローヌ 赤 750ml 1485円税込み
ご記憶の方がいらっしゃると思いますが。ローヌの古酒を飲み頃になってからリリースするマズールのワインです。
セパージュはグルナッシュ70%、シラー30%の相変わらずの王道(笑)。
さて2003年の味わいはいかに?


さてさて次はフランス南西地方マディランのすぐ北のサン・モン村で造られたクラシックな赤ワインの二連発です。一応A.O.V.D.Q.S.とはいえ、知っている人いるかしら(笑)?の無名なワインです。逆にだからこそこんなにクラシックなワインがあったのかも。しかも10年オーバーの飲み頃にようやく入ったばかりのレアなワインなのです。でも今風のワインが好きな方にはちょっと重過ぎるかも?

●『エスプリ・ド・ヴィーニュ』V.V. 1999年 プレモン協同組合 フランス ガスコーニュ サン・モンA.O.V.D.Q.S. 750ml1575円 税込み
このワインのセパージュは、タナ70%、カベルネ・ソーヴィニヨン15%、ピナンク15%。ピナンクとは在来の品種でフェールとも呼ばれ、オーセロワの亜種のようです。
樹齢30年以上の古木から手摘みで収穫されます。収穫量も低収量で飲んだ感じからすると、1本の樹からボトル1本分くらいしかジュースは取っていませんね。クラシックな低収量です。
熟成は新樽で10ヶ月、その後10年以上の瓶熟成後リリースされたまさに『魂のワイン』なのです。

●『コレクション・プレモン』 2001年 プレモン協同組合 フランス南西部 サン・モンA.O.V.D.Q.S. 750ml 1575円税込み
エスプリ・ド・ヴィーニュ同様の低収量、しかも樽熟成が14ヶ月と長くなっています(新樽1/3、古樽2/3)。セパージュもエスプリ・ド・ヴィーニュ同様ですが、ワインとしてのニュアンスに違いがあるようです。
味わい複雑で立体的。熟成の妙が楽しめます。抜栓直後はかなり還元臭が強いのですが、時間の経過と共に消えて行き、分厚いタンニンの中から果実味が顔を出してきます。

ヘビー級の後は一度舌をリセットしたいところですね(笑)。
ここで果実の果肉だけでできたような、フレッシュ&フルーティーしかも味わい深い白の登場です!

〇モントーナル・ルガーナ2010年 アジェンダ・アグリコーラ・モントナーレ イタリア ロンバルディア ルガーナD.O.C.白 750ml 1770円税込み
マスキュー初登場のイタリア ロンバルディアの白ワインです。
味わいはまさにネクター。桃や柑橘類の果肉だけ搾ったかのようです。余分な雑味がなく、ふくよかなこと、この上ありません(笑)。翌日になるとはっきりしたミネラルを感じますが、冷やして飲むと、驚くほどのピュアネスなのです。
うーん。
こんなワインがあったとは!


そして最後が噂のスーパー・タスカン『カンポラ』1998年です。

●『カンポラ』1998年 ファルキーニ イタリア トスカーナI.G.T.赤 750ml
トスカーナの銘醸家ファルキーニの最上級銘柄です。
ファルキーニと言えばヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノが有名です。私もあの白ワインにはまり(笑)、イタリア最良の白ワインだと、ずっと思っていました。古くからのイタリア・ワイン・ファンにはかように思っておられる方もいるかと。話がそれましたが、ここのキャンティーもなかなか滋味深くて良いのです。ですから『カンポラ』は、私にとって憧れのワインなのです。しかも1998年です。
このワイン、セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン95%、メルロ5%。バリックで24ヶ月熟成後1年間瓶熟成されます。新樽比率を1/3に抑えたところが心憎いスーパー・タスカン(笑)なのです。。
ですからサッシカイアなどのボルゲリのスーパー・タスカンとは趣がちょっと違います。コテコテの樽香優先ではありません(笑)。プルーンやベリー系の赤い果実味が明瞭でカベルネっぽくありませんが、溶け込みがよくエレガント。熟成による複雑さが深みを与えています。
ただこのワイン数があまりないので、試飲の折は一人一杯にてお願いします。
※あと価格は通常は5000円位で販売されるワインなのですが、今回スポット入荷につき破格!
当日かダイレクトメールにてお知らせいたします。お電話でのお問い合わせも可。ちょっと大きな声では言えません。申し訳ございません。

さあ、土曜日が楽しみです!

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マディランのすぐ北のサン・モン村でA.OV.D.Q.S.

Apr 19, 2012 by weblogland |
先日ブログで書いたガスコーニュのワインが今日到着しました!
早速、飲みました(笑)。
場所はマディランのすぐ北のサン・モン村でA.OV.D.Q.S.です。タナが85%にカベルネ・ソーヴィニヨンが15%ですか。1999年の方が新樽で10ヶ月の熟成で2001年が1/3新樽で2/3が古樽で14ヶ月の熟成期間です。
飲んだ印象は…ホンモノ!
除梗もミクロ・オキシダシオンもしてない、実にクラシックなワインでした。
最低10年待つべきワインでした。
まあ、たしかに壮麗なワインではありませんが、実に旨い。
あー、良かった!
私も家内も狂喜乱舞の懐かしいワインでした。
でも今風のワインに慣れた方はどう感じますかね?
どちらも今度の試飲会に出しますので、試してミソ(笑)。
ちなみに価格は税込みで1575円を予定してます。

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『ムスケン』の美味しさについて

Apr 15, 2012 by weblogland |
昨日の続きですが、『ムスケン』の美味しさについてです(笑)。
実は今風のワインは様々な技術が寄与してつくられますが。ムスケンも同様、特にタンニンのクリアネスは除梗によるものかと。除梗することで、まず醸造時のリスクを減らせます。あとワインのタンニンかま果実由来のタンニンだけとなりますから、梗由来のタンニンの特徴である収斂性が無くなります。その結果、若いヴィンテージでもすぐ飲めるスタイルのワインとなります。除梗しないクラシックなスタイルのワインですと、10年位待たないと飲み頃にならない事はザラです。
ただ除梗したワインは似たようなワインになりがちです(笑)。甘くジューシー、複雑さに欠けます。

こんな訳でムスケンを高く評価しています。何か訳がありそうです。好奇心がうずいてきました(笑)。
除梗しているのに、なぜあんなに複雑なのか?
私の妄想は止まりません。
きっと技があるはず!

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昨日はご来店ありがとうございました。

Oct 30, 2011 by weblogland |
まずはイタリア、ウンブリアの『ヴィプラ・ロッサ 2009年』です。
「おー!カッコイイ!」
「いかにもイタリアですな(笑)。洒落てますよね。」
私「でも何本か、センターにあるべき蛇の紋章がズレています。このアバウトさもいかにもイタリアン(笑)。」
「そうそう。詰めの甘さがあるんだよね(大爆笑)」
さて味わいは?
「メルロ70%ですか?でもメルロの味がしませんね(笑)。ブラインドでやったら絶対に解らない。」
私「そーなんですよ。メルロのプラムの香りがしないんですよ。どちらかと言えばラズベリーやワイルドベリーの香りなんです。そうすると10%入っているモンテプルチアーノ種の香りに由来しているとしか思えません。」
「そーですな。あと入っているグルナッシュの香りではないですね。不思議ですな?」
「私は柔らかくてイイと思いますね。素直さが可愛い(笑)。」
とは言え、抜栓後2時間ほど経つとプラムの香りが出てきました。
「あー。とってもジューシー!イイわねコレ(笑)。」
「ちょっと軟弱な気もしますが…。」言葉に出せない貴兄、お気持ち察します。
やはりルックスと物腰の柔らかさは女性にモテる必殺技でした(笑)。さすがラテン!

さて次はスペイン、ナバラの赤ワイン『ゼゼン』です。干し杏の味わいが郷愁を誘います。
「あっ!柔らかで深い!キメが細かくて濃密。」
「そうそう、確かに干し杏だけど(笑)、かなり複雑に感じる。」
私「このワインいわゆるバスク地方のワインなのですが、昔のバスクワインのイメージとは違います。どうしようもないほどの頑強さがありません(笑)。ニュースタイルと言えます。」
「うーん。広がりはあるし、余韻も綺麗。」
「クリア過ぎない良さがあるね(笑)。」
私「そーなんです。果実味だけが突出していません。ニューワールドの今風のワインとは違います。」
「このワインはテンプラリーニョが多く入っているみたいですが、どの部分がテンプラリーニョの香りなんですか?」
私「テンプラリーニョは解りにくいんですが、寒暖差のある産地のものはりんごっぽいニュアンスがあると思います。やはり酸が残っていないとダメみたいです(笑)。」
「ところでラベルに描かれているのは牛ですか?」
私「そーです。牛です。バスクの人々は伝統的に牛肉を焼いて食べることを好みます。ですから、このワインも牛肉のローストに合わせてみたいですね。」

さて懐かしいクラシック・キャンティの登場です。『カイノーザ』 キャンティー・コッリ・セネージ 2008年です。
「前の二つと比べると熟成が進んでるみたいですね。」
家内「サンジョヴェーゼは色が抜けるのが早い傾向があるんですよ。色の割に味わいの熟成が遅かったりします(笑)。」
「おー、確かに!そんな感じ。色合い以上に若い(笑)。」
私「でもこのキャンティ臭いでしょう?土や鉄のニュアンスが強いです。私は結構好きなんですが、好みの別れるところだと思います。」
「私は好きだな。飲み飽きしなさそうだよね。」
「ところで、キャンティってサンジョヴェーゼですが、サンジョヴェーゼの味わいって何ですか?」
私「ベースの香りはオレンジです。オレンジの風味を意識して捜すと解りますよ。」
「あー!確かにオレンジがある(笑)。資格試験の勉強なんですが、なかなかテイスティングは独学じゃ難しいんです。助かります(笑)。」
私「高いスクールに行かなくとも、マスキューの試飲会に来れば自然に覚えられますよ(笑)。」

さてさてこれから後半戦です。南フランス・ラングドックのドメーヌ・フェリーヌ・ジョルダンの登場です。まずは2008年に初リリースされた赤からです。
「うわっ!こりゃ凄い!濃い!」
「でも飲みにくくない!?意地悪さがない。」
私「濃密さはネクターですよね(笑)。それでいてとてもエレガントなのです。」
ここで、本日参加して下さった輸入元の『ザ・ヴァイン』の鈴木さんがipadを持参してドメーヌの写真を見せて下さる好フォロー(笑)。
「へぇー、本当に水辺に葡萄が植わってる(笑)!」
「浜名湖の湖畔で葡萄栽培するようなモンですね。あそこも塩水入りますしね。」
鈴木さんがお土産で持ってきて下さった、柚子胡椒を練り込んだパンとこの赤ワインの相性もグッド。シラーのスパイシーさとマッチしました。
「だんだん海藻や塩辛さが出て来た!やはり塩水の影響ですかね?アイラモルトっぽい(笑)。」
私「葡萄果粒の種のタンニンが完熟したり過熟して葡萄果汁に溶け込むとフェノール臭がします。非常にワインを複雑にしています。」
時間の経過とともにペパーミントなどの香りも現れるシラーらしさ全開です。
「こんなに滑らかで飲みやすく、しかもシラーらしい味わいは初めてです。」
ドメーヌ・フェリーヌ・ジョルダン衝撃のマスキューデビューです!
試飲会の後で気がついたのですが、この赤ワインどこかの赤ワインにスタイルが似ているのです。
そうです!
アンリ・ジャイエのワインなのです。
濃密さにハイパーな密度感と、全方位に香りが強いベクトルで放たれるようになれば、まさにラングドックのアンリ・ジャイエになれます。
なれるかも?
なれたらイイな。
言い過ぎですかね(笑)。
良く考えてみたら、ジョルダンはかなりの低温でマセラシオンを行います。この点ジャイエと同じ。あと雑味がなく液体に曇りがありません。ラングドックにありがちな真っ黒い味わいのスタイルではなく、赤い明るさがある点秀逸です。突出したワインであることは間違いありません。
少なくともこのままあと数年したら、ラングドックのトップスターには必ずなるはずです!
この7000本のみのファースト・リリースの赤ワインは伝説になるのでは?

そして、最後の赤ワインは愛しのシャトー・モーカン2003年です。強烈なジョルダンの後で大丈夫か?
「これは旨い!良いボルドーだ!」
「まさに今ピークですね(笑)。何度も同じワイン飲みましたが、これほど伸びるとは…。底力ありますね。」
私「古酒になる前の一回目のピークですね。このワインを愛して余分にストックしてて本当に良かった(笑)。」
「あと何年後に古酒になるのですか?」
私「解りません。ある日いきなり古酒になるんです(笑)。」
「古酒になると味わいは変わるのですか?」
私「はい。変身するかのようです。昔シャトー・パフ・クレマンの1976年の古酒をブルゴーニュに間違えました(大爆笑)。ブラインドでは絶対に当たりません(笑)。」
私「あの強いジョルダンの後でも全く別の世界を見せますから、ビックリしました。エレガンスは力に勝る。うーん。モーカンには力に負けないエレガンスがあるというべきかも。」

さて最後にはドメーヌ・フェリーヌ・ジョルダンの白2010年です。
なぜ本日の一番最後にしたか、皆さんご納得いただけましたか(笑)?
「あっ!これも赤に負けない濃密さ。トロッとしてる(笑)。香りももの凄い。トロピカル。」
「そうそう万華鏡(笑)!」
「すべてが巨大(笑)。こりゃ説得力十分だね。今年のマスキューさんの試飲会は白が多かったけどベスト5には入るね(笑)。」
私「ありがとうございます。そう言っていただいて恐縮です。今年の試飲会で取り上げた白ワインを振り返ると、マロラクティック発酵をしないで、低温管理が徹底したワインを結果として多く扱いました。特に暖かい地方の地場品種を使ったワインのバラエティーは、目を見張るばかりでした。トレンドなんですね。」
「私はルーサンヌだいぶ飲みましたが、大体が線が細くシャバイものばかりでした(笑)。これも同じルーサンヌとは思えません。」
私「確かに。私もルーサンヌがこれほどのポテンシャルがあるとは驚きました。技術の進歩と栽培の尽力はワインの可能性を伸ばすんですね。」
「そうすると無理に木樽使う必要がなくなるかもしれませんね。」
私「逆にごまかしは効かなくなりますから、良いことになるかもしれませんね(笑)。」

赤・白とも衝撃のドメーヌ・フェリーヌ・ジョルダンでした。飲むべきワインです。

それではどうもありがとうございました。
鈴木さん、休みの日にわざわざありがとうございました。
皆さん!私が無理に呼んだ訳じゃありませんから、誤解のないよう(笑)。

失礼いたします。

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